SW-PBMトップへ Scenario Indexへ |
SW-PBM Scenario#144 白夜の島 |
---|
このシナリオのトップへ | ←前のページ 次のページ→ |
---|
ザリィ村・夜 |
♪
彼方のひかり 強すぎて
お星さま 見えない
伸ばした手の先 白い夜空
彼方のひかり 強すぎて
お星さま 隠した
見上げるその先 白い夜空
護りの白の夜…
お星さまに さよなら言って…
少女は口ずさむのをやめ、ため息をつくと、本を閉じて窓の方へ顔を向けた。
といっても、わずかに光の強い方へ顔を向けただけだったが──
■ヒュレス To:少女 |
お嬢さま、ごはんの時間ですよ〜。 あれ。 |
トレイを持って部屋に入ってきた少年は、少女の手元を見て少し悲しそうな顔をしたが、気を取り直して笑顔でベッドの側に跪いた。
■ヒュレス To:少女 |
はい、あったかいスープ作ってきましたから。 今日は、食べられそうですか? |
少女はうつむいて、本の上に両手を重ねた。
■少女 To:ヒュレス |
ヒュレス… やっぱり、昔はこの島にも星空があったのよ。 私、そう思う… |
ヒュレスと呼ばれた少年は困った顔をして、スプーンをすすめる手をとめた。
■ヒュレス To:少女 |
お嬢さま〜、そんなことよりごはん食べましょうよ、ね? |
■少女 To:ヒュレス |
星空を見たいの… この本に描かれているみたいに、黒い布に穴をあけたみたいに、お砂糖を空にちりばめたみたいに…光のつぶが夜空に輝くのを見たいの… 私の好きな、この島で…この目が見えなくなる前に… |
少女は探るように手を伸ばし、窓の端に手を置いた。
窓の外はぼんやりと明るく、空は白い──しかし今は、夜のはずだった。
ザリィ村・早朝 |
明るい夜が終わり、人々は空気で朝が来たことを知る。
ヒュレスは旅装に身を包んでいた。
■初老の男性 To:ヒュレス |
やれやれ、そう都合良くいくかね。 いくらなんでも、雲を掴むような話だと思うんだが… |
ヒュレスは荷物を背負い、男性にほほえみかけた。
■ヒュレス To:初老の男性 |
あきらめちゃダメだって、教えてくれたのは…お嬢さまですから。 今度は僕が教えてあげるんです! あきらめなければきっと… それが最後の希望なら… あっ、お嬢さまにはナイショですよ! あと、僕のいないあいだ、すみませんが家のこと、よろしくお願いします。 |
■初老の男性 To:ヒュレス |
ふーむ…ま、お前さんみたいに器用にはできんがな。 オランか…気をつけてな。 おっと、帽子を忘れるなよ、ヒュレス。 |
ヒュレスはあわてて帽子を受け取ると、ぺこりと頭を下げて慌ただしく出て行った。
彼が向かうのは、海を越えた、北…
オランの冒険者が集う店に希望を見いだすために…