SW-PBM #172 “死にたがり”のメアリ |
■ 手掛かり探して ■ | ||
---|---|---|
Prev page | #175 Index | Next page |
【 ヘーゼル通り 】 |
翌朝。
キャラバンへ聞き込みに行っていた3人が手にした情報を元に、セラの両親の事が少しでも分からないかとパーティはヘーゼル通り(旧名ナッツ通り)へと出向く事にした。
王城にほど近いこの場所は、名前を変更した際に通りそのものも一新したらしく真新しい店が目立つ。
場所柄なのか王城御用達と掲げられた看板もチラホラと見受けられ、店の品揃えも「質に相当してお高い」物が多い。
はっきり言って、この場に立つ冒険者は浮いた存在であると言える。
■マリィ To:ALL |
さて……昔の事を知っている方はいらっしゃるかしら。 直ぐに見つかれば良いのだけど。 |
■アイライ To:マリィ、ALL |
とりあえず、探してみやんす。うー、道行く方々の服が、いかにも高そう…。 どうしよう、手がうずくでありんす。 |
落ち着かない感じできょろきょろ。職業的欲求を抑えつつ、辺りに詳しそうで、なおかつ優しそうな人を探す。
■マリィ To:アイライ |
別に疚しい事が有る訳で無し、堂々としてれば良いですよ。 ……まあ、お仕事の方は控えて貰うと助かるわ。 |
■クローエ To:マリィ、アイライ |
…ああ。手がうずくってそういうこと? |
フードに隠れて見えにくいけれど、ちょっとあきれた風な表情。
■アイライ To:マリィ |
あはは…。 |
疚しい事……あったかもしれない。
動揺を押し隠して、話しかけられる人を探すのに集中する。
すると、使用人風の格好をした若い女性がアイライの目に留まる。
お使いだろうか、店先で食材の見定めをしているようだ。
■アイライ To:マリィ>女性 |
あ、あのひとにちょっと声をかけてみるでありんす。 あの〜。 ちょっと、探しているお店がありんすがー。 |
お使いの女性と言えど、服の生地も高級そうに見える。アイライは女性に近づくと、ちょっとかしこまって声をかけた。
■女性 To:アイライ |
はい? ……えぇと。 あ、失礼しました。何か御用でしょうか。 |
アイライの服装をじっと見て、訝しげな視線を向けながら。
訝しげに見られている事に気付いてマリィも女性に近づく。
■マリィ To:女性 |
えっと、ちょっと捜し物をしておりまして。 14,5年ほど昔の話なのですが、この通りに新しく出店した店で、奥様が「レミーナ」というお名前の店をご存じありませんか? 不躾で失礼ですが。 |
■女性 To:マリィ |
奥様がレミーナ様で、15年ほど前……。 すみません。私も勤めて日が浅いもので、そこまで昔の事となりますと存じません。 それに見ての通り、こちらの商店街は数年前にほとんどの店構えが変わってしまっていますから。 ただ、そうですね……商店会長さんでしたら、昔の事でも何かご存知かもしれません。 この通りの中ほどにある、大きな酒屋さんを営んでいるのが商店会長さんです。 そちらでお尋ねになってみてはいかがでしょう。 |
最初こそマリィたちを不審な目で見ていたものの、事情を聞くと買い物の手を止めて丁寧に応対してくれた。
■アイライ To:女性、ALL |
お買い物の邪魔してごめんなさい。 ありがとうございやんした。 では、早速行ってみるでありんす。 |
■クローエ |
あいたた… |
急いでマリィの後を追おうとして石にでも躓いてこけたらしいクローエも追いついてきた。
■クローエ To:アイライ、マリィ |
手際がいいのねえ。感心しちゃうわ。 じゃあ、今度はその酒屋さんへ行くのね。 |
■アイライ To:クローエ |
うん。 ありゃ?クローエさん、たんこぶが…。無理しちゃダメですよー。 |
女性に教わったとおりに商店街を進んでいくと、やがて大きな看板を掲げた酒屋が目に付いた。
冒険者の宿で目にする酒の種類から桁が一つ二つ多そうな値段の商品が、ごく当たり前のように陳列されている。
■アイライ To:ALL |
あう。ゼロが多くて……数えられないでありんす〜>< |
■クローエ To:アイライ |
ふふ…冒険者というのは、一山当てれば御大尽だって聞いたことがあるわ。 うまくいけばそのうちアイライさんだって、あんなお酒を浴びるように飲めるようになるかも? |
■アイライ To:クローエ |
うわぁ。じゃ、お菓子もいっぱい食べれるかなぁ? |
店先では、椅子に腰掛け膝に猫を乗せた老婦人が気持ち良さそうに日向ぼっこを楽しんでいる。
■マリィ To:老婦人 |
済みません、こちらがヘーゼル通りの商店会長さんのお店でしょうか? |
■エリス To:マリィ |
はいはい、そうですよ。 会長を務めさせていただいてます、エリスと申します。 何か御用かしら? お店の事でしたら息子に任せてありますので、店内で声を掛けてくださいな。 |
陽だまりのような朗らかな笑顔を向けてくる。
膝の上の猫は、そんなやり取りにはまるで興味なさそうに大欠伸だ。
■マリィ To:エリス |
申し遅れました。わたくしはマリーラナ。マリィで結構です。 お店の事ではなくて、ちょっと昔の事を伺いたくて参りました。 宜しければお知恵をお貸し願えませんでしょうか? |
■エリス To:マリィ |
あらあら、こんな年寄りに何か役に立てる事があるかしらねぇ。 |
■アイライ To:エリス |
えっと…わっちは…わたしはアイライと申します。 知り合いの依頼で、その方の家族を探しておりんます。 探しているのは「レミーナ・アマンダ」さんという女性で、その方のご主人が、この通りに店を出されたんです。 15年以上前、この辺りがおナッツ通りと呼ばれてた頃の話なんですが…。 それで、商店会長さんならご存知かもしれない、とお聞きいたまして。 |
マリィにならって、精一杯上品な言葉遣いを頑張ってみる。時折、間違ってるのはご愛嬌。
■エリス To:アイライ |
ふふふ。無理に言葉遣いを気にする事はないわよ。 例えぶっきらぼうな言葉でも、気持ちが伝わればその温かさは分かるものだからね。 さて、レミーナさん……ねぇ。アマンダという姓はご主人のものなのかしら? それだとちょっと心当たりはないのだけれど。 せめてご主人の名前か、営んでいた業種でも分かればねぇ……。 |
首を傾げながら、何か思い出せる事はないかと記憶を掘り起こしているようだ。
■マリィ To:エリス |
アマンダ姓は嫁ぐ前の物です。 嫁いだ後の姓は分かっておりません。 業種も分かっていないんですよね……。 |
■エリス To:マリィ |
そうなの……うーん、困ったわねぇ。 |
■クローエ To:エリス |
ええ、とにかく、手がかりが少なくて、わしらも困ってしまって。 何でも構わないの。少しでも引っかかるような事があれば御の字なのだけれど… ああ、すみません。わしはクローエと言います。 |
■エリス To:ALL |
当時の商店会記録を掘り返せば、何か載っているかもねぇ。 少しお時間をいただいてもいいかしら? あとできれば、記録を引っ張り出すのに人手を貸してもらえると助かるのだけど。 |
■マリィ To:エリス>ALL |
あ、そう言った文献の調査は得意ですのでお手伝いします。 皆さんも宜しいですか? |
■アイライ To:マリィ、ALL |
うーん。正直、調べ物は苦手でありんす。 でも、みんなでやった方がはかどるでありんすな。 がんばるんす。 |
■クローエ To:マリィ、ALL |
かまわないわよ。 アイライさんもやる気だし、がんばりましょう♪ |
■エリス To:マリィ |
手伝って貰えるなら、早速始めてみましょうか。 ちょっと待ってちょうだいね。 |
エリスは立ち上がると一度店内に戻り、何事か話し込んでいる。
そして戻ってくると、パーティを促して母屋の方へと案内した。
Prev page | #172 Index | Next page |
GM:倉沢まこと