#140 灰色の紋章

4-1a 売人たちのアジト

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売人たちのアジト
ジンとリフィルは、売人たちに連れられてしばらく歩かされた。
近くからは水音が聞こえる。ハザード河の近くなのだろうか。
そして、ごくごく普通の倉庫にジンとリフィルは連れ込まれた。

そのころ、尾行中のギャルムは売人たちに気づかれることなく、アジトの倉庫まで無事に尾行できた。
他のメンバーも、しばらくして倉庫の前で合流した。
■ギャルム To:外組ALL
…(耳をすませて)…まいったな、ここからじゃ中の声は聞こえそうにないよ。

■スカンピン To:ギャルム
ギャルムなら倉庫に入ってしまってもバレはせんのじゃ(モゴモゴ)

スカンピンの髭だらけの口を片手でむぎゅっとふさいで、
■ギャルム To:スカンピン
しーっ、声がでかいって。(汗)
オレ1人でなら、入れるかもしれないが…
それほど音が響く構造じゃない感じもするしな。

■ミレイア To:外組ALL
上の方に換気用の鎧戸があるみたいです。
登って、調べますか?

■ギャルム To:ミレイア&外組ALL
…(見上げて)6メートル、ってとこか…

■ミレイア To:ギャルム&外組ALL
あの……実はこういったこともあるかと思って、登攀用のロープを用意してます。
鉤爪も付いているので、鎧戸のくぼみに引っかけられると思います……これで登攀が楽になるのではありませんか?

■ギャルム To:ミレイア
おっ、用意がいいな。
ロープがあればよっぽどヘマしない限り大丈夫だ。
借りていいかい?

■ミレイア To:ギャルム
どうぞ。その為に持ってきたものですし……。

■レヴィン To:外組ALL
位置の特定さえできれば会話を拾うことは可能だと思う。シルフの力を借りることができれば、だが。建物の中ってのはシルフの力が及びにくいんだがな・・・

と、レヴィンは精霊の声を聞こうと試みた。
周囲には、シルフ(風が吹いている)の気配と、建物からブラウニーの気配が感じられる。
■スカンピン To:レヴィン
会話もいいが、カトリーさんがいるかも調べるのじゃぞ〜。会話中なら楽勝じゃろうて。

■ギャルム To:外組ALL
よし、こうしてても埒があかないし、登ってみるか。

ギャルムはロープを投げて鉤爪を引っ掛け、音を立てないよう慎重に登り始める。
なんとか成功し、鎧戸の前まで辿り着いた。
鎧戸は鍵も掛かっておらず簡単に開くようだ。音もなく鎧戸を開けると、そこは広い吹き抜けになっており、鎧戸の周囲に窓を開けるための細い通路が設けられている。
地面の方には明かりがあり、ジンとリフィルが複数人に囲まれて居るのがわかる。
■ギャルム
(…無事か、よかった。さて…)

ギャルムは中に聞こえないような声量で、レヴィンに仲間の位置を説明した。
■レヴィン To:ALL
幸いなことに建物の中にもシルフの力が及ぶようだ、やってみよう。うまくいくと良いが・・・

ウィンドボイスは発動したようだ・・・
■ウェイン To:ギャルム&ミレイア
さすがだな、二人とも…

ギャルムは一旦降りて来て、倉庫の周りを回ってくることを仲間に告げると、移動を開始する。
■売人のジョー To:ジン&リフィル
そら、そこの椅子に座んな。
ゆっくり話を聞かせてもらおうじゃないか。

まず、お前らは誰の指示で動いているんだ?
しばらく前にやってきたギルドの女の知り合いじゃねえのか?

■ジン To:売人のジョー
店でも話したが、俺達は薬を買いに来ただけだよ。
ふむ・・・君達より偉い人はここにいないのかい?

■リフィル To:ジン、売人のジョー
ジンの言うとおりそう言う事です。
で、こんな場所まで連れてきて、納得して貰うまで薬も売れない…とか言わないでしょうね?
第一、酒場からギルドの女とかしつこいですよ。誰なんですかソレは?

愚痴を言いながらも、辺りを見渡して状況を確認中。
奥の方は明かりがついておらず、こちらからは見渡せない。
チンピラ達はニヤニヤしながらこちらを見ている。
かなり油断している様だ。
■売人のジョー To:ジン&リフィル
本当に何も知らないのか……?
一応、”今は”俺が一番上だよ。

まあ、手荒なことをして済まなかった。このところ色々あったもんでな。
じゃあ、早速仕事の話と行こうか。
で、幾ら用意できる? どれ位欲しいんだ?

■リフィル To:売人のジョー
500ガメル分以上出せますか?
此方も何度もこんな目に会うのは願い下げですしね

■リフィル To:ジン
ってコレ位使っても構いませんよね?

■ジン To:リフィル
ん。まあとりあえずそんなものか。

■売人のジョー To:リフィル
ああ、それくらいなら在庫があるよ。
先に金を見せな?ブツはそれからだ。

■ジン To:売人のジョー
本当に疑り深いんだな(^^;
ほら、ちゃんとここに用意してある。

ジンは懐から銀貨の詰まった袋を取り出して口を開けて見せる。
中身は1000Gほどありそうだ。
すぐに口を閉めて懐に閉まってしまう。
■ジン To:売人のジョー
おっと。さあ、金は見せたんだ。
次はあんたたちがブツを見せる番だぜ。
在庫の量と質によっては、500にさらに上乗せしてもいい。
この倉庫にあるのか?

■売人のジョー To:ジン>チンピラA
用心深くないと、こんな稼業じゃあ生きていけないからな。
お前さん達の”誠意”は理解したよ。
(チンピラAに向かって)おい、ブツを一袋持ってきな。

指示されたチンピラAは、ランタンを持って倉庫の奥へ移動した。
それと同じタイミングで、倉庫の奥にある窓へとよじ登り、中をうかがっていたギャルム。
■ギャルム
(…お、運良く明かりがやってきたな。…あの麻袋の山は…全部ヤクか? …カトリーは…いないか…)

しばらくして、何かを引きずる様な音を立ててチンピラAは戻ってきた。
そして、持ってきた麻袋をジョーに渡した。
■ジン To:売人のジョー
おいおい、その麻袋。マーファ神殿の紋章入りじゃないか。
大した念の入れようだな。偽の紋章で官憲の目をごまかしてるわけか・・・
こうも大胆なことをしては、街のギルドも黙ってないんじゃないか?

■売人のジョー To:ジン
(にやりと笑って)
いやあ、それは偽物じゃあ無いぜ。
正真正銘、マーファ神殿御用達の袋だよ。

ギルドな……だから最近注意を払ってるんだよ。
お前さん達を信用しなかったのは、その所為さね。
さあ、中を見てみな。

そう言って、麻袋の中から包みを一つ取り出し、ジンに渡した。
■ジン To:売人のジョー
!?・・・本物だと?

驚いた様子で渡された包みと袋の紋章を交互に見るジン
■リフィル To:売人のジョー&ジン&ちんぴらA
なるほど、神殿の紋章でしたか。何処かで見た記憶はあったんですよ
神殿公認ですか、上手い事考えましたね。神殿ならほぼ各地に在りますから、連絡も調達も自在ですし
ところで、その中身は本物なんでしょうね?
少し中身を使って良いですから、あなた(ちんぴらA) 今、目の前で試してみて下さい
そうすれば、効果的な使い方も判りますし

■売人のジョー To:リフィル>ちんぴらA
まあ、袋の件はそう言うことにしといてくんな。
色々とからくりはあるんだが、お前さん達に話す義理はないからな。

おい、良いから少し吸ってみな。

ちんぴらAは袋から取り出した麻薬を手の甲に乗せると、鼻から吸い込んだ。
少したつとちんぴらAの目はうつろになり、その場に座り込んでしまった。
■売人のジョー To:ジン&リフィル
ご覧の通り、正真正銘の本物さ。
さあ、これで良いだろう? 取引と行こうじゃないか。

■ジン To:売人のジョー>リフィル
相棒と話がしたい・・・すまんが部下を少し下げてくれないか。
リフィ、ちょっといいか

リフィルをひっぱって窓際(R10)まで下がるジン。
売人達に見えないように、リフィルにウィンクを送る。
その後、リフィルと小声で相談のふりを始める。
次第に激したような口調になり、壁を叩いて口論するような雰囲気にしていく。
■売人のジョー To:ジン&リフィル
おいおい、いったいどうしたんだ。
こんなところで仲間割れか?

その頃、ギャルムが偵察を終えて仲間たちのところへ戻って来た。
倉庫の奥の様子、搬入用入口とその奥には何もなさそうなこと、などを告げる。
■ギャルム To:ALL
カトリーはここにもいないようだし、やつらをふんじばるしかなさそうだな。
ここの扉の取っ手をロープで封鎖しておいて、搬入用入口から派手になだれ込むか…そうだなぁ…薬を強奪しに来たチンピラでも装うか。(笑)
なるべく油断させて、さっさと気絶させようぜ。
で、奴らの戦力を分断させたらこの扉からミレイアと…誰かもう一人が入っていって、ジンとリフィルに武器を渡す。幸い、縛られてはいなかったし。
そうなれば奴らもさすがに降伏するだろ。

■ギャルム To:ALL
突撃は、オレとウェインと、スカンピンかな。
扉からジンたちに武器を渡すのは、レヴィンとミレイアに頼んでいいか?

■ミレイア To:ギャルム
分かりました。やってみます。

■ウェイン To:ALL
ああ、そうだね。
顔、隠すかい?(笑)

■スカンピン To:ウェイン
こういうのはじゃな、雰囲気が大切じゃ。

嬉々として、口元を覆い始める。
そうして打ち合わせを済ませた冒険者達は、まず入り口の扉をロープで縛って封鎖した。
次に、全員顔を布で隠して面が割れないようにする。
ギャルムはレヴィンにジンのメイジスタッフを渡し、ミレイアはリフィルのシャムシールを預かった。

そしてそれぞれに準備を整え、ギャルム、スカンピン、ウェインの3名が搬入口から、大きな音を立てつつ突入を始めた。

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GM:teshima