売人たちのアジト |
ジンとリフィルは、売人たちに連れられてしばらく歩かされた。
近くからは水音が聞こえる。ハザード河の近くなのだろうか。
そして、ごくごく普通の倉庫にジンとリフィルは連れ込まれた。
そのころ、尾行中のギャルムは売人たちに気づかれることなく、アジトの倉庫まで無事に尾行できた。
他のメンバーも、しばらくして倉庫の前で合流した。
■ギャルム To:外組ALL |
…(耳をすませて)…まいったな、ここからじゃ中の声は聞こえそうにないよ。 |
■スカンピン To:ギャルム |
ギャルムなら倉庫に入ってしまってもバレはせんのじゃ(モゴモゴ) |
スカンピンの髭だらけの口を片手でむぎゅっとふさいで、
■ギャルム To:スカンピン |
しーっ、声がでかいって。(汗) オレ1人でなら、入れるかもしれないが… それほど音が響く構造じゃない感じもするしな。 |
■ミレイア To:外組ALL |
上の方に換気用の鎧戸があるみたいです。 登って、調べますか? |
■ギャルム To:ミレイア&外組ALL |
…(見上げて)6メートル、ってとこか… |
■ミレイア To:ギャルム&外組ALL |
あの……実はこういったこともあるかと思って、登攀用のロープを用意してます。 鉤爪も付いているので、鎧戸のくぼみに引っかけられると思います……これで登攀が楽になるのではありませんか? |
■ギャルム To:ミレイア |
おっ、用意がいいな。 ロープがあればよっぽどヘマしない限り大丈夫だ。 借りていいかい? |
■ミレイア To:ギャルム |
どうぞ。その為に持ってきたものですし……。 |
■レヴィン To:外組ALL |
位置の特定さえできれば会話を拾うことは可能だと思う。シルフの力を借りることができれば、だが。建物の中ってのはシルフの力が及びにくいんだがな・・・ |
と、レヴィンは精霊の声を聞こうと試みた。
周囲には、シルフ(風が吹いている)の気配と、建物からブラウニーの気配が感じられる。
■スカンピン To:レヴィン |
会話もいいが、カトリーさんがいるかも調べるのじゃぞ〜。会話中なら楽勝じゃろうて。 |
■ギャルム To:外組ALL |
よし、こうしてても埒があかないし、登ってみるか。 |
ギャルムはロープを投げて鉤爪を引っ掛け、音を立てないよう慎重に登り始める。
なんとか成功し、鎧戸の前まで辿り着いた。
鎧戸は鍵も掛かっておらず簡単に開くようだ。音もなく鎧戸を開けると、そこは広い吹き抜けになっており、鎧戸の周囲に窓を開けるための細い通路が設けられている。
地面の方には明かりがあり、ジンとリフィルが複数人に囲まれて居るのがわかる。
■ギャルム |
(…無事か、よかった。さて…) |
ギャルムは中に聞こえないような声量で、レヴィンに仲間の位置を説明した。
■レヴィン To:ALL |
幸いなことに建物の中にもシルフの力が及ぶようだ、やってみよう。うまくいくと良いが・・・ |
ウィンドボイスは発動したようだ・・・
■ウェイン To:ギャルム&ミレイア |
さすがだな、二人とも… |
ギャルムは一旦降りて来て、倉庫の周りを回ってくることを仲間に告げると、移動を開始する。
■売人のジョー To:ジン&リフィル |
そら、そこの椅子に座んな。 ゆっくり話を聞かせてもらおうじゃないか。 まず、お前らは誰の指示で動いているんだ? しばらく前にやってきたギルドの女の知り合いじゃねえのか? |
■ジン To:売人のジョー |
店でも話したが、俺達は薬を買いに来ただけだよ。 ふむ・・・君達より偉い人はここにいないのかい? |
■リフィル To:ジン、売人のジョー |
ジンの言うとおりそう言う事です。 で、こんな場所まで連れてきて、納得して貰うまで薬も売れない…とか言わないでしょうね? 第一、酒場からギルドの女とかしつこいですよ。誰なんですかソレは? |
愚痴を言いながらも、辺りを見渡して状況を確認中。
奥の方は明かりがついておらず、こちらからは見渡せない。
チンピラ達はニヤニヤしながらこちらを見ている。
かなり油断している様だ。
■売人のジョー To:ジン&リフィル |
本当に何も知らないのか……? 一応、”今は”俺が一番上だよ。 まあ、手荒なことをして済まなかった。このところ色々あったもんでな。 じゃあ、早速仕事の話と行こうか。 で、幾ら用意できる? どれ位欲しいんだ? |
■リフィル To:売人のジョー |
500ガメル分以上出せますか? 此方も何度もこんな目に会うのは願い下げですしね |
■リフィル To:ジン |
ってコレ位使っても構いませんよね? |
■ジン To:リフィル |
ん。まあとりあえずそんなものか。 |
■売人のジョー To:リフィル |
ああ、それくらいなら在庫があるよ。 先に金を見せな?ブツはそれからだ。 |
■ジン To:売人のジョー |
本当に疑り深いんだな(^^; ほら、ちゃんとここに用意してある。 |
ジンは懐から銀貨の詰まった袋を取り出して口を開けて見せる。
中身は1000Gほどありそうだ。
すぐに口を閉めて懐に閉まってしまう。
■ジン To:売人のジョー |
おっと。さあ、金は見せたんだ。 次はあんたたちがブツを見せる番だぜ。 在庫の量と質によっては、500にさらに上乗せしてもいい。 この倉庫にあるのか? |
■売人のジョー To:ジン>チンピラA |
用心深くないと、こんな稼業じゃあ生きていけないからな。 お前さん達の”誠意”は理解したよ。 (チンピラAに向かって)おい、ブツを一袋持ってきな。 |
指示されたチンピラAは、ランタンを持って倉庫の奥へ移動した。
それと同じタイミングで、倉庫の奥にある窓へとよじ登り、中をうかがっていたギャルム。
■ギャルム |
(…お、運良く明かりがやってきたな。…あの麻袋の山は…全部ヤクか? …カトリーは…いないか…) |
しばらくして、何かを引きずる様な音を立ててチンピラAは戻ってきた。
そして、持ってきた麻袋をジョーに渡した。
■ジン To:売人のジョー |
おいおい、その麻袋。マーファ神殿の紋章入りじゃないか。 大した念の入れようだな。偽の紋章で官憲の目をごまかしてるわけか・・・ こうも大胆なことをしては、街のギルドも黙ってないんじゃないか? |
■売人のジョー To:ジン |
(にやりと笑って) いやあ、それは偽物じゃあ無いぜ。 正真正銘、マーファ神殿御用達の袋だよ。 ギルドな……だから最近注意を払ってるんだよ。 お前さん達を信用しなかったのは、その所為さね。 さあ、中を見てみな。 |
そう言って、麻袋の中から包みを一つ取り出し、ジンに渡した。
■ジン To:売人のジョー |
!?・・・本物だと? |
驚いた様子で渡された包みと袋の紋章を交互に見るジン
■リフィル To:売人のジョー&ジン&ちんぴらA |
なるほど、神殿の紋章でしたか。何処かで見た記憶はあったんですよ 神殿公認ですか、上手い事考えましたね。神殿ならほぼ各地に在りますから、連絡も調達も自在ですし ところで、その中身は本物なんでしょうね? 少し中身を使って良いですから、あなた(ちんぴらA) 今、目の前で試してみて下さい そうすれば、効果的な使い方も判りますし |
■売人のジョー To:リフィル>ちんぴらA |
まあ、袋の件はそう言うことにしといてくんな。 色々とからくりはあるんだが、お前さん達に話す義理はないからな。 おい、良いから少し吸ってみな。 |
ちんぴらAは袋から取り出した麻薬を手の甲に乗せると、鼻から吸い込んだ。
少したつとちんぴらAの目はうつろになり、その場に座り込んでしまった。
■売人のジョー To:ジン&リフィル |
ご覧の通り、正真正銘の本物さ。 さあ、これで良いだろう? 取引と行こうじゃないか。 |
■ジン To:売人のジョー>リフィル |
相棒と話がしたい・・・すまんが部下を少し下げてくれないか。 リフィ、ちょっといいか |
リフィルをひっぱって窓際(R10)まで下がるジン。
売人達に見えないように、リフィルにウィンクを送る。
その後、リフィルと小声で相談のふりを始める。
次第に激したような口調になり、壁を叩いて口論するような雰囲気にしていく。
■売人のジョー To:ジン&リフィル |
おいおい、いったいどうしたんだ。 こんなところで仲間割れか? |
その頃、ギャルムが偵察を終えて仲間たちのところへ戻って来た。
倉庫の奥の様子、搬入用入口とその奥には何もなさそうなこと、などを告げる。
■ギャルム To:ALL |
カトリーはここにもいないようだし、やつらをふんじばるしかなさそうだな。 ここの扉の取っ手をロープで封鎖しておいて、搬入用入口から派手になだれ込むか…そうだなぁ…薬を強奪しに来たチンピラでも装うか。(笑) なるべく油断させて、さっさと気絶させようぜ。 で、奴らの戦力を分断させたらこの扉からミレイアと…誰かもう一人が入っていって、ジンとリフィルに武器を渡す。幸い、縛られてはいなかったし。 そうなれば奴らもさすがに降伏するだろ。 |
■ギャルム To:ALL |
突撃は、オレとウェインと、スカンピンかな。 扉からジンたちに武器を渡すのは、レヴィンとミレイアに頼んでいいか? |
■ミレイア To:ギャルム |
分かりました。やってみます。 |
■ウェイン To:ALL |
ああ、そうだね。 顔、隠すかい?(笑) |
■スカンピン To:ウェイン |
こういうのはじゃな、雰囲気が大切じゃ。 |
嬉々として、口元を覆い始める。
そうして打ち合わせを済ませた冒険者達は、まず入り口の扉をロープで縛って封鎖した。
次に、全員顔を布で隠して面が割れないようにする。
ギャルムはレヴィンにジンのメイジスタッフを渡し、ミレイアはリフィルのシャムシールを預かった。
そしてそれぞれに準備を整え、ギャルム、スカンピン、ウェインの3名が搬入口から、大きな音を立てつつ突入を始めた。