レディと「騎士」達

(1998/02/26 更新)


口の重いローンドファルを相手にかなり苛ついたシーアンは、バスケットに入れられていた野良猫のようにささくれ立っていた。

■ レストランの出口
☆From:シーアン  To:ボーイ
(レストランって所には、武器持って入っていいとは知らなかったぜ。
おかげでいらん恥かいちまったな)

(さっきのボーイがくすっと笑った気がする)
(むかっ)帰るから、さっきのバッソ出してくれよ。

■ レストランの出口
☆From:ボーイ  To:シーアン様
「ばっそ」、と言われますと...?

■ レストランの出口
☆From:シーアン  To:ボーイ
(バッソじゃ通じなかったらしい(^^;)
・・・あ〜?バッソが何か知らねーって?バスタードソードの事じゃねーか。
常識だぜ、ふふふん。
(バッソを受け取ると、レストランを出ていった。)

どうやら、機嫌の直るのも早かったようだ。

レストランから出た一行は、これからの計画を話し合った。
地図を見ると、このレストランから一番近いのは同じオラン西側の古美術店「ルーブル」のようだ。他の2個所は再び川を渡ったオラン東側にある。そちらには我らが冒険者の宿「銀の網亭」とその主人が一行の無事な帰りを待っている。

■ レストランの前
☆From:マーズ  To:ALL
ふに?皆さんどこへ行かれるんですか?

あいかわらず寝ぼけ眼なマーズは絶好調だ。

■ レストランの外の路上
☆From:カナル  To:全員
さて、何処からあたる?
俺も、取りあえずルーブルから行ってみるのが良いと思うな。

それにしても、全部で三ヶ所か……余り戦力を分散させたくないが、手分けして 探した方が良いのかも。

■ レストランから出たところ
☆From:クロス  To:全員
そうですね、それで行きましょうよ。とりあえず近いところから…ルーブルから回りましょう。
でも、そうですね……全部順繰りに回っていったら、夜になっちゃいますから、
僕は、二人の実家に行くときにはカナルの言うように手分けした方が良いような気がしますけど。

■ レストランから出たところ
☆From:アフル  To:全員&セリス
武器が無いのが少し心細いが、まあ大丈夫だろ。
こんな町中で戦いがある訳ないからな。
いざとなったら俺には精霊が付いてくれてるし。
よし、じゃあリーダー、号令をかけてくれよ。

パーティの頭脳たちによって方針はほぼ決まった。だが、このパーティ全体が動き出すには必ずセリス嬢の号令がいるのだ。それがこのパーティが「お嬢様とそのとりまき」と呼ばれるゆえんである。

■レストラン外
☆From:カナル  To:全員
俺は構わないが、何人かは腰が寂しいんじゃないか?
  アフルやシーアンは大丈夫だと思うが、他の奴は、万が一の時はどうするんだ。
念のために、誰かが銀の網亭に武器を取りに行くっていう選択肢もあるぞ。

■ レストランの前
☆From:マーズ  To:ALL
武器?ああ、そう言えばそんなものもありましたねぇ・・・ふわぁぁぁ・・・・

まだ眠そうなマーズを優しく見てセリスが号令を下した。

■レストラン外
☆From:セリス  To:All
ここにいても目立ってしまうだけですね。
早速探しに行きましょうか?
分ける、分けないはみなさんにお任せしますね。
私には経験の無い事ですから・・・
シーアンさん、頑張りましょうね(にっこり)

どうやら彼女は彼女なりにリーダーを自覚しているらしい。パーティをまとめつつ、不機嫌そうなシーアンにもさりげなく気をまわしているのだ。当のシーアンはそれをどう取ったか、すっかり上機嫌である。

■レストラン外
☆From:シーアン  To:セリス
(セリスに微笑みかけられて、思わず微笑み返す)
おう、頑張ろうな(^^)。俺達の記念すべき初の依頼だからな。
(みんなに向かって)パーティを分けて行動するんなら、俺セリスと一緒がいいな (^^)。
レディを守るのって”騎士”の役目だろ?(にこにこ)

■レストラン外
☆From:カナル  To:シーアン
レディを守るのは確かに”騎士”の役目だろうが、それとシーアンに何の関係が有るんだ?
……もしかして……いや、まさかとは思うが、自分が騎士だなんて言ってるのか、お前?

だが、あまりに無邪気な上機嫌さは、皮肉屋カナルの揶揄心を呼び起こしてしまった。しかし、こう言われて黙っていられるシーアンではない。

■レストラン外〜ルーブル
☆From:シーアン  To:カナル
(むかむか)
おいこら、このガキ
おめー、俺にケンカ売ってんのか、え?
お前に”お前”呼ばわりされるいわれはねーぞ。

■ルーブルまでの道
☆From:マーズ  To:シーアン&カナル
(寝ぼけ口調で)
まぁまぁ、2人ともケンカは止めて下さいよ。

マーズがやんわりと止めに入った。セリスは心配げに状況を見守っている。彼らは宗派こそ違うがともに神官で、ともにいわれなき暴力反対の平和主義者である。しかしその程度で止まる2人ではなかった。

■ルーブルへの道すがら
☆From:カナル  To:シーアン
おいおい、俺だってガキ呼ばわりされる憶えはないぞ。
21年間生きてきて、そこら辺の馬鹿な奴より知性も知識も身につけたつもりだぜ。
まあ、ウィットの一つも分からない奴じゃガキ扱いされても仕方が無いんじゃないか?

■レストラン外〜ルーブル
☆From:シーアン  To:カナル
 ふん、知性と知識か。
経験なら24年間生きてきた俺にはかなわねーな。
冒険に出たことあんのかよ、え、ぼっちゃんよぉ?
 俺の家の教育ではなぁ、目上の人は敬うもんなんだよ。 俺が兄貴にお前なんて言ってたら、まちがいなくゲンコが飛んできたぜ。

(ここでにやりと笑って)
 でも、なんだな。カナルも所詮人の子か。
すました顔ですかした事ばかり言うかと思ったら、俺とたいしてかわらねーじゃん か。 感情あらわにしちゃってよぉ。

■ルーブルへの道すがら
☆From:カナル  To:シーアン
(苦笑)
おいおい、エルフじゃあるまいし、20過ぎの男を捕まえて坊やはないだろう?
それに俺だって木のまたから生まれたわけじゃあるまいし、人の子に決まってるだろうが。
(でもまあ、こんなところでつまらないいざこざ起こすのも馬鹿らしいか……。
別段シーアンと事を構えたいわけでもなし、俺まで感情的になる事もないな)

■ルーブルまでの道
☆From:マーズ  To:シーアン&カナル
(冷ややかに、だが笑顔で)
やめないなら・・・・回復しませんよ?

カナルが冷静になりかけた所でマーズのとどめが入った。アフルはマーズが止めに入ったのを少し驚いて見ている。さっきのボケとあまりにかけ離れてるからだ。セリスは大きく目を見開いてじっとシーアンをみつめている。これ以上続くようならリーダーとして行動に出ようかという表情だ。

潮時をすばやく計算したカナルが先に折れた。

■ルーブルへの道すがら
☆From:カナル  To:シーアン
気に障ったんなら悪かった。

■ルーブルへの道すがら
☆From:シーアン  To:カナル
 お、おい?(相手が引いたので驚いてる)

■ルーブルへの道すがら
☆From:カナル  To:シーアン
その呼び方が気に入らないって言うのなら、なんて呼んで欲しいんだ?

シーアンにはマーズの言葉もセリスの視線も届いていなかった。カナルが態度を急変させたのに驚いている。

■ルーブルへの道すがら
☆From:シーアン  To:カナル
・・・(なんだよ、急に。俺にケンカ売ってきたんじゃねーのか???)
・・・シーアンと呼んでくれ。
俺もカナルと呼んでるんだからな。呼び捨てなら文句ねぇよ。
(で、本題を忘れるシーアンであった。何を馬鹿にされたのか、もう覚えちゃいな い(^^;;;)

ぐ〜きゅるきゅる(腹の虫)

・・・腹減ったなぁ。

■ルーブルまでの道
☆From:マーズ  To:シーアン&カナル
(いつもの調子に戻って)
まぁ、きっとお腹が空いてるから、気がたってるんですよ。
ローンドファルさんも食事出してくれませんでしたしねぇ。
どこかで食事でもとって行きましょう。さぁて、何食べよっかなぁ♪

■ルーブルへの道すがら
☆From:クロス  To:マーズ&みんな
ほんと、僕も実はおなかすいて……屋台かなんかで軽いものを買いましょうよ。
さっきみたいなレストランはちょっと肩身狭くって。はは。

 ぐー

……あれ? 誰かおなか鳴ってますよー。
(「よかった、喧嘩になるかと思った…」と内心胸をなで下ろしてるクロス(^^; )

クロスの言葉でパーティに微笑が広がった。

このパーティでは最年長はシーアン、次にカナル、クロス、マーズとセリスが同い年でアフルが一番年下になる。年上の2人が喧嘩になると、ポジション的にクロスが一番苦労しそうな予感がする。実際、今一番ほっとした顔をしているのはクロスのようだ。

■ルーブルへの道すがら
☆From:カナル  To:クロス&全員
同感。そこら辺で適当に済まそうぜ。

飢えた彼らの前に、ちょうどよくパンにハムや野菜をはさんだものを売っている屋台が現れた。セリスが気を利かせて買いに走っていく。

■道ばた
☆From:セリス  To:All
あ、皆さん食べますか?
じゃあ私、買ってきますね(^^)
(いくつ買うのか聞いてとてとて買いに行きます)

■道端
☆From:マーズ  To:セリス
じゃあ、お願いしますね。
えっと、僕は2つお願いします。
あと、野菜なしでハム多くしてもらって下さいねぇ。

■道ばた
☆From:シーアン  To:セリス
(セリスの後を追いかけていって)
 おい、待てよ。一人で持つきか?
俺も手伝うよ。

■道端
☆From:アフル  To:セリス
あ、いいぜ、俺が買いに行くから。
で、俺は一個でいいけど、みんなそれぞれ何個いるんだ?

セリスをかばってシーアンも走りだそうとしたが、最年少を自覚しているアフルが自ら使い走りに名乗り出た。アフルには厳しい姉がいる。その姉の教育の賜物か、女性には弱いという弱点(?)を持っている。さすがに使い走りのプロ、きちんと個数を確認した。

■道ばた
☆From:シーアン  To:セリス、アフル
(アフルが手伝うのを見て)
・・・じゃあ、俺のも頼むわ。2つな。
(仲間のところへ戻っていく)

■屋台の前
☆From:カナル  To:カナル(^^;;
(アフルも気が利かないというか、なんなのか。……それとも、アフルもそうなのか?
だとしたら、あいつは自覚してるのか? ……いや、恐らく無意識だな……。
……まあどうせ、シーアンだってあのお嬢さん相手じゃ勝てる目は出ないだろうが。
どっちにしろ、こういうのは傍目の方がよく分かるって言うのは古今東西変わらないな)

みんなの思惑をよそに、当のセリスにはまったく気づく様子はない。カナルは細い目の奥で1人ほくそえんだ。

■屋台の前
☆From:カナル  To:アフル
そうか、それじゃ俺にも一つ。
マスタードたっぷりでお願いな。

(ちゃんとお金も渡しますよ(^^;

■屋台の前
☆From:クロス  To:アフル
あ、じゃあ、僕は1個でいいですよー。

セリスは食べ歩きは行儀が悪いと、実は自分の分は買わなかった。彼女以外の全員が屋台で買ったパンをかじりながら依頼人にもらった地図とおりに歩くと、無事に古美術店「ルーブル」が見えてきた。建物自体はそう大きくないが、店の外には大きな看板が出ている。
〜 古美術「ルーブル」:買取り・販売よろずご相談ください 〜

■ルーブル近く
☆From:マーズ  To:ALL&セリス
(もぐもぐもぐもぐ・・・・・)
いやぁ、お腹いっぱいになりましたねぇ。
この味であの値段なら、お買い得ってやつですかね。

おや?ルーブルってあれじゃないですか?大きな看板も出てますし。
早速おじさんにお目通りしましょう。
セリスさん、紹介状持ってますよね?



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