一行は消えた扉の奥へと進む。
そこは幅14メートル、奥行き10メートルの広い部屋だった。
部屋の中央には石の円柱が4本、左右対称に並んでいる。
入ってきた入り口のちょうど真向かいに、同じような石の扉がある。装飾はない。

東西の壁全体には荘厳なレリーフが彫られていた。西側には、風に乗って飛ぶエルフの女性。東側には、水流の中を泳ぐ少女。
セイルディアとウォルフには、それらがシルフとウンディーネをモチーフにしていることがわかった。

そして、ルーシアの姿はここにもない。
全員が部屋の中に入ると、後ろで再び音もなく扉が現れ、退路を断った。

床などに注意を払いながらシルフのレリーフへ近づく

そう言うと、辺りに注意を払い、精霊力に異常はないか確かめながら、ゆっくりと歩を進めるウォルフ。

そういいながら、辺りをぐるりと見回す。

ウォルフとセイルディアのセンス・オーラが、先ほどまでの部屋とは違った精霊の気配を捉えた。それは東西のレリーフから感じる、シルフとウンディーネの強い気配。

ウォルフとシジリカはシーフの出番とばかりに、さっそく床とレリーフを調べて回る。シジリカの調べていたシルフのレリーフに異常はないようだ。

ウォルフは、ウンディーネのレリーフに罠を発見した。向かって右の目のところに、小さな青い宝石が埋め込まれている。これに触れると、ウンディーネの左の目から鋭い細い針が飛び出してくる仕掛けのようだ。
よく見ると、この宝石は簡単に外せるように見える。罠以外の何かのスイッチになっている気がするが…？

たいまつの光を頼りに良く観察してみると、左の目の下にごく小さな解除スイッチがあった。軽く押し込むと、針が奥に引っ込んだ。