ライデン通りの詰め所へ到着した。
この通りは早々と商売を終える店が多く、周囲はひっそりとしている。しかし、詰め所にはランプの明りがともり、夜勤の衛視が 3人、のんびりとカードをしながら詰めていた。カーラン隊長はどこへ行ったのか、姿が見えない。
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ノイン衛視 |
こんばんば(^^)。お仕事ご苦労様なのだ☆ えっと、えっと、ジャックさんの件について、その武器を見せてもらいにきました。 この件について、隊長さんのカーランさんから調査をお手伝いする許可もらってるし、武器を見にきたのは「アハレート」さんに武器の保管場所を教えてもらったからなんだけど‥‥‥武器見せてもらえますぅ?? |
呼びかけられたノインが、カードをめくる手を休めて応対する。
■詰め所 |
☆From:ノイン衛視 To:シュウ |
ああ、例の冒険者か。いいぜ、持ってきてやるよ。ここで待ってな。 しっかし、物好きだよなぁ、あんたらも… |
とかなんとかぶつぶつ言いながら奥に引っ込んだ。
が、すぐに青い顔で引き返してきた。
■詰め所 |
☆From:ノイン衛視 To:ツイエン&ジーベン |
な、無いっ! おっ、おい、大変だ。剣がないよ!お前たち、どうしたか知らないか? |
呼びかけられた仲間の衛視も呆然と首を横に振っている。 口々に「知らない」と言うばかりで、3 人ともオロオロしている。
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ノイン衛視&ツイエン衛視&ジーベン衛視 |
みゃぁ!武器が無くなっちゃったんですか!それは大変だぁ! これって、これって「盗難事件」になるのかなぁ? 大変、大変、衛視さん達よばなくっちゃぁ‥‥‥って‥‥ここがそうかぁ(^^;(てへへっ) ‥‥ ねぇ、ノインさん。いつ頃まで剣があったか覚えていますか? あと、この詰め所に出入りしたヒトとか教えてもらえると嬉しいな。 あたし達、衛視さん達のお手伝いしたいんだ(^^)。 もし良かったらその剣を保管していた場所見せてもらえるかなぁ? 手がかりとか見つかるかもしれないでしょう? |
■詰め所 |
☆From:ノイン衛視 To:シュウ |
いや、さっきまでは確かにあったんだ… さっきってのは、賢者の学院で捜索が終わってここに帰ってきた時だ。 2、3 持ってきたものをしまった時に隊長と一緒に見たから間違いない。 出入りしたヒトは…。 俺達衛視しかいないはずだ。あれからは誰も尋ねては来てないし… |
オロオロするばかりのノイン衛視をさえぎって、気を取り直したツイエン衛視がシュウに話し掛ける。
■詰め所 |
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
衛視詰め所で盗人に入られたなんてシャレにもなんねぇよ。 あんた、グラスランナーだな? |
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
うん、あたしグラスランナーだよ(^^)。おっちゃん、よくわかったね(てへへっ) 確かに衛視さんの詰め所に盗人がはいられた‥‥ってシャレにならないもんね(^^; |
■詰め所 |
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
そりゃ〜、俺だってグラスランナーくらい知ってるぜ。 グラスランナーってのは生まれつき目端が利くそうじゃないか。 ノインの馬鹿野郎の目が節穴なのかもしれねぇ。 いっちょ調べてみねぇか? |
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
目端がきく‥‥(*^^*)(誉められたと感じて、ちょっと嬉しいらしい) うんわかった(^^)。おっちゃん、あたし調べるの手伝ってあげるにゅぅ(^^)v これでもちょっとは腕に覚えがあるんだ(^^)。まーかしてっ☆ |
■詰め所 |
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
よっしゃ。こっちだ、付いて来な。 |
シュウは地下倉庫に案内される間、ツイエンに質問を浴びせ掛けた。
● 剣の大きさはどのぐらいだったのか(カーランにも聞いていますが念のため)
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
普通のロングソードだ。 片手でも両手でも持てるような奴(いわゆるバスタードソード)だったぜ |
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
ここに配属されてるのは 5 人だな。あと、隊長がいる。 ここしばらくは賢者の学院の事件で応援を頼んでるからもう少し人が多かったが、地下まで入るのは俺達だけだぜ |
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
服の中には入らねぇだろうが、マントの陰とかになるとわからねぇなぁ。 そんなに小さなモンじゃねぇよ |
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
マントの陰に隠せるってコトは‥‥‥ 悪い方向に考えたくないケド、だれかが‥‥かもしれないんだ‥‥ |
ツイエンが地下倉庫の扉を開ける。中に入ると、その一画に設けられた棚に証拠物件が保管されていた。床は土がむき出しになっている。シュウは早速あちらこちらにへばりつき、入念な調査を開始した。
● 入り口について(鍵の周辺、壊された形跡はないか?)壊されたり傷つけられたような形跡はない。● 室内は荒らされていないか
荒らされたようすはない。● ツイエンに変わった個所はないか?と聞く
☆From:ツイエン衛視 To:シュウ |
変わったようすはねぇなぁ…。 そこの壁に立て掛けてあった剣がなくなってること以外は。 |
んん〜?暗くってよく見えないぞぅ…?(笑)● 足跡(ないだろーけど‥‥)
地下倉庫の床は土なので足跡はいくつも見つかった。 しかし、ツイエンがはいているのと同じような靴の跡ばかり。 つまり、この詰め所にいて、地下倉庫に入る権利を持っている人以外の人が入った形跡はないと言える。
■詰め所地下倉庫 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
にゅぅ‥‥衛視サン達以外の足跡が‥‥ない、これーはない。 ってコトは、この剣は衛視の誰かが持っていったってコトになるの!? ‥‥‥そんなの考えたくないにゅぅ‥‥‥ |
■詰め所 |
☆From:ツイエン To:シュウ |
俺も考えたくねぇな。しかし、一体誰が? …おい、俺じゃねぇよ。そんな目で見んなよ。 |
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
だよね(^^; あたしも考えたくないもん(^^; |
入念な調査で衛視も剣が本当に無いことに納得した。ため息を吐きながら、とりあえず上へ戻ろう。
衛視によるとカーラン隊長は現在巡回中で、巡回を終えるとそのまま帰宅する予定になっているとのこと。
巡回場所は特に決まっていないので、途中で捕まえるのは無理だろう。
■詰め所 |
☆From:シュウ To:ツイエン&衛視 |
ねぇね、このコト隊長のカーランさんに伝えたほうがいいと思うんだ。 だって、剣って事件のたいせつな、たいせつな証拠品でしょう? それがなくなったんだモン!一大事だと思うんだ。 隊長さんって、今巡回中なんでしょう? だったらさ、夜遅いけど‥‥今から隊長さんのお家に言って報告したほうが いいと思うんだけど‥‥ねぇね、どう思う?? 大変なコトの報告が遅くなると、 とっても怒られると思うんだけどなー‥‥‥(ぼそそっ) |
■詰め所 |
☆From:ツイエン To:シュウ |
そうだな。悪いことほど早く報告しろってのが隊長の教えだぜ。 隊長の家まで行ってみよう。 |
ツイエンが一緒についていく。怒られに行くのは気が進まないが、黙っていたらもっと怒られるに違いない…。
程なくして、マイリー神殿の近くにあるカーランの屋敷に到着した。かなり大きなお屋敷なのに、まったく人の気配がない。カーランはまだ帰宅していないようす。
■カーランの家の前 |
☆From:シュウ To:カーラン |
(ノックをしながら) すいませーん。カーランさーん。こんばんはー 大変なコトが起きちゃったから、知らせにきましたー(どんどんどん) |
ノックに答える者は誰も居ない。このくらい大きな屋敷ならつきものの使用人の姿も無い。ツイエンが舌打ちした。
■カーランの家の前 |
☆From:ツイエン To:シュウ |
ちっ、まだ帰ってらっしゃらねぇようだな。 そういや、最近隊長は召使いに暇を出して 1 人で住んでるって言ってたぜ。 こいつは、中にゃ誰も居ねぇなぁ… |
■カーランの家の前 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
にゅにゅぅ?召使さんを帰しちゃったの?なして? 誰かその代わりになるヒトでも見つかったのかなぁ‥‥(どんどんと扉を叩いている) |
■詰め所 |
☆From:ツイエン To:シュウ |
いんやぁ、 1 人で暮らしてるって話だぜ? 俺達は金にでも困ってんのかなぁと思ってたんだ。 |
■カーランの家の前 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
ふぅーん‥‥ 何かあったのかもしれないね?でも、あたしわからないや(^^;;;(てへへへへっ) |
なんておしゃべりをしながら、カーラン邸の前で待つことしばし。シュウは飽きはじめたか?
■カーランの家の前 |
☆From:シュウ |
はーやーくーかえってこないかなー‥‥? (夜も遅いので、ぢーっと家の前で待っている) |
待てど暮らせど、カーランは帰ってこない。しばらくすると、ツイエンは帰りたいそぶりを見せる。
■カーランの家の前 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
にゅぅ‥‥まってても来ないみたいだねぇ〜〜 ねぇね、おっちゃん。この事件のコトは、 明日の朝一番にカーランさんに伝えた方がいいとおもうんだ。 頼めるかなぁ? |
■詰め所 |
☆From:ツイエン To:シュウ |
わかった。俺が報告するぜ。 |
■カーランの家の前 |
☆From:シュウ To:ツイエン |
ありがとぉ(^^) んじゃ、おやすみなさーい(^^)/~ |
■詰め所 |
☆From:ツイエン To:シュウ |
おお、遅くまでご苦労さん! |
シュウは銀の網亭に戻ることにした。
銀の網亭に帰る前に、一応話に出た「ロマ宝石店」も偵察しておこう、とカヴァレスは思い立った。ただし、今晩は時間が遅いこともあり、外からようすをうかがうだけに止めることにする。
ロマ宝石店は、常闇通りの外れにあった。
賑やかな通りから一本入った所で、通行人はまばら、道は暗い。
たまに通る人はあまり人柄のよさそうな人とは思えない。
…カヴァレスなら違和感ないカモ知れないが。
通行人は胡散臭げに冒険者を横目で見て、無言で通り過ぎていく。
入り口は狭く、店と店が密集している。
ロマ宝石店にはショウウィンドウのような、商品が外から見えるような窓はない。漆喰の壁に木の扉が閉まっていて、小さくて小洒落た金文字の看板が見えにくいところに掛かっている。典型的な「一見さんお断り」の風情が漂っているようだ。扉が閉まっているので、中のようすをうかがうことはできなかった。
カヴァレスはそれだけ確かめると、銀の網亭に向かってゆっくりと歩き出した。
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