SW-PBM Scenario #88 目次

盗賊ギルド


盗賊ギルド

 スカルノ邸を出た後、アンリは裏路地を歩いていた。
 やがて1軒の酒場の前で止まる。ここはギルドへの入り口の1つである。日が高いためか、まだ札は”準備中”のままだ。
 アンリは札を無視し、店内に入った。掃除をしていた男が振りかえったが、顔なじみの男だ。アンリは男に目配せをすると、素早くカウンターの中に入り、秘密の階段から地下へ降りていく。

 階段を降りきると、いくつかの通路と扉があった。
 アンリの行く場所は決まっていた。迷うことなく1つの扉を選んだ。
 扉を開けるとそこにはカウンターと3つの椅子がある。既に何度も見た光景だ。しかし・・・カウンターの奥にいるのは、いつものミスティ姉さんではなかった。
 少し尖った耳・・・ハーフエルフのようだ。肩までの金髪で、ミスティより若い女―――少女と言っても良かった―――がたいくつそうに資料整理をしている。
■アンリ To:少女
 ありっ・・・?人が違う・・・時間が違うからカナ?
 ま、いっか☆こんちわ〜♪

場違いなまでに明るく元気な挨拶をかます。
■リーザ To:アンリ
(グラスランナーか、やかましいなぁ)
こんにちわ・・・。
欲しいものは何?

書類を片付けつつ、単刀直入に聞いてきた。
■アンリ To:少女
 んとね、情報!!
 まず、お姉ちゃんの名前から教えてくれる〜?オレはアンリだよ♪

■リーザ To:アンリ
私の名前はリーザよ。
アンリね、覚えておくわ。まだ入ったばかり?
情報はタダじゃあげれないの、いい?

指でわっかを作る。
■アンリ To:リーザ
 んっと、入ったばっかじゃないけどここにはあんまり来ないカナ?
(わっかを見て)
 これで飴玉とかあんまんとか言ったら・・・いや、わっかだからドーナッツかな〜?そうだったら面白いけど持ってないや♪
 あ、ソレなら持ってるから大丈夫☆・・・多分ネ♪

アンリが差し出した50ガメルをリーザはさっと受け取った。
■アンリ To:リーザ
 んで、まずは、最近食欲増進とか減退とかに効く薬を探しているヤツとかそれを売ってたりするヤツっていない?あと、妙に金回りのいいヤツとか・・・
 あ、他に最近食に異常がある人とか変に痩せてきたって噂の人いない〜?
 あとは・・・キャロリン村の辺りで最近儲け話が転がってたりしなかった?

■リーザ To:アンリ
(はぁ・・・?何の依頼を受けてるの?)
薬についての情報は入ってないわね。
キャロリン村で儲け話があるの?(逆に良い事教わったわ(笑))

■アンリ To:リーザ
 ふぅ〜ん・・・薬は無しかぁ〜・・・ま、麻薬じゃないしネ♪
 あれ?儲け話も無いの?つーことは、アレってもぐりなのかなぁ〜?

■リーザ To:アンリ
金回りの良い奴の情報も特に入ってはいないけれど―――
(50ガメルも貰っといて、何もないじゃ可哀相よね・・・)
関係あるかわからないけれど、うちらに無断で商売してた奴の情報なら入ってるわよ。

■アンリ To:リーザ
 ホントに!?どんなの、どんなの!!教えて教えて〜♪

■リーザ To:アンリ
えーっとね、(ガサガサ)あった、これよ。
4日前に王城の近くの通りでね、男が通行人に何か売ったみたいね。
男はローブをかぶってたって(笑)。
売ったものはよく見えなかったみたいだけど、片手で持てるような小さいものだと言う事よ。
買った人間は女。うちの構成員は客の方は追い駆けてないわね。
でも、ローブの男の住所はつきとめてるわ。今はまだ泳がせてる段階ってことかしら。

■アンリ To:リーザ
 四日かぁ〜・・・逆算したらそんなもんかな?日付・・・。
 あからっさまに怪しげなカッコをする辺りから、もぐりっぽいけど何者なのカナ?
 あ、うん!!住所、教えて!!
 んでもって・・・買った女がどこにいるかも調べらんない?(確か、犯人よりも薬を取り返すほうが先なんだもんネ!!)

■リーザ To:アンリ
 ま、カッコからするとうちらの同業者じゃないわよね(笑)。
だからまだ無事なんでしょ。もっともこれからも断り無く商売をするようだったら、ギルドも黙ってはいないと思うけど。流石に1回だけで、証拠もないんじゃね。ギルドもそこまで暇じゃないし―――。
 買った女について調べるのはちょっと大変かもね。出来るだけやってみるけど、明日もまた来れる?

わざとローブの男の住所について、コメントしない?
どうやらまた追加料金を払わないと教えてくれそうにない気配だ。
■アンリ To:リーザ
 ちぇっ・・・誤魔化せなかったか・・・
 んじゃ、ローブの男の住所教えて♪
 あと女の居場所を調べておくのも頼んでいい〜?

テーブルの上に100ガメルほど置いて、相手の反応を窺う。
やはりリーザはあっさりそれを受け取る(笑)
■リーザ To:アンリ
んじゃ、これが地図だから写していいよ。
女については明日ね。

100ガメルも受けとって、地図は自分で写せと言う(笑)。
流石に羊皮紙とペンは出してくれたが・・・
■アンリ To:リーザ
 ちぇっ・・・貸してくれればいいのにぃ〜・・・オレ字とか読めないのに〜!!
 面白くない〜!!ナミキのお姉ちゃんとかに怒られたら嫌だから写すけどネ☆

ぶちぶちと文句をいいながらも丸写し。
字とかはさっぱり読めないので余計な所まで丸写ししてたりする(笑)
■アンリ To:リーザ
 んっと・・・よし、これで終わり〜☆
 んじゃ、明日適当な時間にまた来るからネ〜♪ヨロシク☆

写した方の地図を握り締めてリーザに手を振ると扉から走り去っていった。
■リーザ
(あーあ、また暇になっちゃった。
早く交代の時間にならないかな〜)

気付くと、自分の右手があがってる。バイバイだなんて柄でもない。
誰にも見られなくて良かった・・・。



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