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ブラキ神殿は、オラン市街の南の外れにある小さな神殿だ。オランではブラキ神の信仰はあまり盛んではないようで、利用者は一部の職人に限られているらしい。
神殿の中には1人の司祭がいた。彼もドワーフだ。
■ブラキ神殿前 |
☆From:セリス To:中の人^^; |
ごめんください。 マーファ神官のセリスと申します。よろしければお時間を頂きたいのですが |
ちょうど午後のお勤めが終わった後のようで、1 人のドワーフの司祭がひょこひょこと 顔を出した。
■ブラキ神殿 |
☆From:ブラキ司祭 To:マーファの神官殿 |
ワシはこの神殿を預ります、ブラキの司祭でグルズと申します。 どういったご用件でしょう。 |
グルズ司祭は壮年の温厚なドワーフで、頭髪には白髪が混じり始めている。
この神殿には彼しかいないようだ。
宗派が違うからといって、セリスを無碍に扱うということはない。
■ブラキ神殿 |
☆From:アフル To:グルズ |
すいません、ブラキ様の司祭のロドンさんを捜しているんですけど、どこにいるかご存知ですか? |
■ブラキ神殿 |
☆From:グルズ To:アフル |
オオ、ロドンですか。 いや、そう言えばおとといから姿を見ないようです。 ロドンがどうかしましたかな。彼はまだ若いがなかなかしっかりした子でね。 まさか彼に限って間違いはしないと思いますが、何かあったのでしょうか? |
心配そうにゴマ塩の眉を顰めるグルズ。
アフルは、どう言えば嘘をつかないで情報を聞けるだろう?としばし思案。
嘘をつけばセリスに怒られる。それはちょっとツライ。
■ブラキ神殿 |
☆From:アフル To:グルズ |
ええ、俺達はある人に頼まれて、ロドンさんを探しているんですが、 なんでも、ロドンさんは今殺人犯として追われてるらしいんで、 一刻も早く探し出さないとロドンさんの身が危ないかもしれないんですよ。 それでなんですけど、ロドンさんが立ち寄りそうな所かなんかに心当たりはありませんか? |
なるほど、これなら嘘ではない。
真犯人が他にいる「なら」、「もしかしたら」口封じのためにロドンを狙う「かも」知れない。そうなればロドンの身が危ない。
セリスを傷つけたくないと思うアフルの精一杯の誠意だ。
グルズ司祭はこれを聞いて驚愕した。
■ブラキ神殿 |
☆From:グルズ To:アフル |
な、なんですと!ロドンがさ、さ、殺人犯! いや、それはありえん事です。ロドンに限って殺人などする訳がない。 彼はこの神殿でブラキ様に仕える神官でもあるのデスから。 神に仕える身がどうして人殺しなどしますか? |
と言って同意を求めるように同業者のセリスの方を見た。
目があって、セリスは微笑んだ。
■ブラキ神殿 |
☆From:セリス To:グルズ |
(にっこり)私もその様に思っております。 しかし人の噂は時に残酷な物。ここまで疑いをかけられてしまった以上 真実であるにしろ虚偽であるにしろそれを証明せねばなりません。 その為にはあなたのお知恵をお借りする他頼る物が無いのです。 |
■ブラキ神殿 |
☆From:グルズ To:セリス |
オオ、あなたのいうとおりです。
ロドンの無実を証明するに如くはありませんです。 あなたがたが証明して下さるというならば、ワシでお役に立てることには協力を惜しみませんとも。 |
グルズは「我が意を得たり」とニコニコ。非常に協力的に話しはじめる。
■ブラキ神殿 |
☆From:グルズ To:アフル |
ワシが最後にロドンを見たのは、おとといの夕方頃です。
仕事中に怪我をした職人がおりまして、ロドンをそちらへ治療にやったのデスが、それを見送ったのが最後です。
ワシはてっきりそのまま家に帰ったものと思っておりましたが… ひょっとしたらまだその職人の所におるのかもしれません。 |
■ブラキ神殿 |
☆From:アフル To:グルズ |
なるほど、それじゃあその職人さんの住所を教えていただけませんか? 後、もしロドンさんがこちらの神殿に姿を見せたら、「銀の網亭」にまで連絡をいただけませんか? |
■ブラキ神殿 |
☆From:アフル To:グルズ |
行き先は、ライデン通りの奥の鍛冶工房です。
オラン市街の西のはずれになります。行けばすぐわかりマスよ。 ロドンが帰って来たら、必ずご連絡することを誓います。 どうか、彼をよろしくお願いいたします。 |
と言ってグルズは胸にかけた聖印を握った。
■ブラキ神殿 |
☆From:アフル To:グルズ |
ありがとうございました。 それじゃあ、その職人さんに話を聞いてみます。 |
■ブラキ神殿 |
☆From:グルズ To:アフル&セリス |
ロドンとあなたがたにブラキの加護がありますように。 |
ロドンが訪ねたという職人の工房はライデン通りにある。これからすぐ行ったのでは、集合時間に間に合わないかもしれない。アフルは一旦学院の方に戻り門のところに誰かがいたら言伝をして、鍛冶職人のところに話を聞きに行こうと思った。
セリスはついてきてくれるだろうか?
グルズに見送られてブラキ神殿を辞し、学院前に戻った頃には夕方近くなっていた。まだ誰も来ていない。どうやら一番乗りのようだ。
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