SW-PBM #164 哀しみのラビリンス |
■ 魔神、戦闘 ■ | ||
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【 下層ブロック 〜 実験室 】 |
考えうる限りの準備を整え、休憩を取って英気を養い。
ルナクリアから前渡しの好意として魔晶石を受け取り、ついでに『頑張ってね〜♪』と心が込められていると言い難い激励を貰って。
魔神が待ち構えているというだけの前情報しか分からない、実験スペース手前の扉へと降り立った冒険者たちである。
■レントン To:ALL |
この扉の向こうが実験区画であります。 ルナクリア様も封印して以来一度も中を覗いておりませんので、今現在どうなっているかまったく分からないであります。 |
ここまでの道案内をしたレントンが、甚だ役に立たない説明をしてくれる。
■クリス To:ALL |
私が正面突破(壁役)を試みますので、リキュオスさん・ヘイウッドさんが左右から分かれて頂くと言うのはいかがです? |
■ヘイウッド To:クリス |
りょーかーい。クリスさんと、あとストサさんが正面役かな? 相手のホムンクルスてのがどこにいるかにもよるけど……。 ホムンクルスの方は別に倒さなくてもいいんだろうから、ゼファくんのまほーとかで足止めしてもらえるならそのまま放置でもいいかな? |
■ジン To:ヘイウッド、ALL |
前衛は3人に任せる。俺が術を使うとなると、ストーンサーバントには柔軟な戦術を取らせることができないからな。 1度命令を下したらそのまま攻撃させるような運用になるだろう。 ホムンクルス相手に足止めはあまり意味がないな。襲ってくるのなら破壊してしまおう。 |
■マリィ To:ALL |
最初にわたしは、全員にカウンター・マジックを掛けます。 次に前線の全員にプロテクション。 以降は回復魔法の為に待機します。 攻撃魔法はジンさんやゼファルディートさんにお任せしますが、これで良いですか? |
■ヘイウッド To:マリィ |
んー、マリィさんにはなるべく回復余力残して欲しいから、クリスさん、兄さん、僕の3人でよければ物理防護のまほーは僕がかけてみるよ。 ストサさんにもかけられればいいんだけど、僕は3人までが限界なんだよねー。 |
■マリィ To:ヘイウッド |
分かりました。プロテクションはお任せします。 後は、弱点露呈(ウィークポイント)を掛ける様にしましょう。 回復については、魔晶石からで間に合うと思います。 |
■レントン To:ALL |
ちなみに、中の広さは60m*45mくらいはあった筈であります。 照明やその他機能の系統も一緒に封印されてしまっているでありますので、手元の明かりだけですと奥まで見えないかもしれないであります。 |
■ヘイウッド To:ALL |
んー、明かりのまほー飛ばすにしても広いねえ……。 |
■ジン To:レントン、ALL |
その照明とやらの封印は解除できないのでしょうか? 正直言って、暗視を持たない我々では不利過ぎる条件です。 ライト主体の照明では、相手のダークネス1発で我々を無力化してしまうでしょう。 |
■レントン To:ジン |
解除そのものは簡単だと思うでありますが、照明の復旧は難しいであります。 魔力を充填させないと動かない筈でありますので、すぐに元通りにはならないであります。 |
■マリィ To:ジン&ALL |
考えようによっては、ダークネスで相手の手数を一つ減らせるので、 ライトに加えてたいまつやランタンを併用すれば良いのでは無いかと思います。 そうそう有利な条件では戦えないと言う事ですね……。 |
■ジン To:マリィ&ALL |
ふむ。厳しい戦いになるな。 もとより暗闇なのだから、ライトと対消滅しても暗闇になる。 かなり広い部屋だから、松明やランタンだけでは照らし出せない空間から狙撃される可能性もあるか。 |
■ジン To:レントン |
そういえば、その強化されたホムンクルス。まさか暗視能力を持っているわけではあるまいな? |
■レントン To:ジン |
さすがにそれはない……と思うであります。 |
歯切れ悪い。が、多分そこまでの能力はないだろうという返答。
自分自身も暗視能力などは持っていないから、という事からの推測らしい。
■クリス To:ALL |
どちらにせよ、魔神に味方する者は倒してしまえばいいのです。 |
■ジン To:ALL |
優先して考えたいのは、魔神の広域攻撃能力を使われる前に、その能力を無力化することだ。 それにはまず、相手の位置を早期に特定する必要がある。 その策として、ライトを掛けた矢やスリング弾で撃ち出すのはどうだろうか。 これなら魔法が使えるか否かに関わらず、全員であたって部屋の全体を照らし出すことができると思う。 それで魔神を視認できればゼファと俺で、全力の「沈黙」魔法を魔神にかける。 ゼファの実力でも、魔神を沈黙させられる可能性は五分より多いくらいだが、やるしかないだろうな。 できれば魔神に「沈黙」がかかるまでは、各自抵抗に専念した方がいいんだが、相手も黙って見ているわけはないだろうから、陽動なり牽制なりをする必要はあると思う。 どうだろうか? |
■ヘイウッド To:ジン |
うーんと、ジンさんやゼファくんは暗闇でも見えるんじゃないのかな? もし見えるなら2人は先に「沈黙」のまほーをかけててもらって、その間に僕らが明かりの矢を撃ってるって言うのは? |
■ジン To:ヘイウッド |
俺達は暗闇を見通すことができるわけじゃないんだ。 だからそこに何かいることがわかったとしても、それが魔神なのかホムンクルスなのかが判断できない。 渾身を込めた魔法を撃つわけだから、ここは確実にいかないとな。 |
■ヘイウッド To:ジン |
なるほどなるほど、りょーかーい。 まーとにかく、せっかくの魔神を目にする前にどでかいまほーで消されちゃう、ってのだけは避けたいねえ。 |
緊張感の無い声で、不吉なことを言う。
突入を前に、ヘイウッドが自分とリキュオス、クリスに【プロテクション】を、マリィが全員に【カウンター・マジック】をかける。
■クリス To:ALL |
これで準備は万端ですね。 さあ、成敗に参りますか! |
とても楽しそう。
扉を開けると、目の前に広がる広大な空間。
そしてその向こう側に、ぽぅと光る明かりと、その中にうずくまる人影が見えた。
■魔神 To:ALL |
……ん? おお、扉が開いたか。 ようやくここから出られるのかなぁ。 |
赤銅色の肌に背中から生えた翼と、一目見てこれがそうだろうと判別できる者が声を上げる。
■クリス To:ALL |
あの典型的な邪悪そうな物体が魔神ですね!? |
■魔神ジャニカール To:クリス |
何を言っているのかは分からんが、やる気満々のようだな。 ちょうどいい、こちらも長い事閉じ込められてイライラしていたところだ。 発散に付き合ってもらうぞ。 |
【ラウンド1】
敵は魔神ジャニカールとアザー・ビーストが2体。それに加えてルナクリアの生み出したホムンクルス2体が操られているようだ。
まずはジン以外の5人が距離を詰めるために一斉に走り出す。
そしてジンは呼び出しておいたストーン・サーバントに「敵対するものを攻撃」と命令。
魔神ジャニカールは聞いた者を催眠状態に落とし意のままに操る「誘惑の歌」を歌いだした。
これにクリスとジンが抵抗できず、ぼんやりと聞き惚れてしまう。
ビーストの1体が攻撃範囲内に入ったヘイウッドを急襲。
全力で駆け寄っていたヘイウッドはこれにとっさの対応ができず、わずかな傷を負った。
【ラウンド2】
リキュオスは二人が歌に聞き惚れてしまったのを横目で見て危険を感じ、立ち止まって抵抗する。
そしてこのまま誘惑されてはまずいと判断し、マリィがサニティでクリスの正気を戻すべくそちらへ駆け寄った。
ゼファルディートは歌を止めるためにサイレンスを唱える。
ホムンクルスの一体、詩人の姿はその声を奪われたが、魔神の高い抵抗力はお構い無しと歌を響かせる。
一方、ヘイウッドは近付いてきたビーストを相手にレイピアとトイ・ナイフの二刀流で格闘戦を展開し始めた。
ジャニカールは歌い続ける。
クリスとジンの二人ははっと正気を取り戻し誘惑を打ち破ったが、代わりにリキュオスとヘイウッドが歌の効果を受けてしまう。
ビーストの1体はヘイウッドとガチンコ勝負。残る1体は歌などお構い無しと歩み寄っていたジンのサーバントに襲い掛かった。
【ラウンド3】
歌の呪縛から逃れたクリスが槍を構えて騎士タイプのホムンクルスへ突撃。しかし手元が未だ定まらないか、これは外れてしまう。
マリィはクリスのフォローに後をついて行く。
ゼファルディートは歌を止めることは難しいと判断したか、シェイドを唱え魔神の精神力を削る作戦へシフト。
わずかながらダメージを与えた。
近付いてきた冒険者たちを目にして魔神は歌を止め、目の前に現れたジンとサーバントにライトニングを唱えた。
ジン、サーバント共にこれで相当のダメージを受けてしまう。
騎士ホムンクルスは迫ってきたクリスに剣を抜き放ち戦闘開始。
ビースト2体は変わらずヘイウッドとサーバント相手に戦い続けている。
【ラウンド4】
まずはマリィがダメージを負ったジンに手持ちの魔晶石を潰してキュアを掛ける。
歌が止まった事により自由を取り戻したリキュオスがさらに近付き、ジンはゼファルディートの動きを見てシェイドを積み重ねた。
クリス、ヘイウッド、サーバントはそれぞれの目の前にいる敵たちと火花を散らせている。
密集してきた冒険者たちを見て魔神はブリザードを唱え、氷の嵐を巻き起こす。
これに巻き込まれたのはリキュオス、ゼファルディート、ジンとそのサーバント。
3人はそれぞれ少なくない手傷を負い、サーバントはビースト相手に負っていた傷も積み重なりここで破壊されてしまった。
相手を失ったビーストは攻撃対象を近くにいたジンに変更、手傷を負っていたジンにさらにダメージを重ねる。
【ラウンド5】
ジンとゼファルディートはこれ以上魔法攻撃を食らっては危険と、シェイドを重ねて積み重ねる。
ここでジンの攻撃がクリティカルし、かなりのダメージを与える事に成功した。
マリィはヘイウッドとジンに再び魔晶石からキュア。
そのヘイウッドは密集していては再び範囲魔法を使われると一旦距離を取る。
クリスはしつこく粘る騎士ホムンクルスに掛かりきり。
精神点を削られて苦しい魔神は、下がるヘイウッドに追いすがり直接両手の鉤爪を振るった。
一瞬の隙を突かれたかヘイウッドはこれをもろに食らい、袈裟懸けに切り裂かれる。
……そして、積み重ねられた手傷も手伝ってか。ヘイウッドはその場に崩れ落ちた。
【ラウンド6】
大量の血を噴き出して倒れこんだヘイウッドに慌ててリキュオスが駆け寄る。
目の前の敵を血祭りに上げて笑みを浮かべる魔神に一瞬遅れてゼファルディートのシェイドが飛ぶ。
これで精神点を削り取られた魔神はついに気を失った。
だが、時は既に遅し。ヘイウッドが再び立ち上がる事はない……。
それを見たジンの目が怒りに燃え、残る敵の全員を狙い打って魔力の塊……エネルギーボルトを放った。
ビーストの2体がこれに弾かれるようにして倒れる。クリスと戦い続けていた騎士ホムンクルスもダメージを受けた。
騎士ホムンクルスが最後の抵抗と再三クリスを攻撃するが、既にボロボロの体では捉えきれずに軽々とかわされてしまう。
【ラウンド7】
残る敵は騎士と詩人の姿をしたホムンクルスが2体。
ヘイウッドの仇とばかりに突撃するリキュオスと、着実にダメージを積み重ねるクリスの攻撃。
さらにジンとゼファルディートのエネルギーボルトとウィスプが撃たれ、ついに敵全員が沈黙した。
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GM:倉沢まこと