SW-PBM #172 “死にたがり”のメアリ |
■ メアリの笑顔 ■ | ||
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【 フランネル邸 】 |
■ルービッド |
……何故、だ。 |
風の精霊によって封じられ、音とならない声でルービッドは呟いた。
彼らがメアリを救いたいと考えている事は分かっていた。
だからこそ、そのメアリと命を共有する自分を滅することなど出来るはずがないと、高をくくっていた。
■ジン To:ルービッド |
くっ・・・まだ生きている、だと!? |
振り下ろした杖を構えなおすジン。
しかし。
■ルービッド |
メア、リ。 |
ルービッドは首を傾け、メアリのいる方に視線を向ける。
けれどもその目は、既に何を映すこともなくなっていた。
だからメアリが血の気の失せた青い顔で、それでもしっかりと自分の足で立っているのを知る事はできなかった。
ルービッドは、何故冒険者たちが迷いなく自分を打ち倒せたのかも。
そして、その結果メアリがどうなったのかも。
知ることなく、その命を終えた。
■ジン To:ALL |
・・・強かったな。 |
大して消耗していないはずのジンの表情が険しくゆがむ。
■カラレナ To:ルービッド |
……。 (……悪魔じゃなければ、ふつうの恋も……できたのかな……) |
メアリの名を呼びながら逝ったその姿に、何故だかそんな思いが過り、胸が締め付けられる。
■アイライ To:ルービッド |
…………。 |
ルービッドの瞳に指を伸ばし、すっと瞼を閉じてやる。
■セラ To:ALL |
終わった……の? |
メアリと同じように、青い顔をしたセラがようやくといった風で呟く。
■マリィ To:セラ&メアリ |
貴女達が無事だと言う事は、そちらも問題無かったようですね。 ……これで全て終わった――筈です。 |
■カラレナ To:セラ&メアリ |
よかった……無事で。 メアリさん……大丈夫? |
■メアリ To:カラレナ |
はい……少し、頭が重い感じですけど……。 でも、平気、です。 |
■カラレナ To:メアリ |
……これからは……普通の女の子、ですね。 セラさん、あなたをキャラバンの一員として連れて行きたいんですって。 |
安心させるようににっこり笑って、セラとメアリを交互に見た。
■セラ To:メアリ |
あ、そうそう。 メアリさん一人でここで暮らすの大変そうだし、あたしと一緒にキャラバンで旅しないかな。 仲間なら大丈夫、みんな家族みたいなもんだし。 あたしたち、これから呪いが解けるまでは離れてるわけにいかないし。 や、呪いが解けても、良ければ一緒がいいかなとか……って、そうじゃなくて。 |
■メアリ To:セラ |
……ふふっ……。 |
メアリはセラのそんなたどたどしい説明を聞きながら軽く微笑んで……こくりと頷いた。
■クローエ To:セラ&メアリ、ALL |
よかった。それじゃあ、これで依頼は両方とも円満解決したわねえ。 |
■ティティ To:ALL |
さて、やる事もやったし。じゃあ私は帰るわね〜。 今度は、メアリさんとセラさんの契約を解呪する方法を見つけないといけないから〜。 |
■アイライ To:ティティ |
ありがとうございました。 あ、マイカさんにもよろしく伝えて欲しいでありんす。 お守りの効果、絶大だったでありんす、って。 |
■ティティ To:アイライ |
そーいうのは、自分で伝えなさい〜。 レポートも待ってるって言ってたから〜、その時にでもね〜。 |
■カラレナ To:アイライ>ティティ |
本当ですね。 ティティさん、ありがとう……。 |
■マリィ To:ALL>ジン |
レポートは、学院組で書くのかしら。 ジンさん、手伝ってくださいますよね? |
■ジン To:マリィ |
かまわんが、今回は状況が特殊過ぎるからな。 あまり客観的な分析ができそうにない。 |
■クローエ To:マリィ、ジン |
う〜ん。やっぱり使った全員で書かなければ駄目なのじゃないかしらねえ? もちろんジンさんも。 |
■ジン To:クローエ、ALL |
全員で書くのが妥当だろうな。 サンプルは多いほどいい。 本当は同じ被験者が様々なケースを試すのがいいんだろうが ・・・まあ、そう長くは貸してくれんか。 |
にやりと笑ってお守りを指先で回すジン。
■アイライ To:ALL |
…お腹、すいちゃったでありんす。みんなで何か食べにいきたいなぁ。 |
■カラレナ To:アイライ |
そ、そう言われたらなんだか急に〜。 じゃあ、みんなで銀の網亭に行って、お祝いしませんか? メアリさんにも、おやじさんの美味しいお料理、食べてほしいですし。 |
■マリィ To:ALL |
今夜くらいは休んで良いでしょう。 銀の網亭で宴会は決定ですね。 |
■クローエ To:ALL |
キャラバンで異国の食材を、というのも捨てがたいですけれど、冒険者のお店なら多少ハメをはずしても心配なさそうですしねえ。ふふ。 |
さて、その後の事である。
無事にレポートを書き上げマイカのお守りを返却した途端、それまで使用していた冒険者たちに数々の不運が舞い込んできた。
以下にその数例を挙げる。
・街中で突然巨大な黒犬に襲われたり。
・ペンキ職人の持つ缶がぶちまけられてお気に入りの服がダメにされたり。
・使い魔がなんの前触れもなくストライキを起こしたり。
・かぶりついた饅頭の中から、何故か長い黒髪がごっそりと出てきたり。
・上司の手違いで借金が膨れ上がっていたり(慌てて訂正して事なきは得たようである)
etc,etc...といった感じである。
ここに至ってようやく判明した事であるが、どうやらマイカに渡されたお守りは「運が良くなる」のではなく、「運を先取りする」効果のアイテムだったようである。
その事をマイカに伝えると、それらも踏まえてレポートの再提出を言い渡されたりした。
果たして、これも不運の一環であろうか。
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GM:倉沢まこと