SW-PBM Scenario #88 目次

レインとイザベル(後編)


クロード家 イザベルの自室

レインの容赦ない言葉に、再びイザベルは崩れる。ベッドにうつ伏せに寝ると、枕に顔を押し当てて、しくしくと泣き始めた。
■レイン To:イザベル
 ほら、リラックス、リラックス。

肩のあたりまで布団をかけてやりながら言う。
しかしリラックス出来るわけがない(^^;。布団がかけられただけでびくっと体を震わせる。
■レイン To:イザベル
 ちょっと待ってて。

泣いてるイザベルの背中に声をかけると、そっと部屋を出て行った。
クロード家 門の外

イザベルのご学友と言う事で屋敷に通されたレイン。
誰に何を言われることもなく、屋敷の外へ出れた。
■レイン To:ALL
 なんかねぇ、イザベルが持ってた薬、誰かが持ち出しちゃったみたい。
 探すのには協力してくれそうなんだけど。

■イグレッタ To:レイン
なんですって!またなの!
それで、イザベルは手後れって事?

■レイン To:イグレッタ
 ヴィトリスの神聖魔法で治せる…かもしんない。

■ヴィトリス To:レイン
やったことないんですけどね…

自信なげにつぶやく
一瞬イグレッタの片眉がピクリと上がる
■イグレッタ To:ヴィトリス
ヴィトリス!とりあえず行きなさい
と言うより、連れて来れない程ひどいわけ?

気をつけていれば、声音に口惜しさが聞いて取れるかもしれない。
■レイン To:イグレッタ
 銀の網亭に行くくらいは大丈夫だと思うけど。
 治してあげてからゴネられても困るし、銀の網亭に連れて行ってからにする?
 それなら、先に銀の網亭に帰っといてくれればいいけど。

■イグレッタ To:レイン
そうね、それでいいなら私は銀の網亭に帰るわ

■レイン To:イグレッタ
 んじゃ、引っ張ってこよっか。

■イグレッタ To:レイン
そうして

即答(笑)
クロード家 イザベルの自室

レインは一人で部屋に戻った。
イザベルの応答が無い。どうやら待ってる間に眠ってしまったらしい。
■レイン To:イザベル
 寝てるの?死んだ?

 つんつん
ぴくっ
―――どうやら死んではいないらしい。
突付かれるとゆっくりと目を開き、ややあってレインに気づいた。
■イザベル To:レイン
戻って・・・来たの。

声に力が無い。起き上がっても来ない。
■レイン To:イザベル
 どう?心の準備はできた?

小さく頷く。
■イザベル To:レイン
私には他に選択肢は無いもの・・・。
どんどん悪くなってるのがわかるわ。
早く・・・治して、お願い・・・まだ死にたくない。

再び目を閉じ、両手は胸の上で組んで、きゅっと口を閉じる。
■レイン To:イザベル
 ほんとはここで、と思ってたんだけど、起きられる?
 来て欲しいところがあるんだ。

■イザベル To:レイン
・・・?
どこへ・・・?

不思議に思いながらも、レインの言うとおりにするようだ。
起き上がろうとする―――が、力が入らない。頭をちょっと持ち上げただけで、また枕に沈んでしまう。
■イザベル To:レイン
駄目・・・力が入らないわ。

悔し涙が目に溢れる。
■レイン To:イザベル
 それじゃ、お姫様、お手を。

 そう言ってイザベルの手を取る。
イザベルはおっかなびっくりその手を握ると、ベッドからようやく立ち上がる事が出来た。
そのままレインにもたれかかり、レインは彼女に肩を貸す。
■イザベル To:レイン
私・・・これからどうなるの?
あなたが何を考えているかさっぱりだわ・・・。

■レイン To:イザベル
 色々。あんなこととかこんなこととか。

■イザベル To:レイン
!?

聞かなきゃ良かったと後悔しつつ(^^;、絶句したまま玄関へ―――
クロード家 玄関

■執事 To:イザベルお嬢様
お、お嬢様!?ど、どうなさったのですか?

こっそり屋敷を出たかったのだが、やはり見つかってしまった。レインにもたれかかるイザベルを見て、執事があわてた様子で声をかけて来た。
■レイン To:執事
 しーーーっ、メイドとかに見つかって噂になったら困るから静かに。
 ちょっとそこまで出かけるだけだから。

■イザベル To:執事
な、何でもないのよ。夜にはちゃんと戻るから―――
この事は他言無用よ?わかったわね。

■執事 To:イザベルお嬢様
(・・・お嬢様ももう14歳。たまには羽をお伸ばしになりたいのでしょう)
・・・わかりました。お嬢様を信じてお帰りをお待ちしています。

夜には戻ると聞いて、ちょっと安堵の執事。
■執事 To:レイン
お嬢様の戻りが遅くならないよう、頼みますよ。

レインに一言釘を刺す。戻らなければ大捜索になるだろう。
執事に見送られて(見張られて?)2人は門の外へ。
そのまま大通りまで出る。
大通り

■イザベル To:レイン
・・・ねぇ、馬車を止めて。
どこに行くのかわからないけれど、馬車で移動しましょう?

辛そうな表情で、お願いをする。
■レイン To:イザベル
 いいよ。

レインは馬車を止めると、イザベルを抱えたまま乗り込んだ。
行き先を告げられた御者は、聞きなれない名前に少し怪訝な顔をしたが、すぐに前を向くと馬車を出発させた。



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