海竜祭の朝
疲れ切った体を、海の底に沈んでいくような深い眠りで癒した夜。
その翌朝、相変わらずしとしとと降り続ける雨の音で目を覚ました冒険者たち。
冷え切った空気に包まれた朝の時間を、思い思いの方法で過ごした彼らは、「海鳥と潮騒亭」で再び集合し、ひとごこちついていた。
■給仕の女の子 To:ALL
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おはようございま〜すっ♪
今日はいよいよ海竜祭ですねっ! みなさんも行かれるんですよね?
私たちもあとから行きますから、楽しんできてくださいね〜♪
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■ゾフィー To:給仕娘
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おはようございます。
朝の通りの活気を見るからに、盛大なお祭りのようね。
今宵、こちらの店も繁盛なさいますことを。
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■リコリス To:給仕娘
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おはよう〜♪
朝ちょっと歩いてきたけど、みんな楽しそうだね〜。
リコも楽しみ。
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リコリスは兄に買ってもらったピンクのワンピースを着ている。
あとでレヴィーヤとおそろいにするつもりか、髪も珍しくポニーテールに結んでいた。
■給仕の女の子 To:ゾフィー&リコリス
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おいしいお酒とお料理を準備して、お帰りをお待ちしていますね〜♪
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■シグナス To:給仕の女の子
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ああ、おはようさん。ま、俺は出ないんだがね、一緒に見物でもするかい?
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■給仕の女の子(キュイジーヌ) To:シグナス
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え〜っ、そんなぁ……キュイジーヌ、嬉しいけど困っちゃう……
まだ昨夜の疲れが残ってるし……
昨夜のお客さん、ス ゴ か っ たから……
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■スキンヘッド主人 To:シグナス
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……………………。
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極太の腕に血管を浮き上がらせながら、マグロ解体用の特大包丁を投げる構え。
■シグナス To:キュイジーヌ、主人
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あ、あぁっはははははー。ないないないないないないないないから無いからー!?
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■キュイジーヌ To:シグナス
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お客さんったら、動揺しちゃって……♪ 余計に怪しいですよ?(ぽそ)
な〜んてっ、じゃあ私後から行きますね〜♪
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手を振り振りしつつ、仕事に戻るキュイジーヌだった。
■ウーサー To:シグナス
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……なあ、いっそ色々と諦めたらどうだ? 却ってラクになるかもしれねぇぞ?
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■シグナス To:ウーサー
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い、いや。ああ言う女の子自体は別に良いんだけどな。向こうの親父さんが何処まで本気か計り知れねえ……。
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そして朝食を済ませたあと、一行はさっそく海竜祭の会場である白波公園へとやってきていた。
■ライチ To:ALL
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ほら、見て!
相変わらずの雨だけど……会場の熱気で、雨雲も吹き飛んじゃいそうだよ♪
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■シグナス To:ライチ、ALL
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だねぇ……晴れてないのが残念だと思ってたが、こりゃあこれで、って所かな。
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モザイクに縁取られたアーチをくぐると、ライチの言葉どおり、公園内は大勢の町人で大変な賑わいを見せていた。
お祭りを記念したアクセサリーを売る店、広げた鉄板の上でクレープのようなものを焼いて客に振る舞う店、海を賛美する歌と踊りを披露する吟遊詩人――などなど。 すれちがう人々は皆、開放感と高揚感で笑顔にあふれていた。
中でも中央の武道会会場となる大きなテントでは、すでに観客席の最前列を残して満席。
掲示されているトーナメント表を眺めながら、去年の武道会の様子を大声で語るおじさんや、今日の酒代を賭けて勝敗予想を始める屈強な男たちの陽気な声が聞こえる。
もちろん、お弁当を膝にのせたほのぼのファミリーもちらほら。
皆、雨に打たれるのも気にせずに、今か今かと武道会が始まるのを待っているのだ。
■レヴィーヤ To:ALL
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(ドワーフ語)
おにいちゃん、おねえちゃん、かあさん、ライチ、おはよ!
レヴィーヤ、げんき!
ミガクとうさんも、げんき!
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一行の背中からふいに声をかけてきたのは、オーシャンブルーのワンピースに身を包んだレヴィーヤだった。
その手をつないでいるのは、「少しはおめかししてきた」様子のミガクである。
■ゾフィー To:レヴィーヤ&ミガク
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(ドワーフ語)
おはようございます。
いいあいさつですね、げんきそうでよかったわ。
たのしいおまつりになりますように。
お二人ともお召し物がよくお似合いですわ。
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■レヴィーヤ To:ゾフィー
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(ドワーフ語)
うん、レヴィーヤのいっちょうら♪
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ワンピースの裾も軽やかにくるんとその場で回ってみせた。
■ミガク To:ALL
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おお、これはゾフィーさん、そしてお仲間のみなさんも。おはようございます。
いやはや、去年以上の賑わいですなぁ、これは。
武道会が始まるまでは、まだ間がありますので……わしらはもう少し露天を眺めて楽しむつもりですわい。
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■レヴィーヤ To:ALL
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(ドワーフ語)
ナギ、どこ? みた?
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レヴィーヤが、さっきから探していると言った様子できょときょとしながら、皆に問いかけてくる。
■ゾフィー To:レヴィーヤ>ALL
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(ドワーフ語)
ざんねんながらわたくしはみておりませんわ。
みんなにきいてみますわね。
(共通語)
ナギさんを探しているそうですわ。
どなたか見かけた方はおられまして?
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■ウーサー To:レヴィーヤ
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いや? オレ様は今朝は、まだ会ってねぇな。
そういやぁ、そっちはリュナを見てねぇか?
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■レヴィーヤ To:ウーサー
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(ドワーフ語)
リュナ、みた! おっきなかんばんのほう。
かわいい、赤い服、きてた♪
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レヴィーヤが指差すのは、中央のテントのほうだった。
■ウーサー To:レヴィーヤ
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お、そうか。ありがとうな。
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■リコリス To:レヴィーヤ
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ナギ君、パパやママと一緒じゃないかなぁ?
そのワンピースかわいいね、とっても似合ってるよ♪
そうだ、これプレゼント。髪につけていい?
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リコリスが差し出したのは、今朝礼拝堂に祈りに行った帰りに買ってきた空色のリボンだ。
「同じ色の空に無事に虹がかかりますように」という願いを込めて、選んだ色だった。
■リコリス To:レヴィーヤ&ライチ
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3つあるから、3人でおそろいでつけよう?
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■レヴィーヤ To:リコリス
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(ドワーフ語)
おそろい〜♪ ライチもかわいくしよう!
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■ライチ To:リコリス
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い、いやその……わ、私には似合わないよ、リボン、なんてさ……
だ、だってほら、今の格好にミスマッチすぎない!?
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何故かわずかに頬を赤らめ、首を振りながら後ずさるライチ。
■ウーサー To:ライチ
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いや諦めな、ライチ。
もう理解ってるかもしれねぇが、その仔リスはけっこう強情だぜ?
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■ライチ To:ウーサーのみ
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ご、強情っていうか……思い込んだら一直線なのはよくわかってるけど……さ?(汗)
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■ウーサー To:ライチ
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じゃあアレだ、「豪腕」ってヤツだ(笑)
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■リコリス To:ウーサー>ライチ
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え〜、無理強いはしないよ〜。
ある祈りも兼ねてるからつけては欲しいけど。
ライさんにも似合うと思うよ。
でも嫌なら無理しなくても良いよ、ただ……できればライさんにもつけてもらってあとでリコのと交換して欲しいの。
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■リコリス To:ライチ
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それでも嫌なら……あ、そうだ。同じ色のリボンをつけた猫と一緒ならミスマッチにならないかも。
猫抱っこする?
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小首を傾げて、ライチを見上げた。
■ライチ To:リコリス
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え、えとね……いや、猫抱っこするのは全然いいんだけど!
……わかったよ〜、リコ。
でも、自分じゃ上手く結べそうにないから、リコが結んでね?
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明らかに照れた様子で苦笑を浮かべながら、手早く長い黒髪を高い位置でまとめ、リコリスの手が届くようにしゃがんで後ろを向いた。
■レヴィーヤ To:リコリス
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(ドワーフ語)
レヴィーヤも〜♪
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同じポーズでちょこんと座り込む。ふたりの背中は不思議とよく似ていた。
■リコリス To:ライチ&レヴィーヤ
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うん、もちろんいいよっ♪
(なんかこうして並んでると、二人姉妹みたい……って、もしかしたら二人ともイザナイさんの血をひいているかもしれないんだっけ?)
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レヴィーヤの髪を高い位置に一つに纏めると、空色のリボンで結ぶ。
ついで、ライチの髪にも、丁寧にリボンを結んだ。
■リコリス To:ライチ&レヴィーヤ
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はい、できたよっ♪
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■ライチ To:リコリス
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あ、ありがと。
あの……変じゃない?…(///
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相変わらずの漆黒装備に、黒髪ポニーテール&空色リボンのライチ。
照れて赤くなった顔を隠すかのように手を口元に当てて、問いかけた。
■リコリス To:ライチ
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とってもかわいいよ〜♪
ステキな親友をいろんな人にみせびらかしたいぐらい♪鏡で見てみる?
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リコリスは手鏡を出すと、ライチに手渡した。
■ライチ To:リコリス
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うわぁ……な、なんか初めて見るよ……こんなの……(///
ハノクやティガたちに笑われそうだよ〜。
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鏡を(いつものように顔に近づけて)のぞき込み、照れ笑いを浮かべつつも、その表情はちょっぴり嬉しそうだった。
■リコリス To:ライチ
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そんなことないよ〜。
でも、もし万が一そんなことして乙女心を傷つけるようなら「おしおき」しちゃえばいいんだよ♪
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さらりと言って、手に持ったメイジスタッフを左右に振った。
当然ながら、「おしおき」はリコリスが育った「トールクーベ風」を想定している。
■ライチ To:リコリス
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あはははっ、そうだね♪
じゃあ、笑った奴には「シェイド」で眠ってもらおうかな?
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思わず笑い出すライチ。
当然、「トールクーベ風」がいかに無茶なものであるかは知らない。
■リコリス To:ライチ
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うんっ、特 大なの、ぶつけちゃえっ☆
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ライチが笑ってくれたので、とても嬉しそうだ。
■リコリス To:レヴィーヤ、ライチ、ゾフィー
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あ、あとね、これ。応援用にさっき買ったリボンで作ったの。
みんなで持とっ(*゜▽゜)ノ※
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リコリスが取り出したのは空色のリボンで作られたポンポンだ。
手首につけても良いように、持ち手部分に長めのリボンがつけてある。
■レヴィーヤ To:リコリス
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(ドワーフ語)
かわいい〜♪ こう? こう??
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両手にはっしと構えたのち、全面に連続パンチを繰り出すかのような動き。
■リコリス To:レヴィーヤ
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うん、そうだよ、上手、上手♪
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■ライチ To:リコリス>ゾフィー
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あ、あのさリコ……本気? ねぇ?
……ゾフィーさん、も?……
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しっかりと両手にポンポンを握らせられつつ、ゾフィーをちらりと見るライチ。
■リコリス To:ライチ>ゾフィー
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うん、もちろん。
はいっ、フィーさんの分(*゜▽゜)ノ※
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口をまっすぐに結んだまま、花形に開いたリボンをひとつ手に取ったゾフィーは、値踏みをするかのように、角度を変えてじろじろと眺め廻していた。
■ゾフィー To:リコリス>ALL
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空色ですか……。
いえ、あなたらしい選択だとは思いますけれどね。
桃色にも、海青色にも、蒼黒にも、調和する色でございますし。
でもね、この紫にはどうかしら。
皆様、ちょいとごめんあそばせ。
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そういいつつ、頭に巻き付けていた紫の布をするりと外したゾフィーは長めの銀髪を右の耳の後ろで素早くまとめた。
ぽんぽんから伸びた長いリボンをそのまま髪に搦めると、左上に花が乗る形にもっていき束ねる。
リボンの残りは、毛束の右下にさりげない蝶結びをひとつ作った後、軽くねじりを加えながら肩に流してみせた。
■ゾフィー To:レヴィーヤ
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(ドワーフ語)
はい、かあさんもおそろい。
レヴィーヤはこの色、どうおもいまして?
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■レヴィーヤ To:ゾフィー
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(ドワーフ語)
んーとね、あいくるしい!
かあさん、とてもかわいい♪
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覚えたてのような発音でそう言うと、嬉しげにその場でぴょんぴょんと飛び上がった。
■ゾフィー To:レヴィーヤ&ALL
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あら、そう。
褒め言葉は久しぶりに聞いたわ。
子どもは正直ね。
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妙に機嫌がよさげに、口元に手を当て、おほほと笑ってみせるゾフィー。
■シグナス To:ALL
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……ま、たまにゃ良いんじゃねえの?
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軽く笑いながら眺めているだけのシグナス。
■ライチ To:シグナス&ALL
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あはは……なんか私も、悪くないかなって気がしてきちゃったよ。
シグナスも付ける? リボン。
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■リコリス To:シグナス
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シグ先輩もいる?(*゜▽゜)ノ※
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すちゃっとポンポンリボンを差し出す。
■シグナス To:ライチ、リコリス
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あっはっは、祭騒ぎなら面白いかもな。……オランで遣られたら少し洒落にならんけど。いや実際、ガキの頃は姉さんに散々弄られたしなあ……。
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■ライチ To:シグナス
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……楽しげな家庭環境で育ったんだね……。
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■リコリス To:イェンス
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イェンさんも持つ?(*゜▽゜)ノ※
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中央のテントに行ってみると、トーナメント表が書かれた大きな看板が掲示されていた。
それによると、「リュナ&うさぎ」コンビの1回戦の相手は、どうやら船で一緒だった「ティガ&カイネ」コンビのようだ。
そして、要注意コンビの「ヤツメ&ロシュ」とは、決勝まで進まなければ当たらないようだ。
■ヤツメ To:リュナ
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にゃっっはははははは!! もうお腹がよじれて死にそ〜なのですぅ〜〜ヽ(≧∀≦)ノ!!
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■ロシュ To:ヤツメ>リュナ
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あ、あはは……わ、笑っちゃ悪いってヤツメ……うくくくく。
か……かわいいよ? よく似合って……うふふふ。
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■リュナ To:ヤツメ&ロシュ
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……………………ふたりとも、電撃の刑。
そこに一列に並ぶといい。
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トーナメント表のそばでは、昨夜ウーサーに買ってもらった「超絶少女趣味」の衣装に律儀にも身を包んだリュナが、ピンクのマントのグラスランナーと吟遊詩人らしき男性に向かって、今にもメイジスタッフをかざして魔力を充填しているところであった。
■シグナス
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いやあ……思った以上に愉快なデンジャー加減だなあ。
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■ウーサー To:シグナス>リュナ
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おいおいおいおい、落ち着いて見てねぇで止めろって!? そりゃあおめぇにとっては日常茶飯事なのかもしれねぇけどよ?!
ちょっと待て嬢ちゃん、無駄弾撃つんじゃねえ!
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慌ててリュナの眼前に割って入り、太い腕を振りながらリュナの静止を図る。
■シグナス To:ウーサー
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こんなもん修羅場の爪先にもならんわ。
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■ヤツメ To:ロシュ
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──噂のうさぴょん!?Σ(゜∀゜*)きらりーん☆
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■ロシュ To:ヤツメ
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……本当だ、ヤツメの予想通りだね……Sかどうかは知らないけど
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一瞬でアイコンタクトをすませるヤツメとロシュ。
そしてウーサーは、リュナの手を取りながら身を屈め、素早く囁いた。
■ウーサー To:リュナ
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(西方語)
せっかく可愛い格好してんだから、大人しくしてろっての。
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■リュナ To:ウーサー
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(西方語)
ば……バカにされたのうさぎのせいっ、責任──
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そしてリュナの答えをロクに聞こうともせずに、ぐいぐいと腕を引っ張り、とりあえず昨日受付をした場所へと移動を試みる。
■ウーサー To:リュナ
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大会の係員掴まえて、ルールの確認もしときてぇんだ。
ワヤやってねえで、とっとと行くぞ?
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■運営委員 To:ウーサー&リュナ
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おおっ! これはリュナちゃんに、相方の重戦士うさぎさん!
って、どうしたんだい、リュナちゃんは妙に不機嫌そうな顔してるけど?
まぁそれはいつものこととして、確認したいこととは何でしょうかね?
な〜んでも聞いてくださいよ〜!
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昨日ふたりに声をかけてきた運営委員が、声を聞きつけたのかそばに近寄ってきた。
■ウーサー To:運営委員
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おお、丁度良かった!
いやな、試合の合間に武装の交換してもいいか? ってことなんだが、そのへん如何よ?
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■運営委員 To:ウーサー&リュナ
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鎧? ああそれでしたら、試合の合間にいくらでも変えていただいて構いません!
もちろん武器も同様!
た・だ・し!
「1試合内」で使うことができる武器は1種類のみですよ〜いいですか〜?
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■ウーサー To:運営委員
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んん? じゃあ例えば「武器と盾でぶん殴る」とか、「盾を手放して素手と武器で殴って、また盾拾って得物で殴る」とかもアウトなのか?
あと、「種類の違う武器の二刀流」とか。
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■運営委員 To:ウーサー
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ああっと失礼! 二刀流の場合は種類が違っていてもOKです!
ですがそれ以外はアウト!
要は、「最初に構えていた武器」以外のもので殴っちゃいけませんってことですね!!
ですので、盾を捨てて空いた手で殴ったり、盾で殴るのもNG!!
ただし盾を捨てて片手持ちから両手持ちにしたりするのはOKですけどね?
武器自体は替えてませんので。
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■ウーサー To:運営委員
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持ってた盾で殴るのもアウト、か。
じゃあ1−1になったときに、逆転狙いで盾と剣との二刀流、てワケにも行かないってことだな……やれやれ。
狙ってた見せ場が、ひとつ減っちまったかなこりゃ?
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肩を竦めてみせたウーサーは運営委員に礼を言い、その場を離れることにした。
■リコリス To:ヤツメ&ロシュ
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あ、おはよう〜♪
じゃなくって、初めまして。
リコはリコリスっていうの。昨日はパティをありがとう。
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カバンからパティを出して抱っこし、てってこと近づいていってご挨拶。
■ヤツメ To:リコリス
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ぅわーお!? 昨日のうさちゃんなのでぃす!!ヽ(゜∀゜*)ノ
さてはリコりんが、パティなうさちゃんのご主人様なのでぃすねー!?
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■ロシュ To:リコリス
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僕はロシュといいます、初めまして。
あのときはヤツメをうまく操縦してリュナについて行ってくれてありがとう。
頭から落ちはしないかと心配だったけど……。
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流れるような金髪を揺らして穏やかに微笑んだ。
■リコリス To:ロシュ>ヤツメ
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うん、大丈夫だった……みたい。
あ、そうだこれ、ヤツちゃんの分。みんな一緒にリュナナとウーさん応援しよっ(*゜▽゜)ノ※
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■ヤツメ To:リコリス
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はわわっ!? かっわいいポンポンなのでぃす〜♪ ※ヽ(゜∀゜*)ノ
でもでもぅ、ゆーしょーするのはこのヤツメさんでぃすよー?(きらん)
まー実力を推し量る意味でも、途中までは応援してやらんこともないのでぃす!!
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■ロシュ To:リコリス
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ごめんね、暴言禁止だとよく言って聞かせるから。
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ヤツメの頭をぎゅむっと押し付けつつ。
■リコリス To:ロシュ>ライチ
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暴言 ?(゜_。)?きょとん
いま、なんか暴言っぽいこと言ってた?
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■ライチ To:リコリス
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えっと……試合中に、ってことじゃない?
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■リコリス To:ライチ>ロシュ&ヤツメ
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そっか〜。ロシュさん、大変だね〜。ロシュさんとヤツさんも試合頑張ってね〜♪
ウーさんと対戦するまでは応援してるよ☆※ヽ(▽^*)ノ
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■ロシュ To:リコリス>イェンス、シグナス
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ありがとう、がんばるね。
あ、イェンスさんもシグナスさんも、昨日はお世話になりました。
この通り、風邪はちゃんと治りましたよ。♪ららら〜げほげほっ。
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■シグナス To:ロシュ
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治ってねえ、治ってねえよ……。
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■ロシュ To:シグナス
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ま、まぁなんとかなります。ヤツメを至近距離で見張る役がいないと、不安で寝てられませんから……。
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■シグナス To:ロシュ
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……お疲れさん。ま、終わる頃には蜂蜜のドリンクでも用意しとくさ。
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■ロシュ To:シグナス
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うう……ありがとうございます。
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受付とトーナメント表のすぐ近くでは、ひときわ盛り上がっている男衆の人だかりがあった。
屈強な男たちに囲まれているのは、埋もれてしまいそうなほど背の低い、全身をローブ付きのマントでくるんだ人物。
■低い女性の声 To:男衆
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さぁさ、もう一声賭ける奴はいないのかい。
大本命「うさぎ」に賭けるも良し、対抗馬「ヤツメ」に賭けるも良し!
はたまた大穴狙いで「ティガ」に賭けてみるかい?
ケツの穴の小さい勝負なんざお断りだよ、さぁ、どうだい!
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ウーサーには聞き覚えがある。間違いなく「Tog Tog Factory」で聞いた声だ。身を屈めて見る者や、背の低い者にしか解らないが、ローブに隠れた顔は間違いなく年若いドワーフの女性である。
■トグー To:冒険者たち
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……おっと、そこの経験豊富そうな御一行さん。
どうだい? 一口50ガメルから始まって、50ガメル刻みで1000ガメルまでだ。
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羊皮紙に書かれた配当表を見ると、うさぎ:×1.2
ヤツメ:×1.5
ティガ:×3.0
コノハナ:×2.0
となっていた。
■ウーサー To:ALL
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……こりゃあ、いい。
悪ぃが誰か、オレ様の替わりに、ありったけ張っといてくれ! もちろん、オレ様たちの優勝にな!!
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■ゾフィー To:ウーサー&ALL
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あの配当では、所詮酒代にもなりませんけれどね。
よろしかったら、まとめて購入しておきますわ。
乗る方は「ありったけ」お出しになってね。
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■ライチ To:ゾフィー
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乗るよ〜、面白そうだし♪
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■ゾフィー To:ライチ&ALL
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わかりました、他には?
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■シグナス To:ALL
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俺は遠慮しとく。結果の見えてる博打は面白くねえや。
……って、格好付けたんだ。ウーサー、恥掻かせてくれんなよ?
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その言葉を耳にしたゾフィーは片方の眉を跳ね上げると、男達をかきわけるようにしながら、ローブの賭博師に近づいていった。
■ゾフィー To:年若いドワーフ
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(ドワーフ語)
本命で1.2、大穴で3かい?
姐さん、ケツの穴云々するにしちゃあ、随分とおとなしい勝負じゃねェか。
もっと倍率を釣り上げにゃあ、大口賭けるうまみがないってもンだろ?
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■トグー To:ゾフィー
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これ以上景気のいい配当にしたら、万が一の時あたしが破産しちまって、かえって笑えなくなっちまうだろう?あくまで雰囲気を楽しむのさ、こんな陽気な日はね!
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■ゾフィー To:年若いドワーフ
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雰囲気を楽しむだって?(ドワーフ語)
よくお言いだよ、お若いのにしたたかだねェ。
配当1.2で決まったら、ぼろ儲けはどっちだい。
(共通語)
ま、今日はご祝儀ということでノッてやるさ。
うさぎに1000ガメル!
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そう言いながら、ゾフィーは大きくふくらんだ小袋を、トグーにむかってぽんと放り投げた。
■トグー To:ゾフィー>ALL
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(ドワーフ語)
そうこなくっちゃね!
「若くてべっぴんなドワーフが店主の店」に来てくれりゃ、サービスしとくよ?
(共通語)
さあさ、もう締め切りだよ! 結果は見てのお楽しみ!!
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人だかりは三々五々散っていき、観客席はすべて埋められた。
そして、いよいよ武道会開始のドラが鳴らされる。
■黒ひげレフェリー To:ALL
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れでぃーーーーーっすあーーーーんど、じぇんとるめん!!
大変長らくお待たせいたしました!!
ただいまより『No.1は誰だ! 第2回イーンウェン熱闘武道会』を開催いたします!!!!
1回戦は! 「リュナあーーーんどうさぎ」VS「ティガあーーーーーんどカイネ」!!
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一斉に盛り上がりを見せる歓声をバックに、何か開き直ったような表情でステージへ向かうリュナ。
■ウーサー To:リュナ
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オーケイ……じゃあ、ちょいと行ってみるかね?
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リングメイルに着替え、盾と鉄刀を携えたウーサーは、昨夜のうちに作っておいた覆面――といっても、適当な袋に目出し穴を2つ開けただけのモノ――をかぶり、その上からうさぎカチューシャを(なにかを諦めたかのような眼差しで)つけてから、のっそりとステージを上がっていった。
■ティガ To:ウーサー
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なっ、なんだてめぇ、そのふざけた覆面と耳は?! かわいいじゃねぇか!?
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■カイネ To:ティガ
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あ、あのよ……俺、なんとなくあの体躯に見覚えが……い、いや、キノセイダヨナ?
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カトラスを構え、相変わらずの赤ら顔で全面に出るティガ。
カイネはその後方で空手で身構えていた。
二人の様子を一瞥したウーサーは、無造作にティガとの距離を詰める。
ウーサーはティガに、無言でリンゴを差し出し――おもむろに、リンゴを両手で上と下から挟み込み、瓶の蓋を開けるように捻った。
そしてリンゴは潰れずに、中心から真っ二つに、きれいに「割れた」。
■ティガ To:ウーサー
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な、何の真似だぁ〜!? 海の男を馬鹿にしやがって!?
何かのパフォーマンスのつもりかよぉ!?
では遠慮なくいただきます。
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両手でうやうやしく割れたリンゴを押しいただく。
■カイネ To:ティガ
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お、おいティガ……やり合う前から降参かよ……?
ていうかこの日に合わせて精霊魔法を勉強してきた俺の立場は……?
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■黒ひげレフェリー To:ALL
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おーっと、これは予想外の展開!!
「ティガ&カイネ」降参により、「リュナ&うさぎ」勝利ーっ!!
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観客席からはどっと笑いと歓声が起こり、やがて盛大な拍手が巻き起こっていた。
満足げに目元に笑みを浮かべたリュナは、観客席の冒険者たちに向かってVサイン。
■ウーサー To:リュナ
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ま、本気の本番は、2回戦からってことだな。
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サービスに付き合って、自分もVサイン。
■リコリス To:ウーサー&リュナ>ALL
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ウーさんもリュナナもすごい〜 ☆※ヽ(▽^*)ノ
って、ウーさんって言わないほうが良いのかな?
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■ゾフィー To:リコリス&ALL
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あら、せっかくですから、昨晩おっしゃっていた「ばにぃさん」とか「らびっとさん」とかお呼びになったら?
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■ライチ To:ゾフィー
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ら、らびっと……うくく。
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■リコリス To:ゾフィー>ウーサー
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そっか。忘れてた(汗)
ラビさん頑張れ〜☆※ヽ(▽^*)ノ
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■ウーサー To:リュナ
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決勝で当たる予定の嬢ちゃんのお仲間には、まだ手の内を完全に見せたく無ぇからな。
次の試合も、このリングメイルで行くぜ。
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とても満足気だった。
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