常闇通り・安酒場街2 |
安酒場街の夜は始まったばかりである。
そこかしこに街娼と値段の交渉をする男や、既に出来上がって裏路地に座り込んでいる者など……多くの人で賑わっている。
裏路地に座り込んでいる者の中には、うつろな目でぼーっと空を見つめている人間もいる。
■ギャルム To:ミレイア、ウェイン |
(うつろな人を視線で示し)あいつなんか、いかにもだな。 えーっと確か…「あの新しいヤク」で通るってウェドラーは言ってたか。 |
座り込んでいる人に近づき、隣に立て膝でしゃがみこむギャルム。
■ギャルム To:うつろな人 |
よぅ。空はきれいかい? 街は汚くても、星空だけは変わらねぇよな。 |
■うつろな人 To:ギャルム |
……あ、あぁ。 良い夜空だなぁ。こうやってぼーっとしてると、嫌なことを忘れるなぁ。 |
■ギャルム To:うつろな人 |
嫌なこと、か。 オレも忘れたいな。例の新しいヤク…なら、忘れられるか? |
■うつろな人 To:ギャルム |
……なんだ……お前もヤクが欲しいんだ……。 あれは良いぞぅ。気分がすぅーっと落ち着いて。 もう日々の面倒な事なんか忘れてしまうくらい良いぞぅ……。 |
■ウェイン To:ミレイア |
(ギャルム達の様子を見ながら)お?もしかして当たりかな? |
■ミレイア To:ウェイン |
そうかもしれませんね。 こんなにすぐに見つかるなんて思いもしませんでした。 |
ミレイアは、嬉しそうな表情でウェインに答えた。
■ミレイア To:ウェイン |
でも、いったい何を話しているんでしょうね? |
ウェインに耳打ちするように囁く。
ミレイアは意識しているわけでは無いだろうが、端から見ると、本当に客と娼婦が囁きあってるように見える。
■ウェイン To:ミレイア |
う〜ん、やっぱり専門的な話術ってあるのかな? |
同じようにこそこそと会話。
自分達がどのように見えているのかいまいち分かっていない様子。(笑)
■ギャルム To:うつろな人 |
そうか。今すぐ忘れたい嫌なことがあったんだ…。 さっきひっかけた街娼に、先客がいたんだよ… |
そう言ってちらりとウェインを見る(笑)
■ギャルム To:うつろな人 |
もうオレ、自分の運の悪さを呪いてぇ… ぜひそのヤクを買いてぇな… どこに行きゃ、買えるのかな… |
■うつろな人 To:ギャルム |
……金は持ってるかぁ? 持ってるんなら、すぐそこの「希望無き未来」亭に行ってみな。 店のおやじに、言えば20ガメルくらいで売ってくれるよ……。 |
■ギャルム To:うつろな人 |
あぁ…20ガメル位ならなんとか。(本当に安いんだな…) しかしなぁ、酒場だろ? 人目に付くのは嫌だなぁ…。 他に売ってるところはないのかい? |
■うつろな人 To:ギャルム |
あとはなぁ……。 この辺の何処かをうろついてる売人を捜さなきゃなんねぇな。 俺は面倒くさいからいつもそこの酒場で買ってるんだがね……。 悪いが売人の居場所は知らねぇ……。 |
■ギャルム To:うつろな人 |
ふ〜ん。 そうだ、もうひとつ聞いていいか? そこの街娼(ミレイア)に似てる女を見かけたことないかい? その…何ていうか、数日前にそいつと喧嘩して、この辺りで見失って…どっか行っちまったんだよな。 長い黒髪を後ろで一つに束ねてるんだけど。 |
■うつろな人 To:ギャルム |
うーん。2,3日位前かなぁ。 そこの「希望無き未来」亭から出てくるのを見たような気もする。 おれは夜はだいたいこの辺にいるからなぁ……。 でも、なんか娼婦には見えなかったぞ……。まあいいや……。 |
■ギャルム To:うつろな人 |
へぇ、ほんとか? どっちの方向へ向かったか、覚えてるかい? 酒代くらいは奢るからさ、教えてくれよ。 |
そう言って1ガメルを握らせてみたりなんかして。
■うつろな人 To:ギャルム |
おお、すまんな。 だいたいもっと通りの奥の方ににいるんじゃないかな。 行ってみると良いぜ……。 |
■ギャルム To:うつろな人 |
ありがとう。恩に着るぜ。 |
男の肩を叩いて立ち上がり、ウェインたちのほうへ。
■ギャルム To:ウェイン、ミレイア |
カトリーらしい人を見たそうだ。通りの奥のほうへ行ったらしい。たぶんそこに売人もいるんじゃねぇかな。 行ってみようぜ。 |
男から聞いた方向に向かい、売人を捜して安酒場街を歩く3人。
売人のいそうな余り人気のない路地に当たりを付けていく。
……1時間ほど探し回った頃、目指す売人が商売しているところを発見した。
■売人 To:客達 |
さあお前ら、いつもの奴だ。 これでも吸って良い気分になるんだな。 お代はたったの15ガメルさね。 |
■ギャルム To:ウェイン、ミレイア |
…お、ついに現場発見だな。 奴はアジトかどこかに帰るだろうか…オレ1人で尾行してみるつもりだが、構わないか? |
■ウェイン To:ギャルム、ミレイア |
そうだね、俺達がついていくとばれるかもしれないしな… ここら辺で待ってるよ。 なにかあったら、人手のある通りの最初に来た場所に行ってるよ。 あっちなら人通りもあるし、滅多な事も無いだろうし。 気をつけて。 |
■ギャルム To:ウェイン>ミレイア |
ありがとう。まぁ深追いはしないよ。 ミレイアはどうする? あんたも一応(失礼(^^;)ギルドの一員だろ。尾行は得意か? |
■ミレイア To:ギャルム |
えっと、今の私の格好だと尾行は難しいと思います……。 ここはギャルムさんにお任せしますね。 お気をつけてください。 |
■ギャルム To:ミレイア |
それもそうだな。了解。 さてっと、売人はいつ動くかな… |
売人のほうを見つめ、いつでも尾行できるよう身を潜めてる。
しばらくして、一人の男が売人に会いにきた。
男と売人はしばらく話したと思うと、男と連れ立って歩き始めた。
どうも、安酒場街の入り口方面に向かっているようだ。
■ギャルム |
? 奥へ行くんじゃないのか… |
尾行開始。
ギャルムの尾行は売人たちに気づかれた様子は無い。
そのうち、路地の方々から数人の男たちが合流してくる。
その数は全部で5,6人になった。
■売人 To: |
まったく、やっとこの前の女を何とかできたと思ったのによぅ……。 またギルドの密偵なのかねぇ。 まあいいや、数に任せてちゃっちゃとやっちまおうぜ。 |
売人の話に合わせて、他の男たちが下卑た笑い声で答える。
やっぱり尾行中のギャルムに気づいた者はいないようだ。
■ギャルム |
(げっ、数が増えやがったか…まさか、他の誰かが勘づかれた?カトリーに手ぇ出した奴らみたいだな…もうちょっと様子見るか) |
ギャルムが尾行続けると、やがて一番最初の通りに出た。
売人達は「希望無き未来」亭に入って行くようだ。
しかも、売人と一人の男だけが表から入り、残りのメンバーは裏口から店に入っていった模様である。
当たりを見回すと、先ほど別れたウェインとミレイアが表通りに立っているのに気付いた。
■ギャルム To:ウェイン、ミレイア |
…よっ。結局一回りしちまったよ(苦笑) |
■ミレイア To:ギャルム |
ご無事で何よりです。売人の動きはどうでしたか? |
■ウェイン To:ギャルム |
おかえり、こっちは特に何も無かったよ。 今その店に入っていった人がさっきの人かな? |
■ギャルム To:ミレイア&ウェイン |
ああ、そうだよ。尾行には気づかれてないようだけど。 途中で5、6人の怪しげな男たちと合流してたよ。 で…そいつらは裏口から入って行った。 |
■ウェイン To:ギャルム&ミレイア |
いかにも何かあるって感じだね… |