玄関では、待ちくたびれたシュウがリュートを弾いている。受付の人も楽しそうに体を揺らしている。殺伐とした館内から一転、そこはのほほーんとした雰囲気に包まれていた。
■学院の玄関前 |
☆From:アフル To:シュウ |
(リュートを弾いてるシュウを見て) あっ、シュウのほうが早く用が済んだんだ。 こっちは殺された人の部屋を見せてもらえることになったから、シュウも一緒に来てよ。 何でも、殺されたのはバーレルンさんの親友らしいんだ。 |
■学院の玄関前 |
☆From:シュウ To:アフル |
みゃみゃ☆(^^)/ 殺された人の部屋‥‥って?‥‥ああ、ばーれるんさんの同僚が殺されたってハナシか。 うんうん、あたしもちゃんと(バイナルさんから)聞いているぞ♪ しっかし、「司祭探索」で仕事引き受けたハズなのに、いつのまにか殺人事件の犯人探しに なっちゃったねぇ‥‥こりゃ、ちぃとばかりキケンかもね(^^;;; |
リュートを素早く仕舞って、
■学院の玄関前 |
☆From:シュウ To:ALL |
あ、そぉそ♪バイナルさんから聞いてきたんだけどねぇ‥‥ばーれるんさんって、
すっごく武器が嫌いなんだって。
だから、あのおっちゃんと「仲良く」お話するためには武器はご法度らしいけど‥‥
(学院の受け付けのほ〜をチラっと見て)
この様子じゃ学院内に武器を持ち込むのも大変みたいだよね(^^;。
(こっからひそひそ声) |
■学院の玄関前 |
☆From:アフル To:シュウ |
うん、分からない分からない。 それで大丈夫だと思うよ。 |
■学院の玄関前 |
☆From:シュウ To:アフル |
(にぃっ☆と笑って) そぉそぉ(^^)。んじゃ大丈夫だよね♪ |
その時、門の所に少女の姿が見え隠れした。… セリスだ!
■学院前 |
☆From:セリス To:? |
(ちゃり・・・ちゃり・・・)<チェインの音(笑) 途中から顔を出すのも失礼ね。 (と、みんなが出てくるのを待つ(笑)) |
■学院の玄関前 |
☆From:アフル To:セリス |
あれ、セリス、もう大丈夫なの? なんか見つけてほしい人っていうのが、バーレルンさんの親友を殺した人らしくて、 その親友の人の部屋をこれから見せてもらうんだけど、セリスも一緒に行こうよ。 |
■学院前 |
☆From:セリス To:アフル |
いいですよ。いつまでも寝ていたらお役に立てませんから(にっこり) |
■学院の玄関前 |
☆From:ユリ To:セリス |
ほんとうに大丈夫? あまり、無理しないでね。 |
これで、ようやく全員揃った。
■学院の玄関前 |
☆From:シュウ To:ALL |
にゅにゅん♪セリスねぇちゃんも来たし♪んじゃ、さっそくその「げんば」ってトコに行こうよ♪ ‥‥の前に。 ねぇね、依頼主のばーれるんさんに仕事のハナシ聞きに行ったんだよね?もしよかったらさ、 その聞いた内容教えてくれると嬉しいな♪ ちぃと仕事の内容をまだ完全には理解してないから‥‥たはははは(^^;;; (シュウはぽりぽりと頭を掻いています(^^;) |
■学院の玄関前 |
☆From:アフル To:シュウ |
あ、そうか。 ええと、結局、探してほしい司祭の人ってのが、ロドン=ライラーって言うんだけど、バーレルンさんの親友を殺した人らしくて、その人を捕まえて衛視に突き出せってさ。 てっきり、単に行方不明になった人を探すんだと思ってたら、殺人犯を捕まえろ、だからなぁ。 それに、もしその司祭の人が犯人じゃなかったら本当の犯人を探せって言うし。 まあ、その場合は報酬を割増って事にしてもらったけど(笑)。 |
■学院の玄関前 |
☆From:ユリ To:シュウ |
でね、アフルさんが上手く交渉してくれて6人に均等に割れるようにしてくれたの。 でも、情報屋さんとかに使う経費は報酬とは別に払ってくれそうにないみたい。 あっ、大事な事を言うの忘れてた。(^^; えとね、今回の事件の事をあまりおおっぴらにして欲しくないって。 それから、これは推測だけどバーレルンさんってまだ何か大事な事を隠してるみたい。 (と腕を組んで考えている。) |
■学院の玄関前 |
☆From:シュウ To:ユリ |
ぅわおっ♪アフルっ♪さっすがリーダー、よくぞ割り切れるよぉに値段交渉成功したにぃ(^^) んでも、情報収集料込みかぁ‥‥あ゛あたしあんまり今お金持ってないから‥‥ できたら前金ちこっとわけてもらえると嬉しいな(^^;。ギルドで聞く時って、 ぜったい必要だもん。
んで、「おおっぴらにしない」って‥‥うーん?
「あたし達がロドン=ライラーを探している」ってのは隠しようがないよにぃ?
じゃないと、後でギルドに聞きに行った時に、あたしなんて聞けばいいかわからないもん(^^;。
あ、でも「ばーれるんのおっちゃんがロドンを探している」ってのを秘密☆にしてるのか、
それとも「ばーれるんがハンニンを探してる」ってのを秘密にしてるのか。 |
■ユリ先生の単語教室(第一回目) |
☆From:ユリ先生 To:読者の皆さん |
さて、皆さん、毎度お馴染みのユリ先生で〜す。 今日は「おおっぴら」についてお話しましょう。(^^) 「おおっぴら」と言うのは実は「おおびら【大びら】」から 変化した言葉なんですよ。 また、大開きの意味からも来ています。 この事からも分かるように、人目をはばからない様、又は、誰にも、 遠慮しない様。と言う意味になるんですね。 では、今日の授業はここまで、皆さんまたいつか会える日まで....。 ....つづく? |
ドコ向かって話してんの?
■廊下 |
☆From:ユリ To:シュウ |
「おおっぴら」言うのは、大体こんな意味よ。 だから、この場合大事なのは不特定多数の人に言ってはいけないってこと、通行人に行き成り聞くような聞き込み捜査や、あまり情報を持ってなさそうな人に聞く事は止めておいた方がいいわね。 え〜と、「私達が犯人を探してる」と言うのもやっぱり、不用意に人に話さない方が言いと思うけど。どちらにしても聞く人は絞り込む必要がありそう。 これからジャック=スロークソルムさんのお部屋に行くけど、組織だった衛兵さん達にはやっぱり言わない方がいいのかなぁ。う〜ん。 とにかく、バーレルンさんからは、おおっぴらにする事によって警戒され私達自身が犯人を見つけ出せなくなるって言われただけ。 それから、バーレルンさんが犯人を探しているって言うのも伏せておいた方が良いわね。 どんな商売も顧客の情報は漏らすべきじゃないと思うから....。 |
シュウもバイナルに聞いた話をセリスに耳打ちして情報交換は終わった。
準備が整ったところで改めて、アフルは受付に入館をもちかける。
■学院の玄関前 |
☆From:アフル To:受付の人 |
すいません、殺されたジャックさんの部屋を見せてほしいんですけど。 バーレルンさんの許可はもらってるんですけど、だめですか? |
■学院の玄関前 |
☆From:受付 To:アフル |
えっ?ジャック=スロークソルムの部屋ですか? はぁ…。じゃあ、もう一度こちらにご記入お願いしますね。 |
というわけで、全員訪問先を「ジャック=スロークソルム」に書き換えて、再度記帳をするはめになった。面倒臭いが仕方ない。
■学院の玄関前 |
☆From:受付 To:リーファ |
それでは、また案内人が付きますので…。 あ、リーファ=ウェンディア君。ちょうどいい、頼まれてくれないかな。 この人たちをジャック=スロークソルム師の部屋まで案内してくれ。 バーレルン師が何やら頼んだらしいので、衛視にもよろしく言ってくれよ。 |
■学院の玄関前 |
☆From:リーファ To:受付 |
あ、はい。ついでですからいいですよ。 |
というわけで、今度は通りかかりの学院の人 リーファ君 23 歳に案内されて、一同は再度学院の内部に入った。
リーファはなにやら重たそうな本を何冊も抱えている。アフルが見かねて声をかける。
■学院の玄関前 |
☆From:アフル To:リーファ |
よろしく、リーファさん。 その本重そうですね。何冊か持ちましょうか? |
■学院の玄関前 |
☆From:ユリ To:リーファ |
あっ、私も手伝います。 (と言って、重そうな本を数冊抱える。で、にっこり微笑んでみたりして....(^^;) |
■学院の玄関前 |
☆From:リーファ To:アフル |
ああ、すみません。気を使わせちゃって。じゃ、よろしくお願いします。 さぁ、こちらです。どうぞ。 |
それじゃ、アフルが半分ぐらい持って、残りから何冊かをユリが持つと言うことで。けっこう重たいですから階段など気を付けて。
■廊下 |
☆From:ユリ To:ガヴァレス |
ちょっと、ガヴァレスさん! アフルさんにだけこんなに本を持たせたりしたら可愛そうでしょ。 ガヴァレスさんも一応男の人なんですから、これ持って。 (と、ガヴァレスの胸に本を押し付ける。) |
ああ、大変だぞカヴァレス。重い本を抱えて、果たしてちゃんと階段を上れるのか?!ジャックの部屋は 4 階だぞ。
■廊下 |
☆From:カヴァレス To:ユリ |
クク・・・よぉ,"ユリ"嬢ちゃんよぉ・・・ (ユリの物言いに何か反論しかけた・・・が!) |
■廊下 |
☆From:シュウ To:ユリ&カヴァレス&ジョン |
(けらけらと笑いながら) ゆっユリねぇちゃんっ、(けらけらっ) 本を持つお手伝いはいいけど、それをカヴァに持たせるだなんて、(けらけらっ) ひんぢゃくぅ〜なカヴァにとっちゃ、かなり大変だよぉ(^^)。ね、カヴァ♪ (とぺちぺちとカヴァを叩く)
(ふと皆を見て) |
自分の名前が出たのでジョンはすかさずフォロー。
■廊下 |
☆From:ジョン To:シュウ&ユリ |
(シュウさんの方を向いて) ああ、これは失礼しました。もちろん持たせていただきますよ。女性に重いものをも たせる訳には行きませんので。 (ユリさんの方を向いて) 失礼します。よっこら。(と言って横から本を受け取ります)。 |
■廊下 |
☆From:ユリ To:ジョン |
あっ、それは私が持ちますから、ジョンさんはアフルさんのを半分持ってあげてくださいね。 (と、ジョンから本を受け取る。) |
えーと、アフルがリーファから半分受け持って、残りの半分をユリが取って、ジョンがアフルの持ったのを半分受け取って…。仲良く4人で4分の1づつ。ご名算。
ところでカヴァレスは?
■廊下 |
☆From:カヴァレス To:ユリ&シュウ |
・・・・・・・・・・・・・・・・・。 (どうもシュウは苦手らしく,苦虫を噛み潰したような顔(といってもフードで見えませんが(^^; )をしたきり黙って歩を進める) |
なるほど、これが外付け翻訳機の効果か…。
さて、気を取り直してユリはリーファに取材を開始する。
■廊下 |
☆From:ユリ To:リーファ |
(横に並んで、本を抱えてお得意の微笑み攻撃ぃ〜。) ちょっとお聞きして良いですか? ジャック=スロークソルムさんって何の研究をしてらしたの? 後、ジャックさんと、え〜と、ドワーフのロドン=ライラーさんってどうして対立していたか知ってらっしゃいますか? |
■廊下 |
☆From:リーファ To:ユリ |
えーっと、主にコモンの研究をされていたようですね。共通語魔法です。 ドワーフと対立…ですか?うーん、なぜでしょうね。 残念ながら私はよく知りません。 まだこちらに配属されて間もないものですから。 お役に立てなくてすみません。 |
リーファは申し分けなさそうにユリに微笑みかえす。
■廊下 |
☆From:ユリ To:リーファ |
いえ。こちらこそ、ごめんなさい。 (リーファの耳もとでささやく。) 実は今、今回の事件について調査してるんです。私達、探偵さんなんですよ。(^^) リーファさんって良い人みたいですし、この事は秘密にしておいてくれますよね。 でね。何か今回の事件について知ってる事ありませんか? どんな些細な事でもかまいません。 (はたから見ると、ほとんど耳に息を吹きかけてるみたいに。(^^;) |
■廊下 |
☆From:リーファ To:ユリ |
うはは、くすぐったいですよ。 ええ、秘密ですね。わかりました。がんばってくださいね、探偵さん。 些細な事ですか…うーん。 殺されているのが見つかったのは、おとといのお昼ちょっと前位だったんです。 殺された方のお弟子さんが見つけられたそうですよ。 誰が知らせたのか、衛視さんたちの駆けつけたのがお昼位で、結構早かったんですよ。 だから、彼らの調べはだいぶ進んでるんじゃないですかねぇ。 |
■廊下 |
☆From:ユリ To:リーファ |
いろいろありがとうございました。おかげで参考になりました。(^^) これで少なくとも一人は捜査線に浮かんだってことよね。 (かなり、探偵気取ってます。) |
リーファは微笑んでユリを見ている。「面白い娘だなぁ…」(心の声)
やがて一同はジャックの部屋の近くに到着した。さっきのバーレルンの部屋の一階層下になる。
■廊下 |
☆From:ユリ To:リーファ |
くすっ。 ご案内ありがとうございました。 勉強がんばってくださいね。 |
■廊下 |
☆From:リーファ To:ユリ |
はいはい。君もがんばってね、探偵さん。 |
■廊下 |
☆From:ユリ To:リーファ |
(リーファが親切だったこともあり、なんとも言えない複雑な表情で。でも声は潜めて。) し〜。探偵というのは秘密って言ったじゃないの。もう。 |
おーコワ。と思いながら、リーファはユリから本を受け取った。
さて、ジャックの部屋の前には2〜3人の衛視が忙しく立ち働いているのが見える。そのうちの 1 人に、アフルはどうも見覚えがあるようだ。
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:衛視 |
(本を抱えたまま(笑)) あっ、この前はどうも(皮肉)。 あなたがこの事件の担当者なんですか? (「こりゃ解決できないだろうなぁ」と思いつつ(笑)) |
■ジャックの研究室前 |
☆From:衛視 To:アフル |
あ?あんた誰だ?(しばし熟考…) ああ、あなたはあん時の。貴族様と知り合いの冒険者さんでしたね。 いや〜、これはこれは。お元気そうで何よりです。 |
そう、彼は前回アフルと仲間を簡易牢に拘束した張本人の衛視だった。 今はこの現場に応援として回されているようだ。
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:衛視 |
ちょっと事件現場を見せてもらってもいいですか? バーレルン導師の許可はいただいてるんですけど。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:衛視 To:アフル |
現場ですか?いや〜、それはちょっと。 俺が責任者なら見せてあげたいんですがねぇ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:衛視 |
(まだ本を抱えたまま(笑)) へえ、あなたが責任者じゃないんですか。 それじゃあ、もっとえらい人がいるんですか? |
そうこうしているうちに、ジャックの部屋からひとりの騎士が顔を出した。
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:衛視 |
何をしてる?早く調査に行ってきてくれないか。 おや、そちらは? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:衛視 To:カーラン |
あ、隊長。こちらはですね… |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
(「この人が責任者だろうな」と思って、) あ、どうもはじめまして。 俺はアフルって言います。 (と言って軽く会釈する。) |
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
私はユリと言います。ペコリ。 あの、衛兵さん? バーレルンさんに頼まれて、ある物を探しに来たんですけど、お部屋の中を探させてもらってよろしいですか? もし、ご心配ならバーレルンさんに確認を取ってもらってかまいませんから。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:アフル&ユリ |
これはご丁寧に。私はカーラン=レンテルリンクと申します。
この調査の責任者です。 何をお探しですか?この中のものはあらかた調べましたから、お目当てのものが有るか無いかはお答えできますよ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:シュウ To:カーラン |
はじめましてなの(^^)。あたし、シュウって言うんだ(^^)。 アフルやユリねーちゃん達と「探しモノの探偵さん」してるの(^^)(と、ぺこりと頭を下げる)
|
カーランは一瞬声の出所が分からずに辺りを見回したが、ようやくカヴァレスのマントの陰にシュウを発見した。シュウはニコニコと笑っている。つられて思わずニコニコ。
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
さっき、聞いたんですけどやっぱり大変な事になってるみたいですね。 実はバーレルンさんにあまりおおっぴらにしないようにって言われてるんです。 それで、出来ましたら私達自身で調べさせてもらえましたらと思うんですけどよろしいですか? もちろん、お仕事のお邪魔をしないようにします。 後、犯人と思われるドワーフのロドン=ライラーさんの足取りってわかりませんか? もしかしたら、私達の探し物を持って行ってるかも知れませんし。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:ユリ |
申し訳ないが、室内に入るのは困る。 私の部下たちが微に入り細に入り調査しているのでね、 まだ不特定多数の人間を入れる訳にはいかない。 ご理解いただけないか?ユリ殿。 ロドン=ライラーについては、目下鋭意捜索中だ。 ところで君たちの探し物とは何だね? ひょっとしたら指輪かね。それならロドンが持っていった可能性はある。 そうバーレルン殿にお伝え願いたい。 |
少し厳しい顔になってカーランが答える。
■廊下 |
☆From:ユリ To:カーラン |
ユリ殿だなんて....ユリでよろしいです。 (息をのみ、声をひそめて。) 所で、その指輪の事ですけど、もしかして、ジャック=スロークソルムさんの研究なさってみえた強力な共通語魔法のことですか? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:ユリ |
被害者は研究の成果として、いくつか試作品の魔力の込められた指輪を持っていたらしい。その箱が荒らされていてね。 しかし、以前バーレルン殿に事情を聞いた時には探し物があるなど言っていなかったと記憶しているが… 一体、何を探しておられるのかな? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
それはちょっとバーレルンさんに口止めされてまして… |
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
探し物ねぇ。どうしようかなぁ。 (と、背を向けて後ろで手を組んで歩いてみたりして、おもむろにカーランを振り返って焦らしてみる。) ウソウソ。アフルさんの言う通り、バーレルンさんと約束しちゃってるから言えないの。 ごめんなさいね。くすっ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
それで、指輪箱が荒らされてたって事はその指輪を奪うのが犯人の目的だったんでしょうかねぇ?
後、指輪箱以外に荒らされていたような形跡はありましたか? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:アフル |
いや、他の持ち物が荒らされていた形跡はない。
物取りの仕業ではないようだな。
まぁ、賢者の塔に盗みに入るなんていうのは、よっぽど命知らずの盗賊だと思うがね。 ところで…。一体、君達は何を探してるのかな? 何でもいいが、我々の邪魔はしないでくれよ。 |
そこへ黙っていたセリスが進み出る。
■ジャックの研究室前 |
☆From:セリス To:カーラン |
(毅然と)決して皆様のお邪魔は致しません ただ少し、マーファの神官として祈らせては頂けないでしょうか? 志半ばにして凶刃に倒れた無念、慰めて差し上げたいのです。 その御霊が迷うこと無くマーファの御所に召される様に・・・お願いします。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:セリス |
… そうですか。 そういう事でしたら、貴女だけお入り下さい。 |
カーランは少し暗い顔になったが、セリスだけが室内に入ることを許可した。
■研究所 |
☆From:セリス To:? |
(軽く会釈してから中に入り、祈りを始める) ありがとうございました。感謝致します。 |
部屋の中には血の跡が残されていた。遺体は運び出されたようで既にない。
セリスは静かに祈り続けている。それをドア辺りから見ながら、アフルが質問を続ける。
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
ええ、もちろん邪魔をするつもりなんてありませんよ。 ですが、もしその犯人に持ち去られたのなら、早くしないといけませんから。 ですから、できれば、あなた方の捜索が終わったら、一応ジャックさんの部屋を探したいのですが、 あと、どれくらいで終わりますか? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:アフル |
捜索が終わるのは事件が解決した時だよ。
我々はそろそろここを引き上げるが、まだ入室を許可することはできない。 協力できなくて申し訳ないがね、事は殺人事件だから慎重を要するのだ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
それじゃあ、事件が解決したらジャックさんの部屋の中を捜してもいい、とそういう
訳ですね。 分かりました。 |
カーランは入室を許可するつもりはないようだ。アフルにも衛視を手伝って捜索に協力するのは気が進まない。
その時、後ろからリーファ君が遠慮がちにアフルの肩をつついた。
■ジャックの研究室前 |
☆From:リーファ To:アフル |
あの… ちょっといいですか? |
まだいたの?リーファ君。…だって、アフルが本を返してくれないんだもん。
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:リーファ |
(照れくさそうに、) あ、すいません、本を持ったままでしたね。 |
アフルは、抱えた本を返した。
■ジャックの研究室前 |
☆From:リーファ To:アフル |
いえいえ、助かりました。どうもありがとう。 |
本を受け取るため、おもむろにアフルに近づく。声を落としてこう付け加えた。
■ジャックの研究室前 |
☆From:リーファ To:アフル |
この人たちは夕方くらいになると帰るみたいですよ。
暗くなると調べるのが難しくなるみたいですね… いつも隣の部屋に見張りの人を置いていくみたいなんですけどね。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:リーファ |
ふうん、そうなんですか。 (聞こえるか聞こえないかぐらいの独り言で、) でも見張りの人がいるんじゃなぁ。 |
リーファは全員から本を受け取って「これ置いてきますから、帰るのちょっと待って。お見送りします」と付け加えて近くの部屋へ消えた。
アフルがリーファの方を向いた間、カーランもそちらを気にしたが、これはユリが引き受けた。
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
それは、そうと、ドワーフのロドン=ライラーさんを捕まえたら賞金って貰えるんですよね? 何かの本で読んだ探偵物みたいに事件が起きてドキドキしますよね。 見事な推理で犯人を捕まえて、小説にでもしようかなぁ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:ユリ |
逃走中のドワーフはまだ犯人と決まったわけではないよ。
非常に疑惑の濃い容疑者の 1 人ではあるが。
犯人を捕える訳ではないから、賞金は出ない。 小説と現実の違いは実際に被害者がいるということだ。 面白半分で被害者の関係者を貶めるようなことは謹んでいただきたい。 |
夢見る文学少女に、かんで含めるようにまじめに説教垂れるカーラン 29 歳、職業衛視隊隊長さん。
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
(無邪気だった笑顔から真顔になって。) 決して面白半分に言っているわけではありません。 私達のような詩人は、歌や詩を通して真実を人々に伝え同じ様な 過ちを繰り返さないようにしているんです。 それが例え悲しい結果になったとしても....だから、私は 書き留めておきたいのです。 それに貴方がもしジャック=スロークソルムさんを惜しむ気持ちがあるのなら 少しでも早く事件を解決し安らかに眠って欲しいと願っているはずです。 ですから、早く事件を解決するためにも人手は多い方が良いはず。 私達にも手伝わせてもらえませんか? 貴方方の様に行動していては警戒されて情報を聞き出せないこともあります。 それに、もし犯人が別に居てそれが身内だった場合、 すでに警戒されているはずです。 ですから、逆に衛視でもない私達の方が動きやすいと思います。 私達もその方が早く探し物も見つけ出せますしね。(は〜と!) (と、いつもの笑顔に戻る。ねの部分は人差し指を立ててウインク一つ。(^^;) |
カーランは片手胸に当てて騎士の礼を取り、ユリに謝罪した。
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:ユリ |
大変失礼した、ユリ殿。 貴女の言うとおり、真実は伝えられるべきだ。 たとえ、ある程度の犠牲を払う事になるとしても。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
あっ、頭をお上げください。 私こそ身分を弁えず、生意気な事を言ってしまいまして、本当にごめんなさい。 (と、頭を下げ非礼を詫びる。) |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:ユリ |
手伝っていただけるということであれば、ロドン=ライラーを探していただきたい。ただし、2つ条件があります。 ひとつ、得た情報は必ず私に連絡すること。 捜査はチームワークが大切です。 ある者の突出した行動で全員が危険に陥ることはよくあることだ。 それでは衛視隊全体の士気に関わるのでね。 ふたつ、決して危険なことはしないこと。 君達にも家族があるだろう。その人たちを悲しませるような事にならぬよう、十分に注意してくれ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:ユリ To:カーラン |
私には家族と呼べる程の人も居ませんけど、私にいろいろご指導してくれたお師匠様の
ためにも、何より真実を伝えるために命を無駄に致しません。(^^) (ユリは同意を求めるように皆の顔を見つめて行く。) |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
分かりました。 それでは、今の時点でロドン=ライラーについてわかっていることを教えていただけ ませんか? まったく情報がない状態からでは探しようがありませんし。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:アフル |
ロドン=ライラーはドワーフで、ブラキ神の司祭だ。
父親は刀鍛冶のマードリス=ライラー。オラン市内で工房を持っている。 ロドンは事件があったと思われる深夜に学院の近くを歩いていたのを目撃された。 それを最後に消息を絶っている。工房にも帰っていない。 ロドンの足取りについてわかっていることはそれだけだ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:シュウ To:カーラン |
あ、そぉ。殺された方‥‥ジャックさんでしたっけ?
そのヒトが発見された時の状況を教えていただけますぅ? っていうのも、死に至った過程が少しでもわかれば、あたし達も調査しやすくなると思うんだ。 切り傷、刺し傷、かすり傷。ジャックさんはどんな傷とかおっていました? まさか、魔法でどかん☆と殺されていた‥‥んじゃないよにぃ(^^;;;; (シュウはぶるるっと身体を震えさせます)
ハンニンがロドンさんかどうかはまだわからないにしても‥‥ハンニンの手がかりになると
思うから‥‥ |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:シュウ |
見つかった時は胸に剣を刺されたまま部屋の中央付近に倒れていた。
直接の死因は心臓に刺さっていた剣だと思われる。
ま、他にもいくらか傷があったようだがな。 … これでいいかい? |
カーランはすらすらっとそう答えた。
■ジャックの研究室前 |
☆From:シュウ To:カーラン |
質問、しつもぉ〜ん☆ 刺さっていた「剣」ってどんなタイプの剣でした? ショートソード?ブロードソード?それともロングソード?? 変わったトコでショーテルとかフランベルジュとかあるけど‥‥ごく普通の剣なのか、 それとも変わった剣なのか。教えてもらえると嬉しいんだけど‥‥駄目かなぁ?? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:シュウ |
かまわんよ。ごく普通の剣だ。 …そう、例えば騎士の愛用するような。 真っ直ぐのロングソードだよ。 |
質問が途切れたところで、カーランは全員を見渡した。
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:ALL |
さぁ、そろそろいいかね?私は捜査に戻ることにしよう。 ロドン=ライラーを探しを頼んだとはいえ、君たちは素人だ。 くれぐれも衛視隊の邪魔はしないように頼むよ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
はい、いろいろありがとうございました。 でも、ロドン=ライラーが犯人じゃないから捕まえても、謝礼が出ないのなら、 俺達がロドン=ライラーを捕まえて、犯人だった場合は謝礼は出るんですか? あるいは、ロドン=ライラーが犯人じゃなくて、真犯人を捕まえた時とかは? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:アフル |
今のところ、礼金を出すつもりはない。
ロドン=ライラーは単なる参考人だからね。 もう3、4日して捜査が行き詰まるようだったら考えとくよ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:カーラン |
そうですか、それじゃあがんばってください。 あっ、そうだ、連絡するときはどこに行ったらいいんですか? ここでいいんですか? それとも、衛視の詰め所に行ったほうがいいですか? |
■ジャックの研究室前 |
☆From:カーラン To:アフル |
詰め所の方に来るといい。私はライデン通りの詰め所にいるよ。 |
と言ってカーランは詰め所の場所を説明した。どうやらカーランの詰め所は学院の近くのある通りにあるようだ。
カーランはそう言い残してジャックの研究室内へと戻っていった。
シュウはカーランの背中に向かって元気にごあいさつ。
■ジャックの研究室前 |
☆From:シュウ To:カーラン |
いろいろ教えてくれて、ありがとぉなのだぁ〜〜(^^)/ |
■ジャックの研究室前 |
☆From:アフル To:ALL |
それじゃあ、聞きたいことも聞いたし、一旦外に出ようよ。 |
■ジャックの研究室前 |
☆From:シュウ To:シュウ |
にゅにゅ♪そうだね♪ ここにいても邪魔になりそうだし‥‥あたしは外に出ていいと思うな(^^) |
■ジャックの研究室前 |
☆From:ジョン To:アフル&シュウ |
同感です。ではどこに行きましょうか? |
一行はとりあえず学院の外へ移動した。玄関まではリーファ君が見送った。ジョンの言うとおり、これからの行動を相談しなくてはならないだろう。
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