ローシーズ村・マーファ礼拝所 |
程なく、村の中央から少し外れた所にあるマーファの礼拝所に到着した。
質素で余り大きくない礼拝所は、今や臨時の診療所と化している。
ニアリースは一行を自分の私室に案内した。
案内される途中、石皮病で苦しんでいる3,4人の患者が礼拝所の仮設寝台に寝かされているのを目撃した。
■ジン To: |
・・・ |
患者達を目を細めて見つめるジン。
そして、不思議そうに周囲を見回す。
しばらく立ち止まっていたが、気づいたようにみんなについていく
■ニアリース To:ALL |
さあ、余り広くありませんが、どうぞ荷物を下ろして一息ついてください。 今、お茶を淹れてきますから。 |
■ライル To:ニアリース |
ありがとうございます。 |
■ギャルム To:ニアリース |
あぁ、悪いな。 適当でいいよ。 |
荷物を下ろして、適当に座る。
■アビィ To:ニアリース |
私で出来ることがあるなら手伝うが……。 ニアリース殿、先に患者の様子はみないでいいのか? |
■ニアリース To:アビィ,ALL |
とりあえず、今のところは手伝って頂けることは無いと思います。 えっと……そうですね、さっき様子を見たら、特に容態の悪化は見られ無かったので安心していたのですが……。 ……やはり先に患者の皆さんの様子を良く見てきます。 しばらくお待ちくださいね。 |
そう言うと、慌てて礼拝所のほうに向かっていった。
■ジン To:リュント、ALL |
やはりこの村全体が、大地の精霊を強く宿しているようだな。 当たり前の話だが、石皮病の患者達も狂える地霊に憑かれている。 だが、この建物自体は精霊の力が均衡に保たれている・・・。 なぜかはわからぬが、まあ患者達にとってはこの上ない場所だろうな。 |
■ギャルム To:ジン |
へぇ……そんなことってあるのか。 |
不思議そうにあたりを見回す。
■シャッケル To:ジン |
この場所にはマーファ神の加護があるのかもしれんな。ひひ。 …しかし、村全体の精霊力の均衡がおかしいとなると、たとえコカトリスをどうにかしてヘンルーダを手に入れたとしても、それだけでは根本的な解決にはならんかもしれんのぅ… |
■リュント To:ジン&シャッケル |
ここが何かに守られているかの原因を突き止めれば、根本的な解決になるかもね。 |
■ジン To:シャッケル、リュント、ALL |
精霊力の均衡が崩れる理由・・・か。 そいつを議論するには、まだ情報が少なすぎるな。 この数ヶ月で何か変事がなかったか、村人達に聞いてみる必要があるかもしれん |
■リュント To:ジン |
そうだよね。 村長のにでも話を聞いてみたいね。 |
■ジン To:リュント、ALL |
ああ。後で村の見廻りも兼ねて聞き込みにいこうか |
それからしばらくして、患者達の様子を見てきたニアリースがお茶を淹れて戻ってきた。
■ニアリース To:ALL |
とりあえず、患者さんたちは特に変わった様子はありませんでした。 お茶を淹れて来ましたので、どうぞ一息つかれてください。 |
そう言って、みんなに入れてきたお茶を配り始めた。
■シャッケル |
ひひひ。いただくぞぃ♪ |
爺ぃは一番にそれを受け取って、あちちとか言いながらすすり始めた。見るからにうまそうだ。
■ライル To:ニアリース |
…うん。美味しいですね。 |
■ギャルム To:ニアリース |
ありがとうな。 ところで、患者はここにいるだけで全部か? 思ったより少なかったな。 |
■ニアリース To:ギャルム |
今のところはこれだけで済んでいる……と言った方が良いのかも知れませんね。 急に患者が出た原因が分かればまた違った手が打てるんでしょうけど……。 |
■シャッケル To:ニアリース |
ふむ。最近の村人の動向や、生活の様子などを詳しく話してもらえんかね。 地元の人間には気づけぬでも、わしら外の人間だから気づけるような事があるかもしれんしな。 |
■ニアリース To:シャッケル&ALL |
私がこの村に赴任したのが約二ヶ月前です。 それからの事で良ければお話ししますが、畑を持っている方は畑の世話をし、猟をされる方達は森に猟に行き、女性の方は飼っている家畜の世話をしたりと、ごく普通の様子だと思います。 子供達が遺跡に行ったと言う話も聞かないです。 あとは、一月ほど前にわたしが遺跡の調査に行ったくらいしか、 特筆するような出来事はありませんね。 必要であれば後で村の方とお話出来るように手配しましょう。 |
■ジン To:ニアリース |
前にも聞いたが、遺跡には本当に何もなかったのかい? 何かを移動させたり、壊したり、持ち帰ったりはしなかった? |
■リュント To:ニアリース |
それと、遺跡を捜索できるような能力がある人とかはいない? 例えば元冒険者とか、流れて来た人間とか? |
■ニアリース To:ジン&リュント, ALL |
えっと……正確には「金銭的価値のある物はなにも無かった」です。 実は、遺跡の奥にあった台座に載った1つのガラスで出来た珠を持ち帰りました。 材質などを鑑定してみて、金銭的価値があるものではないので、皆さんには特にお話しませんでしたが……。 あと、元冒険者の村人は居ませんし、ここ最近村周辺に冒険者が来た様子はありません。 また同様に、流れ者が来たと言うこともありません。 (おどおどした調子で) あの、もしかしたらさっき言ったガラスの珠が、今回の事件の引き金になったのでしょうか……。 |
■アビィ To:ニアリース |
もしかして、患者がでた時期と、その珠を持ってきた時期とは重なるのか? |
■ニアリース To:アビィ, ALL |
いえ、時期的に言えば珠を持ってきた後一月くらい経った後でした。 最初の患者が発生したのは。 そう言われると確かに、あの珠と関係がありそうですね……。 |
■ジン To:ニアリース |
なるほど。確かにその可能性は否定できんな・・・。 その珠、今ここで見ることはできるのかい? |
■ニアリース To:ジン, ALL |
あそこに置いているのがその珠ですよ。 |
そう言って、机の上を指さした。
そこには、15cmくらいの大きさの茶色の珠が置いてある。
■ライル To:ニアリース |
これか… |
■ジン To:ニアリース |
・・・拝見しよう。 |
■リュント To:ニアリース |
ちなみにニアリースさん、あんたが持ち帰ったって言ったろう? 台座に載った珠を持ち帰ったって言ったけど、実はコカトリスがその珠で封印でもされていたんじゃねえ? それならつじつま合わねえか? あんたが遺跡の調査をした時にはコカトリスに合わずに奥まで行けて、今は住み着いている。 それまで病気も発生していなかったのに、今は発生している。 詳しく調査をしてみなきゃわからねえけど、大地の精霊を調整していたか、コカトリスを封印していたかだろうな・・・ |
■ニアリース To:リュント |
そうですね……。 私が軽率にも遺跡の物を動かしてしまったばっかりに……。 こんな事になってしまったとは、何と村の人に謝ったらよいか……。 |
ニアリースは青ざめた表情で言った。
かなり気落ちしている様子である。
■ギャルム To:ニアリース |
まだ決まったわけじゃねぇ、落ち込むのはまだ早いぜ。 確かに軽率な行動だったかもしれないが、幸い命を落とした人はいないんだ、珠のせいだとしても、まだ間に合うよ。 |
苦笑しながらなだめる。
■リュント To:ニアリース |
そうそう! 落ち込むのは事件を解決した後の反省会で。 |
ここまで落ち込むと予想せず言ってしまった自分の言葉に慌ててフォロ〜
■ギャルム To:ニアリース |
で、何故持ち帰ったんだ? 単なる好奇心かい? |
■ニアリース To:ギャルム&ALL |
ええ、その通りです……。 元々珍しい物は好きですので、遺跡調査の記念となればと思って持ち帰ってしまったんです……。 |
■ギャルム To:ニアリース |
そうか…ま、仕方ないな。 |
■シャッケル |
ふぅむ… |
爺ぃは近寄ってそれをじろじろ見つめている。
■シャッケル To:ALL、ジン |
どうもわからんなぁ。古代遺跡からの出土品ということで、好事家に売り込めば、まあ100ガメルといったところだと思うが…どうぢゃジンよ、なにかわかるかね? |
■ジン To:シャッケル |
そうか・・・賢者殿にもわからんのなら、これしかあるまい。 |
ジンは背中から魔法の杖を引き抜くと、短く詠唱して印を結ぶ。
大きな変化はないが、ジンの双眸に静かな光が湛えられた。
■ジン To:ALL |
・・・やはり、強い魔力を持った物品のようだ。 このサイズのオーブは古代王国期にも特に多用されたタイプ。 用途までは特定できんな。 あと、このオーブからは大地の精霊力だけが全く感じられん。 まるで穴が開いたように・・・な |
■リュント To:ジン&ALL |
これが大地の精霊力の吸引機みたいな感じだね。 あとは大地の精霊力が強くなっている原因も分かればだね。 |
■アビィ To:リュント&ALL>ニアリース |
遺跡に大地の力を強化する機構でもあるのかもしれないな。 オーブをはずした関係で、そのあたりのバランスがくずれたとか……今の段階では予測の域を出ない話ではあるが。 確認させてもらうが、依頼の怪物……コカトリスも最近になって出現したのか? |
■ニアリース To:アビィ, ALL |
はい。どこからともなく現れました。 村の猟師が最初に確認したのは、今から2週間くらい前です。 |
■ジン To:ニアリース、ALL |
この村と、怪物がいる遺跡周辺の地形がわかる地図みたいなのないかい? 怪物退治の作戦を立てるのに役立つかもしれん。 |
■ニアリース To:ジン |
私が書いたもので宜しければすぐにお見せできますが……。 ちょっと待って頂けますか。 |
■ジン To:ニアリース |
ああ、それで充分さ。ありがとう。 |
ニアリースは自分の机の上の書類から目的の地図を見付けると冒険者達に見せた。
■ニアリース To:ALL |
これが周辺の地図です。こんなもので宜しいですか? |
■リュント To:ALL |
取り敢えずこれで作戦を立てさせてもらって、 下見でも行く? 俺が斥候にになっても良いけど? |
■ジン To:リュント |
遺跡の周辺にはコカトリスがいるんだ。 万が一と言う事も在る、行くのなら皆で行こう。 さしあたっては・・・この森から遺跡周辺の様子を窺うか・・・ 皆、飛び道具は持っているのか? |
■ライル To:ジン |
俺は無いな。もしもの時は近接に持ち込むよ。 |
■ギャルム To:ジン |
まぁ、一応な。 |
■シャッケル To:ジン |
ひひひ。わしはそれが本職ぢゃからのぅ。 |
爺ぃは腰から1mくらいの棒をスパッと引き抜くと、ひゅんひゅんと振り回した。スタッフスリングのようだ。
その手さばきはなかなかのものだが、屋内では正直危ない。ちょっとやめてほしい。
■リュント To:ジン&シャッケル |
じ、じいさんあぶねえよ!! 遺跡へはみんなで行った方がいいのかな? 隠密行動とか、罠を仕掛けるとか、偵察を出来るのが今回は3人もいるから、 やりやすいと思ったんだけど・・・ ま〜みんなで行ったからと言って、すぐに遭遇するとも限らないしな! |
■ジン To:リュント>シャッケル |
もちろん、遺跡内部の事については君達プロにまかせるよ。 要は、戦力を分散させるのがまずいって話さ。 俺達後衛も、しっかり援護するしな。 |
■ライル To:ジン |
うん。 |
■アビィ To:ALL |
思ったのだが…危険をおかしてコカトリスと直接対決するよりも、先に遺跡を調べてみてはどうだろうか。 精霊のバランスとやらを元に戻すことができれば、怪物自体もいなくなるやもしれん。 病気がおさまれば、無理に怪物退治をする理由もなくなるしな。 |
■ギャルム To:アビィ&ALL |
ああ。コカトリス自体が村を襲っているわけじゃないから、ぶっ殺さずに済むならそのほうがいいな。 |
■ニアリース To:ALL |
そのことですが……。コカトリスは遺跡に住み着いているようです。 遺跡を探索するにしても、コカトリスを誘き出すなりしないと中に入るのも難しいと思います……。 |
■シャッケル To:ニアリース、ALL |
ふむ。やはりコカトリスといきなり対決は避けたいところぢゃが、まずその様子を調べる事は、先決ということになるかのぅ… |
■ギャルム To:ALL |
じゃあ、今から全員で様子を見に行くかい? オレとしちゃ、日も落ちてきたし今から行くにはちょっと危険な気がするんだが…。 たいまつの灯りじゃ遠くまで見えないし、逆にコカトリスに自分の位置を知らせてしまうかもな。 |
■リュント To:ギャルム&ALL |
この後、村長とかの聞き込み&接待の方が良いよね。 爺さんもそれを一番期待しているし! |
■シャッケル To:リュント、ALL |
それぢゃ! それが無いとやってられん! この仕事が成功するかどうかはそれにかかっとるのぢゃ〜!! |
立ち上がって大げさに喜ぶ爺ぃ。
…まあモチベーションが仕事の成否に影響するとすればある意味正しいといえなくもないが、微妙。
■ギャルム To:シャッケル&ニアリース |
むしろそれがメインだろう爺さんは。(汗) ……ということだから、村長さんのところへ案内してもらえるか?(苦笑) あ、患者のこともあるだろうから、場所を教えてくれるだけでいいよ。 |
■ニアリース To:ギャルム&ALL |
分かりました。村長の家は村の中央から少し外れたところの大きな一軒家です。 冒険者の皆さんが来ることは伝えておりますので、突然訪ねても大丈夫ですよ。 ……それでは私は患者さんの看病を続けていますので。 |
■リュント To:ALL |
んじゃ、場所を変えて宴会!違った。 聞き込みと行こうよ! |