実体の魔術師

(最終更新日: 1998/08/27)


賢者の学院

そしてシーンは賢者の学院に移る。

学院の研究室に入る時に、全員予想外に厳しいチェックを受けることになった。 受付で名前、来館目的、連絡先、紹介者などを厳しく聞かれる。

■賢者の学院
☆From:ユリ  To:受付の人
あの、私も書くんですか?
あ、これ預かってもらえます?武器の持ち込みは禁止でしょ。一応。
(と、背負い袋とメイジ・ワンド(メイジ・スタッフ)を差し出す。)
あ、もってちゃっダメよ。くすっ。
(いたずらっぽく笑う。)

■賢者の学院
☆From:受付  To:ユリ
はい、こちらにサインお願いします。
わかりました。武器はこちらでお預かりいたします。 帰りに忘れずに寄って下さいね。

■賢者の学院前
☆From:シュウ  To:ALL
 んじゃ、あたしちょっくら他の人の研究室に行ってくるね☆
 そんなに時間かからないかと思うけど‥‥もし、どっちかが早くおわったらここの玄関横で待っていてくれないかな?あたしもここで待ってるから☆

 あ、もし探索に関わるシーフはどんなヤツかって聞かれたら‥‥う〜ん‥‥
「すばしっこくってどんな情報もかき集めてくるタイプ」
とでも言っといて♪んじゃね☆
(シュウは元気よく学院内に駆けていった‥‥(だから怒られるんだろーが))

■賢者の学院前
☆From:アフル  To:シュウ
うん、わかったよ。
それじゃあ、また後で。

しかし、シュウは駆け出そうとしたところを案内人に捕まえられてしまった。
学院の訪問者達は、それぞれの目的地まで監視され、誘導されるようだ。
ついでに、廊下を通る時に何やら衛視のような剣を下げた人とすれ違った。 どちらかというと戦士系で学院では見ないタイプだが、案内人は特に気に留めていないようだ。
学院内がなんとなくいつもと違うような感じがする。


バイナル研究室

ここは賢者の学院内バイナル師の研究室前。
バイナル師は、シュウの前の仕事の依頼人で、前の仲間であるオウガというドワーフの友人だ。この仕事について、詳しくはシナリオ#02「希望なき<生命>」を参照のコト。

■部屋の外
☆From:シュウ  To:案内係の人
(きょろきょろと通り過ぎる人を見ながら)
 ねぇねぇ、あたしが前来た時は、こぉ〜〜んなに雰囲気重っ苦しくなかったんだけど さぁ‥‥何かあったの?
 どっかのお偉いさんが来てるとか‥‥わくわくっ☆

■部屋の外
☆From:案内係  To:シュウ
学院内で殺人事件がありましてね…。
今、厳戒態勢なんですよ。 衛視からも出入りする人物のチェックを厳しくしろと言われましてねぇ。 まったく、面倒なことになったものです。

ふぅ、とため息をつく案内係。

■部屋の外
☆From:シュウ  To:案内係
 みゃっ!さっつじんじけぇ〜んっ!?!?
 ここってお勉強や研究するトコなんでしょぉ?剣やナイフの使い方を訓練するトコじゃないのに‥‥ありゃりゃ〜〜(@@)
 大変な事があったんだねぃ〜。んでもって、チェックごくろぉさま☆(ぺこりと頭を下げる)
 んじゃ、早くお仕事に戻れるように、すぐ用事すませてくるね☆
(と、言って部屋をノックする)

アフルたちが待ってる、というのも頭をよぎる。おしゃべりしたいが暇はない。

■バイナルの研究室前
☆From:学院の案内人  To:シュウ
私はここでお待ちします。

そう言うと壁を背にして立つ。帰りも出口まで見張ろうというつもりらしい。

■バイナルの研究室前
☆From:シュウ  To:バイナル
(コンコンとノックしたあと)
 バイナルさんこんにちは〜☆ちょっと聞きたい事があって‥‥って、お部屋の中 に入ってもよい??

■バイナルの研究室
☆From:バイナル  To:シュウ
おはいり。
(入ってきたシュウを見て…)
うお、お前はあの時のグラスランナーじゃないか。
(ぎくっ)もうコモンルーンはやれんぞ。

前のことを思い出して予防線を張る賢者バイナルであった。 キョロキョロしているのは、あの時のもうひとりのグラスランナーを探しているのか? どうやらいないようだと胸をなで下ろす。

■バイナルの研究室
☆From:シュウ  To:バイナル
 こないだはどぉも(^^)
 あのね、今度あたし‥‥と新しいパーティーで賢者の学院内の人から新たなクエストを貰ったんだけど‥‥その依頼主についてちょっと聞いておきたくってたずねて来たんだ(^^;。急にごめんなさい(ぺこり)

 今度の依頼主「ばーれるん」ってヒトらしいんだけど‥‥そのヒトってどんなヒト?
 優しい?いばりんぼ?まぢめ??
 もしよかったら教えてくれないかなぁ‥‥

■バイナルの研究室
☆From:バイナル  To:シュウ
(ほっ)なるほど、そういうことか。
ばーれるん?ああ、バーレルンのことだな。 バーレルンがクエストを依頼した?なるほどな、うんうん(納得)。
いやいや、バーレルンの人柄についてだったな。まじめな男だよ。 鑑定部門でも導師をやっている。魔術師としての腕前も一流だ。 私はあまり親しいわけじゃないから詳しくは知らないが、学院内での評価は悪くないと思うぞ。そうだな… うん。

「ま、変わり者だがな」と言おうとして、バイナルはちょっと自分の身を振り返ってしまった…

■部屋の中
☆From:シュウ  To:バイナル
 うにぃ?ねぇね、ないすみどるなバイナルさん♪
 どしてあたしらが仕事を依頼したのが納得なのぉ?あのおっちゃん、 今何か悩み事でも抱えてるのかなぁ?
 そーいや、鑑定部門のおっちゃんなのに‥‥どーして人探しなんかなぁ‥‥(ぶつくさぶつくさ)

■部屋の中
☆From:バイナル  To:シュウ
うむ、小さいシュウよ。それはだね…
(はっ、いかん。つられるところだった)

ご、ゴホン。実はつい最近彼の同僚が殺されたのだ。
彼は徹底した武器嫌いでね。殺された同僚もその気があったし、 剣を振り回す衛視などに任せておけんかったのだろう、と私は予測するがね。 そこでその解決をお前達に頼みたいんじゃないだろうか。

最後の「ぶつくさ」部分は聞こえなかったらしい。

■部屋の中
☆From:シュウ  To:バイナル
 みゃっ!同僚さんが‥‥って、その殺人事件があったから、こぉ〜んなに学院内がぴりぴりしてるの?
 んで、ばーれるんさんは武器がキライ‥‥っと‥‥(めもめも)。
 武器‥‥いちお〜あたしらも武器持ってるけど‥‥だったら、ばーれるんさんには見せないほぉがいいかなぁ?(^^;;;

■部屋の中
☆From:バイナル  To:シュウ
そうだな。武器というと目の敵にするようなところがあるからなぁ。 彼とスムーズに話す為には武器は邪魔かもしれん。
ま、身体検査するようなことはないから、見えないところに隠しておれば大丈夫だろう。

■部屋の中
☆From:シュウ  To:バイナル
 いろいろ教えてくれてありがとぉね♪ないすみどるなバイナルさん♪
 オウガのおっちゃんじゃないけど‥‥早く良いヒトが見つかると良いね♪
(と、ウィンクした後ぺこりと頭を下げ、元気よく部屋から出て行く)

■部屋の中
☆From:バイナル  To:シュウ
おお。ってこら!余計なお世話だわい!
まったく…。オウガによろしくな!

元気に出て行くシュウを元気に見送るバイナル。

■部屋の外
☆From:シュウ  To:案内係
 御待たせなのだっ!(しゅたっ!)
 ご用が済んだからもぉ帰るね♪
 玄関までの案内、ヨロシクお願いします(^^)

来た時と同じように、案内係はシュウを玄関まで誘導した。
だが、玄関前にはまだアフル達の姿はなかった。どうやらシュウの方が先に用事を済ませたようだ。
バーレルンの所へ行こうカナ…。でも、学院内がぴりぴりした雰囲気につつまれてるんで‥‥大人しく学院の外で待っていよ〜っと。


バーレルン研究室

一方、バーレルンの研究室前。
シュウと同じようにここまで案内を受けたアフルとユリとカヴァレスは、扉の前からバーレルンに呼びかける。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
バーレルンさん、銀の網亭で依頼を受けた冒険者です。
あれだけではよく分からないので詳しい事情を聞きたいと思いまして。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
…なに?おかしいと思ったらまだそんな所でうろうろしておったか。 何がわからんというのだ。わしはその司祭の行方など知らんぞ。 とっととそいつを探し出して衛視に突き出すのが君たちの仕事だ!
わかったら、さぁ、行った行った!

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:みんな
あは、あはは。やっぱり、お化けの声が聞こえるぅ。うるうるうる。(T.T)
ね、ねぇ。この扉開けるのやめましょうよ。
行き成り白骨死体とかあったら、わたしダメだもの。(T.T)

それに、バーレルンさんはたぶんここには居ないかもしれないし。
だって、こう言う場合、「そんな所」じゃなくて「こんな所」って言う でしょうから、もうきっとこの世に居ないと思う。(T.T)

まだ誤解してる…。誰か、誤解を解いてやろうって人はいないのか?

■バーレルンの研究室
☆From:カヴァレス  To:ユリ
よぉ,"ユリ"嬢ちゃんよぉ,本気で言ってるかぃ?
クッククク・・・"ハードロック"やら"リプレイス・サウンド"ってぇ単語が出てく る人間の言葉とは思えねぇぜぇ?
"魔術師"のやりそうな事を考えりゃぁわかるさぁ。

そして「まぁ,幽霊だろうが幻影だろうが食えねぇジジィだってぇのにゃぁ変わりねぇがなぁ」と独り言。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:ガヴァレス
うるうるうる。(;_;)
だって、お化けと幻覚?って区別つかないもの。
それに、あのいかにもって雰囲気で、あんな風に出て来られたら、誰だってお化けって思いますぅ。
それに、それに、私ってお化けってダメなの。(;_;)

まだまだうるうる目の止まらないユリ。カヴァ&ユリのソーサラー漫談を横目に、アフルは交渉交渉。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
いえ、一応依頼したのがバーレルンさん本人であることを確かめたかったのと、この手配書にある人物がどういう人物で、あなたとどういう関係かを聞きたいと思いまして。
もし、差し支えなければ教えていただけませんか?
後は、依頼の再確認ですね。やはり、幻影だけでは信用できませんでしたし。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
私以外の誰にあんな事ができるというのだ。 本物の人間と比較しても遜色のない完璧な幻影だっただろう? それこそが、私があの幻影を作り出した人物だということ、また依頼者だというまぎれもない証拠だというのに…

バーレルンはご機嫌ナナメのようす。あのイリュージョンが認められなかったと思ったらしい。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
まぁいい。来てしまったものは仕方がない。 扉を開けてお入り。鍵はかかってないよ。

アフルとユリとカヴァレスの3人はようやくバーレルンの研究室へと足をふみいれた。
バイナルの研究室と違い、室内はきちんと整頓されている。主の性格が現れているようだ。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
ええ、さすがに学院の導師様だなぁ、と思いましたよ。
それでは、あのロドン=ライラーという人物がどういう人物なのかを聞かせてもらえませんか?
やはり、見つけるのには、その人物がどういう人物かを知っておくのが必要不可欠ですから。

アフルの「さすがに」の一言で、バーレルンの機嫌は持ち直したようだ。しかし、相変わらず友好的とは言い難い。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
うむ。
ロドン=ライラーは2日前に起きた殺人事件の犯人として指名手配されている。 他でもない、その被害者は私の親友であるジャックなのだ。 私は、亡くなった友のためにもこの手で犯人を捕まえてやりたい。 しかし、私1人にできることは限られているし、今手を離すわけにはいかない 仕事も抱えている。ううむ、残念だなぁ…。
そこで、諸君には私の代わりにロドン=ライラーを捕まえて欲しい。 捕まえて衛視に突き出せば君たちの仕事は終わりだ。
つまりは、そういうことだ。
ジャックが殺されたのはこの下の階の彼の研究室だった。 今、そこら中を剣を下げた衛視がうろうろしとるだろう? 君たちも会ったはずだ。まったく、剣などに頼った役立たずどもが…
ま、あいつらに聞けば詳しいことがわかるだろう。

そう言うと、アフルたちに向かってクルリと背を向けた。「もう言うべきことは言った」とでも言わんばかりに…。 バーレルンが背を向けた隙に、ユリがそっと近づいた。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ
ごくり。
(恐る恐る、バーレルンに触れてみる。)

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
わ!
な、なんなのだこの娘は(汗)…

今度は生身の感触があった。ちゃんと反応も返ってきてる。ようやくユリはお化けじゃないと納得したようだ。 急に若い女の子に触られたバーレルンの方は、うれしいというより何か不気味なモノを見るようにユリを見ている。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
(実はガヴァレスに聞いてもまだ確信が持てないユリは触れる事でやっと確信したらしい。)

あっ、本当に本物。(^^;
(そして、バーレルンの視線に気付き笑ってごまかす。)
あは、あはは、何でもありませんの。おほほほ。(^^;

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
まったく最近の若い娘は…(ぶつぶつ)

カッコよく背を向けたはずのバーレルンは、ビックリして振り返ってしまった。咳払いなどして体制を立て直している。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:ガヴァレス
(話の邪魔にならないようにここえで。)
あの、所でこの依頼って人探しですよね?
その幻影ってなにか言ってたんですか?私には全然聞こえませんでした。
なんか「うらめしや〜〜〜。」って聞こえた気も。(^^;

その隙に、アフルはさらに質問をぶつけた。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
なるほど、分かりました。
ですが、もし、ロドン=ライラーがそのジャックさんを殺した犯人でなかった場合はどうしたらいいんですか?
真犯人を捕えればいいのか、それとも、それでもロドン=ライラーを捕えるんですか?

その横で、さすがにマズイと思ったのかカヴァレスが依頼の内容をユリに告げる。 もちろんバーレルンからは死角になるように、小声で。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
ライラーが犯人ではなかった場合?ま、そんな事はまずありえんがな。
ともかく、犯人を捕まえればいい。ライラー以外が犯人だというならば、真犯人を捕まえてくれ。 ただし、その確たる証拠も見せてもらえなければ納得できんがね。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
それでは、ジャックさんを殺した犯人を捕まえる、というのが依頼として考えていいんですね。
ですが、俺達が依頼として考えていたのは、依頼メモにあったように単なる司祭捜索でして、
単なる人探しであればあれぐらいの報酬が適当なんですけど、殺人犯を捕まえるともなれば当然危険の度合いも違ってきますが・・・

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
ロドン=ライラーはブラキ神の司祭だ。司祭捜索というのは嘘ではない。 それに、諸君等は仲間がいるのだろう? たかが1人のドワーフの司祭を探すのに、そんなに危険があるとは思えん。 それに、事は緊急を要するのだ。ライラーは犯行後、姿を隠している。 そんなに長い時間をかけてもらう暇はない。 せいぜい、ここ2、3日が山だろう。
よって、3500 の報酬は適当だ。

バーレルンはがんとして報酬の上乗せを認めそうにない。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
たしかに、ロドン=ライラーが犯人だった場合はそれほどの危険はないでしょうが、
もし仮に違った場合、犯人も分かってない殺人事件を解決し、さらに真犯人を捕まえる、ということになるんですよ。
ですから、ロドン=ライラーが犯人だった場合は依頼メモにあった通りの金額で、
もし真犯人が別にいて、それを捕えた場合は、前金込みで4800ということではどうでしょう?

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
うむ、なるほど。君の言うことにも一理あるようだ。
よかろう。もし、ライラー以外の犯人がいてそれを捕えて衛視につきだし、なおかつ正当な理由を私に説明できるならば、4000 払おう。
こちらは犯人が捕まればそれでよいのだからな…

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
俺達は6人パーティでして、4000では割り切れないので、できれば4200にしていただ きたいのですが・・・

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
よし、それで手を打とう。
では確かに頼んだぞ。 手後れにならぬよう、くれぐれも迅速にな。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
分かりました。それではできるだけ早く捜して来ます。

■バーレルンの研究室
☆From:カヴァレス  To:バーレルン
ってぇ事ぁ通常報酬も前金込みで3600だ,そぅだよなぁ?
それからよぉ,犯人は・・・クッククク,死んでたって構わねぇのかぃ? なぁに,俺達が殺る訳じゃぁねぇ,万が一ってぇ事さぁ。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:カヴァレス
ダメ! 絶っ〜〜〜対、殺しちゃったらダメですからね!!
(ユリは頬を膨らませて抗議。ぷんぷん。)

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:カヴァレス
む、仕方がない。では忘れんうちに 100 ガメル払っておこう。
犯人の生死は問わん。衛視に突き出してくれればそれでいい。 犯人が捕まることが一番大事なのだ。

冒険者は部屋を辞そうとした。扉を閉めようとしたその時、バーレルンが思い出したように付け加えた。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ALL
おっと忘れるところだった。
ライラー探しはあまりおおっぴらにやらないで欲しい。 その…、奴に気づかれては元も子もないだろう?

アフルは「その…」と口こもった所にうさんくささを感じたが、口には出さなかった。
ユリは、閉まりかけの扉から顔をのぞかせて尋ねた。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
あの、ごめんなさい。ちょっとお聞きしてよろしいですか?
おおっぴらに聞く事が出来ないってことは、聞き込み捜査が出来なくなっちゃうんですけど....。
かと言って悠長に探していると逃げられちゃう事になりますし、ですから、しかるべき方法で情報を得ようとするとそれなりの情報料が掛かることになります。
後で依頼料とは別途で必要経費として請求させてもらってもよろしいですか?

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
首尾良く捕まえられるなら聞き込みだろうがなんだろうがするといい。 衛視どもが手配書を街中に貼ったりしとるが、あんなに目立つことをしていては捕まる者も捕まらんということだ。
それに…ふん。必要経費だと?
依頼を完全にこなし、経費をいかに押さえ、依頼金をいかに多く残すかが君たちの仕事のはずだ。これ以上はビタ一文払わんぞ。

ユリは最後にぼそっと付け加える。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
でも、バーレルンさんってすごいですね。(^^)
あのお家に在ったのがイリュージョンだったなんて、全然気が付きませんでした。
私なんて、今さっき気が付いたばかりなんですよ。
お化けじゃないなんて。うふふ。
(ユリは無邪気に笑ってる。(^^;)

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
ふん。ほ、誉めたってもう何も出ないぞ。
さぁ、行った行った!

ユリの誉め言葉に照れたのか、バーレルンはちょっと赤くなった。おそるべし女子高生。
ハゲ頭を光らせながら、必死に扉を閉めにかかっている。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:アフル
ねぇ、アフルさん。鍵とお家の地図って持ってます?
やっぱり、借りた物はちゃ〜〜んと返さなくっちゃね。(^^)

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:ユリ
あ、そうだね、忘れてたよ。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
これ、銀の網亭でもらった鍵と地図です。
もう必要ないと思いますのでお返ししておきます。

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル
むむ。いや、仕事が終わるまで持っておいてくれ。 あの空き家をまた使わんとも限らんしな。
いや、なに。空き家はしばらく借りたままにしておくから気遣いする必要はないよ。わははは…

とって付けたような空笑い…。
どうやら、バーレルンは鍵は冒険者たちに持っておいてもらいたいようだ。

■バーレルンの研究室
☆From:アフル  To:バーレルン
でも、なくすといけませんし、やっぱりお返ししておきますよ。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
もし、またあのお家を使う時に鍵をお借りしに来る事がご迷惑でしたら、 受付の方にお預けすると言う事ではダメですか?

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:アフル&ユリ
むむ、そうか。では、仕方がないなぁ。
…あ、いや。こっちの話だ。

どうしても冒険者の手元に置けないことがわかったらしい。
バーレルンは、しぶしぶ鍵と地図を受け取った。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
あの、バーレルンさんにかぎってそんな事は無いと思いますけど、念の為にお友達のお部屋を見せてもらえませんか?
もしかすると、まだ何か追跡する手がかりが残ってたりして。(^^;

それにしても、バーレルンさんのお友達ってどうして殺されちゃったのかなぁ。
(誰とはなしに、つぶやく。)

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
ああ、見て行くが良い。この下の階だ。 おそらくまだ衛視共がよってたかって荒らしておるだろうから場所はすぐわかる。
あ?私にかぎって何だって?

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
え?もちろん、お友達の事に関する重要な証拠の見落としの事です。
だって、バーレルンさんのような方に限ってそんな見落としないと思ったのですけど、 念には念をと思いまして.....。

さらに重ねて。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
それはともかくそのドワーフの人が犯人ってどうして分かったんですか?
何か重要な証拠とか、目撃証言が在ったのでしょうか?

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
そうそう。ともかくだな、ドワーフを捕まえることが先決だ。
ジャックとライラーはつい最近口論になったことがあるのだ。 私達は暴力は好まんから、もちろん手を出すようなことはせんが、あの時のライラーの怒りようといったらなかった。
しかも、奴は事件発生頃から姿を隠しているという。 その辺りが決め手になったのだ。
ま、詳しいことは衛視に聞くがいい。 衛視もライラーを探しているのだからな。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
じぃ〜〜〜〜〜〜っ。
(と、バーレルンの瞳を見つめている。目の輝きで真実を見抜こうと思ってたりして。(^^;)
う〜ん。な〜〜んか、まだ、気になるんですけど。
バーレルンさん、私達に重要な事何か隠していませんか?

■バーレルンの研究室
☆From:バーレルン  To:ユリ
な、な、なに?なぜ私が隠し事などする必要があるのかね。 まったくもって心外だ。
ほら、いつまでもぐずぐずしているとライラーが逃げてしまうぞ。

花も恥じらう 17 歳、ユリの眼光に押されるバーレルン=ウィッシュザーン 55 歳の図。

■バーレルンの研究室
☆From:ユリ  To:バーレルン
くすっ。
(バーレルンのちょっと焦る姿を見て、からかう様に悪戯っぽく笑う。)
でも、もう逃げてるんでしょ?それを見つけ出すのが私達のお仕事なんですから。(^^)

バーレルンは「むむ」と言ったっきり怒りで頭のてっぺんまで赤くして、ユリの鼻先で部屋のドアをおもいっきり閉めた。焦っていたとはいえ、17 歳の小娘(失礼)に言葉尻をつかまえてからかわれたのががまんならなかったのだ。

■バーレルンの研究室前
☆From:アフル  To:ユリ
うーん、怒らせちゃったみたいだね。
これからどうしようか?

■バーレルンの研究室前
☆From:ユリ  To:アフル
あ、あれ?
(今一つ状況を把握できず目を丸くしている。な〜んか、自覚していないらしい。(^^;)

ご、ごめんなさい。私、バーレルンさんを怒らしちゃったみたい。

■バーレルンの研究室前
☆From:アフル  To:ALL
ジャックさんの部屋の中を捜索するんだったら、シュウがいたほうが心強いし、シュウと合流してからにしようよ。

ということで、一同は本当にバーレルンの部屋を辞して玄関へ戻って来た。もちろん、案内人の見張り付きで。



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