バーレイン商会求人窓口 |
ゾフィー達は、道中を共にした商人達と面会し、求人の紹介について話した。
同時に、番頭との面会を依頼したが、鉱山の操業が多忙になっている為、時間は割けないと返事があった。
「それでは、取り敢えず求人窓口に行ってみよう」
と言う事になり、サレジオ氏(商人の一人)が案内して窓口に到着した。
サレジオ氏は窓口の事務員らしき男と話すと、一行に向かって言った。
■サレジオ To:ALL |
とりあえず、だ。 今出てる求人は、そこの壁に貼ってある分だけだね。 気になる物があるがどうか見てみると良いよ。 |
張り紙は二枚だけだった。それにはこう書いてある。
・急募「直営宿での給仕募集(男女問わず)」期間:1〜2週間程度
・鉱夫募集(長く続けられる人のみ、最低でも三ヶ月以上の勤務を求む)
■メイシアス To:独り言 |
1〜2週間の給仕で…急募 |
■ゾフィー To:サレジオ&事務員 |
ご案内いただいたのは、感謝しておりますわ……。 これらのお仕事に種族や年齢の制限はございますの? たとえば、草原妖精さんでも、この給仕はつとまりそうなのかしら。 あと、わたくしにも声をかけていただきましたが、いくらなんでもこの歳で女給もないでしょうからね。 |
■事務員 To:ゾフィー |
いやあ、特に年齢や種族の制限はしてませんぜ。 ちゃんと仕事をして貰えれば、全く問題ありません。 草原妖精さんの応募は珍しいんですが、サレジオさんの紹介なら、多分信用出来るとは思ってますがね。 |
■メイシアス To:事務員 |
ほえ、珍しいですか? んに〜給仕のお仕事は働きながらマイレイの料理や文化に触れれそふで…魅力的です。特産お菓子の甘さとか…ほっとしますよね/// 期間も丁度良いですし…がんばりますよ? |
■ゾフィー To:事務員 |
ちなみに、鉱山関係の仕事は、今は鉱夫しか募集はないのかしら? わたくしとしては、給仕よりもヤマの仕事のほうがお役に立てるかとも考えてまいりましたのですけれども。 |
■事務員 To:ゾフィー |
そうだねぇ……。 鉄鉱石から鉄を作る所なんかだと、ドワーフさんの活躍場所はあるかな? ちょいとまってくんな。 (書類をぺらぺらとめくって) あー。貼り忘れてた。 製鉄場で手伝いが欲しいってさ。1-2名ほどだけどね。 ヤマから掘り出した鉄鉱石を精錬して、鉄にする仕事だよ。 |
■ゾフィー To:事務員 |
わたくしにはそちらのほうが向いているかもしれませんわね。 具体的には、行程のどの部分を担当することになりますの? あと、期間はどのくらいかしら、もし彼女が給仕を選ぶとなりますと、わたくしばかり長い仕事を受けるというわけにもいきませんしね。 |
■事務員 To:ゾフィー |
製鉄の技術を持ってるなら、鉱石を砕いて鉄を取り出す工程かなあ。 それが出来ないのであれば、液体状の鉄を型に流し込むところだね。 うちとしては長くやって貰うのに越した事は無いんだが、今丁度繁忙期でね、この手伝いの仕事は長くても一月程度みたいだ。 それ以外の詳しいことは、現場の親方に聞いてくれ。 |
■ゾフィー To:事務員 |
なるほどわかりました、で、肝心のお給金なんですけれど。 給仕と製鉄所、それぞれいかほどですか? |
■事務員 To:ゾフィー |
給仕は日給25ガメル。製鉄所は週給250ガメルです。 ついでに言えば、鉱夫は月給800ガメルになります。 どうしても日給で貰いたい場合は、特別に応じます。 あと、給仕以外の仕事は住居費を別に頂くことになっていますので、それは給料から支払って下さい。 給仕は宿に住み込み、それ以外はうちの飯場を利用して貰うことになります。 鉱夫の方は1年勤め上げれば、社宅を借りられる様になりますね。 |
■ゾフィー To:事務員 |
で、その住居費はおいくら?食費はふくまれるのかしら 。それから、1日の推定労働時間と、月または週で休みがあるのかどうかも伺いたいわ。 ……まあ、このあたりは我が侭を申しあげるつもりはございませんけれどね。 |
■事務員 To:ゾフィー |
飯場とうか……寮みたいな物ですね。 一泊につき、8ガメル頂いています。 布団や掃除付きですのでご理解下さい。 労働環境についてですが、製鉄所だと朝8時〜夕方5時迄、昼休憩が1時間です。 休みは三日働いて一日休む形です。 細かいことは、現場の班長の組むローテーション次第ですね。 給仕はシフトによって変わりますが、やっぱり一日8時間程度。 週の休みは1日です。 鉱夫の場合は少々特殊で、朝の6時〜13時までの早番と、14時〜21時までの遅番があります。 途中、9時と17時に1時間の休憩があります。 これを、三日働いて一日休むというローテーションでシフトが組まれます。 こういったご説明で宜しいでしょうか? |
■ゾフィー To:事務員 |
丁寧に解説いただき、助かりますわ。 お願いするとしたら、仕事はいつから始まりますの? |
■事務員 To:ゾフィー&メイシアス |
そちらさん次第ですが、給仕は今夜からでも入れます。 製鉄所の方は明日の朝から行けますね。 今日の17時までに言って貰えれば、すぐに対応します。 それに遅れると、もう一日後になりますね。 |
■メイシアス To:事務員 |
はい、私は今夜からで大丈夫です。 |
■事務員 To:メイシアス |
それでは、この書類を持って宿に行ってください。 (と、羊皮紙に書かれた書類を渡す) 後は宿の方で処理してくれるはずです。 |
■メイシアス To:事務員 |
はい、分かりました。ありがとうございます/// |
■ゾフィー To:事務員 |
製鉄所は明日の朝から……この仕事をお願いするなら、今夜は別に宿を確保しないといけないということかしらね。 |
■事務員 To:ゾフィー |
まあ、そう言うことになりますね。 |
■ゾフィー To:事務員 |
わかりましたわ。 では、その直営宿の場所を教えてくださいませんか? |
■事務員 To:ゾフィー |
ああいって、こういって……。 まあ、広場に面してるのですぐに分かると思います。 |
■フーテ To:事務員 |
私も、いくつか質問してもよろしいですか? |
■事務員 To:フーテ |
どうぞ。 |
■フーテ To:事務員 |
坑道に作業員を送り込むからには、安全のために人数などのチェックを行っていると思いますが、具体的には誰がどのようにして行っているのでしょうか? |
■事務員 To:フーテ |
鉱山入り口で入る人間をチェックしています。 鉱山の見張りは領主様の兵士ですが、人員をチェックする管理者を商会から派遣しています。 |
■フーテ To:事務員 |
もちろん出るときにもチェックは行われていますよね。 人数が足りなくなっていた場合の捜索や救助の対応を教えてください。 |
■事務員 To:フーテ |
坑内は常に監督をする親方が居ます。 彼らが坑内での作業の責任を負っています。 人員の不足があれば、その時点で親方が鉱夫を指揮して捜索や救助を行います。 |
■フーテ To:事務員 |
実際には、命がけの重労働のはずです。 作業中に倒れたり、事故などが起こった際の対応は、どのようになっているのでしょうか? |
■事務員 To:フーテ |
現場の親方の指示によります。 基本的には鉱夫に命じて坑内から外に出す、事故の場合は鉱夫総出で対処に当たります。 |
■フーテ To:事務員 |
鉱山には入り口が二つあるようですが、中で繋がっていたりしないのでしょうか?その場合、例えば、さっきの質問のような不測の事態があったりして混乱したりすると、チェックがあいまいになったりしませんか? |
■事務員 To:フーテ |
坑道の地図までは知りませんが、ヤマが別なので繋がっていたりはしないと思います。 そりゃあ、非常事態の時には事態が落ち着いてから点呼とかしますから、チェックはおろそかになるでしょう。 |
■フーテ To:事務員 |
午前と午後とに作業時間がわかれていますが、作業場所や時間帯などの振り分けは、どのようにして行われているのですか? |
■事務員 To:フーテ |
それも、現場の親方達が事前に打ち合わせして決めます。 大体2週間前にはシフト表が出来ているようです。 |
■フーテ To:事務員 |
なるほど、んー・・・。 製鉄所のほうがお給金が良いんですね。 地図に鉱山はのってましたけど、製鉄所はどこにあるんですか? |
■事務員 To:フーテ |
柵側に近い辺りにあります。 一応、見れば炉があるのですぐに分かると思いますが。 |
■フーテ To:事務員 |
一箇所だけですか? |
■事務員 To:フーテ |
うちの商会は一つだけです。 他の商会にも一つずつはあると思います。 |
■フーテ To:事務員 |
他の商会の製鉄所も一緒にあるんですか?違う場合はそれぞれの場所も教えていただけます? |
■事務員 To:フーテ |
私は、バーレインの内情しか詳しく知りません。 それぞれの商会で聞くか、商会のエリアを歩いてみれば分かるのでは? |
■フーテ To:事務員 |
どうも色々とご親切にありがとうございました。 んー・・・。 すみません、私は、もう少し考えてみますね。 |
■事務員 To:フーテ |
そうですか……。 |
■ウリディケ To:内心 |
(あれれ……?) |
■ゾフィー To:内心>事務員 |
(やれやれ……) では、わたくしは明日から製鉄の仕事をさせていただくことにしましょう。 ただ、お互いに仕事の状況がわかるまでは、申し訳ありませんが報酬は日給でお願いできませんかしら。 鉄の扱いというのは、それぞれ流儀というのもございますからね。 わたくしの力が、お役に立てるならなによりですが……。 明日の朝、どちらに伺えばよろしいのかしら。 |
■事務員 To:ゾフィー |
それでは、朝の7時半にここの前に来て頂けますか? 親方に話を通しておきますので、彼が迎えに来ると思います。 |
■ゾフィー To:事務員 |
わかりましたわ、朝の7時半ですね。 お手数をおかけしました、助かりましたわ。 |
事務員に礼を言った後、ゾフィーは改めてサレジオに向き直った。
■ゾフィー To:サレジオ |
いろいろありがとうございました。 お帰りになられたばかりなのに、わざわざ時間を割いていただいて申し訳なかったですね。 |
■メイシアス To:サレジオ |
ありがとうございました! |
ウリディケも、メイシアスに合わせて会釈した。
■サレジオ To:ALL |
いやいや。俺はこれから2,3日非番何で丁度良かったんだ。 あんた達に事故や怪我の無いことを祈ってるぜ。 じゃあ、また縁があったら何処かで会おうや。 |
そう言って、サレジオ氏は外に出て行った。
■ゾフィー To:メイシアス |
さて、わたくしはご紹介された「直営宿」にまいりますけれども。 あなたはどうなさいます? |
■メイシアス To:ゾフィー |
あ、ご一緒します。 |
■フーテ To:ゾフィー&メイシアス |
カロンさん達に会わなくても良いのですか? |
■ゾフィー To:フーテ&ALL |
あの方達は、あの方達で仕事を探しているでしょうからね。 仕事を決めたわたくし達は、あえてお邪魔しないほうがよろしいでしょう。 別に待ち合わせをしていたわけでもございませんし。 宿をお取りになっていましたから、夕方にでも食堂に行けばお会いになれるかもしれませんよ? |
■フーテ To:ALL |
今後の事や、連絡手段とかを相談しておかなくていいのですか? 特にゾフィー様は、魔法やシーフスキルが使えませんし、抜け出すのは大変なんじゃないですか? |
まるで、珍しい生き物を見るかのような視線を、ゾフィーは遠慮なくフーテに投げつけた。
■ゾフィー To:フーテ |
いったいなにを考えておられるの? わたくしは、仕事を受けましたらそれはきっちりと果たす所存です。 会話を耳にされている方々に誤解を与えるような変な話は、よしていただきたいですわね。 |
■メイシアス To:フーテ |
元々戻らないつもりで荷物持って来てますし…きっと大丈夫ですよ。 |
■フーテ To:メイシアス > ゾフィー |
あっと、メイシアスさんには、お願いしたいお仕事があるのです。 もちろん他のみんなにも手伝って欲しいのですが。 お付き合い願えますか? |
フーテは、一本だけ立てた人差し指をクイッと曲げて、フックの形を作って見せた。
■フーテ To:ALL |
もしかしたら、私、分かっちゃったかもなんです。 これまでの情報から、ある程度の目星を付けることができるんです。 宿屋で説明しますから、みんなと合流しましょ。 |
■ゾフィー To:フーテ |
人を動かす為には、その人がどんな人物か、どういう考え方をし、さらにはその時点で周りにどう思われたがっているかまでふまえた上で、行動なさったほうがよろしくてよ。 わたくしのような性格から見ると、あなたの反応の仕方は、本当に分かっているのかということに対してまで、不安を抱かせる結果になっておりますの。 この場所での発言、別々に動き始めた人々をあえて宿屋に集める。 つまり、すべて危険にさらす覚悟はできているということですわね? |
■フーテ To:フーテ |
私には、メイシアスさんは、ゾフィー様を孤立させたくなくて、行動を共にしようとしているように思えるんです。 今ここであなたが折れてくれないと、メイシアスさんの助力を得ることが出来ないんですよぅ。 これ、このとおり、お願いしますよ。 |
■メイシアス To:フーテ |
ほえっ、違いますよ? 私は単純に新しい職場を早く見てみたいだけです。それに…給仕のお仕事は初めてで…ちょっと憧れてましたので/// んんっと…お仕事の話は終わりましたし、あまり長居しては皆さんにご迷惑かもしれません。 お話は歩きながらにでもお伺いしますので…まずは外にでませんか? |
■フーテ To:メイシアス |
それもそうですね、かしをかえましょうか。 |
■ゾフィー To:メイシアス |
ありがとう、もっともですね。 外に出るといたしましょう。 |
■メイシアス To:事務員 |
では、ありがとうございました! |
冒険者達は礼を言ったり談笑したりしながら建物を出た。
■メイシアス To:フーテ&ウリディケ |
私はこのままゾフィーさんと高級宿に向かいますが…皆さんはどうされます? |
■フーテ To:メイシアス |
ほーら、お兄さんと一緒にきてくれたら飴玉あげますよ。 町に帰ったらカスタネットも買ってあげましょうね。 |
■メイシアス To:フーテ |
む〜、フーテさん。私、子供じゃないですよ(苦笑) |
■フーテ To:メイシアス |
いやー、はっはっは、これは私としたことが・・・、逃げられたか・・・、ちっ。 もとい、大変失礼をいたしました。 次は、お花でも用意しましょう。 もちろん、お食事のお誘いつきです。 おいしいお子様ランチはいかがですかな? |
■フーテ To:ゾフィー |
仕方がありません。ゾフィー様、お耳を拝借できますか? |
しゃがみこみ「製鉄所」「家捜し」とだけ、ゾフィーに耳打ちする。
ごにょごにょ。
■フーテ To:ゾフィー |
それじゃ、メイシアスさんと、可能ならファラハさんにも伝えて置いてください。 そして、出来れば、ファラハさんの考えも聞いておいてください。 |
■ゾフィー To:フーテ |
フーテさんがそうお考えになっておられるということが、伝えられる状況でしたら伝えましょう。 特に危険でなさそうなら、メイシアスさんには、直営宿に向かいがてら話しておきますわ。 宿に入ったら、親しく会話することができるかどうかわかりませんしね。 ……考えに気を取られすぎて、するべき問いを逃されませんように。 |
ウリディケに向き直ったフーテは、立ち上がっても肩を落としたままで。
おそるおそる。
■フーテ To:ウリディケ |
振られちゃいました。 あの・・・、ウリディケさん・・・は、その。 えーっおほん、ひとつうかがいたいことがあるのですが、聞いてもよろしいですか? |
■ウリディケ To:フーテ |
……改まって、どうされました? ひょっとして、今から女人禁制の所に向かうつもり……とかでしょうか? 変装は自信無いですわよ。 |
■フーテ To:ウリディケ |
ごふ、な、何やら誤解があるような・・・。 |
ふと、なにごとか考えて。
■フーテ To:ウリディケ |
まぁ、それはまた、いずれお願いするとして。 |
ぽりぽり、苦笑しながら。
■フーテ To:ウリディケ |
ウリディケさん・・・、飴玉もらってくれます? |
■ウリディケ To:フーテ |
……ええ、貰うわ。それでは、行きましょうか。 |
高級宿と製鉄所への分かれ道でそれぞれの目的地へと別れた。
フーテとウリディケに軽く頭を下げたゾフィーは、そのままメイシアスにささやきかける。
■ゾフィー To:メイシアス |
必要ないかもしれませんが、ちょっと話しすぎましたね。 すこし離れたら、念には念をいれていただけます? |
■メイシアス To:ゾフィー |
はいです。 |
やがてメイシアスの答えを聞いたゾフィーは、さきほどフーテから耳打ちされた内容を彼女に伝えた。
■ゾフィー To:メイシアス |
わたくしだけでは、伝えるタイミングを失ってしまうかもしれません。 チャンスがありましたら、お願いしますね。 |