オラン・装飾品店 |
宴の翌日、アリエラとミリレスカの二人はオランの装飾品店に買い物に出かけた。
ミリレスカの新しい発動体にする為の装飾品を買うためである。
■アリエラ To:ミリィ |
…え? み、ミリィちゃん、ここのお店入るの? なんだか、高そうじゃない…? |
■ミリスレスカ To:アリエラ |
そうですか〜? 装飾品屋さんって、普通はこんなカンジじゃないですか〜? |
ミリィにとっては「普通」らしい…アリエラとは認識に、かなりのズレがあるようだが。
■店主 To:アリエラ&ミリスレスカ |
いらっしゃい。 何をお探しかな? |
■アリエラ To:店主 |
あ、こんにちは。 えっと……私は付き添いなので…。 |
ミリィの後ろに回りながらも、綺麗な装飾品には興味を隠せず、品物を眺めている。
■ミリスレスカ To:アリエラ |
こんにちは〜♪ えっと、普段用の、ちょっとしたアクセサリを探してるんですけど。 あ、でもネックレスや指輪じゃなくて…ある程度の大きさがあって、動くときの邪魔にはならないのがいいです。たとえば腕輪とか、髪飾りみたいな。 それで、石はピンク系かホワイト系がいいんですけど、なにかありますか〜? |
ミリィにしては珍しく、初対面で男性の店主にも、すこしも物怖じせず話すことができていた。
綺麗な装飾品を前にして、喜びに昂ぶっているためのようだ。
■店主 To:ミリスレスカ |
そうですねぇ……。 ピンクが良いならこちらのローズクォーツはどうでしょう? 腕輪に付けるも良いですし、髪飾りがご希望なら石が映えるフェロニエールにされるのも宜しいですね。 ホワイトでしたら真珠でしょうか。 こちらもお客様のお好みに応じて加工致しますよ。 |
■アリエラ To:ミリィ |
うわぁ、どっちもミリィちゃんに似合いそう…。 ローズクォーツは可憐な感じがするし、真珠は清楚な感じが引き立ちそう…。 ミリィちゃん、当てて鏡で見てみたら? どっちもすごく可愛いよ。 |
■ミリスレスカ To:アリエラ |
う〜ん、どっちがいいかなぁ……? どっちも思ったより大粒だから、フェロニエールのほうが映えていいかも……? |
薄布越しに受け取った宝石を、ひとつずつ額に当ててみる。
■ミリスレスカ To:アリエラ |
リエラさんは、どっちが似合うと思います? このピンクの石、とっても気に入ったんですけど……ちょっと、子供っぽいかなぁ、って。大丈夫かなぁ? |
■アリエラ To:ミリィ |
う〜ん、ミリィちゃんは黒髪だから、どっちも似合うと思うけど…。 どっちかって言うと、ピンクの石の方が似合うかなぁ? あ、でも子供っぽくはないよ。 ミリィちゃんのイメージには合ってるし。 |
■ミリィ To:アリエラ>店主 |
合ってます? ホントに? よかった〜♪ じゃあ、この石を使ってフェロニエールに仕立ててください♪ 正面からのデザインは……あそこにある、あれみたいな感じで。 あと、留め金はラムリアース風の仕立てでお願いします。それから…… |
なんとなく慣れた調子で、次々と細かいところを決めていく。
■店主 To:ミリレスカ |
はいはい、かしこまりました。 そうですね……できあがりまでに二日ほどお時間をいただけますか? お客様のご注文通りに仕立てさせて頂きます。 お代は100ガメルほどになりますが、宜しいでしょうか? |
■ミリスレスカ To:店主 |
はい、それでお願いします。 完成したら、「銀の網」亭のミリスレスカのところまで、連絡をくださいね♪ |
そうして注文が出され、できあがったフェロニエールは、魔法学院で『クリエイト・ディバイス』をかけられた後でミリィの額を飾ることになったのだった。