SW-PBM Scenario #88 | 目次 |
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ルーデンス邸前 |
調査3日目。イグレッタ、ナミキ、ランス、レインは、メモを見ながらなんとかルーデンス邸に辿りつくことが出来た。
なるほど、スカルノ邸とは割と近いような気もする。
もっとも、貴族が住むエリアはだいたい決まっているのだが・・・。
ルーデンス邸はスカルノ邸とは対照的に、地味な感じの建物であった。いや、落ち着いていると言うべきか・・・。
しかし共通点もある。ここもスカルノ邸と同じく、門の前にゴツイ男が立っていた。
ルーデンス家の門番を遠目に見ながら。
■ナミキ To:ALL |
で、どうする? 紹介状とかはとくにないんでしょ? カレンさんからの伝言を伝えに来たとか嘘つく? まあ一番楽そうなのは、カレンさんに一緒にきてもらうことだけど……。 |
■イグレッタ To:ナミキ&ALL |
紹介状?無いわね 知らないうちに、レインがもらってたらあるけど それと、実際あの薬を使っているか解らないのに来てくれるかしら… |
疑わしげだ
■イグレッタ To:ナミキ&ALL |
生徒の事を話したなんて、なるべくバレたくないんじゃない |
そりゃそうだろう。カレンは口に出しては言わなかったが”慎重に”ってのには、そういう事も含まれている。
■ナミキ To:イグレッタ |
そっか、まあそうよね。 まだあせることもないか。 |
■イグレッタ To:ナミキ |
だといいけど 薬の残量を思うと、そうも言ってられないわ |
■ナミキ To:イグレッタ |
あ、そか。ぐずぐずしてると儲けがなくなっちゃうわ。 |
そうじゃないだろ。
■ランス To:イグレッタ、ナミキ |
せやけど、あの薬ってごっつう高かったやんか。 副作用が出るような量を、そないな歳の娘が簡単に 買えるもんなんかなぁ・・・? |
■イグレッタ To:ランス |
さぁ 金持ちのお嬢様だもの解らないわ |
■ナミキ To:ランス、イグレッタ |
それに盗んだものだしね。意外と格安だったり。 もしくはお嬢様への貢ぎ物とかね。 |
その時、屋敷から少女が出てきた。門番がお辞儀をし、一言二言かわすと門を開け、少女が通りに出る。
少女は大きめの手提げバッグを持ち、三角塔に向かって歩き出した。
■イグレッタ To:ALL |
あれ、本人かしら? |
少女をよく見てみる。
・・・決して痩せてはいない・・・しかし、太ってるとも言えない・・・。いや、少しふっくらとしてる気がするが、まずまず標準体型と言って良いだろう。
■ナミキ To:ALL |
直接聞いてみましょっか。 それともあとでもつける? 直接聞いたほうがはやいけど、素直にいってくれるとは思えないしねぇ。 |
■イグレッタ To:ナミキ&ALL |
直接聞いたほうがいいでしょ? 命にかかわるんだから 確かに聞き方と聞く人間が問題ね まず、薬じゃなくて、ローブの男から当たってみる? |
と言ってるが、深く考えて言っているか謎である。
■ランス To:ALL |
そないな事いうても、下手に誘たら本当の話を してくれへんかも・・ |
とかなんとか言ってる間も、少女はどんどん歩いていく。
角を曲がり、見えなくなった。
■イグレッタ To:ALL |
行くわ |
少女を追いかけた。
■ランス To:イグレッタ |
あ、おいおい! |
■イグレッタ To:少女 |
ちょっと、あなた。 |
■少女 To:誰? |
えっ?な、何? |
いきなり背後から冒険者風の女に呼びとめられて、(しかもイグレッタだし(^^;)少女は怯えているようだ。
少女の反応に心外だと言いたげな表情を浮かべたが、気を取り直して紹介をする。
■イグレッタ To:少女 |
ガレリア・ルーデンス? 私はイグレッタ・マロック、マイリーの神官戦士よ 銀の網亭で依頼を受けている冒険者だわ 今、扱い次第で危険な物を追っているの 手後れになる前に取り戻す為にね ある情報すじから、あなたが関わっているらしいと聞いてね ちょっと協力して頂けるかしら? |
■ガレリア To:イグレッタ |
ちょ、ちょっと待って下さい。 確かに私はガレリア・ルーデンスですけど・・・。 な、何がなんだか――― |
おろおろし、思わず周りを見まわす。しかし、冒険者に囲まれてたり(笑)
■ランス To:ガレリア |
あ、すまん。別に脅かすつもりはなかったんや。 イグレッタも話した通り、わいらは今大切なものを 探してて、いろいろ聞きまわったら君の名前が出てきたっちゅう訳や。別にとって食ったりせぇへんから 少し話を聞かせてもらわれへんかな・・・ |
■ガレリア To:冒険者さん |
えっと・・・あなた達は銀の網亭と言う所から来た冒険者さん達で、 依頼って言うのをこなしていて、 それで・・・私の名前が出て来たって、どういう事ですか? |
イグレッタとランスの話を1つ1つかみしめるように確かめていく。どれも普段、聞きなれない言葉ばかりだ。
■イグレッタ To:カレリア |
道の真ん中で話しって言うのも何でしょう 端へ行きましょう |
道の端に丁度よくある荷物の影に誘う。
■ガレリア To:冒険者さん |
あの・・・授業が始まってしまうので、急いでるんです。 あまり長くは――― |
■イグレッタ To:ガレリア |
かまわないわ でも、本当に危険なものらしいから、話しが終らなかったら 学校の後もう一度逢う事になるかも知れないわね |
ガレリアすごく迷惑そう。
■イグレッタ To:ガレリア |
6日前、王城付近に出かけなかった? |
■ガレリア To:イグレッタ |
? 毎日近くを通ってますけど・・・。 |
何でそんな事を聞くのかわからない―――と言った感じだ。
■イグレッタ To:ガレリア |
ローブの男を見掛けた覚えは? |
びくっと、ガレリアの体が強張る。
■ガレリア To:イグレッタ |
し、知りません。 |
■レイン To:ガレリア |
ここ数日、体調を酷く崩したり、気分が悪くなったりしたことはない? |
■ガレリア To:冒険者さん |
そんなことないです! 人違いか何かじゃないんですか? わ、私、三角塔へ行かないと―――失礼します。 |
強引に歩き出そうとする。
■イグレッタ To:ガレリア |
ちょっと待ちなさい! 危険なモノだといったでしょう! そいつは…ローブの男は質の悪い盗賊でね… |
■ガレリア To:イグレッタ |
そこをどいて下さい! 私はこの通り、どこも悪くなってませんっ。 |
キッとイグレッタを睨み付ける。
やましい事はないとばかりに、平然とガレリアを見返す。
■イグレッタ To:ガレリア |
最近ある研究所に忍び込んで、薬を盗んだの よりにもよって、完成品でなく試作品をね それに使い方を誤れば、死ぬのに説明書をつけないで売ったふしがある |
■ガレリア |
・・・・・・ |
■イグレッタ To:ガレリア |
危険な薬が60錠入った瓶 黄色の小さなツブツブが見える白い錠剤 痩せる効果はあるけど、命と引き換えかもしれないモノよ 解毒剤は… |
■ガレリア To:冒険者達 |
本当に遅刻しちゃう! これ以上、邪魔をするなら人を呼びますっ。 |
冒険者を押しのけると、小走りで走っていく。
ガレリアを見送りながら……
■ナミキ To:ガレリア |
あ、無理に引き止めちゃってごめんなさいね。 あなたがその薬を知らないっていうのなら全然問題ないの。 でも、使い方を誤ると本当に大変なものらしいから……。 なにか知っていたら、冒険者の店「銀の網亭」まできて頂戴ね。 |
走り去った方を見ながら。
■イグレッタ To:ALL |
…あの娘、絶対ローブの男を知ってるわ。 どうやら当たりね |
■ナミキ To:ALL |
そうね。 とりあえず、彼女は今後も要マーク。 彼女の動向を張り込みで見張ってれば例のローブ男にも会えるかもしれないし。 |
この場にいる唯一のシーフ、レインがガレリアを見張る事になった。
この日は結局、ガレリアは三角塔へ行き、数時間授業を受けると、どこにも寄らずに帰宅しただけだった。
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