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SW-PBM Scenario#163
かわいい絵筆

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嵐がやってくる



  オラン西の海域・フレンジィ号/船上

グレムリンが海上で眠りこけたのを全員が確認すると、いつのまにか上空を薄暗い灰色の雲が覆い始めていた。
潮風もより冷たさと強さを増している。
■ライチ To:ALL
嫌な雲だなぁ……。ちょっと私、報告がてら船室の様子を見てくるね。
引き続き警戒お願い!

ライチはすばやくマストから降りると、足早に船室へと入っていった。
すぐに数人の船員が飛び出してきて、雨に備えるために船のあちこちへ散っていく。
■シグナス To:ライチ>ALL
ん、ああ了か……降りるの早いな!?

わりー!暫く上で見張っとくから下の事は任せたー!

■ティガ To:シグナス
おぅ相棒、俺が変わってやるからどきな。
どうやら嵐が来そうだ、こっから先は素人にゃ無理だぜ。

やたら格好つけた口調で、にょっと顔を出すティガ。
さすがに今は酒気帯び顔ではないようだ。
■シグナス To:ティガ
そう言われちゃあ引っ込んでられねえな!……と言いたい所だが、流石に嵐は甘く見れねえか。
OK、ここは任せておいてやるぜ。

■グレムリン
...zzz...zzz...

「空の小鬼」は幸せそうに(?)空中で脱力している。
そのとき、冒険者たちのほほをぽつ、と叩く感触。雨だ。
■ゾフィー To:ALL
あら雨、やっぱり不安定な天気のようですわね。
確か学院でモンスターが「戻った」「液体」の採取を依頼されているのではございませんか。
本降りになる前に急ぎませんと。
器をお持ちなのはどなたかしら?

■イェンス To:ゾフィー>しろ
はい、こっちです!!!
こっちの、ポケットに…
あ"ーーーーっ、しろ、そこが踏ん張りどころですっっっ!
ふぁいとぉおおおぉお〜!!!

そう尋ねたゾフィーは、グールを形作っていた「どろりとした液体」のそばに片膝をつき、様子を観察した。
続いて、裏返した小袋の内側に入れた手で、さらうようにして「液体」を採集しようと試みる。
粘度のある液体はどんどん雨に溶けていっていたが、それなりの体積があったので、うまく小袋のなかにすくい取ることができた。
■ゾフィー To:ALL
油絵具にしてはやけに溶解が早いと思いましたら……。
これは古代王国時代に使われていた「水に溶ける油絵具」のようですわ。
洗い流したり、滲ませて柔らかい表現ができたりするということで、当時、一部の画家に人気があったそうですの。
確か、パルピソン派の絵画というものを以前手も……おっとそれは別の話ね。

この絵の具を無限に生み出す壷やら、念じるだけで穂先からこの絵の具が出てくる筆やら、様々なマジックアイテムが存在していたとか。
ちなみに乾いた後も、湿り気を与えれば柔らかくなりますから、袋に入れたまま持っていたとしても何とかなりそうですわね。

そこまで説明すると、ゾフィーは次にバルキリーであった液体の名残を調べに移った。
流れ行く絵の具をこすりとった指先を鼻元とまなこに順に近づけ、最後に僅かに舌先に触れさせる。
そして同じ種類の画材だと確信したかのように、はっきりとうなずいた。
■ウーサー To:ゾフィー
……本物じゃあ、なかったってワケか。
なんていうか、こう……残念だかホッとしたんだか、良く理解らねぇなあ。

■リコリス To:ゾフィー>イェンス、ソル
そんな絵の具があるんだ〜。
そっちのも同じ?
これ持って帰ればいいんだよね。

■イェンス To:リコリス
はい、コレを持ち帰って魔法生物の研究が出来れば…。

■ゾフィー To:イェンス>リコリス
学院の方でしたら「絵の具を持ってきてどうするんだ」とは言われませんでしょう。
その瓶にも入れておきますから、お渡し……おっと、フクロウでお取り込み中のようですわね。

リコリスさん、お手数ですけれどイェンスさんの瓶を持ってきていただけまして?

■シグナス To:ALL
絵の具、ね……。現実にするんじゃなく、ゴーレムの亜種見たいなモンか?
つか、何処で出来て来たんだか。あの船にしたって、モデルがあるのが気にはなるんだが……。

■ゾフィー To:ALL
問題は、なにが目的でこんなことをしているのかということですわ。
調査船だけなら、禁域を犯したとか、なにか捕らえたとか、船の側に理由があるのかもと考えることもできますけれど。
定期船まで襲撃されるとなりますと……。
やれやれ、くだんの絵筆と結びついてくるのかどうかくらいは調べることになりそうね。

■シグナス To:ALL
……つか、アレ(グレムリン)何時までもぶらぶらさせとくもんじゃないが……。
下手に運ばせて目ぇ覚まされたら面倒だな。もう少ししたら手が届きそうだし、今の内になんか鉄と細いロープの用意でもしとくか。

手乗りふくろうのしろが、空中に留まるグレムリンの身体をソフトタッチで運んだ。
落下速度ほぼ0の状態で浮いているので、体の小さいしろでも、わずかに力を加えるだけでふわりと甲板まで泳がせることができた。
■イェンス To:しろ
よく頑張りました!

小鬼を床に下ろしたしろを抱きなでなで。
■シグナス To:アイゼン
……お前は近付くな。と言うか喰うなよ!?
((*゜∋゜)クルッポー)
不満げだ!? ……ああ、何故か魚食わないモンな、そう言えば。
だからって妖魔に食指沸くのも怖いんだが。俺、なんでコイツ使い魔にしてるんだろう……。

■イェンス To:シグナス
おや、それはあなたの使い魔ですか?
ずいぶん大きなフクロウですねぇ。

■シグナス To:イェンス
まあ、荒事多いからね。頑丈なのは有り難い所さ。

■グレムリン
...zzz...zzz...

甲板の上に転がった小鬼は、刺激を与えない限り起きる気配は無いようだ。
■ゾフィー To:ALL
で、生け捕り発言をなさった皆様。
これをどうなさるおつもり?
「嵐」が来るということでしたら、早いところ船内に入った方がよさそうではございますけれども。

そういうゾフィーの手元には、いつの間にか、銀の針金が握られていた。
■リコリス To:ゾフィー
あ。生け捕った後のことは、リコ、あんまり考えてなかった……。
イェンさん、ソルさん、どうしたらいいの?

■イェンス To:ALL
はいはい。雨も降って来た事ですし船室に入ってあれこれしましょうか。

そう言うとしろをまたベルトポーチに入れ、赤子を抱く様にグレムリンを抱える。
■イェンス To:グレムリン
おーよちよち。まだおねんねですよー。

■グレムリン
(???語)
...χυ τνκ......zzz...

グレムリンはむにゃむにゃと寝言のようなものを漏らしながら、気持ちよさそうにすやすや眠っている……。
■シグナス To:イェンス、ALL
なんで普通に寝かし付けれてるんだオイ。
……まともに尋問できるかは疑問だが、縛った後に起してみて反応確かめてみるか?

■イェンス To:シグナス
あ。そうですね、尋問尋問。
思ったより小さくて生物っぽいのでつい愛着が…。

■ウーサー To:ALL
コイツも濡れたら、溶けて消えちまわねぇだろうなあ?
あ、いや待てよ? 船が大丈夫だったんだから、こいつも大丈夫なのか?

■ゾフィー To:ウーサー&ALL
絵だとしたら、本人にその自覚は……あるのかしらね。
他の生き物は絵で、これだけが本物という可能性もないわけではございませんが……。

■イェンス To:ゾフィー
ガーンΣ( ̄ロ ̄lll)!!!!
そ、それも…あり得ますね…。。。

そんな事考えてもいなかったらしい…。
■ゾフィー To:シグナス
シグナスさん、消えた本の中に、「グレムリン」の挿絵があったのかどうかおわかりになりまして?
タイトルはなんでしたっけ。

■シグナス To:ゾフィー>ALL
いんや、少なくとも海洋生物以外の事は書いちゃいない筈だ。
タイトルしか知らんのもあるけど、マダコとトビウオが如何の、って本だったからな。
挿絵から出て来ましたー、て類じゃないと思うぜ?魔物や精霊なら兎も角、沈んだ客船図解する本なんて……俺には心当たり無いよ。

■ゾフィー To:シグナス
あら、「海洋生物や魔物の図鑑」とおっしゃっていたのは聞き間違いでして?
それはともかく……挿絵は「描いたものが本物になる」ための参考になったのかもしれないとは考えておりますの。
「不浄なる肉体を乗せた幽霊船」も「狂えるバルキリー」も、誰かに模写されることによって、その形を得たのかもしれませんわ。
「グレムリン」もそうではないかと思われますが、監視の役目を担っていた可能性も否定はできませんのでね。

■シグナス To:ゾフィー>ALL
んー?ああ、そりゃ海の動物や魔物って意味だよ。挿絵があるのは図鑑くらいだったと思うし。
ま、絵の具っぽいからって、描いて出来てるのかも解らんしな。
絵の具自体に魔力残ってなきゃなあー。とは言えなー。本じゃ絵筆は分割保管してるってあったんだけどなー。
……一応、調べとくか。イェンス、それ(グレムリン)こっちに向けといてくれー。(上位古代語)マナよ、万物の根源たるその力を我に示せ。

センス・マジックの魔法を唱えグレムリンや、甲板に散らばる絵の具(?)や周辺の海を一望するシグナス。
■イェンス To:シグナス
はいっ…と。

グレムリンを起こさない様にソロ〜りとシグナスの方に向ける。
■シグナス To:ALL
んー、おお?ソイツも絵の具もバッチリ魔力出てるぜ。
……あ、けど濡れ始めた所から消えてるっぽいな。何で態々水溶性なんだか。
っつーか今思ったがマストの上で古代語魔法使ってたら超怖い目にあってたぜ!?

■イェンス To:シグナス
やはりこれも魔法生物でしたか…。

■シグナス To:ウーサー
えーっと、他はーあんまもう、気になる所は見えな……ッ!?ぶッ……はっははははは!?

■ウーサー To:シグナス
お、おいおい! 何だよいきなり!? オレ様が、どうかしたってのかよコラ!?

魔法が掛けられ、仄かに光るウーサーを見て堪えもせずに爆笑するシグナスだった。
■シグナス To:ウーサー
い、いや何でもねえよ。只お前が輝いて見えるだけだ。無駄に神々しいぜ?後光じゃなくて直光だけどな!



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GM:ともまり