目覚め

(最終更新日: 1998/10/23)


ガリオ達学院の衛視は、眠っているカーランを縛り上げた。手荒に引き起こそうとするのを見てカヴァレスが注意する。

■バーレルン研究室
☆From:カヴァレス  To:ガリオ
おっと,衛視殿よぉ,ヤツを起こす前にいっておくぜぇ。
どうやらその隊長殿は死にてぇらしいぜぇ・・ クックック,こんなに良いガタイを持ちながらよぉ
精々良く調べて置かねぇと,この上カーランに死なれでもしたら恥の上塗りだぜぇ?

それに従って衛視がカーランの身体検査を行うと、懐から「アイオケーン」が出てきた。隅々まで調べてからカーランを手荒に引き起こす。その勢いで、彼の目が覚めた。しばらく呆然としていたが、ようやく状況を理解したようで、床に膝を突いて俯いた。

■バーレルン研究室
☆From:カーラン  To:独り言
私は… 失敗したのか?

■バーレルン研究室前
☆From:シュウ  To:カーラン
 失敗したっていうか‥‥『間違っちゃった』ね、カーランさん‥‥
 お父さんの無念‥‥もっと別な形で表せば成功してたかも‥‥よ?

カーランは一瞬顔を上げてシュウを見つめたが、すぐにガックリとうなだれてしまった。 最期の毒を取りあげられ、舌を噛もうとしたがそれも阻止された。
命を賭けた復讐に失敗し生き残ってしまったカーランは、涙ながらに訴える。

■バーレルン研究室
☆From:カーラン  To:冒険者
頼む、死なせてくれ…

アフルがとことことカーランのそばに寄って来た。奇麗事かもしれないけれど、これが偽らぬ本心。衛視やバーレルンに聞こえないぐらいの声で、こうささやく。

■バーレルン研究室
☆From:アフル  To:カーラン
生きていれば何かができる、と思いますよ。
まあ、これは俺の母さんの受け売りなんですけど。
(ボソッと)死んだらバーレルンさんの罪を暴く事もできませんよ。
(同じくボソッと)殺すのではなく、罰を与える、ということなら協力しますから…

しばらく沈黙があった。
カーランは、いまだ俯いている。アフルが離れようとしたその時、小さな声でではあるが確かにこうつぶやいた。

■バーレルン研究室
☆From:カーラン  To:アフル
…ありがとう

カヴァレスは、最後の謎を問い掛ける。

■バーレルン研究室
☆From:カヴァレス  To:カーラン
ククク,お目覚めかぁ?隊長殿よぉ。
ロドンってぇ野郎は何処に隠しやがったんだぁ?

■バーレルン研究室
☆From:カーラン  To:カヴァレス
彼は、私の私宅にいる。
早く助け出してやってくれ。

■バーレルン研究室前
☆From:シュウ  To:カーラン
 にゅ。教えてくれて、ありがとぉ(^^)

それが、カーランの最後の言葉だった。後ろ手に縛られ、猿轡(自殺防止)を噛まされた状態で連行されていく。もう抵抗することはなかった。

ようやく平常心を取り戻したバーレルンは、カーランが連行されるのを見て、こう悪態をついた。

■バーレルン研究室外
☆From:バーレルン  To:カーラン
ふん。愚か者が…
早く愚かな父の元へと行くんだな。

聞きとがめたシュウがアフルに耳打ちする。

■バーレルン研究室前
☆From:シュウ  To:アフル
 (バーレルンに聞こえないように)
 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥(--;
 ねぇね、りぃだぁ。あのおっちゃん、このままのへのへと暮らすのぉ?
 ‥‥‥なんか、カーランさんが可哀相だよぉ‥‥‥
 なんとかして、あのおっちゃんの悪事をバラすコトってできないかなぁ‥‥(--#

気持ちはみんな同じだろう。
バーレルンのところに、学院の衛視が駆け寄って来た。

■バーレルン研究室外
☆From:学院詰め衛視  To:バーレルン
恐れ入ります、バーレルン師。
2、3事情をお伺いしたいのですが、お時間をいただけますでしょうか?

バーレルンは、鷹揚にひとつ肯いて衛視の後について階段を下って行った。

ガリオはカヴァレスとその仲間に目で挨拶をして、その後について行く。去り行くガリオの背中に向かって、カヴァレスが釘を刺す。

■バーレルン研究室
☆From:カヴァレス  To:ガリオ
よぉ,もしこのままバーレルンの野郎が釈放になっても目を離すんじゃぁねぇぜぇ?
なぁに,ちぃと気になる事が有ってなぁ。 悪いようにはしねぇ,クク,出世のチャンスが来ると思ってしっかり見張っておけやぁ。

■バーレルン研究室
☆From:ガリオ  To:カヴァレス
ああん?
まぁ、他でもないカヴァレス先生の言うことだからな。 わかったぜ。十分気を付けることにしてやるよ。

■バーレルン研究室前
☆From:シュウ  To:ガリオ
 (カヴァと話しているのを見て)
 あっあの、あたしカヴァと一緒に仕事した者なんですけど‥‥‥
 カーランさん、すぐに殺さないで欲しいんだ。 っていうか、あの、んと、今回の事件は、ただの殺人事件じゃないってわかったから‥‥
 どうして衛視隊長であったカーランさんが、あんなコトしたのかってのを、 ちゃんと調べてあげて欲しいんだ。
 こんなコト頼める義理じゃないかもしれないけど‥‥でも、んと、あの、 カヴァの知り合いサンなんだよね?
 あたし、貴方以外に頼めるヒト知らないんだ‥‥お願いだよぉ(TT)

たどたどしいが、一生懸命に説明しようとするシュウ。
「貴方以外に」と言われてガリオは照れくさそうに鼻の頭を掻く。

■バーレルン研究室前
☆From:ガリオ  To:シュウ
そう言われると、なんだかくすぐってぇなぁ。
なんだかよくわかんねーけど、わかったぜ。 ちゃんと調べるよ。
カヴァレスといいあんたといい、他人のことに一生懸命な 奴ってのは好きだぜ。

シュウは、ロドンを探しにカーランの私宅捜索隊に加わり、カーラン邸へ向かった。

他のメンバーはバーレルンの戻りを待つ。
だが、バーレルンはそのまま帰ってこなかった。



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