SW-PBM Scenario #157

#157 衛視の心得

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銀の網亭・酒場
マイレイを出発してから5日。
漸く銀の網亭に帰還した冒険者達をおやじが暖かく迎えてくれた。
ファラハは、一旦衛視隊に戻って報酬を持って来るとのことだ。時間は夕刻。これから店が混み始める時間帯だ。
■おやじ To:ALL
おう、お前ら。良く無事に帰ってきたな。
ぼちぼち俺も忙しくなるんでな!
注文が有るなら今のうちに聞いておくぜ。

■カラレナ To:おやじ
ただいま、おやじさん。
今回も無事解決できて良かったです〜。
えと、とりあえずエールを大ジョッキでください(^^

■ウリディケ To:カラレナ>おやじ
えっ、エールですか……、私はりんごジュース水割りで(笑)。

■カラレナ To:ウリディケ
え? な、何か変でしょうか?

ちょっと顔を赤らめつつ。
■ウリディケ To:カラレナ
別に変ではないですわ。
むしろ、変なのは私の方。

■カロン To:おやじ
俺はお勧めのフルーツジュースで頼むよ、おやじさん。
あと、みんなで摘める物もお願いね。

■ゾフィー To:おやじ
依頼人の衛視さんがおみえになりますのでね、個室を使わせていただいてもよろしいのかしら。
それから、飲み物もそれぞれピッチャーでの用意をお願いいたしますわ。

あとわたくしは……なんでしたっけ、最初に口にさせていただいたあれは。
そうそう、トマトソースのパスタをいただけますか。

■カラレナ To:ゾフィー
ゾフィーさん、あのパスタが気に入ったの?

■ゾフィー To:カラレナ
そうよ。
なにか問題でもありまして?

■カラレナ To:ゾフィー
い、いえ、何でも無いですよ〜。

内心、ちょっとかわいいなぁとか思っている。
■おやじ To:ALL
よし、分かった。
個室はすぐに用意する。料理と飲み物もそっちに運ぶからな。

そう言うとおやじは冒険者達を個室に案内し、厨房へ戻っていった。
■ゾフィー To:ALL
やれやれ、冒険というものは、個室に始まり、個室で終わるというわけね。

背もたれに身を預けながら、部屋と、そして仲間達の顔を見回したゾフィー。
最初に集ったときの彼女に比べ、こころもち緊張感のとれたような風情が漂っている。
■ゾフィー To:ALL
つかぬことを伺いますけれども、みなさま、どうして冒険者になろうとお考えになられましたの?
いえ、立ち入ったことをお尋ねするつもりはございませんので、無理にお答えいただかなくても結構ですわよ。

■ウリディケ To:ゾフィー、ALL
どうもこうもありませんわ、前の職場を解雇されたので再就職したのよ。
幸い命を落とすことなく、立派なラーダ神官になれましたわ。

前の職場は、盗賊ギルドの「表の本部」と噂される……『オラン商人ギルド中央通商会館/マリオネット・ソシアル・パレス』という娼館だ。
宿泊のみならず夜宴に接待、商談や会議にも使用される巨大会館で、ウリディケはここで夜伽専任の接客係を15歳になる直前までの8年間務めた。
どこから切り出すのも、秘守義務に触れたり倫理常識に触れたりで悩ましい限りだ(汗)。

その解雇の理由は、“神の啓示”に原因を求められる。
“神の啓示”など、一生に1度あれば充分、2〜3度あればかなり幸運な人生と言われるが、何故かウリディケには朝・昼・夜…夢の中まで聞こえっぱなしである……結局、気が狂れたのだろうか?
誰かに話しても法螺吹きか詐欺師としか思われないだろうから神殿では話したことも無いし、ウリディケ自身も「神の啓示とは異なる」と割りきっており、最早“途切れることなく何時までも続く幻聴”に過ぎない。
しかし、この声の指令こそが魂が挫けてなお冒険に挑む唯一の理由である。
■ゾフィー To:ウリディケ
それは興味深い話ですわね。
神官になられたというからには、神の声を聞いたということかしら。
あなたの言動を拝見するかぎり、どの分野を歩まれても、高い位置にまでお進みになれそうですけれど……命の危険をおかしてまで冒険神官にね。
これまでになにか収穫はございまして?

■ウリディケ To:ゾフィー、ALL
エルステッドさん…レジー…フレイム…ヘキサ…シャッケル……アビィ、尊敬できる偉大なる先輩達。

レイシア…シグナス…アール……カラレナさん、メイシアスさん、カロンさん、ゾフィーさん、明日を任せうる信頼できる仲間達。
そして、ファラハさんを始め多くの方々。
個人的に幸せになるには、充分な人とのつながりができました。

それは「白馬ナナイ(乗用馬)」「白雪色の大剣(ミスリルの魔剣)」「運命の城(最高品質プレート)」を全て売っても決して釣り合う事のない莫大な財産です。

■カラレナ To:ウリディケ
ウリディケさん……。

■ゾフィー To:ウリディケ>つぶやき
………。
それは……単なる人脈という話だけではなさそうね。

命を預けあうから繋がっていくのか……繋がりがあるからこそ、命を預けあえるのか……互いの差異を率直に認めあうことができるのは、個が個でいられる場所であるが故なのか……。

顔を僅かに伏せつつ、後半の部分を半ば己に問いかけるように口にするゾフィー。
その顔を覗き込むものがあれば、彼女の瞳が微かに菫の色を掃いていることに気がついたろう。
■ゾフィー To:つぶやき>ウリディケ
わたくしにとって出会いとは、別れの序章にすぎず、つながりとは、いつの日か断ちきられるためにあるものでした。
そう考える方が、ら……いいえ、より安全でいられる、わたくしの生きていたのはそういう世界でもありましたから。

ありがとう、あなたの言葉がが示す先をしばらく考えさせていただきますわ。

感謝の言葉と共にウリディケに向けられたゾフィーの視線には、いつもの鋼色が宿っていた。
■ウリディケ To:ゾフィー
貴女はどうしてなの?

■ゾフィー To:ウリディケ&ALL
……直接の動機は、「賭け」ね。
冒険者達と行動して、最後まで勤め上げられたらわたくしの勝ち。
途中で根を上げたり、ぶちきれたり、手にあまる仕事に手を出して倒されたりしたら負け。
正直に申しますと、売り言葉に買い言葉で始まった話ですけれども。

恥じらいの色を含んだ苦笑を浮かべ、一度言葉を切ったゾフィー。
すぐに真顔に戻ると、考えをまとめるかのようにゆっくりと話を続けた。
■ゾフィー To:ウリディケ&ALL
もっとも、1回戦はわたくしが勝つことは双方承知していたと思うわ。
おそらく……どちらも同じ事が必要だと考えていたのよ。
あのヤマを完全に蘇らせるには、わたくしが出ていったほうがいいとね。

とはいえ、あの娘の思惑はそれだけに収まるものではなさそうですけれども。
まあ、そのあたりの駆け引きは2回戦以降に持ち越しね。
わたくしは貪欲ですから、動いたからには得られる限りのモノは得て帰るつもりですのよ。

■カラレナ To:ゾフィー
……その賭けをした相手って……。
……。

ふと懐かしいような表情を浮かべつつも、それ以上の言葉を飲み込んだ。
■ゾフィー To:カラレナ>カラレナ&ウリディケ
お察しのとおりね。
これが終わったら、賭け金はしっかりと取り立てさせてもらいます。

……あなたがた、手紙くらいならことづかってあげてもいいわよ。

■カラレナ To:ゾフィー
……ほんとですか? わぁ……
ぜひお願いします。書くのに時間かかっちゃうかも……
元気かな、アビィさん……。

嬉しそうに首元に手を当てた。事細かに報告するつもりらしい(笑)
■ゾフィー To:カラレナ
悪いけれど、そんなに長くは待てないわよ。
そうでなくても時間が足りなくなりそうですから。
次にここが賑わう時間には、戻ってこなくてはならないでしょうしね。

■ウリディケ To:ゾフィー
私からも手紙をお願いしたいです。
それから……

ならば私も、「絵本の騎士」として貴女に“得られる限りのモノ”の一つとして数えられるよう頑張らないといけませんね。

何時かは、国家すら振り向かせる程に……。

■ゾフィー To:ウリディケ
その意気ね、大いに期待させていただきますわよ。

「国家」とは「秩序」の上にこそ成り立つもの、それが「不確定要素」たる「冒険者」に目を向ける時、はたしてなにを見ることになるのかしら……。

■カラレナ To:ゾフィー
ええと、私の話はつまらないと思いますけど……一応お話ししますね。

カラレナは、物心つく前に行方知れずになった父を捜し出すために冒険者になったこと、きっかけは兄からの手紙だったこと、前回の冒険で運良く父を見つけ出すことができたことを伝えた。
■ゾフィー To:カラレナ
西方からここまでね。
そして会えたのね、よかったわね……どんな形であれ、会えたのなら。
つまらないとか卑下することはなくてよ、人を引き寄せる力というのは、それを持たないものにとっては最大の脅威とも言えますから。

それであなた、目的を達した今もオランにとどまっているのはなぜ?

■カラレナ To:ゾフィー&ALL
あ……ええと、それは……もうすこし世界を見て、色んなことを勉強して、もっともっと強くなってから帰りたい──そう思ったからです。

私は小さい頃、耳がちょっと尖っているっていうだけで虐められていたから、初めはきっかけが欲しかっただけなのかもしれません。
あの村を出て、もっともっといろんな種族や立場の人が生きる、他の世界を見るための……。
あんにゃろう……じゃなくて、兄はそれを見透かしていたのかな……って今ならちょっとだけ……思えます。
……違うかもしれないけど。

■ゾフィー To:カラレナ
あなたにとっては「あんにゃろう」なのね。

■カラレナ To:ゾフィー
そ、そうです。

ちょっと照れたように言うカラレナ。
ゾフィーの頬が一瞬、上につり上がりかけてとまった。
■ゾフィー To:カラレナ
「ちょっとだけ」「違うかも知れない」。
そういう言葉が出てくるということは、それはあなたの求める本当の答えではないのかもしれませんわね。
お兄さまの意図が本当はどうかという意味ではなく、なぜ冒険をするのかという問いに対しての。
……そんなことはないという答えでもかまいませんわよ、冒険を続けてもし気がついたら、そしてあなたの気が向いたら、その時は教えていただけると嬉しいわ。

■カラレナ To:ゾフィー
……はい。
それじゃ、私がもっと成長するまで……ドリアードの“魅了”の力を借りられるほどになるまで、見守っ……ううん、冒険者として、銀の網亭にいてくださいね。

嬉しそうに微笑むカラレナ。
どっちが新米冒険者なのか、端から見たら誤解されそうだ。
■ゾフィー To:つぶやき
駆け引きでやっているならたいしたモノですけれど……まったく

冒険者が色々話ながら待っていると、暫くしてファラハがやって来た。
手には冒険者達への報酬が入った革袋が有る。
■ファラハ To:ALL
今回もご苦労様でした。
比較的穏便に事件を処理することが出来てこちらも、”ギルド”も安心しております。
そこで報酬なのですが、ギルドから上乗せ分を貰ってきました。
合計で、一人当たり1,100ガメルになります。
どうぞ、お受け取りください。

■カラレナ To:ファラハ
ありがとうございます。

■ウリディケ To:カラレナ
何とか借金は返せそうね。
今回は本当にありがとうございました、お陰で危険なく捜査を進める事ができましたわ。

■カラレナ To:ウリディケ
そんな〜。ウリディケさんがいるから、私も安心して動けたんですし……。
お礼を言うのは私の方です。
これからもよろしくお願いしますね。

にっこりと笑顔を向けた。
そんなカラレナにウリディケは軽く会釈した、実はかなり恐縮していたが顔には出さない。
■ゾフィー To:ファラハ
わざわざお持ちいただいて……ありがたく頂戴いたしますわ。

ファラハに礼をいいつつ軽くこうべを垂らしたゾフィーは、そのま周りの仲間達にささやきかける。
■ゾフィー To:仲間達
ちょっと伺ってもよろしくて?
報酬割り増しというのは、冒険者の世界においてはめずらしいことなのかしら。
かなり高くかってもらったということですの?でも1割ですものね。
まさか、最低限の気休めという意味ではございませんわよね……。

■ウリディケ To:ゾフィー
そんなことありませんわ。
割増は評価と感謝の印、仕事ぶりが悪ければ減額すら有り得るのですから。

ただ、報酬が“真面目に働くより安い”のは否めないわ、財宝の一つも拾わないと生活は厳しいわね。
私は100%神殿のお世話になってますが、皆さんはどうされてるのか分かりませんわ。

■ゾフィー To:ウリディケ&ALL
なるほど、割り増し前提というわけではございませんのね。
……よかったわ、礼儀知らずなことをしたのでなくって……
あ……いえいえ、またひとつ教えていただきましたわ、どうも。

とりあえず払う方からみれば、今回だって7,700ですからね。
オランのような大都市ならともかく、そこらの町あたりではなかなか積み上がらない金額でしょうよ。

■カラレナ To:ゾフィー&ALL
高い評価をいただければ、銀の網亭の評判も上がるし……、いつもお世話になっているおやじさんや、おかみさんへの恩返しにもなると思っています(^^

■カラレナ To:ゾフィー
……でも、実際の仕事内容が依頼内容よりもずっと危険だっり、報酬にそぐわなかった場合は、割り増しをこちらから要求しても、別に構わないんですよ〜。
兄はよくそういうことを……あ、え、えと。

あわてて自らの口を両手で塞ぐ。
■ゾフィー To:カラレナ
それは当然の権利だと思うわ。
もっとも依頼者側にその財力があれば、でしょうけれども。

■ファラハ To:ALL
それでは、皆様お疲れ様でした。
また何か手助けが必要な場合にはこちらの店に依頼させて貰いますので、
縁がありましたらまたお会い致しましょう。
……それでは。

■ゾフィー To:ファラハ
あら、もうお帰りですの?
せっかくですから、喉を湿していかれませんか。

■ファラハ To:ゾフィー&ALL
まだ勤務中ですので、お酒以外なら少しだけお付き合いさせて頂きましょう。
ありがとうございます。

■カラレナ To:ファラハ
紅茶でいいでしょうか? どうぞ〜。

ポットから紅茶をいれ、ファラハの前にティーカップを置いた。
■カラレナ To:ファラハ
そうだ、ファラハさんの好きなものって何ですか?
もし甘いものとかお好きなら、今度クッキーを焼くので、詰め所に差し入れに行きたいな〜って思って。

■ファラハ To:カラレナ
お気持ちだけで十分……というのは逆に失礼ですね。
お菓子の類は嫌いではありませんので、有り難く頂きますよ。
――出来れば、部下達にも分けてやりたいので、そこそこの量があればとても嬉しいです。

■カラレナ To:ファラハ
わかりました〜。
作るときはたくさん作るので、たっぷり持って行きますね。
激辛クッキーとか、変なものは作らないので安心してください(^^

■ウリディケ To:カラレナ、ファラハ
そういうことでしたら、私もお手伝い致しますわ。

■ファラハ To:カラレナ&ウリディケ
お二人とも、ありがとう。
なかなかこういったお礼を貰う機会も無いので、みんな喜ぶと思います。

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GM:teshima