シュウは、暗黒魔法を唱えようとするカーランの腕にめがけて飛び掛かった!
しかし、シュウのジャンプは残念ながらカーランの腕に届かなかった。
カーランの詠唱は続いている。
■バーレルン研究室 |
☆From:シュウ To:バーレルン |
バーレルンさんっ!倒れてっ!!! |
シュウの声は硬直したバーレルンには届かない!
■バーレルン研究室 |
☆From:アフル To:カーラン |
だめだよっ!! |
アフルは、レプラコーンの力を借りた。呼び出した精霊にさらに力を与える。
精霊魔法のコンフュージョンが発動した。カーランはレプラコーンに捕えられた!魔法をかけようとした姿勢のまま呆然としている。
セリスは、状況を見守っている。
ジョンは防御専念。
カーランは状況が理解できず、動けない。
バーレルンも、突然の状況に頭がついていかず、相変わらず杖にすがりついている。
まるでそれだけが自分の拠り所であるというように。
■バーレルン研究室 |
☆From:カヴァレス To:? |
ククク,全くご立派な隊長殿だぜぇ・・・ファラリス信者とはよぉ。 さて,残念だが依頼人を殺られたとあっちゃぁ次の仕事にさしさわるんでなぁ。 プロテクション! もっとも,今は聞こえちゃぁいねえかぁ?隊長殿よぉ。クッククク・・・ |
カヴァレスの対象は動けないバーレルン。今死んでもらっては報酬に差し障る。
カヴァレスが呪文を唱えるが早いか、バーレルンの身体を魔法の鎧が包んだ。
この鎧は身体に与えられる傷を少しだけ防いでくれる。
■ バーレルン研究室 |
☆From:ユリ |
万能なるマナよ・・・偉大なる原理よ・・・・我が友に光りし薄き衣を・・ ・・・・ |
ユリはカウンター・マジックを、果敢にも突撃したシュウと逃げられないバーレルンに。 シュウとバーレルンの身体を柔らかく魔法の衣が包む。シュウとバーレルンの魔法への抵抗力が増した!
セリスは、いつでもマーファの癒しの力を借りられるように準備を整えている。
アフルの一世一代のコンフュージョンが決まり、カーランは混乱している。バーレルンの肩に左手を触れた姿勢のまま呆然と立ちつくしている。右手には例の剣を握ったまま。
バーレルンは歯の根も合わず、メイジスタッフに取りすがってガタガタ震えている。
■バーレルン研究室 |
☆From:シュウ To:バーレルン |
!! バーレルンさんっ!早く離れてっ!!さぁ、こっちこっち!! |
シュウはバーレルンを部屋の隅に後退させて、野次馬に向かって叫ぶ。
■バーレルン研究室 |
☆From:シュウ To:ALL&そとにいるだろう野次馬 |
ねぇっ!お願いだから学院の衛視さん達呼んできてよぉ! 早く早くっ!ハンニン捕まえないと‥‥(後半声が小さくなります) |
騒ぎを聞いて集まっていた人垣から、2、3人が離れて走っていく。
■バーレルン研究室内 |
☆From:アフル To:バーレルン |
バーレルンさん、離れて!! |
アフルも、部屋の隅に移動したバーレルンの元へ走り、何とか部屋の外へ移動させようとする。
■バーレルン研究室前 |
☆From:カヴァレス To:おおる |
よぉし,ちんまい勇者殿よぉ,そのままこっちに走ってこいやぁ。
ククク,そこで一緒におねんねしてぇってぇなら構わねぇがなぁ? リーダー殿よぉ,この物騒な隊長殿にゃぁ少しばかり眠ってもらうぜぇ。 "ユリ"嬢ちゃんも頼んだぜぇ? |
カヴァレスの言葉にユリがコクリと肯く。
■バーレルン研究室前 |
☆From:シュウ To:カヴァレス |
えっ!?あ、うん、わかったぁ! 「おねんね」しちゃ危ないから、今からそっちにいくね! |
シュウもアフルに協力し、急いでバーレルンを移動させる。
セリスは、カーランの混乱が解けた時にタックルして動きを封じようと身構える。
ジョンは防御専念。
カーランは混乱しながらも再びファラリスに祈った。自分にサニティをかけるが、 アフルの呼び出した精霊の前に祈りはかき消された。まだ混乱から醒めない!
■バーレルン研究室前 |
☆From:シュウ To:バーレルン |
みんなが魔法かけるから、早く部屋の外へ! 大丈夫!あたしとリーダーが守るから‥‥ |
この隙に、アフルとシュウは震えているバーレルンを素早く部屋の外に待避させた。カーランの目だけが凄まじい表情でバーレルンを追う。が、身体がついてこない。
アフルは移動しながら、扉の外の野次馬にまぎれていたリーファに声をかける。
■バーレルン研究室内 |
☆From:アフル To:リーファ |
リーファ、俺達が離れたらスリープクラウドをかけて!! |
リーファは慌てて人垣の前に出て、魔法を使う準備を始めた。
ユリは野次馬にも声をかける。
■バーレルン研究室 |
☆From:ユリ To:やじ馬 |
みなさん!お願い!あの騎士を魔法で眠らして! バーレルン師が襲われてるの! |
野次馬達は戸惑いながらも、持っているものはそれぞれのメイジスタッフを構えた。
これだけ魔法使いがいれば、もしカヴァレスとユリの魔法が外れても他の誰かの魔法が効果を現すだろう。
室内にカーランだけが残ったところで、アフルが合図を送る。
■バーレルン研究室内 |
☆From:アフル To:カヴァ&ユリ&リーファ |
今だよ!! |
魔術師たちは一斉に呪文を発動させた!
■バーレルン研究室前 |
☆From:カヴァレス To:カーラン |
クックック・・・良い子はおねんねの時間だぜぇ? 眠っちまいなぁっ! |
カヴァレスの魔法が発動した。カーランを残した室内には眠りを呼ぶ雲が湧きあがる。 カーランは歯を食いしばってこれに耐えようとしたが、最後まで持ちこたえることはできなかった。
■バーレルン研究室 |
☆From:ユリ |
マナよ・・・・・偉大なる原理よ・・・・・・安らぎの雲をもたらし給え・・・・・・ |
ユリの魔法も発動した。リーファも、他の魔法使いの呪文からも眠りの雲が作り出された。
狭い研究室内にはもうもうと眠りを誘う雲がたち込めている。
雲が薄れて来た。カーランは部屋の中央でうつぶせに倒れている。熟睡しているようだ。こころなしか、安らかな寝顔のようにも見える。
セリスもゆっくり構えを解いた。
シュウは、最初の攻撃が外れたことを喜んだ。カーランに怪我をさせないで阻止することができたのだから。眠りの雲が完全に薄れたのを見計らって、カーランのそばにそっと近づく。せっかくの安らかな眠りを覚まさないように、そーっと彼の右手から緋色に染まった復讐の剣を取り上げる。
冒険者の勝利を見て、見物人からも安堵のざわめきが起きる。
野次馬の中から、今呼ばれてきたばかりの学院の衛視が人垣をかきわけて近づいてくる。
カヴァレスの友達の衛視ガリオも来ている。ヒュウと口笛を吹いてカヴァレスに話し掛ける。
■バーレルン研究室前 |
☆From:ガリオ To:カヴァレス |
やるじゃねーか、カヴァレス。見直したぜ。 |
■バーレルン研究室前 |
☆From:カヴァレス To:ガリオ |
これはこれは衛視殿,お役に立てて光栄だぜぇ。 しかし学院騒動を外部のモンが解決たぁ・・・ククク,頂けねぇなぁ,おい? 増してや犯人は・・・クク,なぁ,そう思うだろぉ? |
■バーレルン研究室前 |
☆From:ガリオ To:カヴァレス |
そう嬉しそうな顔をするなって。 俺様のサイン入りで感謝状でも書いてやろうか? |
と言って自分のジョークに大笑いしそうになるが、慌てて口を塞ぐ。カーランが起きたら一大事だ。
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