銀の網亭・個室 |
賢者の学院からの依頼を選んだ冒険者達は、おやじによって二階の個室に追いやられた。
■クラゥン To:おやじ…? |
いや待て我々はこの店を使うつまり客であるからして、それを追いやるとゆー表現は非常に不適切かつ営業スマイルの足りぬ表現であろう! |
ぎゃいぎゃい喚くエルフが1名。
うるさい客を追いやるのは、店としてとても正しい姿勢である。
■エル To:クラゥン |
エルフというものはもっと物静かでおしとやかな種族だという認識でいたのですが……。 それとも、個体差というやつでしょうか。勉強になります。 |
標本を見る目。
■クラゥン To:エル |
ぬを? ……ふっ、俺様の魅力に釘付けであるか。はっはっははー。 |
気づかない方が幸せなこともある。
■おやじ To:ALL |
それじゃあ、これから依頼主に使いを出す。 こちらに来て貰うか、もしかするとお前達に依頼主の元へ行って貰うかもしれん。 具体的な返事が来るまで、取り敢えずここで飯でも食いながら待ってろ。 新顔も多いし、親睦を深めるって奴だな。 注文は今受けておくぞ。さあ、注文しろ。 |
■エル To:おやじ |
お金がありません。(きっぱり) 支度金が少なかったので、冒険用の装備を揃えるので精一杯でした。 というわけで、お構いなく。ファリスは食わねど高楊枝、です。 |
でもそのお腹から「ぐ〜きゅるる」とか聞こえていたり。
■クローエ To:おやじ |
お酒。全員分ね。 |
つづいて間髪いれずに、フードを深くかぶったままの細身の人物が言い放った。
■クラゥン To:クローエ |
Σ ちょ。俺様は飲ま―― |
■クローエ To:おやじ、エル、クラゥン、ALL |
『大地の恵み』。入ってるんでしょ? あれは良いお酒よ… 若いんだから、湿気たことを言わずに景気をつけましょ。奢ってあげますよ? |
フードの下で表情が分からないが、すでにいくらか酒が入ってるようだ。
…いくらか?
■エル To:クローエ |
おお、太っ腹。ではありがたくご馳走になります。 この恩は働きで返すということで。 |
■クラゥン To:クローエ>おやじ |
(これは同族なのか。それとも耳の長いドワーフなのか…) えーといやいや、好意はありがたいのだが酒は苦くて苦手だ。 俺様はホットミルクを所望するぞ。 あとはフレッシュサラダ、ハーフサイズで。 ドレッシングはノンオイルにしてくれ。 |
■シグナス To:クローエ、クラゥン、おやじ |
はは、苦手な奴にまで薦めるもんじゃないさ。ワインなら俺が貰っとくぜ。 それと魚で良いの入ってたら香草焼きで、無けりゃチキンで良いや。 |
■クローエ To:シグナス、クラゥン |
むぅ。おいしいのに… |
表情は見えにくいが、残念そうだ。
■シグナス To:ALL |
さて、と。一応改めて自己紹介でもしとくか。俺はシグナス、シグナス・ラグス。 一応席は学院とファリス神殿と……まあ、極稀に、極めて稀にギルドにも顔を出してない事も無い事も無い。 ま、腕前はさておき手数だけは多いテンハンドさんだ。穴埋めみたいな感じでヨロシク。 |
■エル To:シグナス |
なんと、ファリス信徒の方でしたか。 ……ん? んん……しぐなす……シグナス? 思い出しました。教育上よろしくないから決して近づいてはいけない、とお師匠様から聞かされていた名前です。 そうですか、あなたがファリス神殿の「ぶらっくりすと」トップランクの要注意人物……。 |
じーっ、と。危険物を見る目。
■クローエ To:エル、シグナス |
…ファリス神殿認定の要注意人物? |
さらに、フードの奥から、じーっ、と疑う目。
■シグナス To:エル |
誰だそんなリスト作ったヤツァ!? |
■クラゥン To:エル |
なんと! そんなヤバイやつなのか? |
若干身を引きつつ、シグナスとエルを交互に見つめる。
■エル To:クラゥン |
ええ。……あれ? いや、間違えました。「ぶらっくりすと」ではなく「れっどでーたぶっく」だったかもしれません。 |
■シグナス To:エル、クラゥン |
絶滅危惧種じゃねえか冤罪にも程があるよ!?っつか俺絶滅される側じゃねソレ!?……俺何も悪い事は……うん、こう、悪い事はしてないよ? いやそりゃ清廉潔白と言えるほど純粋な訳でも無いけれど許容量は人それぞれな訳で人様に迷惑掛けない辺りが一つのラインとしてありますのよぜ? |
■クラゥン To:シグナス |
んん? 一瞬言いよどんだようだが… ふむ。つまりファリス神殿が思わず「絶滅しそうで心配だなー、いっそ捕獲して監禁して守っちゃおうかー、いやいや可愛さ余って憎さなんとかー」てな感じで、レッドかブラックかなにかしらのリストに名前を挙げるよーな人物であるのだな! ファリス神殿の(ネタ的な意味で)重要人物か…。 |
なにやら1人頷いている。
■シグナス To:クラゥン |
怖ぇよ!?神殿の方じゃそこまで何かしでかした覚えはねぇ……筈だし!? ……たまにノリで炊き出し材料に全額突っ込んでっから心配されてんのか……? |
■エル To:シグナス |
……なるほど。 大口の寄進をしてくださる方と認識されて「れっどでーたぶっく」に載ったのかもしれません。 決して逃がしてはならない、オイシイ金づるとして……。 |
うむうむ、と。納得のいった表情。
■クローエ To:シグナス、ALL |
…ふふふ。危ない人ではない事はなんとなくわかっていましたよ?シグナスさん。 さて、わしも自己紹介をしていなかったかしら。名前はクローエ。 …ああ、この杖は昔に他界した主人の形見なので、わしはハイエンシェントは使えないのよ。 本業は、精霊使い。最近は外をうろつくことが多いから、野外の知識も鋭意勉強中。趣味は古い歌や物語の収集なの。 みなさんよろしくね? |
■クラゥン To:クローエ |
ほう。人生経験長そうオーラがすると思ったら、マダムエルフか。 俺様のよーな若輩者は、とりあえずハハーッと崇めておこう。 そのおっきなフードも趣味か? |
■クローエ To:クラゥン |
奥さんというより御婆ちゃんねえ。 ずっとオランの街で人間の社会の中で暮らしてきたから…姿かたちが変わらないというのもね? ほら、いろいろ世間体と言うものがあったのよ。 |
心なしか、そう語る声には寂しさのようなものが。
■クラゥン To:クローエ |
Σ ぬう。む、むむ、そうか…。 ニンゲンの世界で暮らすというのは中々に大変なものなのだな。 |
長い耳がしゅんと下がった。
■クローエ To:クラゥン |
…そうねえ。そういえば確かにもう、隠す必要も無いはずなのだけれど。 つい癖で。100年以上こうしてきたものだから。 |
■クラゥン To:クローエ |
うーむ、まあ癖というのならば構わんが、たまには外してみるのも気分転換になると思うぞ。 あんた誰!?的な、新鮮な扱いを受けそーではあるが。 |
■クローエ To:クラゥン |
気が向いたら、そうしてみようかしらね。ありがとう。 |
口元が笑っているので、アドバイスを喜んでいるのだろう。
■クラゥン To:クローエ |
べっ、別に礼を言われる程のことなどしとらん。 |
ぷいっと横を向いた。
■おやじ To:ALL |
それじゃ、「大地の恵み」は三人前、っと。 後はホットミルクな。 野菜サラダに……魚か。確か鱒が入ってたな。 他になんかあるか? 無ければ一旦これで作ってくるぞ。 |
■エル To:おやじ |
酔っ払うとお師匠様のお小言が怖いので、お水を一杯。 |
■おやじ To:エル |
じゃあ、お前の分は水にしておくな。 |
■エル To:おやじ |
え゛。 いやその、せっかくのご好意を無碍にするのも良くないですしかといって酔い潰れると後が怖いのでお水を頼んだだけでありまして。 つまるところ、お酒はお酒で飲みます。ほかに追加でお水を、という意味で。 |
タダ酒が飲める機会を逃すまいと必死。
■おやじ To:エル |
飯はどうするよ? 流石に腹減りじゃ仕事もできめえ。 人のを食うのも良いが……まあ、一皿くらいおまけしてやるぜ。 |
■エル To:おやじ |
お言葉はまことに嬉しいのですが、それで経営が成り立つのか不安です……。 では、オートミールを一皿。これで非常食をかじらなくて済みます。 |
どうやら朝食も抜きだったらしぃ。
■クラゥン To:エル |
なんというか…生活のギリギリさが端々から滲み出てるな。 |
■クローエ To:エル、おやじ |
ダメ。 おやじさん、なにかお勧めの肉料理。大皿でね? この人が今回の仕事中もうご飯食べなくて良いくらいのやつ。 奢ると言った以上今回のご飯くらいは引き受けますよ? その代わり、聞いたとおり働きで還元して貰いましょう。うふふ。 |
まあ、皆で食べられる料理を頼もうとしてるんでしょう。
■エル To:クローエ |
……おおお。なんという素晴らしい。後光が差して見えます。 危うくファリス神から改宗してしまいそうになりました。 |
クローエ教、発足の日。
■クローエ To:エル |
冗談でごまかしてもダメですよ? 必ず還元してもらいますから。うふふふふ。 |
■エル To:ALL |
さて、僕もご挨拶がまだでした。ファリス信徒のエル・ココットと申します。 お師匠様から「お前が神の声を聞くのは100年早い。その貧弱な精神を鍛え直してこい」と言われまして、自己鍛錬に最適と評判の「ボウケンシャ」の門を叩きました。 これが初仕事の新参者ですが、よろしくお願いします。 |
ぺこりん、と頭を下げる。
■シグナス To:エル |
いや、身体鍛えて聞こえて来る神様も大概だと思うけどな。 |
■クラゥン To:エル>ALL |
おお。お前も初仕事か。奇遇だな。 俺様も初めてなのだ。 エルフのクラゥン・プランタンだ。 こないだ山賊に襲われたんだが、つれてかれたアジトでなんだか意気投合してな。 宴会やってる最中に、手っ取り早く有名になるには冒険者になるのがいいと言われて、その山賊ご推薦の銀の網亭にやってきた次第だ。うむ。 はっはっははー、まあひとつよろしく頼む。 |
■エル To:クラゥン |
冒険者の店を紹介する山賊……ずいぶんと奇特な。更正の余地アリ、ということなのでしょうか。 しかし、その山賊と意気投合してしまうクラゥンさんもまた……。 |
■クラゥン To:エル |
ふっ、俺様は凄いであろう? もっと褒めていいんだぞ。 |
■シグナス To:クラゥン |
それ照れ隠しに山賊って名乗ってるだけの慈善家じゃねえか? |
■クラゥン To:シグナス |
はて…なあ? 山賊曰く、ここの冒険者の誰かに倒されたらしくてな、『だから絶対オススメっす!』って拳で力説されたのだ。 |
■クローエ To:シグナス |
なるほど、…なんとなく共感があると? |
シグナスtheぶらっくりすと@ファリス神殿。…いや、正確にはレッドデータだからちょっと違うのかな?
■シグナス To:クラゥン、クローエ |
いや……まあガチで山賊だったら流石に見過ごせねえ、っつか見逃されもしないだろーしな。 何かしら事情でも在ったんじゃねーの?位は思う訳よ。実際の事は知らんけど。ま、退治依頼が来ない事を願っとくぜ。 |
■クラゥン To:シグナス |
ふむ、世間様にはふれんどりぃな山賊もいるのかと思ったのだが、まあ確かに言われてみると事情があったのかもしれんな? 手練れっぽいお前が言うのだから説得力あるし。うむ。 あやつらは…しばらく修行の旅に出るとか言ってたから多分大丈夫だろう。はっはっは。-----■シグナス To:クラゥン何の修行だよ。……いやほんと何やってんだそいつ等!? |
■クラゥン To:シグナス |
いやほら…ぱわふるな山賊になるための武者修行?(首かくり) おお。ある意味冒険者と似ているのかもしれんな! |
■クローエ To:クラゥン |
パワーアップしても山賊じゃあ、いつか退治されちゃうんじゃないかしらねえ… そんなやくざな商売からは、早く足を洗えばいいのに。 |
■クラゥン To:クローエ |
確かになあ…ふむ、では今度会うことがあれば冒険者に勧誘してみるとしよう! |
■おやじ To:ALL |
そんじゃ、料理を作ってくるぜ。 先に酒とか飲み物を持ってこさせるからな。 |
おやじが階下に降りて行ってからしばらくして、ドアをノックする音が。
■??? To:ALL |
すみませーん。 先程注文した飲み物を持ってきました。 ドアを明けてくださいー。 |
■クラゥン To:??? |
Σ おやじの声が変化した!? |
■エル To:クラゥン |
いくらなんでもそれはないでしょう。 エルフじゃあるまいし。 |
エルフは変化するのか。
■クラゥン To:エル |
ぬう?!クローエくらいの熟成エルフくらいなら何かに化けれるかもしれんが…。 いや最初にこの店覗いた時は、とんと閑古鳥が鳴いていたのでな。 ウェイトレスを雇う余裕などないだろーと思っていただけに、この登場は予想外であった。 頑固おやじが1人で捌く冒険者の店とゆー硬派なイメージが…っ |
■クローエ To:ALL、??? |
あら、やっともって来てくれたみたい。 はいはい、今開けますよ? |
入り口に近いところにいたクローエが、よっこらしょ、と立ち上がってドアを開けに行った。
■シグナス To:クローエ |
っと、頼む。テーブルは片付けとくわ。大して何もねーけど。 |
■給仕娘 To:ALL |
お待たせしましたー! 「大地の恵み」三人前とホットミルクです! あと、水差しはおやじさんからのサービスですよ。 |
元気な声で煩い位に話しながら給仕娘が飲み物をテーブルに並べて行く。
■エル To:ALL |
ふむ、これが大地の恵み……。 確かに良い匂いです……が……。少し、強すぎる気配が……(//△//) |
匂いだけでくらぁ〜り、ときたようだ。
■シグナス To:エル>給仕娘 |
おいおいホント弱いのか、大丈夫か?無理はしない方が良いぜ、酒の勢いでの失敗はリカバリ利かねー事多いからな……。 っと、サンキュー。おやじさんは忙しかったのかい? ……あれ、君見ない顔だな……新しく雇われでもしたのか? |
■給仕娘 To:シグナス |
ええ、この時期は忙しいからと言う事で、臨時に雇われました。 昨日から働いて居るんですよー。 |
■エル To:シグナス |
なるほどナルホド。 こうして見境無く女性に声を掛けた挙句、四方八方を囲まれて「リカバリ利かない状態」になるのですね。 経験者の言葉は重みが違います。 |
なんか勘違いして勝手に納得している。
■クラゥン To:シグナス |
うむうむ。 呼吸をするよーなくらい実に自然に声を掛けているな。 これがベテランの力…! |
■クローエ To:シグナス |
たまに、出会う女の子を全部なで斬りにする才能のある殿方の物語を耳にするけれど、 たいていその末路は…とってもコワイことになるのよねえ? |
何年かに1度くらいのサイクルで、そういうストーリーが流行るのよ、と、含み笑いしながら続け、大地の恵みをちびちび舐めるばあちゃん。
楽しんでるね。
■シグナス To:ALL |
出会い頭から酷い誤解が途切れねぇなオイィ!? コレくらいならまだ挨拶みたいなモンじゃね?あれ?俺の知らない内に世間様のハードル上がっちゃってんのか!? |
■クラゥン To:シグナス |
そう言いつつ、手伝おうとしているのか別のナニカなのか、さりげなくそちらの娘との物理的距離を縮めているように見えるのだが。 |
■シグナス To:クラゥン |
只の手伝いであって他意はないのでございますよぜ? |
■シグナス To:給仕娘 |
あ゛ーごめんなんか変な話になっちまって。いや決して下心は全く無い……と言っても失礼なのでそれなりにいやいや何でもございませんのよぜ? と、ところでおやじさんが依頼主に使い出した、つってたけどまだ知らせとか届いてないのかな? |
■給仕娘 To:シグナス |
流石についさっきでしたからねー。 小一時間待って貰わないと駄目かも。 で……追加の注文を承りますよ? |
■エル To:給仕娘 |
追加の注文!Σ( ̄□ ̄;) 「お金が無い」と言ったはずなのに更なる注文を要求してくるとは……。 これがあの伝説の「ぼったくり」というものでしょうか。恐るべし。 |
間違ってる。用法も。
■クラゥン To:エル |
なんと!? 冒険者の店というのは仮の姿! その実体は――泣く子も黙るぼったくりゃー店とゆーことであるか?! …が本当かどうかは知らぬが、先程注文した料理でもう充分であろう。 無理に食べることはない。 |
■シグナス To:給仕娘 |
……って事で、暫くは必要無いらしい。 食べ終わって物足りなきゃ注文しに行くよ、小一時間以内なら何処に頼みに行けば良いかな? |