銀の網亭・個室 |
個室へ案内された一向。
案内するおやじの後ろには、なぜかリーダー然として歩く少女。
部屋に到着するや、テーブルの上に広げられた依頼書をバンバン叩く。
■イザベル To:ALL |
ハイ、注目ですの!リーダーのエルザですの。 現在ターブ村は謎の怪物の出現により危機に瀕していますの! 諸君らに集まってもらったのは他でもありませんの! つべこべいわずに怪物をやっつけてターブ村を救うですの!! |
なにかしたそうな、もどかしそうな手の動きに、アールがペンを差し出す。
現状の図解 ※想像図・依頼書の裏
(ガオー!!>(怪゜Д゜)侵攻中→ (>o<;タ村)<タスケテー)
■メイシアス To: |
おぉ…かわいい……… |
■イザベル To:ALL |
リーダーからの説明は以上ですの! 何か質問ありますの? |
■アリス To:イザベル |
はいはーい! おやつはひとり何ガメルまで〜?それから、バナナはおやつに入りますか? |
■イザベル To:アリス |
いい質問ですの。 おやつは無制限ですの。肉や米もおやつに入りますの。 どうせ自分の金ですの。好きなだけ使うといいですの。 おやつは経費で落ちませんの。滞在中の食事だけですの。 |
腕を組んで頷きながら答える。
■リキュオス To:イザベル、アリス |
いやもうどこからツッコんだらええのか…。 |
半眼のまま集まったメンバーを見回して、比較的まともそうに見える同性のハーフエルフに視線を向ける。
■アール To:イザベル |
見知った顔もいますが、まずは自己紹介も必要でしょうね。 私はアール、学院とギルドに出入りしています。 ところで、お嬢様…いや、エルザ様。 リーダーに足る経験のほどを伺ってよろしいかな? まあ、リーダーにふさわしい血統でもお持ちなら、それでも構いませんが。 |
■イザベル To:アール |
か、怪物退治も冒険も初めてですの…。 パ…アールさんがやりたいなら代わってあげてもいいですの。 でも、ママが言っていましたの。 代わりにやろうと言える人でなければ、リーダーシップではエルザに劣りますの。 きっと、その人の経験や実力は自分の職務を遂行するのに精一杯で、全体を動かすのには不向きですの。 |
■リキュオス To:イザベル |
なっはっは、そいつぁたしかに一理あるかもしれんな。 |
そう言って下品に笑うと、おもむろにイザベルに近づき、いきなり髪をわしゃわしゃとやる。
■リキュオス To:イザベル、ALL |
気に入ったで、嬢ちゃん。 俺はリキュオス、駆け出しのシーフだ。絶賛冒険者見習い中、ってとこやな。 |
■イザベル To:リキュオス |
…子供扱いしないで欲しいですの。 冒険は初めてでも、エルザはもう大人ですの。 |
■リキュオス To:イザベル |
はっはっは、そいつぁ悪かった。一人前のれでぇってわけやな! |
そう言ってわざとらしく何度も頷いてみせる。
■アール To:イザベル |
ではエルザお嬢様、リーダーはお任せします。 とは言っても、冒険者などというのは勝手な者の集まり。 おもな仕事は作戦の打ち合わせと戦闘開始の音頭くらいですか。ああ、依頼をこなした後の乾杯の音頭も重要ですね。 |
■リキュオス To:ALL |
ちゅうか見た感じ、あんまり冒険者っぽいヤツおらんけど、ほんまにこのメンツで怪物退治とかできるんかいな。 遠足とちゃうねんで? |
■イザベル To:リキュオス |
空想の怪物とはそもそも戦えませんの。 大きさも数も強さも習性もまだわかりませんの。 今、ハッキリさせることは怪物と戦う時の対策じゃないんですの。 当面やる意思があるのか、話も聞かないうちにやめるのかだけですの。 |
■アール To:リキュオス |
怪物という言葉に怖気づいたのか、面倒くさいのが嫌いなのか。 なんにせよ、自分の身の程を知っておけばいいだけではないかな? |
■リキュオス To:アール |
いや待て。俺が心配しとるんは嬢ちゃんたちのことやねんけど!? 軽い気持ちで怪物退治なんて引き受けたりすると、怪我するだけじゃ済まないかもしれんで? |
■アール To:リキュオス>ALL |
勝てないなら逃げるだけさ。 死ななければ何事もなんとかなる、ってね。 それに、あからさまな戦士はいないが、他に魔法だったら、そこの娘もなかなかの腕前…知識の持ち主だよ。 |
指した先の「娘」に自己紹介を促す。
■アリス To:ALL |
ボク、アリス。見ての通り、ちょっとだけ古代語魔法を使えるんだよっ。 ヨロシクね♪ |
いつも通り、杖も持っておらず、ひらひらのカジュアルドレス姿で、どうみても魔法使い……どころか、冒険者にすら見えなかった。
■イザベル To:アリス |
な…あなたがアリスですのッッ!? 「体育会系っぽい喋りで、実態は物知り博士タイプの魔法少女」の!? ……そう言われれば、魔法少女っぽい格好ですの。 まあ、いずれ格の違いを見せてあげますの。発動体を洗って待っているですの。 |
早速敗北フラグをたてる。
■アリス To:イザベル&アール&メイシアス |
……魔法少女? うぅ〜ん……なんとなぁ〜く、いろいろエルエルに似てない? ねぇ、あーくん、メイぴ。 |
探りを入れたアールを尻目に、ストレーチな人。
『前の』エルザを同じく知っている二人に同意を求める。
それとはお構いなしに自己紹介のナビを続けるアール。
■アール To:リキュオス |
あとはこっちの小さいのだけど…。 こう見えて一番年長さんだ! |
「小さいの」と呼ばれた先にはグラスランナーの娘が「ぽわん」としている。
■メイシアス To:ALL |
…ほえっ!? えぁっと、メイシアスです。よろしくお願いします^^ |
■イザベル To:メイシアス |
よろしくですの。 ピッキングと罠解除の達人だと伺ってますの。 |
アールは「誰にだよ」というツッコミを心に抑えながらイザベルに向き直る。
アール To:イザベル>ALL適当に自己紹介が済んだら、いつ出発か決めないと。
その前に、まずは準備かな。
えーと。そうそう、ターブ村ですがここから3日くらいの距離です。
典型的な農村で100人くらいの人口…だったか。
農村で矢以外の武器を期待するのは無理そうだし、相手はわかりませんが魔晶石などの準備を万端にした方がよさそうですね。
■リキュオス To:アール |
往復するだけで6日か。保存食、買い足さなあかんなぁ。 |
■イザベル To:アール |
…だいたいわかったですの。 おやつになりそうなものもなさそうですの。 アールさんは人口100人以上の村なら全部覚えてるんですの? それともご実家がターブ村ですの?現在独身ですの? |
■アール To:イザベル |
(なぜ、ここで独身の問い?)ああ、覚えてたのは、以前にも妖魔が襲撃してきた事があり、冒険者に退治を依頼した事が有る、と。 そういうことです。 まあ、今回も同じ魔物とは思いませんが、調べる価値はあるかもしれませんね。 |
■イザベル To:アール |
そんなのも調べられるんですの? それじゃ、早速星の本棚に入るですの。 キーワードは、「ターブ村」「妖魔」…… ……そもそも、この依頼書だけじゃ、不親切ですの。 急ぎで冒険者を連れて行くつもりなら、依頼をしに来た人がまだオランにいるはずですの。 先に帰って村で待っているのなら、もっと詳しい話を店主が聞いているはずですの。 どっちか連れてきますの。 |
■リキュオス To:イザベル |
あぁ、ついでにビスケットもらってきてくれへん? |
■イザベル To:リキュオス |
甘えちゃダメですの、エルザはあなたの母親ではないですの。 そんなの自分で注文しろですの。 |
■リキュオス To:イザベル |
ついでやがな、つ ・ い ・ で。 な? |
そう言って片目を瞑ってみせる。ウインクのつもりらしい。
イザベルはカウンターに向かい、おやじを連れて来た。
■おやじ To:ALL |
おう、この依頼の話な。 ある程度は俺も聞いてるが、依頼人がまだオランに滞在してるぞ。 直接話を聞いた方が早かろうから、後で連れてくる。 それと、ほれ、注文のビスケットだ。 |
■リキュオス To:おやじ>イザベル |
お、さんきゅ。 食べるか、嬢ちゃん? |
返事も待たずに一方的にビスケットを握らせるリキュオス。
■イザベル To:リキュオス |
チョコレート風味のやつがいいですの。 |
■アール To:おやじ |
おやじさん、オレンジジュースをピッチャーで頼む。 あとは、いつものように鳥の丸焼き…を、中に野菜やらいっぱい詰まった、なんと言ったか…そんな料理を頼むよ。 |
■おやじ To:ALL |
分かった。依頼人も呼んできて良いな? |
■アール To:おやじ |
もちろん。 ところで、依頼人は話のわかりそうな人かな? 「ただ呼びにきただけです」って説明もできないようじゃ、こっちも万全の準備を、というわけにいかないからね。 |
■おやじ To:アール&ALL |
俺が話を事前に聞いてる。 状況をちゃんと説明できるから安心しろ。 それじゃあ、呼んでくる。 |