SW-PBM #164
哀しみのラビリンス

■ 銀の扉、番人 ■
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【 迷宮・部屋タ 】

部屋ソからさらに東へと進み、目指す下層へのブロックまであと一部屋と迫る。
そうして扉を開けたその黒の部屋では、今までと違うものが目に入った。
南北にあたる左右の扉はこれまでと同様、通れるだろう色の白色をしていたが、下層ブロックへと繋がる東側の正面にあたる扉は銀色に輝いていた。
そしてその部屋の中で、冒険者たちを待ち構えていたかのように。
攻撃的な視線を飛ばすものがいた。
■??? To:ALL
ギ……!
シンニュウシャ、発見……排除!

一見してグラスランナーにも似たそれは、傍らに控える犬の像の首輪に手を掛ける。
そしてその首輪を取り去ると、途端に像は生物としての動きを取り戻したかのように動き出した。
■リキュオス To:レントン
……知り合い?

■レントン To:リキュオス
……えーと。
まぁ、知り合いといえば知り合いでありますが……話の通じない知り合いであります。

■リキュオス To:クリボー
通訳ならスペシャリストがおるけど。こういうのもいける?

■クリボー To:リキュオス
会話ができるのと意思の疎通が図れるのは別問題だぞ。

などと呆けた会話をしている間にも、像であった犬はこちらを敵と認識したのか、威嚇の唸り声を上げてくる。
■ヘイウッド To:ALL
おー、こわ。
まーま、ここを乗り切ればいよいよ下層を見れそうだぁねえー。

口の端を上げたヘイウッドは目を細めると、光を放つレイピアを水平に構える。
■クリス To:ALL
最後まで気を抜かない事が肝心です。

【ラウンド1】
襲い掛かってきたのはシーとオブシディアン・ドッグがそれぞれ2体。
さほど恐ろしい相手ではないと判断したか、冒険者たちは散開して各個撃破に当たる。

まずは例によってクリスが槍を手にシー2体をけん制。
そして動きの止まったところにジンのファイアボールが炸裂!
あっという間にシーたちを無力化してしまう。

リキュオスとヘイウッドはそれぞれ手分けしてO・ドッグの相手をする事に。
その接敵直前にゼファルディートがヘイウッドの前のO・ドッグにホールドを唱え、その足を奪った。

O・ドッグたちはそれぞれ目の前の敵を攻撃するが、盗賊二人の足捌きにひらひらとかわされる。
【ラウンド2】
手の空いたクリスがリキュオスの前のO・ドッグに向かう。
充分に体重を乗せた一撃がO・ドッグの身体を抉った。
実は炎が苦手なリキュオス。ラウンド1で飛んだジンのファイアボールに腰が引けていたのか、クリスとバトンタッチして一旦距離を取る。

ヘイウッドはホールドで絡めとられ動きの鈍ったO・ドッグに続けて攻撃。ダメージを積み重ねる。
そこへジンが追撃のエネルギーボルト!
拡大して2体共に放たれた魔力の塊はかなりの手傷を負わせた。

そしてO・ドッグの反撃。
ヘイウッドを相手にする1体は未だ絡みつくホールドに狙いが定まらない。
もう1体の方はクリスが相手では不利と判断したか、逃げるリキュオスを追うがこれも捉えきれなかった。
【ラウンド3】
ヘイウッドが盾を捨て、迷宮で見つけたナイフを抜き両手の刃を突き立てる!
これが致命傷となり、O・ドッグの1体は崩れ落ちた。

クリスは距離の開いたO・ドッグに追いすがり再度攻撃。堅実にダメージを積み重ねる。
リキュオスも振り向きざまに攻撃を行なうが、これは外れてしまった。

この時点で魔法使い組の3人は精神力の温存のために観戦。

O・ドッグは最後の足掻きとばかりに体勢の崩れたリキュオスを狙うが、三度躱されてしまう。
【ラウンド4】
これが止めとばかりに、リキュオス、そしてクリスが連続で攻撃を叩き込む。
そのコンビネーションでようやくといった感じで立っていたO・ドッグはついに倒れた。
襲い掛かってきたシーとオブシディアン・ドッグを何とか撃退した冒険者たち。
その向こうには、目指す部屋へと続く銀色に輝く扉がある。
■ヘイウッド To:ALL、リキュオス
ふいー、なんとかかんとか、だね。いよいよかー。
……で、兄さん、だいじょぶ?

トイ・ナイフから吹き出た染料に染まった服をこすりつつ、炎から飛びすさったリキュオスに声をかける。
■リキュオス To:ヘイウッド、ALL
ん…、いや…その…取り乱して悪かったな。
情けない話やけど、俺ほんま炎だけはあかんねんて(苦笑)

そう言って力なく笑うリキュオスは、いまだに顔面蒼白だ。
■ヘイウッド To:リキュオス
そうだったね。ま、とにかく無事怪我人なく終わって結果おーらいじゃない?
何がきっかけで苦手になったんだっけ。

一瞬言葉に詰まるリキュオス。
しかし、すぐにいつもの飄々とした調子で答える。
■リキュオス To:ヘイウッド>ジン
…ま、ちっこい頃のトラウマみたいなもんや。
だいぶ慣れてはきてるんやけど、さっきはいきなり至近距離やったからな。
禁忌の呪文やろ?アレ。

そう言って恨めしそうな表情でエルフのソーサラーをにらむ。
■ジン To:リキュオス
まあ、そう怖い顔をするな。
あそこでまとめて焼き殺さなきゃ、こっちが雷撃魔法を2本ばかり打ち込まれて死んでいただろうよ。
あれは魔法使い殺しとしては最適の呪文だからな。
老いぼれ術者どもが禁忌にしたがるのも無理はないさ。

■ヘイウッド To:ALL
ん、ゼファくんの警戒反応が速かったのと、ジンさんのまほーのおかげで助かったね。
固まってるトコを向こうに先に撃たれてたらおおごとだったよ。

■リキュオス To:ジン
そこいらの老いぼれよりも、よっぽど年寄りなくせによう言うわ。。

■レントン To:ALL
ようやく辿り着いたであります。
あの銀色の扉の向こうが、下層へ行くための区画であります。

そして、なんとなくデジャヴを感じさせる仕草で、肉球つきの手のひらを差し出してくる。
■レントン To:ALL
さて。
今度こそ、鍵を返して欲しいのであります。
あの鍵がないと、扉が開けられないであります。

■ヘイウッド To:ALL
うん、じゃあお願いして下に案内してもらおうかー。

すかさず肉球に飛びつくリキュオス。
■リキュオス To:レントン
うは、むっちゃもふもふしとる(=´∇`=)

■レントン To:リキュオス
はぅあおぅっ!
ち、違うでありますっ。止めるであります。
肉球は弱いのでありますうぅ〜。

ぷるぷる震えながら必死で抵抗。
■リキュオス To:ジン
んーと、たしか鍵はリーダーが預かっとったよな?

■ジン To:リキュオス、ALL
うむ。ここまで来て裏切られるということもあるまい。
ここは鍵は渡して、おとなしく案内をお願いしようか。

ジンは懐から黒色の鍵を取り出し、レントンの肉球にそっと乗っける。
■レントン To:ジン
確かに返していただいたであります。

■リキュオス To:レントン
大事な鍵なんやから、もう失くしたらあかんで?

■レントン To:リキュオス
失くしたのではなく、チェイミーにかっぱらわれたのであります。
そのあたり、勘違いされると不愉快であります。

あくまでも自分の責任ではない、と主張したいらしい。
■リキュオス To:レントン
偉そうに言うことでもないわ(笑)

■ヘイウッド To:ALL
ところで、灯りのまほーもそろそろ切れるかな?なんか灯り付けとこうか。
レントンさん、下の階層って暗い?あ、そうそう、下の階層に行ったらもう罠とか敵対する魔法生物とかは存在しないのかな??

■レントン To:ヘイウッド
下の階層は明かりがついておりますので、そんなに困らないと思うであります。
それから、罠はないでありますな。
敵対するモノは……基本、ないはずでありますが。
ルナクリア様がまたアヤシゲなモノを創造されていたりした場合は、その限りではないであります。

■ヘイウッド To:ALL
なんかさらっとぶっそーなこと言ったね……。

■マリィ To:ALL
何にせよ、気は抜けないと言う事ですね……。
あと、不意に点いている明かりを消される可能性もありますし、別途明かりを用意しておいた方が無難かと思います。

■クリス To:ALL
ではまたたいまつを用意しましょうか?

袋から取り出してみる。
■ヘイウッド To:クリス
そうだね、でも万一の時のために、クリスさんはすぐ両手で槍使える方がいいかもね。
たいまつはゼファくんに持ってもらうんでどうかな。弓は使いにくくなるのが問題だけど、精霊まほーの方は片手でいけるんだよね?確か。

クリスの取り出したたいまつに火をともすと、ゼファルディートに渡す。
■クリス To:ヘイウッド
仰るとおりですね。
お任せしますよ。

■レントン To:ALL
では、扉を開くであります。

レントンが銀色の扉に近づき、鍵穴に黒い鍵を差し込む。
すると、手元の鍵がみるみるうちに扉と同じ銀へと色を変えていった。
完全に色が変わったのを確認してから、レントンが鍵をひねる。
ガチリ、と重い音が響いて、扉がゆっくりと開かれた。
■レントン To:ALL
さ、皆様どうぞ。
下層のブロックまでもう間もなくであります。


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GM:倉沢まこと