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SW-PBM Scenario#150
Three? materials

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風の居場所


 猛る熊の鼻先亭・露天風呂前

大事な「宝」入りの荷物と、遠隔カメラ・チャイロンを預かったキルリックとオルフェ。
■キルリック To:オルフェ
貴重品の持込すら断られてしまったので、貴重品だけ預かってきました。
さぁ、何処で待ちましょうか?

■オルフェ To:キルリック
そうだね。なにかあったとき、踏み込めないと困る。
素直に入り口の前でいいだろう。
こちらになにかあった時にも、叫べば中まで聞こえるだろうし。

■キルリック To:オルフェ
はい。
あと、チャイロンも預かってきましたので、こちらの状況は、逐次ミリィに伝わりますから、何とか上手くやってくれるでしょう。

ふたりは、露天風呂の入り口前で待機することにした。
あいかわらず受付前は談笑する冒険者たちで賑やかだ。
チェックインしてくる客の姿も後を絶たない。
これから温泉に入ろうとやってくる客も増えてくるだろう。
■オルフェ To:キルリック
しかしこの宿はさすがに盛況だね。
温泉が出るようになれば、天の絹糸亭もこうなるんだろうか。

■キルリック To:オルフェ
はい、なりますよ。
人を雇わないと、捌けない程に忙しくなります。

その答えには、そうなって欲しいと言う願いも込められていた。
■キルリック To:チャイロン
チャイロン、最後の守護者はあなたです。
異変を感じたらすばやく荷物の中に潜り込んで荷物を守って下さいね。
抵抗できないまでも、その所在を確かにして下さい。

しばらくすると、とんとんと階段を下りてくる音。
スイリンが2階から下りてきて、露天風呂の方に歩いてきた。
■スイリン To:ALL
あっ、お疲れ様です(^^
これからお風呂ですか?

店で見たときと同じローブを着ており、タオルを手に抱えている。
栗色の髪を左右にゆるく結わえて、胸の前に垂らしていた。
■オルフェ To:スイリン
やあ、スイリン。私たちは、今はまだ調査中でね。
残りのメンバーが中を調べている所さ。
それより……少し、首筋を見せてくれないかな?
お願いだよ、君のが見たいんだ。

熱意の篭った視線で説得する。
他意はまったく無いようだが、別の意味に聞こえて非常に怪しい事この上ない。
■スイリン To:オルフェ
やだー。オルフェさん、えっちですねぇ(^^

にこにこしながらタオルで口元を隠した。
■オルフェ To:スイリン
……いや、いきなりで済まないね。。
詳しいことはまだ言えないんだけど、調査の上で関係者の首筋を調べる必要があるのさ。

それを先に言うべきだと思う。
■スイリン To:オルフェ
そんな口説き文句には乗りません(^^

タオルを抱きしめたまま言った後、ふと何かを思いついたようにふたりを見つめた。
■スイリン To:オルフェ&キルリック
どうしても見たかったら、私と勝負しませんか?
私が誰にでもわかるクイズを出すので、おふたりのどちらかが答えられたら、
素直に見せてあげます(^^
おふたりとも間違っていたら、あきらめて別の女の子に声をかけてくださいね〜。

楽しそうに提案。
■オルフェ To:スイリン
別の女の子じゃ駄目なんだよ。
なんなら、女性陣が中から出てくるまで待ってもいいんだけど……しかし、そのくらいの代償で済むなら安いもの。
どんなクイズか興味も有るし、その勝負、乗らせてもらおう。

キルリックに視線をやり、反対がないか確認。
■キルリック To:オルフェ>スイリン
はい、分かりました。
それで快く見せて頂けるなら、受けるしかありませんね。

■スイリン To:オルフェ&キルリック
では、問題です〜。

常に4つに分かれていて、目には見えないけれど、それがもたらす変化はとても美しいものってな〜んだ?

■キルリック To:スイリン
精霊でしょうか?
回答としては、四大精霊力(風火水地)とか?

精霊の力の強さで、色々な地方の色々異なる風景が形成されているとお伺いした事があります。
そして、精霊の力は混ざって他の現象を導く事はあれど、それ自体が混じり別のものになる事は無いですよね?

■スイリン To:キルリック
なるほど〜。

スイリンは「おしい」というような笑みを浮かべた。
■スイリン To:キルリック
正式回答はそれとして、他にはどんなのが思い浮かびました〜?

■キルリック To:スイリン
後は、方位、も条件を満たしていますかね?
東西南北は、それぞれ別で、それ自体を見る事は無い。
それぞれの方位に移動することにより、異なった土地の変化を見る事ができます。

■スイリン To:キルリック
ふむふむ…

■キルリック To:スイリン
個人的には、人の感情、と言うのも好きです。
喜怒哀楽の感情は、人が意図的に見せないと、見る事が出来ず、また、その表現は人を表す美しいものだと思います。
でも、感情は混ざることはありそうですね・・・

■スイリン To:キルリック
興味深いご意見、ありがとうございます(^^
キルリックさんは、なかなかろまんちすとなんですね〜。
今後のクイズの参考にさせていただきます(^^

ぺこりと頭を下げた。クイズの作成が趣味なのか。
■キルリック To:スイリン
ろまんちすとですか?
・・・・ろまんちすと?・・・・ですか??

キルリックは、混乱している。
■スイリン To:キルリック
違いました?(^^

スイリンは、にこにこしている。
■キルリック To:スイリン
私個人としては、リアリストと言われた方がしっくり来るのですが・・・
他の人から見ると、違うのでしょうか?

質問と言うより、自問自答系。
■スイリン To:キルリック>オルフェ
まぁ、あまりお気にせず(^^

ではオルフェさん、どうぞ(^^

■オルフェ To:スイリン
引っ掛けの可能性もあるけど、一番単純に考えよう。
春、夏、秋、冬に分かれていて直接目には見えないけれど、それぞれが美しい変化をもたらしてくれる……私の答えは『季節』だよ。

それを聞いたスイリンは、タオルに顔を埋めて声を殺して笑った。
■スイリン To:オルフェ
正解!!!

タオルをぱっと外して叫ぶと、くるりと後ろを振り向いて結わえていた髪をかきあげる。
左耳の後ろの首筋には、平行に並んだ三本線のアザがはっきりと浮かび上がっていた。
■風織り To:ALL
ばれちゃったなー。なんであたしのこと知ってんの?

悔しそうに、でもどこか楽しそうに下唇を噛んだ。
スイリンののんびりした声とは全く別人の、ハスキーボイス。
姿形は変わっていないが、顔つきがいたずら好きの猫のように変わっていた。
■キルリック To:風織り
直接的には、仲間が厄介事を請け負ってきたからですが、間接的にはあなたのお友達が私達の仲間に挨拶(襲撃)に来ましたから、嫌でも意識する事になりました。(苦笑)

■風織り To:キルリック
お友達ぃ? …あ〜、ブリーズとライトか。余計なことしやがって…。

厄介事を「請け負った」てことは、おおかた、蛇姉からあたしのことを探れとか捕まえろとか言われたんだろうね。
たかが1週間で大騒ぎするなよな〜。もぅ。

最後は独り言のようにつぶやきながら、頭を乱暴に掻いた。
■キルリック To:風織り
愛されてますね(笑)

■風織り To:キルリック
バ、バ、バカ、そんなわけないだろ。
どうせあたしがまた何か変なことに首突っ込んでるだろうって思ってるんだよきっと。蛇姉にとっちゃ部下の失敗こそ恥だからな。

息継ぎ無しの早口で言った。
■キルリック To:風織り
私はその方を知りませんが、あなたの態度を見る限りでは、良好な関係にあるように思えますよ(微笑)

■風織り To:キルリック
ふ、ふん…。
そんなことより、他に言うこと無いのかよ。

じろりとふたりを見据える。
■キルリック To:風織り
そうですね、本題に入るのが先決ですね。
私個人としては、なぜあなたがこれを求めているのかに大変興味があります。
私の一存ではどうしようもありませんが、分け合えるものであれば分け合いたいとも思っています。
そして、それが、今この町で苦しんでいる人たちや、約束を違えられたと、怒っているモノ達の救いとなればなおさらです。

■風織り To:キルリック
あたしが欲しいのは、宝のうちひとつだけだよ。
この仕事が終わったら、報酬としてもらえるはずだったの。

約束って何のこと? 宝は薬の材料にしかならないよ。
分け合うったってさ、みっつじゃ失敗するけど――まぁ、ぶっちゃけ失敗させることがあたしの仕事だったから、それでいいんならそうするけど。
そんな訳はないよね。あはっ。

■キルリック To:風織り
えぇ、失敗は困ります。

■風織り To:キルリック&オルフェ
セルフィドにはなーんの恨みも無いんだけどね。そのへんはちょっとだけ良心が痛んだり痛まなかったりしてたけど。

■キルリック To:風織り
その点に関しては、こちらも、仕事と割り切って認識できます。
自分の求めるモノの為に、自らが望まない仕事をするのも仕方が無い事だと思いますし、我々も同類だと思っていますから。

■風織り To:キルリック
へぇー。意外と柔軟なんだね。
神官って、頭の固い奴ばっかりじゃないんだ?

■キルリック To:風織り
私は、神殿でも変人扱いですから、規格外と言う事で(苦笑)
それに、ラーダの教えは、より柔軟な思考を求められている様な気もしますので、これくらいは。
もっとも、仲間に言わせれば何と言われるかわかりませんけどね(笑)

■オルフェ To:風織り
……しかし、なるほど。これで分かったよ。
我々がトールクーベにやってくる以前から、すでにトンマーゾは先手を打って君を雇っていたというわけだね?

■風織り To:オルフェ
おおっ。びんごー。
頭のいい男は好きだぜ。

感心したように片目をつぶってみせる。
■オルフェ To:風織り
私たちが依頼を受けて探していたのは、三つの宝だ。三つ揃えれば依頼自体は達成したと言えるだろう。
でも、私達はもう宝が四つで有る事を知ってしまったし、この宝探しを通じて色々な人達との繋がりをもって、厄介事を幾つも背負ってしまった。
その厄介事を解決するためにも、このトールクーベの町の今後の為にも、私たちは四つの宝を集めなくてはいけないと思うんだ。

■風織り To:オルフェ
〜?…… 町のためってのが良くわかんないけど、まぁいいや、続けて。

■オルフェ To:風織り
さて、そこでものは相談なんだけど、私たちに力を貸してくれる気はないだろうか?
君がどこまでの情報を握っているかは分からないが、私たちは色々と面白い状況になっていてね。ただ、面白いのと同時に、さっきも言ったとおり非常に厄介な問題でもあるんだ。
解決に協力してくれるというなら、我々がこれまでに体験してきた事を君に話してあげよう。
全てが解決するまでの間、きっと退屈はしないと思うんだけどな。
協力は出来ないまでも、これで手を引いてくれるならそれでも構わない。
それとも……美意識の無い依頼主にあくまで義理立てて、あくまでも我々と争うかい?
……ま、先に個人的意見を言わせてもらえば、私は君のような可愛い女の子と争うなんて事はしたくないんだけどね。
たとえ、それが直接戦うような事で無くても。

■風織り To:オルフェ&キルリック
……なるほどー。退屈しない話なら依頼人を裏切ってでも聞きたいな。
トンマおやじに美意識がないってのも賛成だし、あたしはそもそも直接争いが嫌いだし。
出し抜いてさっさと逃げるはずが、尻尾つかまれちゃったんだから、あたしの負けだしね。

両手をひらひらさせながら上に上げて、降参の意を示す。
■オルフェ To:チャイロン
……ということだよ、ミリィ。
こっちは話がついたから、君たちは宝探しに専念して欲しい。
あとの三人にもそう伝えておいてよ。

風織りはチャイロンに向かって笑顔で手を振った。
■風織り To:オルフェ&キルリック
話を聞かせてくれたら、あたしが知ってることはみんな話してあげよう。
でも、あたしの目的はあくまでトンマーゾの持ってる「宝」を手に入れること。それだけは、譲れないよ。
もちろん、薬を作る時には貸すけどさ。

■キルリック To:風織り
そういう事であれば、こちらが頭を下げてでも、手伝わせて頂きたいくらいです。
我々にとっても、オルフェの言う様に、四つ目の宝は必要ですから。
それに、あの方(トンマーゾ)には、きついお仕置きが必要な気がしてなりませんから(微笑)

■風織り To:キルリック&オルフェ
まぁ、あのおやじにとっては、自分の企みを領主に知られるのが一番堪えると思うよ。そうなったら本当の意味でオシマイだね。
裏切りの報復をされないように、また違う顔でどこかへ行くさ。あはっ。

■オルフェ To:風織り
おや、それでいいのかい?
私としては、君とは関係ない部分でカマでもかけてみようかと思っていたんだけど。
なにしろあの性格だ、後ろ暗い部分はいくらでもあるだろうから。
でもまあ、それでいいなら話は早いのはたしかだけどね。

■風織り To:オルフェ
何か、たくらんでるんだ?
あたしに関係ないなら、別に止めないよ♪

■キルリック To:風織り&オルフェ
私は、時々、敵対する者よりも、味方であるオルフェの方が怖いです。(−−;

■風織り To:オルフェ
よかったね、敵に回せないってさ。
最高の褒め言葉じゃん。ねー?

■オルフェ To:キルリック&風織り
ははは、私は争いごとは好きじゃないんだけどね。
ただ、私は自らの美意識を守る為にならば、全力を尽くすというだけさ。

■キルリック To:オルフェ
あぁ、何となく分かるような・・・でも分からないような・・・(苦笑)
しかし、オルフェらしいという事だけは、しっかりと分かりました。

スイリン――の格好をした風織りは、ここで油断なく周囲に目を光らせる。
■風織り To:キルリック&オルフェ
変に場所を移してもかえって目立ちそうだし、ここでいいよね。
…こっちに注意を向けている奴もいないみたいだし。

んじゃ、話してー♪

壁に寄りかかり、雑談風を装いながら、ふたりを見た。
■オルフェ To:風織り
ああ、協力者に閉ざす口はもっていないからね。
残りの皆が宝を探し出してくるまではまだ時間があるはずだし、詳しく話してあげるよ。

探索組が宝を見つけ出して戻って来る事を微塵も疑わない調子でそういうと、オルフェは今回の宝を巡る騒動と、それに付随して起こっている出来事の全てを自分自身が確認するかのように詳細に話しはじめた。
■風織り To:オルフェ
吟遊詩人から、できたての物語を語られるなんて嬉しいな♪

そう言うと黙って話に聞き入った。内容に集中しながらも、ときおり周囲に目を配ることも忘れない。あまりの破天荒な内容に吹き出したり、目を見開いたりと、ころころ表情を変えながら楽しげに聞いていたが、「鍵」の話が出て来たあたりから急に表情が硬くなった。
■風織り
……。

しかし口は挟まず、最後まできっちり聞き終える。
■風織り To:オルフェ&キルリック
な〜るほど〜。すてきな物語だったよ。

■キルリック To:オルフェ
全てを自分で体験し、まるでその場にいたかの様に、錯覚してしまいますね。

■風織り To:オルフェ&キルリック
これで薬の本来の目的がなんとなくわかった。

薬の効能。ホェルンとかから聞いた?

■キルリック To:風織り
いいえ、詳しくは問い詰めていません。
宝を集めた時に、その大体はお伺いできる事になっているので。

■風織り To:キルリック&オルフェ
そりゃ知ってるよ、その場にあたし、いたんだから。
宝が集まる目処が立ったから、聞いてみたかなーと思ってさ。

■オルフェ To:風織り
ここまで、糸は一本に繋がっていた。
この先にあるものと言えば、ずばり、セーピアやトーベル・ストーン達が言っていた、『歌』を復活させる事が出来る物だと思う。
それも、領主の溺愛するという奥方と関連して、何か秘密があるんじゃないかな。
単純に奥方が病気で歌えなくて、その病気を癒す為のもの、と考える方が自然かも知れない。
でも、それなら薬の効果を伏せておく理由が分からないからね。

■風織り To:オルフェ&キルリック
確かに、薬が奥方の元に届けば「歌」は復活するかもね〜。

まぁ、あんな効能じゃ伏せたくもなるよナ…

微妙な笑みを浮かべた。
■キルリック To:風織り
今の、『復活するかもね』ってところと、『あんな効能』って所にはかなりの含みがありますね。
それから、『歌』を歌う者の正体もご存知の様ですね?

■風織り To:キルリック&オルフェ
まぁね。たぶんだけど。

肩をすくめる。
■キルリック To:風織り
では、あなたの予想する、『歌』を歌う者の正体は?

■風織り To:キルリック
奥方じゃないの?

さっくり。
■キルリック To:風織り
それから、『あんな効能』というのは?
皆に迷惑のかかるような、危険な薬じゃ無いんですよね?

■風織り To:キルリック
「カエルを戻す薬」。他言無用ね。

■オルフェ To:風織り
かえるって……あのカエルでいいのかな?
ゲコゲコ鳴いて、ピョンピョンと跳ねる。

■風織り To:オルフェ
そうだよ(笑)
それ以外にある?

■キルリック To:風織り
それは、他言無用以前に、すごい緊急事態なのでは無いんですか!?

■風織り To:キルリック
まぁいろいろ手を尽くしても治らなかったらしいし。
カエルも可愛いと思うけどなー。

■キルリック To:風織り
仮に、カエルが可愛いとしても、カエルになるのは遠慮します。(苦笑)

■キルリック To:風織り
あと、『復活するかもね』っていうのは?
復活しない可能性もあるって事ですよね?

■風織り To:キルリック
奥方のカエルが解けて、また歌えるようになれば歌うんじゃないの?
夜にバルコニーで歌う行事があるんだって、領主の家。
ちなみに何でカエルになっちゃったのかは知らないよ。

どうでも良さそうに答える。
■オルフェ To:風織り
ふむ、そんな事になっていたのか。
それは確かにあまり人に言いたいものじゃないね。

■風織り To:オルフェ
まぁ、執務に身が入らなくなる気持ちもわかるよ。

■キルリック To:オルフェ&風織り
しかし、何でその薬のレシピに出てくる宝に関係して、人外なモノ達がかかわってきているのでしょう?
この辺りの因果関係が何とも分かりませんね。

■風織り To:キルリック
……この町の人間がみんなそのかかわりを覚えていれば、こんなことにはならなかったんだよ、きっと。

どこか自嘲気味に言う。
■キルリック To:風織り
それでは、あなたのお話をお伺いしても良いですか?

■風織り To:ALL
そうだなぁ。どこから話そうか…

風織りは記憶をたぐり寄せるように空を見つめる。
■風織り To:ALL
じゃあ事の発端からいこっか。

あたしはさっき言ったとおり、トンマーゾの依頼で「スイリン」としてイェズニカ薬舗に侵入してた。それが一月前くらいかな。目的はセルフィドのレシピを盗むことと、動向をさぐることね。

で、一週間前に届いた領主からの書簡。これを最初に受け取ったのは「スイリン」で、まぁそのときにトンマーゾの指示で4枚目のレシピを抜き取ることにしたの。領主からの大事な依頼を失敗させて信用がた落ちにしようっていうせこい作戦ね。
これが最後の仕事って約束で、それが終わったらあたしは「宝」を受け取り、「スイリン」はドロンするはずだった。

■キルリック To:風織り
はずだった?・・・ですか?

■風織り To:ALL
うん。

でも、話はそれだけじゃなくってさ。
実は4枚目のレシピとそっくり同じものを、トンマーゾも持ってたんだよ。
どうやらトンマーゾの家系は大昔から代々つづく由緒正しい薬師の家柄らしくって、重要な古代のレシピの切れ端が倉庫から出てくることがあるらしい。
今回のも、そのひとつ。

書かれていたのは、他の3枚の羊皮紙と同じ要素で、内容は……

枝振りのいい大きな木の絵。
添えられた言葉は、「風が宿り眠る場所、その底」。
そして記号は、丸の中に、平行な三本線。

腕組みをして自分の足元を見つめる。
■風織り To:ALL
そのレシピを持っていたトンマーゾは、昔「風の宿り木」の根元を掘ったことがあるんだって。それで出てきたのが「宝」というわけ。
でも材料がひとつだけじゃ、どうにもならないから。何だかわからなくて放置していたところに、今回のことが起こったんだよ。

ちなみに「宝」の形状は、短剣だよ。ガラスみたいに透明で、すごく綺麗なんだ。

ここで「質問ある?」というふうに表情で尋ねてくる。
■オルフェ To:風織り
ガラスみたいに透明な短剣か。
それは、今もトンマーゾが持っているのかい?
しかし今まで集めた宝といいその短剣といい、どうやってそこから薬を調合するのかちょっと想像が出来ないね。

■風織り To:オルフェ&キルリック
…ん、トンマーゾが持ってる。
けどトンマおやじのやつ、あたしが盗み出すのをふせぐために、宝箱に入れて魔法の鍵をかけやがったんだ。

…だからまぁ、依頼の報酬としてもらうしかなかったんだけど。

肩をすくめる。
■キルリック To:風織り
仲間に解除の魔法を使える者がいますから、宝箱の奪取に協力して頂ければ、御望みの物を差し上げられるかと、思いますよ。

■風織り To:キルリック
よしっ! 約束ね。

指をパチンと鳴らし、笑顔になる。
■キルリック To:風織り
まぁ、もともと木の根元に隠されていた物ですし何とかなるかと・・・

ちょっと、不安気。
■オルフェ To:風織り
鍵を100%解けると断言は出来ないけど、手に入れないと私達も困るしね。
事が全て丸く収まれば、短剣は君の物という事で構わないだろう。
私が聞いておきたいのはもう一つ、その宝箱の大きさと置いてある場所かな。
持ち運ぶ事が出来るサイズで場所さえわかっているならば、君が使用人にでも化けて持ち出してくれたらてっとり早いんだけどね。

■風織り To:オルフェ
そりゃ無理だよー。
馬鹿みたいに重いんだ。鉄の塊みたいに。一人じゃとても持てないよ。
大きさは抱えられる程度だけどさ。
あいつ、そう言うところには金かけるんだから。
置き場所は、たぶん地下室だと思う。

■オルフェ To:風織り
そうか、まあそれは私たちで何とかするしかないかな。
しかしそういう所にお金をかける、というのはいかにもトンマーゾらしいね。

■キルリック To:オルフェ&風織り
もうひとり、ミリィを差し出せば、力を貸してくれそうな人も居ますし、何とかなるんじゃないですか?

薬を作る時に貸して頂ける、との事だったのですが、またその他からの力が必要になった時は、貸してくださいね。

■風織り To:キルリック
貸すだけだったらいくらでも。
ちゃんと返してくれるならね。

■キルリック To:風織り
その点に関しては問題無いかと。
欲しいのは、宝では無く、その成果物ですから。

■キルリック To:風織り
ところで、レシピを一枚抜いた時点で、あなた(スイリンとして)の役割は、終わっていますよね?
その時点で、『宝』を受け取り、依頼達成にはならなかったんですか?

■風織り To:キルリック
そりゃそうだよ。トンマおやじの目的は「失敗させること」だもん。
それを見届けるまで、あたしを縛っておかないと危なくてしょうがないだろ。
何しろあたしは、誰にだってなれる。どこへでも行ける。
今回みたいに、裏切ったり、誰かに正体を暴かれる可能性だってあるんだから。

■キルリック To:風織り
確かにそうですが・・・何か、この展開から行くと、失敗させた後に、あなたの命も狙われそうですね。

■風織り To:キルリック
その可能性はあったと思う。殺しはしないまでも、記憶を無くしたり。
あいつ、危ない薬いっぱい作っているからね。
まぁでも、あんなトンマにやられるような風織りじゃないよ。

■キルリック To:風織り
そうですよね?
失礼しました。
それもそうですね。

■キルリック To:風織り
それから、彼(トンマーゾ)が、『宝』を手に入れる時、その近くに何か居なかったんでしょうか?
今までの事例から、何かしら、『宝』の周りには居そうなのですが?

■風織り To:キルリック
さぁねー。そんなことは言ってなかったけど。

肩を小さくすくめる。
■キルリック To:風織り>独り言
そうですか、その宝に限って、護る者がついえてしまったんでしょうか?

■キルリック To:風織り
『鍵』の辺りのお話、かなり真剣に聞いてたみたいですが、今回の一件よりも以前から、これらの事を知っていたんじゃないんですか?
そもそも、今回求めている『宝』ですが、なぜ、それほどまでに求めたのですか?
実は、もともと、その『宝』とあなたには関係があるんじゃないですか?

■風織り To:キルリック
…「鍵」の話は初耳だったよ。
だって、あのレシピを見ただけじゃ、あの記号がそれを示しているなんてわかんないじゃん。
まぁ、どうしてモノにはこだわらないあたしが、あの宝を求めているのか、自分でも良くわかんない。惚れ込んだとしか。

■キルリック To:風織り
依頼の話があり、その後、報酬として宝を要求したんですか?
どうも、依頼の前からその存在を知っていて、交換条件に宝を要求している様にも見えるのですが?

■風織り To:キルリック
まぁ、それが正しいかな。
トンマーゾの家からはなんとなく何かありそうな…なんて言うか…気になってて。
以前から目をつけてたんだよ。あいつが酒場で酔った弾みに口走ったのが「宝剣」のこと。それについて聞き出そうとしたのが始まりかな。

■キルリック To:風織り
これは、私の推測なのですが。
実は真の宝が存在していると思うのですが、いかがでしょう?
今回我々が求めている、宝。
その先にある、歌。
更にその先には、その歌が好きで、大切にしている者たち。
少なくとも、温泉に関しては、そのモノ達の恩恵みたいですし、そんな関係が他にもあるんじゃないですか?

■風織り To:キルリック
真の宝ってのはよくわかんないけど、今聞いた話で考えると、きっとそうなんだろうね。
あたしは、"そのモノたち"を実際に見てないし、ピンと来ないけど。

■キルリック To:風織り
そうですね。
石ころ達になら、また会えるかもしれませんよ。

■風織り To:キルリック
ふーん…。

■キルリック To:風織り
ギルドには戻るんですか?
捜索願が出ちゃうくらい心配されているんですから、何も言わずにドロンする方が、後々、気が気じゃないと思うんですが。

■風織り To:キルリック
ドロンするのは「スイリン」だけだよ。
依頼が無事達成されたとしても、自分の企みを知っているスイリンはトンマーゾにとって邪魔な存在なんだから、消えちゃった方がいい。
あたしは素顔でトンマーゾには会ってないし、あいつは「風織り」って名も知らない。
だから、風織りはギルドに戻る。戻れればね。

■オルフェ To:風織り
なんだ、素顔も名前も知られてないのかい?
それなら、本当に遠慮はいらなさそうだね。
いっその事、踏み込んで非合法な薬品の一つでも見つけられればそれで蹴りがつく。

■風織り To:オルフェ
まぁね。
けどあたしは、そういう義賊みたいな真似は趣味じゃないから、まかせるよ。

■オルフェ To:風織り
ギルドに戻るのも、多分大丈夫じゃないかな。
始末をつけるつもりなら、わざわざ君の居場所を確認してくれなんて依頼はしてこないだろう。

■風織り To:オルフェ
うん…まぁ…。

■オルフェ To:風織り
君は君で色々と有るんだろうね。
詮索するつもりはないけど、困ったことがあれば相談にはいつでも乗るよ?
役に立つかどうかは保証出来ないけどね。

■風織り To:オルフェ&キルリック
そんなら、薬をちゃんと完成させるってことだけ約束してよ。
何となくだけど、そこに一番、希望が持てるかなぁ。

■オルフェ To:風織り
おや、結局は君の悩みもそこに行き着くのか。
うん、大丈夫。きっと薬は完成させて見せるよ。
先生が、調合に失敗したりしなければね。

■風織り To:オルフェ
へへ、ありがと。これで約束はふたつだね。

■キルリック To:風織り
それに、4つ目の宝の件についてお手伝い頂ければ、私の仲間がいろいろと力を貸してくれるんじゃないでしょうか?

■風織り To:キルリック
…そう? そうだといいな。

別のことを考えているような目つきで、それきり黙り込んでしまった。
■キルリック To:風織り
・・・・・・?


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GM:ともまり