「旅人の宿木」亭 |
一行は学院が手配した馬車に乗り込み、オランを後にした。
エレミアへ続く街道を行き、途中で野営した後に一番近い宿場町へ到着した。
一行はトベルコの情報が何かないか聞き込むためと休息の為に酒場兼宿屋、「旅人の宿木」亭を訪れた。
昼過ぎの酒場は、閑散として客も殆どいない。
昼の激務が終わったマスターと給仕娘が休息を取っていた。
一行の到着に気づいた給仕娘が立ち上がって声を掛ける。
■給仕娘 To:ALL |
いらっしゃい! お客さん、お食事ですか? |
■ミァ To:給仕娘 |
もっちのろんろん! ミーは腹ペコらららーなのでスー! とゆーことで。この宿のオススメ料理が何なのか、さっさと白状しやがレー!(・▽<) |
■リュント To:ミァ&給仕娘 |
白状させるな! せめて、言いやがれくらいにしとけ!! ところで注文が済んだら聞きたい事があるんだが、忙しくないかい? |
■キルリック To:リュント&ミァ |
素直に、教えてくださいと言いなさい・・・。 |
■ミァ To:キルリック |
だって!腹ペコなんでスヨー!!?(○△○)カッ |
■リュント To:キルリック |
だって!素直に言ってもつまらないし!!? |
■キルリック To:リュント&ミァ |
脅したところで、相手の気分を害して量が少なくなる事はあれど、増える事は無いですよ。 で、わざわざ、仕事中に、非日常を持ち込まない! |
■リュント To:キルリック |
う〜〜・・・ 悪乗りし過ぎたな・・・ 悪かったよ!今度からは素直に聞くよ!! |
一時撤退?大人しく引き下がります。
■ミァ To:キルリック |
う〜〜・・・ 量が少ないのは死活問題なのでスヨー・・・Σ( ̄□ ̄; 悪かったのでスー!今度からは素直に食べたいっていいますヨー!! |
こちらも一時撤退?した模様。
■給仕娘 To:リュント |
見ての通り、今は丁度暇になったところです。 マスターも私も暇なので何でもどうぞ。 で、聞きたいことって何ですか? |
この給仕娘はきっと話し好きなのだろう。
目をきらきらと輝かせて聞き返してきた。
■キルリック To:給仕娘 |
人を探しているのですが・・・ ここのお店は、日にどれくらいの冒険者が訪れるのですか? |
■給仕娘 To:キルリック |
冒険者に限って言えば、20〜30人くらいかな? 結構いますよ。 |
■アリエラ To:給仕娘>ミァ |
えっと、三人で旅をしているらしいのですが…。 えっと、ミァちゃん、模写した似顔絵、出してもらえますか? |
■ミァ To:アリエラ>給仕娘 |
ほいほーい! こーんな奴なのでスヨー。見覚えありまスー? ありまスー?? |
ぴらっと似顔絵を取り出して、相手に見せる。
■給仕娘 To:アリエラ&ミァ&ALL |
そうねぇ……見たような気もするけれど……。 ちょっと……思い出せないなぁ……。 ところでお客さん、ご注文は何にします? |
給仕娘の態度は、「注文してくれたら情報を教えてあげる」みたいに取れる印象だ。
なかなかに商売が巧い。
■ミリスレスカ To:給仕娘 |
あ、ごめんなさい。 それじゃボクは、とりあえずお茶と……なにか軽めの、甘いものってあります? |
■リュント To:給仕娘 |
昼時は過ぎたけど、軽く食えるもんでも作ってくれるか? |
■キルリック To:給仕娘 |
私は、軽めの豆料理をお願いします。 |
■アリエラ To:給仕娘 |
あ、私は何か暖かいスープとパンをお願いします。 |
■ミァ To:給仕娘 |
ミーはこの店のおっすすめスペシャル定食が食べたいでスヨー!(><) |
■オルフェ To:給仕娘 |
私はエールを一杯。 それから、なにか甘い果物でもあればもってきてくれるかな。 |
■ニアリース To:給仕娘 |
じゃあ、私もお茶をお願いしますわ。 |
■給仕娘 To:ALL |
はいはい、分かりました。 じゃあ、そこのテーブルをどうぞ。 ちょっとお待ちくださいね〜。 |
そういって、給仕娘は厨房へ向かった。
少しして、各人が注文した品物がテーブルに並ぶ。
給仕娘は隣の空いているテーブルの椅子を使って一行の横に座った。
■給仕娘 To:ALL>宿のマスター |
えっと、まずその人なんですけど、昨日うちに来ました。 あなたたちの言うとおり、3人で。 あたし、昨日も夕方までの番だったからチラッと見ただけですけどね。 マスターなら良く知ってるんじゃないかな? ねえ、マスター。ちょっといいかしら? |
暇そうにしていたマスターは、給仕娘の呼びかけに答え、一行の傍までやってきた。
■宿のマスター To:給仕娘>ALL |
一体何の用なんだい……。 え、泊り客のことを聞きたいって? なるほど、この似顔絵の奴な。 確かに、昨日3人連れで泊まってたよ。 ただ、出て行くところを見てはいない。 宿は前金だから、入ってくる連中のチェックはしていても、出ていく連中のチェックはしてなくてね。 ただ……あ、そうそう。思い出した。 その似顔絵の奴だけが、今朝遅く一人で宿を出て行ったよ。 なんだかえらく不景気な顔してたけどな。 残りの二人はいつ出て行ったか覚えてないね。 |
■キルリック To:宿のマスター |
今朝遅く一人で不景気な顔、ですか・・・ 何か言っていませんでしたか? |
■リュント To:宿のマスター&給仕娘 |
残りの二人の人相を覚えていないかい? 俺らは見た事も会った事も無いんだが? |
■宿のマスター To:キルリック>リュント |
うーん。特に何も言っていなかったな。 見ていて気の毒になるくらいな雰囲気だったからね。 俺も声を掛ける気にもならなかったし。 あと、残りの二人なんだけど、一人は結構大柄で帯剣していた。 もう一人は、どっちかというと小柄で、革鎧を着てたな。 最初は冒険者ご一行様かと思ってたんだがなぁ。 悪いが、毎日何人もの客を見ているからいちいち顔までは覚えきれないさ。 よっぽどの常連さんならともかくね。 |
■リュント To:宿のマスター |
そりゃそうだよな。 特徴がある顔かと思ってな。 マスターの頭に記憶され無かったって事は特に変わり映えのしない顔って事だよな? |
■宿のマスター To:リュント |
まあ、そういうこった。 もっとも、お前さんがたのような珍しい一行は言われなくても覚えるがね。 |
そういって、宿のマスターはわはは、と大笑いした。
■キルリック To:宿のマスター、リュント |
やっぱり目立つんですね・・・ 要は、諜報活動には不向き・・・なんですよね(苦笑) |
■リュント To:キルリック&宿のマスター |
俺等がそんなに珍しい一行か? オランではありふれた冒険者のパーティーのような気がするが・・・ どちらにせよ、諜報活動が苦手なのは間違いないな!俺には・・・ |
■キルリック To:リュント |
あ、いえ。 珍しいと言うか、ミァとリュントの勝負が始まると、非常に人目を引くと言うか・・・、まぁ、そう言う事なんですよ。 |
■宿のマスター To:リュント&ALL |
まあ、深い意味は無いよ。あんまり気にするな。 それじゃあ、ゆっくりしていってくれ。 |
そういって、宿のマスターは冒険者達の横のテーブルに座った。
先ほどの給仕娘がお茶を持ってきて、同じくそのテーブルに座る。
休憩がてら、冒険者達の話を聞くつもりのようだ。
■キルリック To:ALL |
私の予想、整理する意味であえて口にしますね。 トベルコ氏は、昔の仲間とエレミアを目指すも、ここで裏切られさっさと目的の物だけ持ち去られた。 トベルコ氏に関して言えば、途方にくれて、朝遅くに宿を出るものの、行き先も無くまだこの町の何処かに居るんじゃないでしょうか? でないとすれば、実家のあるオランに帰ったか? 途方にくれていた点でも、仲間の行き先や居場所に関しては、一切手掛かり無しと言った所でしょうか? さっさとトベルコ氏を裏切った二人ですが、早々にギルドに持ち込んでお金に換えるか、既に売る相手が決まっていて目的地に向かっているか? ギルド以外の可能性だと、エレミアなりにあたりを付けて行ってみるしか無いですかね? 私としては、この町に居るかもしれないトベルコ氏の捜索と、目的の品の事を含め、ギルドへ探りを入れる事が必要かと思いますが、いかがでしょうか? |
■リュント To:キルリック |
キルリックの言う通り、持ち逃げされたのが濃厚だな。 ただオランへ戻るのなら街道を普通に使うだろうと推測すると、 途中で出会っていなければ街にいるか、当初の予定通りエレミアへ向かったかもしれないな。 残りの二人にしてもエレミアへ最速で向かう恐れがあるな。 トベルコが追い駆けてくる恐れがあるだろうし・・・ あと、宿場町にギルドの支部があるかな? |
■アリエラ To:キルリック&リュント&ALL |
そうですね。 でも、もしもアイテムを持って、オランに向かったとしたら、学院のロケーションに引っかかるので、何らかの手は打ってもらえると思います。 ただ、エレミアか、もしくはまた違う方面に向かったとすると厄介なのですけど…。 |
■アリエラ To:宿のマスター |
あの、この町から出ている道って、オラン方面、エレミア方面のほかにもありますか? |
■宿のマスター To:アリエラ |
メインの街道はオラン方面とエレミア方面だけだね。 ただ、間道みたいな感じでパダ方面に向かう道もあるよ。 もっとも、そっちは宿場町も無いからあまり人は通らないがね。 その道は一旦オラン方面に戻って、途中から北に向かう感じかな。 |
■ミァ To:ALL |
んーにーにー。まぁた面倒なことになってきましたネー(=△=) もし違う方面に行かれちゃったとしても、似顔絵も無いし、今のミーたちがそいつらとっ掴まえられる可能性は低いのでスー。 だったら手掛かりとしてはトベっちゃんを探してきて、色々聞くっきゃないみたいな。 ギルド、ぎるどはぁー・・・・・あったっけ?(首かくり) |
思い出すように頭をごんごん叩く。
■ミァ To:ALL |
Σ おおう! なんか記憶が降ってきたのでスヨー! さっすがミーなのでスー。ギルド駐在員の場所は我にありぃいー(>▽<) |
■リュント To:ミァ |
何!? 俺は思い出せないのにもう思い出しやがったか!? |
ミァのマネをして頭をごんごん叩く。
■リュント To:ALL |
をを!! 俺も思い出したぞ!確かにここにも駐在員がいるはずだ!! |
■ミァ To:リュント |
にょあ!? ミーの秘儀!ごんごん思い出し術を使うとは、やるなおぬし…!(○△○) |
■リュント To:ミァ |
何!? 秘技だったのか!? これで俺も一つ体得したな(フッ) |
偶然マネしただけなのに、何故か得意げ?
■オルフェ To:ミァ&リュント |
よし、じゃあ早速コンタクトを取ってきてくれ。 うまく行き先がわかればいいんだけどね……。 |
■ミァ To:オルフェ |
ほいほいほーい。 ミーたちにまっかせるのでスヨー。 |
■リュント To:オルフェ |
おう!ちょっくら行って済ませてくるからよ! |
■オルフェ To:宿のマスター |
今朝、二人が出て行った後に、エレミア方面から来たお客さんは居ないかな? |
■宿のマスター To:オルフェ |
いや、大体客が増えるのは夕方からだからな。 昼間にうちに来る客は大体この街の人間か、昨日着いて、そのまま街にとどまって商売している連中だしな。 なんで、夕方くらいにならないと新しい客は来ないと思う。 とりあえず今のところはいないね。 |
■オルフェ To:宿のマスター |
ま、そうだろうね。出発してから、出会った人にでも聞いてみるよ。 |
■キルリック To:ALL |
ギルドの方は二人に任せて、我々も時間を決めて、トベルコ氏の捜索をしてみませんか? よほど落ち込んでいたのなら、印象にも残りやすいですし、誰か、見た人が居るかもしれません。 公園、乗合馬車、町の出入り口とかなら、人相書きもありますし、可能性はあると思いますが、どうでしょう? あと落ち込んでいる人が佇んでいそうな所、例えば、川原とかでしょうか? |
■アリエラ To:キルリック&ALL |
そうですね。 二人が帰ってくるまでの間に、できることはしておきましょうか。 2組ぐらいに手分けして探しますか? |
■オルフェ To:キルリック&アリエラ |
じゃあ、そうしよう。 出入り口は出発する前に聞き込みをすればいいと思うから、それ以外を探してみたいね。 |
■キルリック To:アリエラ&ALL |
了解です。 とりあえず、私は、公園とか広場みたいな、人が適当に集まる公共の場所を中心に聞き込みしたいと思うのですがどうでしょう? 本人が、呆けるにも、いろいろな人に聞き込みをするにもそれなりに悪くないと思うのですが? |
■アリエラ To:キルリック |
そうですね、いいかもしれません。 私も一緒に行っていいですか? |
■オルフェ To:キルリック |
私も行こう。 公園なら……少し、考えがあるんだ。 |
■キルリック To:オルフェ&アリエラ&ALL |
二人が行ってくれるのであれば、私は他の場所・・・乗合馬車のターミナルにでも行って見ます。 相手も馬車を使っていたら、また差が開いてしまいますし。 |
■ミリスレスカ To:キルリック |
あ、キルリックさん……それじゃあ、ボクがご一緒しましょうか? あまり分散しすぎると、それはそれで、ちょっと不安がありますし……。 |
■キルリック To:ミリスレスカ |
ええ、お願いします。 一人だと取り逃がしてしまう可能性もありますから。 |
■アリエラ To:ミァ&リュント |
あ、3箇所に分かれるとなると、もう一枚似顔絵があったほうがいいですよね。 描いていただけますか? |
■リュント To:アリエラ |
おう! 俺でよければ幾らでも描くぞ! |
おもむろに羊皮紙を取り出し、描く構え。
程なくしてトベルコの似顔絵を書き写すことが出来た。
■ミァ To:独り言 |
……んに? もーいちまい? おっかしいでスネー、ミーの手元には1枚きり…… (間) もしかしてなくした!?Σ( ̄□ ̄; |
きょろきょろと挙動不審。
■ミァ To:独り言 |
えーとえーとえーと…。 誤魔化せゴマと化せ!!!(○△○)カッ |
猛烈な勢いでこそこそと似顔絵の複製を描き始めた。
■ニアリース To:ミァ |
あらあら……。そういえば学院で元の似顔絵を返していましたわね。 |
■キルリック To:ミァ |
ミァは、相変わらず、リュントにライバル心むき出しですねぇ。 でも、こういう勝負なら、特に目立たないですし、場所的にも相応、そして何より、役に立つ! すばらしいです、こういう勝負を中心に行ってください(微笑) |
いつに無く、満足そうに眺めている。
■ミリスレスカ To:キルリック |
いいんですかぁ? そんなコト言ってて……? |
■キルリック To:ミリスレスカ |
問題ありません。(きっぱり) 褒めるべきは褒め、警告すべきところは警告する。 何事もメリハリ、誇張が大切です。 |
■ニアリース To:キルリック |
まあ、キルリックさんの仰ることも一理ありますが……。 |
しばらくして、ミァの似顔絵書きも終わった。
■ニアリース To:ALL |
皆さんが捜索に行かれるのでしたら、わたしはここで帰りをお待ちいたしますわ。 もしかすると学院からの連絡があるかもしれませんからね。 お気をつけて行ってらっしゃい。 |