「旅人の宿木」亭 |
キルリックとミリレスカは、乗合馬車の駅から「旅人の宿木」亭に戻ってきた。
夕方なので少し込み合ってきたようだ。
ニアリースの姿を見つけると、見知らぬ男となにやら話し込んでいるようだ。
ニアリースは、二人の姿に気づいたらしく声をかけてきた。
■ニアリース To:キルリック&ミリスレスカ |
お二人とも、こちらですわ。 丁度今、新しい情報が入ったところです。 |
■キルリック To:ニアリース |
では、早速お伺いしても良いですか? 状況によっては、公園に探索に行った二人だけでも、至急、呼びに行きます。 |
■ミリスレスカ To:ニアリース |
えっと、あの……そちらの方は? |
見知らぬ「男性」に、緊張を隠せないミリスレスカだった。
■ニアリース To:キルリック&ミリスレスカ |
ああ、こちらの方はオランから早馬を飛ばしてくれた学院の方ですわ。 出発する前に、ロケーションの結果に動きがあったら連絡してもらえるようにしていましたよね? なんでも、宝珠の動きが西ではなくて、北よりになったそうです。 丁度パダの方向に動いているみたいです。 |
■キルリック To:ニアリース |
もともとの目的地は、そっちの方だったと言うことですね。 裏をかこうとしていると言うか、正統派というか(苦笑) |
■ニアリース To:キルリック&ミリスレスカ |
それの可能性はありますね。 トベルコさんを騙して、自分達は別方向ということでしょう。 あ、こちらは学院のフランさんで、研究チームの一員ですわ。 |
■キルリック To:フラン |
今回の仕事のメンバーの一人、キルリックと申します。 どうぞ、よろしくお願いします。 |
■ミリスレスカ To:フラン |
ミリスレスカ、と申します……情報、ありがとうございます。 |
■フラン To:キルリック&ミリスレスカ |
よろしく。 この情報が役に立てばいいんですけど……。 |
■ニアリース To:キルリック&ミリスレスカ |
それで、何か新しい情報はありました? |
■キルリック To:ALL |
乗合馬車の駅では、核心に迫れる情報はありませんでした。 馬車は使っていない、だろう、と言う情報と、トベルコらしき男が公園の方に向かって行った、と言う二点です。 トベルコの情報は、公園に行った二人に、より詳細な情報を期待したいと思います。 |
■ニアリース To:キルリック&ミリスレスカ |
そうですか……。 では皆さんが帰ってこられてから次の方針を話し合いましょうか。 とりあえず、お二人ともゆっくり休まれてくださいな。 |
■ミリスレスカ To:キルリック&ニアリース |
う〜ん……でも、トベルコさんもパダ方面に向かった可能性もありますし。 早急に、他のみんなに報せにいくほうが……あ、でも「とうぞくギルド」はどうしましょう……? |
■キルリック To:ミリスレスカ |
乗合馬車の馬丁さんたちの話では、とてもそんな気力や、目的がありそうでは無かったので大丈夫じゃないですか? それに、トベルコ氏は、仲間だった二人がパダに向かっていることは知らないんじゃないですかねぇ。 |
そのとき、扉を開けてオルフェたち残りのメンバーが戻ってきた。
リュントは、一人の男を肩に担いでいる。
■オルフェ To:ALL |
ただいま。 何か収穫はあったかな? |
■リュント To:ALL |
情報交換は後にして、誰か手伝ってくれ! 無事にリーダー達がトベルコを捕獲したぞ。 今はリエラの「スリープ」で睡眠中だから、落としても起きないけどな。 |
結局一人で背負ってきたのかな?
■ミァ To:リュント |
にははは。リューちゃんおつカレー(>▽<) |
■キルリック To:リュント |
お疲れ様です、何気に、力仕事も似合いますねぇ。 |
■リュント To:キルリック |
そうか?(てれ笑) ってそんな事言ってないで手伝ってくれ! |
キルリックは、リュントを讃えつつ(?)、リュントの背中でのんきに寝ているとしか思えないトベルコに手を掛け、降ろすのを手伝う。
■ミリスレスカ To:リュント>アリエラ |
ええっ?! 行った先でですか!? すごいですね、リエラさんっ♪ 大金ぼ……し……? |
ふと、リエラの胸元に揺れる、碧の石のついたペンダントに気付く。
■アリエラ To:ミリィ |
本当はそんなに凄くないんだよ〜。 思いっきり頑張ってかけたからギリギリ魔法がかかっただけで…。 おかげで精神的にすっごく疲れたよ〜。 |
ミリィの視線には気付かず、ニアリースの方に近づき、見知らぬ男に気付く。
■アリエラ To:ニアリース |
遅くなってしまってすみません。 えっと、そちらの方は…? なにか、こちらでも進展があったのですか? あ、もし、すぐに出発するようなことになりそうだったら、詳しいお話を聞く前に、神官さんを手配してもらってもいいでしょうか? トベルコさんに魔法をかけたので、精神的な疲労が激しいんです〜。 |
■ミリスレスカ To:アリエラ |
いやあのリエラさん、そんなコトより……! |
いつになく真剣な視線を注いでいたりする……ペンダントに、だけれど。
■キルリック To:アリエラ&ニアリース |
すぐに手配できない場合は、私の精神力を分けましょう。 もっとも、アリエラの精神力を満たすには並みの神官が二人は必要ですから、気休めくらいにしかなりませんけどね。 |
■リュント To:ALL |
当面はキルリックと、ニアリースに工面してもらって、先行している二人組に追いつかないか? トベルコも馬車に乗っけちまって、リエラは馬車の中で休養していればいい。 最低でも半日は離されているんだから、今日中に追いつくのは無理だろう。 それに突然戦闘になるとも限らないしな。 |
■ニアリース To:リュント&ALL |
わたくしで宜しければ、ご協力しますわ。 でも、その後わたくしも休ませてもらわなければいけませんが……。 急ぐ案には、私は賛成いたします。 夜の移動は危険かもしれませんが、魔法の知識が無い人があの宝珠をむやみに触ってしまうことの方が心配ですからね。 何もなければよろしいんですけど……。 |
■アリエラ To:キルリック&ニアリース |
う〜ん、馬車の中で6時間休めるのでしたら、無理に回復させないままの方がいいかもしれませんね。 ついでにトベルコさんを他の精神系の魔法をかけて起こしてみましょうか? |
■ミリスレスカ To:リエラ |
ねぇねぇリエラさん、休むとかより先にそのペ…… |
■オルフェ To:アリエラ&ALL |
いや、トベルコを起こすなら私がやろう。 さっきの歌を何度か聞かせてやるとするさ。 しかし、トベルコを起こす必要はあるかい? 彼も騙されて居たんだ。残る二人の行き先についての手がかりは恐らく持っていないだろうし、寝かせたままで連れ帰って引き渡す方が楽だと思うんだけどね。 |
■リュント To:オルフェ&ALL |
そうは言っても、やっぱり俺らが知らない情報とか、 二人組の詳細を知っているのはやっぱりトベルコだろう? 起こして情報をもらった方が無難だよ。 それにしても、立候補者が一杯だな(笑) 俺がトベルコを起こす出番は無さそうだな・・・ |
■ミァ To:ALL |
んにんに。だいたいミーたち、2人組の外見も細かく知りませんしネー。 探しててうっかり見逃しちゃった☆、なんてことは防がないとでスヨー。 |
■キルリック To:ALL |
私も起こしたほうが良いと思います。 呆然自失で徘徊していたくらいですから、今後の身の振り方すら見失っていたでしょう。 それに、私たちには、弾丸ミァと、追撃弾のリュントが居ますから、余程の事が無い限り、逃げ切れるものでは無いでしょう。 まぁ、起こす前に手足を縛り上げておくに越した事は無いと思いますが(笑) 精神力の回復はトベルコを起こした段階で考えれば良いですよね? |
■ニアリース To:キルリック>ALL |
それで良いかと思いますわ。わたくしも起こして色々聞き出した方が良いと思います。 まだ分からない情報もありますからね。 |
■リュント To:キルリック |
追撃弾!? って事はなんだ!俺はミァより後ろを走っているって事じゃないか!! |
論点ずれまくり!
■ミァ To:リュント&キルリック |
はっはっは! さぁっすがキーちゃん、ちゃんと事実を判ってまスネー♪ そうっ、ミーはリューちゃんよりもずぅーっと先に!!!(ペカー) |
■キルリック To:ミァ&リュント |
そりゃあ、もういい加減私でも分かりますとも。 ミァが突撃隊長で先陣を切り、体制を崩したところをリュントが捕獲。 要は、ミァが崩して、リュントがおいしいとこ取りって感じでしょうか? |
■ミァ To:キルリック |
そんなオチ!!?Σ( ̄□ ̄; |
■リュント To:ミァ&キルリック |
今の発言には納得いかねえ・・・ なんで俺様が二番手なんだ・・・ なんで俺様が追撃弾なんだ・・・ |
何やらぶつぶつと言っているようだが、誰にも聞かれてない。
■キルリック To:リュント |
リュント、聞いてました? |
■リュント To:キルリック |
おっ! 何か言ったか!? |
人の話をちゃんと聞いていないのもリュントの特徴か?
■キルリック To:リュント |
いぇ、いやぁ、そのぉ・・・・邪魔してすいませんでした。 |
■アリエラ To:ALL |
あ、トベルコさんを起こすのなら、その前に右手人差し指の指輪、外しておいた方がいいかもしれませんね。 杖を持っていなかったので、その指輪が発動体なのかもしれませんから。 |
■ミリスレスカ To:アリエラ |
あーもう、リエラさんってばぁ! だからそのペンダントは……って、えっ?!発動体……の、指輪?! |
とうとう焦れて、アリエラの前にずいっ! と踏み出したミリィだったが、「指輪」と「発動体」のキーワードに方向転換。
眠ったままのトベルコの腕をがっちり掴むと、指先が自分のほうに向くように、かなり無理のある角度でねじり上げる。
■ミリスレスカ |
こ……これはっ……?! |
トベルコの指にあるそれは、間違いなく魔法の発動体として使用できる様に調整された指輪であることが、ミリレスカには分かった。
ただし、トベルコの人差し指に合わせてあるため、自分の指には大きそうだ。
■ミリスレスカ To:ALL>ニアリース |
間違いないです! 古代語魔法の、発動体ですね。 取り上げておきましょう……あれ? そういえばニアリースさん、トベルコさんは普段、この指輪を発動体にしてたんですか? それともやっぱり、杖を発動体に? |
■ニアリース To:ミリレスカ |
わたくしが見た限り、学院では杖を使われてた見たいですけど、そういわれればその指輪はいつも指に嵌めていましたね。 まあ、冒険者として活動していたこともありますし、ご自分で手に入れたのではありませんか? |
さらに、ニアリースは一行に告げる。
■ニアリース To:ALL |
さて、どうやら急いだほうがよろしいですわね。 皆さん申し訳ないですが、急いで追いかけましょう。 準備をお願いいたしますわ。 |
そういうと、学院から来た男に報告してもらう内容を告げ、一行に出発の準備を促した。
今夜は長い夜になりそうである。