オラン衛視隊詰め所 |
銀の網亭から15分ほど、冒険者達はファラハに案内されてオラン衛視隊の詰め所までやってきた。
■門の衛視 To:ALL>ウリディケ |
止まれ、何物だ! ……て、ソーダック衛視殿と……フェニール司祭? 今日はどう言う組み合わせですか、流石に甲冑着た兵士が騎馬で来ると構えてしまいますよ。 ナナイも相変わらず元気そうですね、またラーダ神殿から何か郵送物ですか? |
■ウリディケ To:門の衛視 |
二日ぶりですね。今日はラーダ神殿の使者ではなく、ファラハさんに雇われた冒険者として参りました。 |
■門の衛視 To:ウリディケ |
ソーダック衛視殿に?…と、言う事は「獣」のヤマに関わるわけですか? あまり無理をしないでくださいよ、いくら魔剣があるとは言え、フェニール司祭の剣の技量はまだ「へなちょこ」ですから。 |
■ウリディケ To:門の衛視 |
ええ、肝に銘じておきますわ。 |
■マイクロフト To:ALL |
♪頑張れ、強いぞ、僕らの仲間、赤胴・・・ |
■カロン To:ウリディケ |
ウリディケさん二日ぶりってよくここに来てるの? 門番の衛視さんと顔見知りみたいだし。 |
■ウリディケ To:カロン |
そうね、衛視隊は神殿のお得意様だから、週1ペースできてるわよ。 神官で乗用馬持ってる人って、おいそれと神殿外に出られない地位だったりするから、「お届け物」みたいな外部に任せられない雑用は、わりと限られた人数で持ち回りしてるの。 中身は見れないから何運んでるのか分からないけど、もしかしたら「獣の体毛」も運んだかもね。 あと、そんな職務もしてるから、割と各地の門番さんとは顔見知りよ。 |
■カロン To:ウリディケ |
へぇ、そうなんだウリディケさんって顔が広いんですね。 |
■マイクロフト To:ウリディケ |
へっぽこ・・・めもめも。 |
■アール To:マイクロフト |
めもめもって…そこかよ。(ため息) どんな歌がつくりたいんだか。(もうひとつ、ため息) |
■マイクロフト To:アール |
くすくす。 ちなみに。 「へっぽこじゃなくて、へなちょこだよ。」 「そっか、ほんとはウリちゃん、へなちょこなんだぁ。」 というのを狙ってたのだったりして。 くすくす。 |
アールに向かって、それだけを言うと、体格に見合わぬスピードで、門の衛視の後ろにさっと隠れ、ウリディケの様子をうかがうようにそっと顔をのぞかせる。
■ウリディケ To:マイクロフト |
くすくす。 そうよ、ウリちゃんはへなちょこなのよ♪ くすくす。 |
■門の衛視 To:ALL |
じゃ、がんばって下さい……てっ、「眠りのマイクロフト」! あの「薬売り」まで投入されるとは……このヤマどうなってるんだ? また、大騒動にならなければ良いのですが。 …ソーダックさんの手前、追い返すのもまずいよなぁ? |
■カロン To:ALL |
なんか衛視の人に名前知られてるけどマイクロフトさんってここでも商売とかしてたのかな。 |
■アール To:カロン |
さあ、ちょっと違うんじゃないかな。「騒動」って時点で… もう、なにがあっても驚かないようにした方がいいよ。しばらく付き合うんだから。 |
■メイシアス To:ALL |
お二人とも顔が広いんですね。 ファラハさんが、いるので心配はしてなかった…というか何も考えてなかったのですが…顔パスなんて凄いです。 信頼されてるんですね。 |
■アール To:メイシアス |
あの衛視たちの反応は、信頼っていうんじゃない気がするけど… |
■カロン To:アール |
その意見には同意だね。 |
■マイクロフト To:ウリディケ |
はっ!、もしや、この歌は・・・。 うーりちゃん、うーりちゃん、お顔が広いのね♪ |
背中に隠れたまま、歌うマイクロフトを迷惑そうにみる衛視…
その視線に気付くまで、さらに数秒…
■マイクロフト To:門の衛視&ALL |
・・・いつもお世話になってます。 って、みんなどういう意味ですか!! ところでだんなぁ、新しい栄養ドリンクを仕入れてみたんですよ。 フェニール液というんです。 まるで、オレンジジュースを水で割ったような味わいながら、元気が有り余っちゃうこと請け合いです。 今度試してみてくださいね。 |
■ウリディケ To:マイクロフト |
商売はまた今度、今は急ぎますわよ。 |
歩き出したウリディケを追いかけながら。
■カロン To:ALL |
了解、入り口で止まってても仕方ないしね。 |
あわただしく働く他の衛視達を見つつ、ファラハは奥の会議室へ案内してくれた。
■ファラハ To:ALL |
それでは私は資料を取って参りますので、少々お待ち下さい。 |
そう言うとファラハは冒険者達を残して部屋を退出した。
■ウリディケ To:ALL |
えっと、ここで何をするのでしたかしら? … まず、事件の調書。それから、現場の地図。 ついでに、この周辺を警邏する衛視さんとの面通しと、この件の最高責任者の確認。 可能なら被害者のプロフィールとその家族への紹介状…捜査令状って訳にはいかないわよね。 |
椅子に座り会議室を物珍しげに見渡してからカロンは答えた。
■カロン To:ウリディケ>ALL |
そんなところかな。被害者の家族への捜査令状は出してもらえるかわからないけど。 それと証拠品の獣の体毛を調べる事かな、あと他になにかあるかな? |
■アール To:ALL |
ひとつ言っておくなら一般人に対する態度に注意したほうがいいと思う。 冒険者なんて、普通の町では旅行者かそれ以下だからね。 ウリディケさんはともかく、よそ者に立ち入られたくないハナシまで聞きたがるような調査は、われわれの首をしめるかもしれないからな。 |
■ウリディケ To:ALL |
結構、出てくるわね。 |
■アール To:マイクロフト |
とくに…マイクロフトさん、有名人のようだしね。 疑ってかかるのも癖のようだから‐自分の首をしめて…もいいか。それこそ、自業自得ってやつだな。 |
■アール To:ALL |
まあ、互いに足を引っ張らないようにだけしよう。 |
■マイクロフト To:ALL |
えっと、実は私、余り情報収集が得意ではありません。 疑問とか質問とかが余り思い浮かばないんです。 今ある情報から別のことに気がつくというのは、割と得意なんですけどね。 だからノーブ殿のように色々な発想を思いつく人は貴重だと思います。 それから、先輩冒険者としてアドバイスをしておきます。 移動にかかる時間というのは、全くの無駄です。 一度その場所で情報収集を始めたとしたら、もうその場所には二度と戻ってこないくらいのつもりで、ありとあらゆる事を試してから次の場所に移動するのが鉄則!!です。 もちろん、戻らなくてはならなくなることもありますけどね。 聞き漏らしたことを後から思い出すようじゃこの先が思いやられるというもの、移動はくれぐれも慎重にお願いしますね。 じゃ、ちょっと銀の綱亭で、おやじにワーウルフの噂とか聞いてくるの忘れちゃったんでちょっといってきま・・・・・・。 |
■ウリディケ To:マイクロフト |
あら、ごめんなさい。 詰所で噂が立ちそうな所に目星をつけてから、吟遊詩人の貴方に聞き込みしてもらうつもりでしたが、銀の綱亭のおやじさんが、依頼の内容も吟味せずに紹介するはずないと思ってたので、おやじさんの「いや、俺も詳しいことは聞いてないからなぁ……」は、てっきり「そう言う噂は聞いてない」って意味だと思ってまして、完全に考慮の外でしたわ。 それでは気を付けて、いってらっ……。 |
あいかわらずの2人の掛け合いにも、だんだん慣れてきたようで、誰も邪魔しようともしなかった。
■マイクロフト To:ALL>ウリディケ |
あう、みんなー、ウリちゃんに、 「出ていかせてどうする!!」 と突っ込むところですよ、ここは!! ・・・はう、ウリちゃんが私に謝ってる。 ちょっと元気ないですか? ごめんなさい、私からかいすぎました。 |
■メイシアス To:ALL |
くすくす… マイクロフさんとウリディケさんは ほんと仲良しさんです。 息がぴったりですよ。 (じゃれあってるみたいで微笑ましいです。) |
メイシアスは2人を見ながら無邪気に微笑んだ。
それから興味深そうに室内へ視線を移した。
5分ほどして、手にいくつかの資料を持ったファラハが戻ってきた。
冒険者達の前に資料を広げ補足説明を始める。
■ファラハ To:ALL |
これが今回の事件の調書と証拠品の獣の体毛ですね。 調書についてはざっと私から説明させて頂きます。 先に証拠品から見られますか? |
■マイクロフト To:ファラハ&ALL |
できれば、調書の説明を先にお願いしたいです。 |
マイクロフトの言葉に頷きつつ。
■カロン To:ALL |
賛成、事件の調書からの方がいいね。 |
カロンの言葉の後で、アールはなにも言わず頷いた。
カロンの言葉とアールの頷いた後で、つられるようにノーブは頷く。
身体を机に乗り出して、背伸びをするような仕草で調書を見ようとした。
■ノーブ To:ALL |
一刻も早く事件の調書が見たいのじゃ。 |
■メイシアス To:ALL |
調書を見れば、被害者の襲われた日、性別、特徴などを少なからず知ることができますよね… 何かしらの共通項はありそうですか?ふみ… |
■ファラハ To:ALL |
それでは……。 |
そう言って、ファラハは調書の内容を簡潔に話した。
まず共通しているのは、被害にあった現場がオランの下町であること。
最初の被害者は2日前に2人発生している。
一人はオランの大店の息子。たまたま現場近くを通りかかった時に襲われたらしい。
もう一人は、現場近くに住む鍛冶屋の見習い。
酒を飲んで帰宅中に襲われたらしい。
そしてその次の夜に、同じように酒を飲んで帰宅中の商店の奉公人が襲われている。
目撃者の証言はいずれも同じ。
立ち上がった狼の様な怪物が突然屋根の上に現れて、慌てて逃げようとしたら背中を爪で切り裂かれた、という内容である。
と言うわけです。
内容はご理解頂けましたか?
■アール To:ファラハ |
そんな短期間…って、昨日のことじゃないか。 まあ、いいや。あとは、被害のあった場所がどれくらい離れているか…だな。 ファラハさん、被害のあった場所を両方とも地図で示してもらえますか? |
■マイクロフト To:アール |
2箇所じゃなくて、3箇所かもです。 |
カロン To:アール>マイクロフト>ALLそうだね、被害にあった各場所の地図と日時がわかるといいね。
■ファラハ To:アール |
この辺りと……この辺りと……。 昨夜の事件がこの辺りです。 |
そう言って、オラン下町の地図に印を付けていった。
地図を見ると、最初の2件はかなり近い範囲で発生している。
昨夜の事件も、一昨日の事件からそう離れていないところで発生していることが分かる。
地図に付けられた3箇所の印を眺めながら。
■カロン To:ALL |
3箇所ともそう離れてないみたいだね。 現場近辺に犯人がいる可能性が高そうだ。 |
■アール To:ALL |
張り込むにしても、この近辺に集中できそうだな。 |
■ウリディケ To:ALL |
「聞き込み」もね♪ |
■メイシアス To:ALL |
地図を頂けたらと思いましたが…いざとゆう時確認してられないので、今頭の中に…むむむむ。 狼さんの傷は一撃だけですか? 命を奪う気がなかったのか…人が来て逃げたのか、気紛れに襲うだけなのか… 襲われた地点から狼さんが逃げた方角、道が出せばお家を絞れませんか? 駆けつけた人達が何も見ていないのであれば、駆けつけたのとは逆の方角… 屋根の上に上がって逃げたのなら……器用ですね… うぅ…知恵熱が〜〜〜 |
メイシアスは眉間にシワをよせ、力尽きたように椅子によりかかった。
■マイクロフト To:メイシアス>ALL |
頑張れメイちゃん。 逃走経路の割り出しは重要です。 手加減している可能性ですか、ふむふむ。 他に気になってることは無い? |