#03:スラムの賢者
第6章.微笑みと溜息の再会

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シーフギルド班?

 長い下り階段を降りながら、リュセラはあれこれ考えていた―――。

■ 隠し階段を降りながら
☆From:リュセラ To:(一人で考え事)
 喧嘩はするなよ、か。
別に趣味でやってる訳じゃないんだけど。
でもここで喧嘩なんかしたら、絶対にギルドへの出入り禁止に されるだろうな。
するって決まった訳じゃないからいいけど。
…私は別にギルドから離れても生きてけるからいいけど、 リーザは困るだろうな。
困るって事は向こうも喧嘩はしてこない、って事ね。
なぁんだ、今日は喧嘩なんて起きないって事じゃない。

あ、でも困るところ見てみたい気もする。

…やめた。何か情報持って帰らないと私がダーナとヘルムンスに 馬鹿にされるんだ。
「リュセラ嬢、駄目だったか」 (ははん、やっぱりとへらへら笑うダーナ隊長)
「期待するだけ無駄だと思ってましたよ」 (視線も声も冷たいヘス参謀)
 (注:リュセラの勝手な想像です)
とか言いたい放題言われて、 一生役立たず扱いを受けるんだわ。
そうはなりたくないよね、って私のこれからの事だけど。

 階段を降るといくつかの通路と扉があった。 リュセラは何回かここに来たことがある。 目的の扉を迷わず見つけることが出来た。

■ シーフギルド本部・扉前
☆From:リュセラ
う。この扉を開けるのに、こんなに気が引けるなんて(汗)
んーっ。ここであれこれ悩んででもしょうがないし、 入ってみれば何とかなるか。

 扉を開けるとそこには、カウンターと椅子が3つあった。
カウンターの奥には、金髪の少女が立っていた。と言っても、根元が少し黒いところを見ると、 どうやら黒髪を染めているらしい。瞳の色は碧で、どことなくリュセラと似ていなくもない。
 この少女がリーザである。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
(深呼吸して気を落ち着けた後、近くまで歩いてゆき)
 Hi, リーザ。お仕事頑張ってる?
今日は調べたい事があってギルドに来たんだけど、 担当がリーザだなんて――
(ちょっと言葉に詰まる)
ラッキーよね。とても嬉しくて神様に感謝したいくらい。

…はぁ(吐息)。

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
(扉が開いて入ってきたのがリュセラだと知ると、表情が変った。)
 ハイ、リュセラ。
・・・ちょっと驚きね、あんたがここへ調べ物ですって?

(くすくす笑って)
今日の店番が私で、嬉しい?
―――本当に。
久しぶりに楽しい会話になりそうじゃない。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
 楽しい? 楽しいよね。
私の方はなんとなく楽しくないかも知れない…。
(がくっ、と気落ちしながら席に着く)

突然だけど、あなたとの仲が良くなる方法が聞きたくなったかも。
…お酒も入ってないのに、そんな気分。

ま、今日はそんな事聞きに来たんじゃないけどね。
スラムの下水道の事なんだけど、ジャイアント・ラットが巣を構えてる 場所の情報って入ってない?

 リーザは下水道と聞くと笑い出した。

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
 やだ、リュセラったら下水道に潜るつもり?
やめなさいよ、お似合いすぎるわ。

(ここぞとばかりに馬鹿にしてみる)

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
(爪を噛んだりして悔しいのをこらえつつ、軽く反論してやる)
 私も色々忙しいの。
今度、下水道のパーティーにお呼ばれしてるもんですから。
…リーザも来ればいいのに。きっと人気者よ。

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
(本気らしい事がわかって、ちょっと真顔になる)
―――悪いことは言わないから、 古代王国期の下水道に入るのだけはやめときなさいよ。
・・・まだ、あんたに死なれたくないのよね。返すもの返さないと気分悪いわ。

 下水道と言っても、現在使われている奴(新)と、その更に下にある 古代王国期の下水道(旧)の2つが存在するのだ。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
(リーザが私の事を心配してくれてる…。 何か調子狂う気もするけど嬉しいな)

 あなたって、意外にいい人だったんだ。
こんな時に私の心配してくれるなんて。
(言ってる自分が恥ずかしくなってしまう)
でも、私だって死に急いでる訳じゃないんだし。必ず戻って来るって。

――あれ、でも何かリーザに貸してたっけ?
えと、…思い出せないや。大した物じゃなかったら返さなくっていいよ。
(にこにこしながら、私って心が広いなぁとか考える)

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
(大した物じゃなかったら・・・だってぇ?(怒))
(まだ何か言いたそうだったが、 流石のリーザもこれ以上茶化すのはやめ、 話の本題に戻る)

もうその話はいいわよ。仕事の話に戻すわよ?
―――下水道って、今のじゃないわよね?古代王国期の方のことね?(念押し)
あいにくだけど、下水道でジャイアント・ラットの巣は発見されていないわ。 もちろんあるんでしょうけど、下水道に入る危険を冒してまで、調べようと思った奴は いないってことね。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
――そうそう、仕事の話だったっけ。
(リーザの念押しに、ファレンの話を思い出しながら)
昔の方の下水道だと思う。
何でも、前の地震で何処かが繋がったらしいけど。
そっか、ギルドにも報告来てないんだ。

 それじゃあ、その古代王国期の下水道に関する情報で、
"(スラムの)何処に入口がある"とか "下水道の見取り図"って奴はない?

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
 ギルドにも、”スラムにジャイアントラットが現れた”と言う、 報告ぐらいは来てるわよ、当然。
 地震によって新しく出来た、または塞がれた出入り口はまだ調査中よ。
実は下水道がかなり危険なので、困ってるらしいわ。でも近日中に誰か送り込んで、 新しい地図の作成にかかるでしょうね。
(両手を広げて)そんなわけだから悪いわね。今はまだ地図はないの。

でもね、それ以外のちょっとした情報ならあるわよ。
(にっ、と笑って)100ガメル出せる?

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
 出せるけど、それだけの価値がある情報なのかしら。
(リーザの目を確かめるように見るが、さすがは意外にいい人。 微笑みに誤魔化されるだけである)
…でも地図が駄目なら、それ以外の情報って奴に今は頼るしかないのね。
聞いておけば助かる事もあるだろうし、聞かせてくれる?
(そう言って、カウンターの上に銀貨を数えながら並べてゆく)
あ、でも私の知ってる情報だったらお金は返してよ。

 2レベルでもシーフはシーフ。しっかりしているのであった(笑)。


賢者の学院班

 食料の買い出しと昼食を終えたダーナとヘルムンスは、 賢者の学院前に来ていた。

■ 学院の前
☆From:ダーナ To:ヘス参謀
学院か、以前父についてきた事はあったがまだ小さい頃
の事だったからな余り覚えては無いな。
ヘス参謀情報収集の段取りは宜しく頼むぞ。
さあ、行こうか!

■ 学院の前
☆From:ヘルムンス To:ダーナ
段取りといっても、ハーゲン師のところへ直接行く以外に何か準備が必要 ですかね?
まぁ、質問の内容などはあらかじめ考えておくにこしたことはないとは思 いますが。
あの方でしたらこの時間ならおそらく自室で研究をしているか書物を読ん でいるかだと思いますよ...いつの時間でも大抵そうなのですけどね。

 ヘルムンスの導きで、二人はハーゲンの部屋の前までやってきた。

■ 学院・ハーゲン師の部屋の前
☆From:ヘルムンス To:ダーナ
ええと...ここがハーゲン師の部屋ですよ。
(少々ヘルムンスの様子もいつもと違うようだ。流石の彼でも学院の中、 しかも気難しい師に会うとなれば、少々緊張するようである。)
それでは、交渉の方は主に隊長の方におまかせいたします。
もちろん私も側について、必要な事項については補足したり質問したり しますがね。
(やはり、彼はちょっと師を苦手としているようだ。(^^;;;)

■ 学院・ハーゲン師の部屋の前
☆From:ダーナ To:ドアに向かって
ハーゲンの部屋の前まで来たダーナとヘス参謀。 ダーナが一歩前に出て、すぅっと息を吸い込んだ。

 こちらハーゲン師のお部屋とお聞きしたがハーゲン師居られますか。
少々聞きたい事が有りやって参りました私ダーナ=シャルフともうします。

朗々とした声が廊下に響く、黙って返事を待つダーナ。

 ややあって、ドアが開く。入り口に立っている男は、 まだ髪もふさふさしていて、どうやら”てっぺん禿のハーゲン師” ではなさそうだ(笑)。

■ 学院・ハーゲン師の部屋の前
☆From:助手 To:ダーナさん
 はい。
先生に何か御用ですか?

■ 学院・ハーゲン師の部屋の前
☆From:ダーナ To:助手
助手の方であられるか。
私、ダーナ=シャルフ冒険者をやっている者ですが、
今回、元この学院の在籍者の者についてお伺いしたく
参ったのだが、ハーゲン師にお目通り願えぬか。

■ 学院・ハーゲン師の部屋の前
☆From:助手 To:ダーナさん
 ダーナ=シャルフ?
 シャルフ家の方ですか(ちょっと驚いた風に)。
少々お待ちください。 先生がお会いになれるかどうか、伺ってきます。

 助手が驚いたのは、シャルフ家は名家として名前が知られているからである。
ダーナに言わせると、オラン有数の書庫、骨董品を所有しているらしい。

 助手は一度ドアを閉めた。だが、今度はすぐにドアは開いた。
短い時間でなら面会出来るとのことで、二人は部屋へ通されることになった。
(後でわかった事だが、ハーゲンはアポ無しではなかなか人と会わないらしい (笑))


スラム班

 レンシオ、ジル、ラフィアンの3人は、ホーフの診療所を後、 東の廃屋へ向かっていた。

■ スラム街
☆From:レンシオ To:ジルさん&ラフィアンさん
ところで今向かっている廃屋に入る前に、一つ確認しておきたいことがあるのです けど、私の魔法の援護は必要ありませんね?そもそも相手がジャイアントラットで すからね。
できることなら、後方から弓で援護していたいのですが、いいですか?

■ スラム街
☆From:ジル To:レンシオ&ラフィアン
そうじゃな。今回は一応様子見じゃし、必要ないじゃろう。
しかし、大群に囲まれたりしたときには、お主の「眠りの雲」が一番の戦力とな るからな。
臨機応変に頼むぞ。

 ホーフの診療所から30分ほど歩くと、廃屋が見えてきた。
廃屋と言うより、ガレキの山と言った方が正しいかもしれない。
それは、半分以上倒壊していて、屋根も壁もボロボロで、もとの形がわからない ほどだ。
(それでも、もとが2階建の建物だったろう事だけはわかった)
 周囲には民家はなく、空き地があるだけ。

■ 東の廃屋の外
☆From:レンシオ To:ジル&ラフィアン
(廃屋を外から見て茫然としてる)
・・・・・凄い場所ですね、ここは。
何でアインスさんは酔っていたとはいえ、こんな所にきたんでしょうね?

(ロングボウを手にしながら)
とにかく、ここにジャイアントラットがでるようですからね。十二分に警戒してい きましょう。

■ 東の廃屋入り口
☆From:ジル To:レンシオ&ラフィアン
不覚を取るようなことはまず無いと思うが、用心するに超したことはな いの。
(背中に背負っていたバトルアックスを手にする)
日光が照り込んでおる様じゃから、明かりの心配をする必要は無さそうじゃ。
念のため、夜目が効くワシが先頭に立とう。
ラフィアン、準備はいいか?

■ 東の廃屋入り口
☆From:ラフィアン To:レンシオ&ジル
(手にしたメイスを振り回しながら)
こっちはいつでも大丈夫だぜ!

 3人は警戒しながら、廃屋に入っていった・・・。


シーフギルド班

 そして舞台はまた、シーフギルドへ。

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
(流石、ちゃっかりしてるわね。)
(100ガメルを素早く数え終わると、袋にしまい、引き出しの奥へ)
 下水道の地図はないけど、出入り口の1つを知ってるわよ。
スラムの西にね、空き家があるのよ。そこの枯井戸から下水道へ行けるらしいわ。
 でも、入ろうだなんて考えないことね。
 あんたのレベルじゃ危ないし、第一、ギルドがそこから人を送り込むつもりらしいから。

 他には・・・目撃数とかから考えると、東の廃屋、北の廃倉庫の近くにも出入り口 があるんだろうね。地震であちこち崩れているから、 もしかしたら他にもまだ出入り口はあるのかもしれないけど。

 ジャイアントラットの最大目撃数だけど、4匹見たと言う情報があったわよ。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
 そう。それだけでも何か役には立つと思う…。
(聞いた情報を覚えておく)
でも、ちょっと100ガメルは高い気がするな。 私の知ってる事も少し入ってたし。
まぁ、ここで払った以上、簡単に返してとは言わないけど。

で、もう一つ頼める?
元賢者の学院の生徒。今はスラムの中央近くに移り住んでる奴で、 薬師をしてるファレン=ディーナって若い人間の男の事なんだけど。
彼について何か情報ないかな。
過去の事でもいいし、これからの話でも。
面白い話があるんだったら、50ガメル追加して聞いてあげる。
(にこっ、と笑う)

 追加の50ガメルを差し出す。(前金なんだね)

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
 ファレン=ディーナか。聞いたことないわね。
でもちょっと待ってて。調べてみるわ。

(リュセラを残して奥の部屋で入る。リュセラが一息つく間もなく、 すぐに戻ってくる)

 ファレン=ディーナなんて奴はリストに載ってなかったわよ。
でもねぇ、ファレン=ディウイーナって奴のだったら、あったんだけど (にやり)。

 1年前の今ごろに賢者の学院を破門されてるわね。 師は石頭で有名なハーゲン師ですって。破門の理由は薬品の無断持ち出し。 ・・・薬品は毒物とかじゃないみたいね、残念。
 現在はスラムでヒーラー(LV3)として活躍中。
性格はいたって温厚。ただし自分の信念の為には多少無理を通すことがある。
―――だってさ。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
 そうそう、ディウイーナだったっけ。(気まずさで視線をそらす)
今の話だけど、殆ど知ってる事だったからあんまり面白く無かったな。
実を言うと、本人に会って来てるんだけど…本人の口からは もっと楽しい話が無料(ただ)で聞けたわよ。
調べる時間からして、大した情報じゃないな、とは思ったけど。

(文句を言いながら、財布を手に取って…)
 そうだ。そのファレンから私が聞いた話、買ってくれない?
ギルドにとって、必要になる情報かも知れないし、 もしかすると金になるかもね。
どう?
今なら格安。50ガメル払い戻してくれれば売ってあげるけど。

 それは情報交換ってことだね?
でも、”売ってあげるけど”の部分が、勝ち気なリーザには気に食わなかったらしい。

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
 ふん、名前を間違って記憶してたくせに、よく言うよね。
(笑っちゃうわ〜ってなポーズ)

(それでも50ガメルを返してよこす)
 勘違いしないでよ。あんたの情報が欲しいんじゃないわよ。
あんたが知りたがった情報はファレン=ディーナでしょ?
私はそれとは別人のファレン=ディウイーナの話を勝手に したの。
 ファレン=ディーナの情報はなかったんだから、情報料は返すわよ。 それだけ。

 取り引きは失敗したけど、追加料金の50ガメルは戻ってきた(苦笑)。

■ シーフギルド本部
☆From:リュセラ To:リーザ
 それだけ、なら帰るわね。お節介なリーザさん。
(むかつく心を押さえつつ、多少乱暴に席を立つ。 しっかり50ガメルは受け取って(笑))

…今日は時間が無いから残念だけど、そのうちにゆっくり話す機会が あるといいわね。
それじゃ、今日はありがと。 (素っ気なく礼を言うと、来た扉に向かう)

■ シーフギルド本部
☆From:リーザ To:リュセラ
 どういたしまして。
・・・また、来なよね。

 久しぶりの再会は、ため息のうちに終わったのかな?
リュセラはこの後、ダーナ、ヘルムンスとの待ち合わせ場所である、 銀の網亭へと向かった。


賢者の学院班

 ハーゲンは書斎にいた。書斎と言っても、ファレンの家のようなチャチなものでは ない。床には品の良い絨毯が敷かれ、四方の壁は本棚で埋められていたが、そこにあ る蔵書は素人目にも貴重なものであると思われた。
 正面の大きな机に、ハーゲンはいた。(銀色の長髪で、確かに 頭のてっぺんが禿げている。)
 手紙を書いてた最中らしく、道具を机のわきへどけると、 助手が二人に席を勧めるのを待ち、口を開いた。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ハーゲン To:二人に向かって
 私がハーゲンだが。
聞きたいこととは何かね?
私は忙しいのでね、手短にすませてもらおう。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ダーナ To:ハーゲン師
(時間を取らせまいと少々早口で。)
 私、ダーナ=シャルフと申します。
こっちがヘルムンス、共に冒険者をやっております。
お忙しい所時間を割いていただき申し訳有りません。
先ほど助手の方に申し上げたように、この学院の元在学生
ファレンという者についてお伺いしたく参りました。
ファレンはこの学院を放校になったとか聞きましたが、
賢者の学院を放校されるとなるとそれなりの
後ろ暗いものが有るのではないかと思いまして。
そうだったよな、ヘス参謀。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ヘルムンス To:ハーゲン師
まぁだいたいそのような次第なのですが...
後ろ暗い、とまでは言いませんが、その、何か事情があっての処分であろう と思いますので、できればそのあたりの経緯をわれわれにお教え頂ければと 思い、こちらまで参上した次第なのです。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ハーゲン To:二人
 ファレン=ディウイーナか。
・・・その名前を聞くのも久しぶりだな。(ちょっと目をふせる)
君たちは聞いてどうする?
これは彼の名誉にも関わる問題だろうからな。 そう軽々と教えるわけにはいかないだろう。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ヘルムンス To:ハーゲン師
(しばし考えたのち)
ええとですね...実は私共は冒険者としてファレン氏からある依頼を受け たのですが、調査を進める中で何点かふにおちない点も存在するのです。
そこで、決して依頼人を疑っているというわけではないのですが、あらゆる ファクターを検討するという意味と、依頼解決の手がかりになればという意 味で、ファレン氏の現在に至るまでのいきさつをお伺いできればと思いまし て、こうして参上した次第なのです。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ダーナ To:ハーゲン師
 ヘスが今言った様に我々は今はファレンに雇われている身です。
スラムの下水に出るジャイアントラットの駆除をやっています。
しかし、彼の人柄の良さと学院を破門になったと言う所が結びつかず、
正式に受けた依頼ではありますが、破門の件の様な不透明な所が有りましたので
仲間の安全の為、一応の確認としてこうやって訪れたまでです。
彼が師の保証できるほどの人物で有りますならば、彼の名誉の為にも
何も聞かず立ち去っても我々は構いません。
しかし、何か我々にとって危険と思い当たられる事がお有りなら、
どうかおきかせ願えませんかもちろん我が家名に誓っても他言は致しませぬ。
 

 ハーゲンは二人の返事に納得したみたいだ。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ハーゲン To:二人
 スラムか・・・。相変わらずのようだな、あの男は(苦笑)。

(まっすぐ2人を見据えながら、語りはじめる)
―――1年ほど前のことだ。
あの男はスラムの人間が感染症で苦しんでいるのを知り、 それを救いたいと言い出した。・・・私にも何度も相談しに来たが、 私はそこまで暇ではないし、研究せねばならないことは他にごまんとあった。
私が彼の願いを聞き届けなかったのが原因だったのか、 彼はとうとう独断で倉庫から薬品を持ち出したのだ。
私が発見し、上に通告した結果、彼は破門された。当然のことだ。

(再び机に目を戻す)
だが・・・くじけてないな、彼は。
(一瞬微笑んだように見えた)

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ヘルムンス To:ハーゲン師
なるほど...そのような事情があったのですか。
それならば、彼の今回の依頼の件についても合点がいくというものです。
...今回の質問で、お気を悪くされたら申し訳ありませんでした。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ダーナ To:ハーゲン 
ハーゲンが語り終え暫く言葉を切り出せなかったダーナ。
ふぅ、と深く息を吐き出した後、
 いや、お恥ずかしい..私は..彼を疑っていました。
人を見る目がこれほど自分に無いとは..まったく。
彼を疑った私の方が汚れた考えを持った人間だったのだな。
 ハーゲン師、お話下さり有り難うございました。
これで全力で彼に協力し仕事をする事が出来ます。
最後に今一つ彼の持ち出した薬品とは何だったのでしょう。
危険な薬品だったのでしょうか?

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ハーゲン To:二人 
 うむ・・・。私が言えた義理ではないが、頑張ってくれたまえ。

ファレンが持ち出した薬品だが、危険なものはなかったと記憶している。
全て治療薬の類だ。消毒薬や、炎症を押さえる薬。 痛みや腫れを押さえるただの薬でも、スラムでは不足していたからな。

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ヘルムンス To:ハーゲン師&ダーナ
そうですか...お忙しいところ、ありがとうございました。
(ダーナに向かって小声で)
ファレンさんがどういう人だったかも分かったことですし、 ここはおいとまいたしませんか?

■ 学院・ハーゲンの部屋
☆From:ダーナ To:ヘス参謀&ハーゲン師
 ふむ、そうだな余り長居もご迷惑だろうそろそろ御暇するとしよう。
ハーゲン師、貴重な研究のお時間を割いて頂き申し訳ありませんでした。
ご協力大変感謝いたします。

ヘス参謀に向き直り。
 ヘス参謀、リュセラ嬢と待ち合わせの時刻に近い、
図書館の調査は取り止めにして待ち合わせ場所に行こう。
ハーゲン師、それでは失礼します。

 ハーゲンに挨拶を済ませると、二人は学院を後にし、銀の網亭へと向かった。

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連絡先

GM:澤口 佳子(かなめ)
E-mail:kaname@yk.netlaputa.ne.jp