#167:囚われの衛視様

1-1a 銀の網亭・酒場

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銀の網亭:個室
「ソーダック子爵家」の依頼に応じ、おやじの選考に合格した面々は銀の網亭二階の個室に集められた。
■おやじ To:ALL
それじゃあ、これから依頼主に使いを出す。
こちらに来て貰うか、もしかするとお前達に依頼主の元へ行って貰うかもしれん。
具体的な返事が来るまで、取り敢えずここで飯でも食いながら待ってろ。

注文は今受けておくぞ。

■ウリディケ To:おやじ>ALL
そうですか……分かりました、待たせて頂きます。

さて、何を注文しましょう?
実は、先ほどカウンターで遅めの朝食を食べたところでして。

ウリディケは生まれつき少食で、特に僧職に就いてからは普段1食あたり豆スープに黒パンか お粥くらいしか食べないのに、冒険前と言う事もあり、ゆずドレッシング仕立ての大根と水菜とレタスのサラダとポークビーンズ(豚肉と豆と玉ねぎのトマト煮)、オマケにボイルポテトに大好物の“りんごジュース水割り”まて入れていた。
カロリーベースでは普段の1日分くらい食べている計算になる。
■ジン To:おやじ
ああ、俺はとりあえずエールで。

■メイシアス To:おやじ
っあ、カウンターでおかみさんに注文してそのまま…
たぶん果物ジュースと水をそれぞれジョッキで、あと『今日のお勧め♪』だったと思いますので…それをお願いします。

■アリス To:おやじ
ボクはハチミツ入りホットミルクねっ。
あと、なにかよさそうなフルーツを、盛り合わせでお願いします♪

■ウーサー To:おやじ>ALL
じゃあオレ様は、軽くエールと揚げモノでも頼んどくかな?

待ってる間、ちょいとヒマになりそうだな……どうだい? 下の階じゃあワタワタしてたしよ、此処はひとつ、自己紹介のしなおしといかねぇか?
オレ様はウーサー・ザンバード、見てのとおりの重剣士だ。切った張ったにしか能が無ぇが、こうして選ばれたってぇのも何かの縁、って奴だろ? 宜しく頼むぜ。

■アリス To:ALL
あっ、愛称はウサちゃんだよっ☆

どうでもいい事はしっかり覚えていたらしい。
■ウーサー To:アリス
ウサちゃん言うな!

テーブルの下で、間髪入れずにアリスの向こう脛を蹴り飛ばす。
■アリス To:ウーサー
ほら、すぐ人を蹴ったりしちゃだめだよっ。
めっ!

脛を狙ったはずのウーサーの攻撃は、ぶらぶらと宙に浮いていたアリスのつま先にヒット。分厚くて重いブーツに阻まれたせいもあり、ダメージを与えられなかった!
■アール  To:おやじ>ALL
依頼を完了するまでは酔うのははばかられるな。
おやじさん、俺は野菜とフルーツのミックスドリンク、甘さ控えめのブレンドでひとつ。
あと、蒸した鳥を丸ごと一羽…味付けは粗塩だけで…。

さて、自己紹介だがウーサーさんとそっちの戦士然とした人、ハジメマシテ…だな。
俺はアール。見ての通り軽装で…まあ、そっち系の人さ。
(指をカギ状に曲げる)あとは馴染みの皆なんで、今回もよろしくってことで。

■ジン To:アール>ALL
酒場で酒を飲まんとは、えらく殊勝じゃないか。
まあこの店じゃあめずらしいことでもないが・・・。
俺はジン。三角塔の学徒で術使いだな。
こいつは相棒のタークスだ。

ローブの裾から黒猫が顔を出し、にゃあと鳴いてすぐに顔を引っ込めた。
■ウリディケ To:おやじ>ALL
では、私も飲み物くらい頼みましょう。りんごジュース水割りで。

あと、自己紹介を忘れてましたね。
私、ラーダ守護騎士団の団員で、ウリディケ・フェニールと申します。
守護騎士団の任務は、お祭りに参加してパレードの先導をしたり演武を披露したりすることで、団として実戦に参加したことはなく、実態を知る方々からは『絵本の騎士』と賞賛されています。

普段は神殿務めで、神殿付属図書館の司書補佐(下働き)や神殿の伝令(使いっ走り)をしつつ、フィットネス講座を開いて布教してます。

あと、外に繋いである白馬は、ナナイと申します。私共々よろしくお願いします。

ウリディケは、160cmちょっとの身長と48kg級の体重で、ウェーブのかかった金髪と碧眼という容貌をしていた。
外見は、重甲冑に神官衣を改造したマントを羽織り、左肩にエメラルドが嵌めこまれた大盾を引っ掛け、背中に巨大な断頭剣を背負っていた。鞘は刀身全体を覆っておらず、白雪色の白刃が見て取れた。
椅子の横には、標準的な長さだが華奢な長槍が立て掛けられていた。大盾を持つときは、この長槍を使うのだろう……装備だけなら立派な重装歩兵だ。

ウリディケが言い終わる頃、窓の外から白馬ナナイの嘶きが微かに聞こえてきた。
今ごろは、ジャガイモと人参と唐もろこしが混ぜられた立派な餌を食べているはずだ。
■メイシアス To:All
んと、お久しぶりですと初めまして。メイシアスと申します。
え…と、不束者に御座いますが、よろしくお願いします。

■アリス To:クロウ
ボク、アリスだよっ。
見てのとおり、魔法をちょっとだけ勉強中。ヨロシクねっ☆

他の人は知人なので、主にクロウに対して自己紹介をする。
しかし、なにやらフリルのついた薄手の衣装で杖も持っていない為、どうみても『見てのとおり』ではなかった。
■クロウ To:おやじ>ALL
…了解だ、沙汰があるまで待たせてもらうとしよう…

…うむ、その間にメシを喰っておく必要がありそうだな…親父殿…干し肉にパン、それとスクランブルエッグ…更にバターを貰おうかな?
サンドにしていただくとするよ。後、飲み物は水で頼む…ボリュームがありそうだから喉が詰まるかも知れぬしな…

さて…自己紹介をせねばな…自分はクロウ・B・ブラッド、通称「クロウ」。
最近、冒険者稼業を始めたばっかみたいなのだが…今まで何をしていたのか全く覚えがない…まあ、この格好が冒険者の格好らしいので冒険者だということが解ったんだけどね(苦笑)
さらに今でも頭がなんとなくイタいみたいで自分が何者なのかはっきりと思い出せん…ま、これはこれで特に気にはしないし…まっ、いっか(笑)

皆さん、これからヨロシク頼みます。

…とと、そろそろメシが来そうなので一旦失礼させていただくよ…

■クロウ To:アリス
これから、よろしく頼む…?…で、よかったよなぁ??…うん、多分、お互い初顔なんだろうね。…うん、そうだよな。
確か、アリスさん…でしたっけな。まだまだ自分はトーシロですが…うん、こちらこそ、よろしく頼みます。

おやじは各人の注文を取った後、階下に戻っていった。
その後暫くして、おかみさんが冒険者達のテーブルに各人が注文した料理を並べ、「まずは鋭気を養っておきなさい」と言い残して去っていった。
クロウはおもむろにバターを手に取り、パンを開きにしていく。
開いたパンにバターを塗り、スクランブルエッグを乗せて干し肉を添える…簡単なサンドを次々に作っていく…
腹が減っては何とやら…クロウは作ったサンドを頬張って行く。喉が詰まりそうになれば水を飲んで行く…しっかりと腹ごしらえをしていく様子だ。
■アール  To:ALL
さて…と、今回はなかなかバランスの良さそうなメンツで安心だな。
役割分担がきちっとしてると落ち着くよ。
なんせ、銀の網亭でも屈指の戦士サマと魔法の達人ときたものだ。
ウーサー、ウリディケの2枚看板にジンさんとアリスの知識の泉ってとこか。

テーブルを一通り見渡しながら評するが、まるきりお世辞ばかりでもなさそうだ。
■ウリディケ To:アール、ALL
そうね。 贅沢過ぎる構成ね。
一匹なら、レッサードラゴンでも倒せそうだわ(汗)。……そんな化物とは会いたくないけど。

■ウーサー To:ウリディケ、ALL
そうかい? オレ様はお願いしたいね。もうデーモンは斬り飽きたんでな……ああ、そういやぁ巨人とも、まだ戦(や)ってなかったか?

もっともついこの間、巨人なみに強力なお嬢ちゃんとはガチで試合したがな、と思い出してほくそえみながら(と本人は思っているが、どう見ても「凄絶な哂い」にしか見えないのだが)、手元のジョッキを豪快に傾ける。
■ウリディケ To:ウーサー
巨人ですか……“一つ目”とかは嫌ですよ(汗)。 “丘”くらいにしといて欲しいところです。

穏便にすませる気、満々だ。
しかし、一方で「“森”までなら何とかなるかも……?」とか、危険な事を考えたりもしていた。
■アール  To:メイシアス>クロウ
ま、あとは俺とメイシアスが罠を引かないように気をつけるくらいか(笑)
クロウさんも、まるきし素人ってわけじゃなさそうだし、頼りにしてるぜ。
記憶はさておき、体が覚えてるってヤツでね。

■クロウ To:アール
ははは…仮に記憶が戻っても、自分はただのトーシロってやつかも知れませんよ(苦笑)
うん、…でも、仲間の皆さんがいると思うと…記憶がなくても安心できるってヤツかもねえ。
自分に術法が使えるのかはイマイチ?なのか…解っていないが、まずは足手まといにならないように心掛けてみるよ…
それより、どうだい?『腹が減っては何とやら』ってヤツさ、お一つどうだね?

クロウは先ほど、注文品から拵えた干し肉とスクランブルエッグを挟んだサンドをアールに勧める。
ふむ、と一置きしてサンドを手に取ると、「それでは」と前置きする。
そこから鼻歌まじりにサンドの干し肉を抜き取り、自分の鶏肉の一欠片と入れ替え、さらに付け合わせの野菜も挟み込む。
元の2倍のボリュームといったところか。
■アール  To:クロウ
気を悪くしないでくれ。
言ったろ、バランスのいいのが好きだって。
あと、干し肉サンドは喉に詰まりやすそうだからオススメしないな。
パンと干し肉では乾きもの同士だから喉も渇くし。まあ、あくまで好みの問題だけどね。

悪びれない様子で言うと、自分流にアレンジしたサンド−2倍なのだが−を平らげる。
もちろん、干し肉もきちんと食して。

端で見ていたウリディケは、“肉+卵(+鶏)”のサンドをフード・ファイターのように平らげていくクロウやアール(あくまでウリディケ主観、1つ食べただけでビックリしている)に、驚嘆の念を覚えた。
■ウリディケ To:クロウ、アール
ちょっと、それ…美味しいの?

ウリディケは、クロウが作ったサンドのうち“できるだけ小さそうな”物を選んで、一摘みした。
そもそも肉と卵(そして鶏)だ、不味いはずもない。………不味くは無いがウリディケには重い!、野菜が少なすぎる(涙)。

しかし、干し肉と侮っていたが、卵のトロみで喉の通りは予想ほど悪くは無い。
■ウリディケ To:クロウ
………想像ほど不味くはなかったわ。
クロウさん、料理は、ご自分でするの?


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GM:teshima