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SW-PBM Scenario#150
Three? materials

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フィナーレ


 天の絹糸亭

デザートを味わい、領主からのお返事に心を躍らせ、パーティもそろそろ落ち着いてきた頃。
ふいに中庭の木々がサワサワと枝を震わせ、秋色に染まりつつある木の葉を落とす。
風がそれを拾って、空に高く舞い踊らせた。
しばらく木の葉と遊んでいた風は、ふわりとパーティ会場に入り込んで、冒険者たちの間を流れる。
■キルリック To:つむじ風&ALL
風織りですか!?

■風織り To:ALL
……あはっ、ばれたか。
最後のおせっかいをしてきたよ。
勝手に盗み聞きして、ごめんね!

まるで遠く空の上から聞こえて来るような、不思議な響きかたをする声だった。
■ミァ To:風織り
おせっかいぃー? 盗み聞き??
何したのかわからないけど、風織りっちのやったことなら間違いなさそーですヨネー(・▽・)

■リュント To:風織り
こんなに早く再来するとは思っても居なかったぜ(笑)
ちょっと早すぎるんじゃねえか??

しかし、もう聞こえて来るのは風の音だけ。風織りの声はもう響いて来なかった。
気がつけばごく小さな小さなつむじ風の中から、一通の手紙が現れ、見上げていた冒険者たちの手元へとゆっくりと落ちてきた。
■ミァ To:てがみ
んーにー? こりが「おせっかい」ですかネー?
……とーーーーう!ミ3(・x・)ノ

ぐららん俊足ジャンプで、落ちてくる途中の手紙を空中キャッチ。
■ミァ To:てがみ
黒やぎさんたらお手紙かいたー。
白やぎさんたら読まずに食べたー。

妙な節を歌いながら、差出人を確認するため手紙を裏返す。

封筒の裏には──
“銀の網亭 おやじ、おかみ”と書いてあった。
■ミァ To:ALL
銀の網亭のおやじぃたちから、でスー??(首かくーり)

■アリエラ To:ミァ&ALL
え? おやじさんたちからですか!?
ミァちゃん、開けてみてくださいよ〜。

■キルリック To:ミァ
食べるなら、読んでからにして下さいね(笑)

■ミァ To:キルリック
にはは、おやじぃのはなんか味がすごそうだから、食べるのはパスなのでスーーゥ。

他のだったらいいのか。
■ミァ To:ALL
そりじゃあ開けてみますヨー。
ザ・おーぷん!(>▽<)

■リュント To:ミァ
封と一緒に手紙を破くなよ?(笑)

■ミリスレスカ To:ミァ
破かないで開けられても、食べちゃだめですよ?(笑)

■ミァ To:リュント&ミリスレスカ
Σ そんなにミーってば信用ないでスカーー!?( ̄□ ̄;

ががーーん、と大袈裟によろめく。
■ミァ To:リュント&ミリスレスカ&ALL
…………ふっ、いいでショー。
そりならミーが超華麗かつすぺしゃる丁寧にお手紙さん御登場をしてあげまスヨーー!
豪華☆赤いジュータン付き(気分)なのでスーー!!

――いでよ!
なんだか良く判らないけどそこはかとなく重要そうな、おやじぃとおかみぃのお手製手紙っ!!!!(>□<)ノノ

そこには、数枚の羊皮紙に綴られた、おやじとおかみからの手紙が入っていた。
===
お前たち、元気でやっているか?
お前たちに命を救われたという、スイリンと名乗る少女がうちを訪ねてきてくれて、トールクーベでのお前たちの活躍と、お前たちの今後について教えてくれたんだ。
それで今、こうして慌ててペンをとっている次第だ。

皆それぞれの目的を見つけて、それぞれの道を歩んで行くんだな。
お前たちが駆け出しの頃から見守っていた俺は、正直に言って寂しい気持ちでいっぱいだ。
しかし、これまでも多くの冒険者が、そうやってこの「銀の網亭」を卒業して行った。
今すぐに握手をし、肩を叩いて送り出せないのが残念だが、
せめて一言と思い、こうして柄でもない苦手な手紙なんざを書いているわけさ。

オルフェ、お前の歌がしばらく聞けなくなるのは残念だ。もっと広く、世界中の人たちに聞かせてやれよ。ナンパはほどほどにな。
キルリック、お前が伴侶を見つけたとは驚きだが、その後の方が大変だから気をつけろよ。世界の英知を集めた話を聞けるのを、楽しみにしているぞ。
ミリィ、危なっかしいお前のことだから、旅先から変な噂が銀の網に届かないことを願うよ。自分の選んだ道を信じて、まっすぐ突き進むんだぞ。
アリエラ、お前なら家庭を大事にする、良いかみさんになることだろうな。うちのかみさんみたいに、やたら強い女にはなってくれるなよ。
そして、リュントとミァ、早く戻って来い。
お前たちがいないと、銀の網亭が平和すぎて面白くないからな!

最後の別れみたいに書いてしまったが、またいつでもこの場所に顔を出してくれよ。
その時は、また奢ってやろうじゃないか。最初の一品だけな。

おやじ
===
■アリエラ To:ひとりごと?
おやじさん……。

あまりの感動に、涙が後から後から出てきて言葉にならない…。
■ミリスレスカ To:ひとりごと?
危なっかしいなんて……いやだな、ボクそんな……あれ? なんだか、涙が……?

感極まったミリィも、ぽろぽろと涙を流しはじめた……。
■ミァ To:ひとりごと?
おやじぃってば、ホントにみんなのおやじぃみたいなのでスー。
にしても一品だけってわざわざ書くなんて……
さあっすがに仕事前の「アレ」は堪えたんですかネー(・▽・)

■キルリック To:ミァ>独り言
そりゃぁ、堪えるでしょう(苦笑)

わたしもパートナーが見つかるとは思っていませんでしたから、おやじさんの驚きにも、納得ですね(笑)

■オルフェ To:ALL
しかしキルリックとアリエラへの言葉には、なんだか実感が篭っている感じだね……。

続いて、小さな可愛らしい文字でおかみからの手紙があった。
===
おかみです。私が推薦した依頼を、成功させてくれてありがとう。
あの人に対しても鼻が高いわ。
銀の網亭名物パーティが解散するのは本当に寂しいですね。
さよならがあれば出会いもあります。きっとあなたたちのかわりに、また新しい志を持った駆け出しの冒険者たちが、銀の網亭の扉を叩くと思うわ。
私は彼らに話すつもりです。
かつて銀の網亭の食料庫を空っぽにするまで宴会をし続けた、素敵な大食いパーティがいたことをね。
どうかこれからの旅路、気をつけて。またいつでも顔を出してちょうだいね。

おかみ
===
封筒の中から、ふわりと懐かしい香りがした。
長い間苦楽を共にし、語り合った、銀の網亭の懐かしい香りが。
■アリエラ To:ひとりごと?
おかみさん……。
でも…大食いパーティって…ひどいです。

泣き笑い。
■オルフェ To:アリエラ
否定できないのが辛いところだね。
あそこの食事はどれも美味しいから、常になにか食べていたような気がするよ。

リエラのつぶやきを聞き取り、これまでの出来事を振り返りながら言う。
■ミァ To:ALL
なりほど、こりが風織りっちの「おせっかい」の正体でスカー。
粋なことするでスネー。
でもっておやじぃもおかみぃも、やってくれるでスヨー。
リエラっちなんてほら、泣いちゃったじゃないでスカー(・▽<)

■オルフェ To:ALL
ここに来て、風織りに借りが出来てしまったようだね。
彼女のおせっかいは、他の誰にも真似の出来ない最高のプレゼントだったと思うよ。

■リュント To:独り言&ALL
おやっさんも俺が居ないと寂しいんだな〜
仕方が無いから素直に戻ってやるか。みんなは返事を用意するか?
するのなら俺が持って行くぜ?

■ミァ To:リュント
んや、ミーはどーせまた顔を出すですし、のーさんきぅでスヨー。
便りのないのがいい便り!でスー(=▽=)b
元気に大食いしてるって、それだけ伝えといてくだサーーーイ。

■リュント To:ミァ&ALL
帰ってくるのは半年先にしてくれとか言われそうだな(笑)
しかも、帰って来る時には必ず事前に連絡しろとかな(笑)
残りのみんなはどうする?

■ミリスレスカ To:リュント&ALL
ボクは……荷物取りに一回、オランに帰る予定です。
だから直接、伝えます……今までと、それに……今日のお礼を、いっぱい。

■アリエラ To:リュント&ALL
私は…私たちは新婚旅行でオランを通るので、その時に顔を出しに行きます。
でも準備とかあるので、すぐには行けないけど…。
「素敵な夫を連れて行きます」って伝言だけお願いできますか?

キュラスと目線をかわし、確認しながら話す。
■キルリック To:リュント&ALL
諸々の事情もありますので、顔を出せる時期は分からないですが、必ず行くとお伝えください。
いずれにしろ、一度は、オランに戻っておやじさんと神殿に報告するつもりでしたし、しっかりとお礼を言ってから、肩を叩いて送り出してもらいますよ(笑)

■リュント To:キルリック
ラルカと一緒にな(笑)
俺にも連絡をくれてからにしてくれよ?

■キルリック To:リュント
ええ、分かってますよ。
ちゃんと、連絡して、ラルカも連れて行きますとも(笑)

■オルフェ To:リュント
返事を出すほどでもないけど、アノス見物が終わったら一度顔を出しに行くと伝えておいてよ。
まだオランにも用事が無い訳でもないしね。

■リュント To:オルフェ
数ヶ月先にだな。
しっかりと伝えておくぜ。

■ミァ To:ALL
えーと。
みんな今までホントにありがとーでスヨー。
ミー、めっちゃすーぱー楽しかったでスヨー!!(>▽<)
まだお茶会もあるですけど、まあ言いたくなったんだからいーですヨネー。
きっとおやじぃとおかみぃののすたるじぃ手紙のせいなのでスー。

■ミリスレスカ To:ALL
そうですね……ボクも今言いたくなったから、言っちゃいますね。
みなさん……ううん、みんな! ほんとにほんとに、楽しかったです!
こんなに素敵なパーティで冒険できて……ボク、ほんとに幸せでした!

■オルフェ To:ALL
私の人を見る目も、なかなかのものだったね。これだけのメンバーを集めることが出来たんだから。
ただ一つ少しだけ残念なのは、その初期メンバーの一人で有るアリエがここに居ない事かな。
でも本当に賑やかで、楽しい日々を送らせてもらった。ありがとう。
しばらくは歌のネタにも困らなさそうだ。

■アリエラ To:ALL
私も、みなさんと一緒にパーティを組めて、とても楽しかったです。
ありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。
解散しても、今まで育んだ絆は永遠ですものね。

皆、アリエラの言葉に無言の笑顔で答えた。
そしてふいに訪れた、暖かで穏やかな沈黙の時。
オルフェはそのまま窓際に歩いて行くと、リラを静かに爪弾き始めた。
■オルフェ
蒼いこの空の下で キセキ紡いでゆく♪
遠いその夢をいつか きっと描くだろう♪
ずっと探していた答えには まだ出会えないけど♪
信じられるものに 巡りあえた♪
あの日の喜びに 満ちた出逢いを♪
時はただ静かに 見つめ流れていた♪
君と共に空のかなたの 虹を見上げている♪
いつかあの虹の元に きっと届くだろう♪

走り続けていた日々には もう戻れないけど♪
あの日見た沈む夕陽は まだ憶えている♪
ずっと探し求めていた 大切な『なにか』を♪
キセキはずっと自分の 胸の中にある♪
あの日の悲しみに 満ちた別れを♪
空はただ静かに 優しく受け止めた♪
遥かこの空の下で 君を想っている♪
またいつかこの風の中を 共に歩むだろう♪

オルフェの歌声を、風がふわりと抱きしめて、青空へと運んでいった。

同じトールクーベの空の下、英雄たちによって紡がれた物語。
それは、決して忘れられることのない伝説になることだろう。

これから、オランへ、世界へと旅立つ彼らひとりひとりの、新しい物語が始まる。
そして、彼らが出会った銀の網亭からも、また──

トールクーベは今日も、いい天気。
いつまでも明るく晴れ渡った青空が、冒険者たちの未来を祝福していた。

Fin


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GM:ともまり