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SW-PBM Scenario#133 純恋花 |
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モンターナ山・山頂付近 |
純恋花のクキや根が砂山のようにもろく崩れ落ち、やがてそれらはまるで霧のように……空中に拡散し、消えていった。
天を仰ぐように咲いていた銀の花は、土台が崩れると同時にみるみるうちに縮んでいく。
支えを失ったエスターテの身体は、力無く地面に倒れた。
先ほどまでおぞましいクキが生えていた背中からは、細く繊細なクキが伸び、その先に縮んだ銀の花がやさしく揺れていた。
あたりの霧はいくぶん薄くなったが、まだ晴れる気配はない。
■キルリック To:ALL |
これが本来の純恋花の姿なんですね。 |
■オルフェ To:ALL |
愛が土に、命が糧になって白が銀に変わる……というあたりで、気付くべきだったのかもね。 |
■ミリスレスカ To:ALL |
まさか、ホントに寄生植物だったなんて……。 |
■エスターテ(幽霊) To:キルリック&ALL |
あぅ……私の背中から生えてるなんて〜(>_<;) |
自分の死体を前にして、かなり複雑な表情。
■リエラ To:エスターテ |
まあまあ。 きっとエスターテさんのナイコス先生への愛が本物だったから、銀の花が咲いたんだと思いますよ。 |
■エスターテ(幽霊) To:リエラ |
そうなんでしょうかぁ……。 私の思いが……。 ……。 先生……お姉ちゃん…。…ぐすっ。 |
泣きべそ顔で空中をふよふよと漂う。
■ミァ To:エスターテ>純恋花 |
まあったく、辛気臭い幽霊でスネー。 泣いてたら残された人間が心配しちゃうーでスヨー? しっかし、随分と様変わりしたモンでスネー。 まるでさなぎが蝶になったみたいなのでスー。 |
■エスターテ(幽霊) To:ミァ |
あぅぅ……辛気くさいって言われてもぉ、幽霊ですしぃ(/_;) |
ごしごしと涙をぬぐう仕草。
■ミァ To:エスターテ |
甘いぃ!!!!(びししッ) そんな甘えた精神だから駄目ダメなのでスヨー。 陽気で明るい幽霊が居たって、いーじゃありませんカー。 既成のワクに囚われない強い気持ちが大事なのでスー(>x<)ノ゛ |
■エスターテ(幽霊) |
……は、はいぃっΣ(>_<;) が、がんばりますぅ。 |
何をがんばるのだろうか(笑)
■キルリック To:ALL |
歌の中では、『「銀の花」を持ち、愛する者の頬を撫でると、あなたが望んだ奇蹟が起こります。』、と歌われていますが、花おばばは、『使い道はただひとつ、愛するものの命を助ける』と言っていましたね。 エスターテ、村人、この土地の精霊の安定化、全てを望むのは欲深き事なのでしょうか? 今思えば、守り人ととしてこの土地に縛られている花おばばも、救うべき人なのでしょうか? |
■リエラ To:ALL |
う〜ん、私はあまり多くは望まない方がいいと思います。 多くの人が救われて、その原因が「銀の花」にあると知られてしまうと、またこの花を望む人がここに押しかけてきてしまわないとも限りませんし。 |
花おばばの話してくれた悲劇が気になる様子。
■ミァ To:ALL |
んに、ミーもリエラっちに同感ですかネー。 とゆーか村人たち、何もせずに救ってもらおうなんて甘いでスシー?(・x・) だいたい銀の花の奇跡に万能を求めたら、それこそミーたち、花おばばばっちが話してくれた愚か者になる気がしマーーースゥ。 |
■オルフェ To:ALL |
余り多くの事は望めない、というのは私も同感だね。まあ、エスターテを元に戻してやれるなら、それが最善だとは思う。 でも花おばばも言っていた通り、死者を救うなんて事は神の御業だ。例え銀の花でも難しいだろう。 なら、せめて彼女の魂を救ってあげないといけない。 |
■オルフェ To:エスターテ |
どうかな? 君の身体は、見ての通り死んでしまっている。 これでは元に戻ることは、正直に言って難しいだろう。 せめて心残りを晴らしてあげたいんだけど……そう、具体的にはナイコス氏に銀の花を託して、エリスの病気を治すのにこれを使いたいと思う。 それで……納得できるかい? |
■エスターテ To:オルフェ |
…はい。 お姉ちゃんが死んじゃったら、先生、悲しいと思います…。 私、先生の悲しい顔、見たくないですぅ…。 |
迷いのない声で(しかし少しだけ寂しそうに)言った。
■ミリスレスカ To:オルフェ |
でも……でも、オルフェさん。エリスさんは、それで納得できるでしょうか? それに、ナイコスさんだって、きっと心残りになってしまうと思うの……。 エスターテちゃんを銀の花で救えないのか、試してみるわけにはいかないでしょうか? |
■オルフェ To:ミリスレスカ |
ああ、その可能性はゼロじゃない。 銀の花の力が、どれほどの奇跡を起こせるかは未知数な部分もあるからね。 でも、簡単に試してみる……というわけにもいかないんだ。 銀の花の力にも、勿論限界があると思う。 もし効果が無かった場合にはエスターテの犠牲を無駄にすることにもなりかねないんだよ。 それなら、前例がある病気の治療に使うのが確実じゃないかと思うんだ。 その後に試してみる、というのなら構わないとは思うけどね。 私もさっき言った通り、可能ならエスターテを救うのが最善だとは思ってる。 でもそれが可能なら、襲われたエルフ達がその時に使っていたんじゃないかな。 それにね、ミリィ……花おばばも言っていただろう? 人を不死の精霊から救えるのは神だけだと。 私もそう思うんだ。 |
■キルリック To:オルフェ&ALL |
わたしは、花おばばが、銀の花の事を『神』と言っているのではないかと思う節がありませんか? 私たちをいさめる時に、『触らぬ神に祟りなし。』と言っていました、例えであるとしても、銀の花も『触れてしまったが故に命を奪われた。』という事に変わりはありませんよね? 目の前の救える命を救うのは神官としての当然の義務ですが、私も神に誓ったと言う理由の他に、私の気持ちとして、エスターテの蘇生を第一に考えたい。 エスターテの命で咲いた花だ、エスターテの事を第一として使っても良いと思うのですが、どうでしょうか? |
■エスターテ(幽霊) To:キルリック&ALL |
…ありがとうございますぅ…とっても、うれしいです。 でも、でも私…。 私の命で、銀の花が咲いたのなら、それを、先生のために…使いたい…。 私、先生を助けたくて、山に登りました。 でも、ひとりじゃなにもできなくて、死んじゃいました…。 お姉ちゃんがもうすぐ死んじゃうことも、先生がお姉ちゃんを好きだったこともなんにも、なんにも知りませんでした。 私、先生にしてあげられること、何もなかった…。 でも、今はあるから…だから…。 |
エスターテは声を詰まらせ、両手に顔を埋めた。
彼女の身体から生えた銀の花は、ただ静かに瞬くように揺れていた。
それはとても美しかったが、同時にとても儚い最後の力のようでもあった。
■キルリック To:エスターテ |
誰かが死ねば、誰かが犠牲になればと言う話では無いですが、私は貴女に生き返ってもらいたいです。 確かに今、生き返るのを完全に諦め、銀の花をナイコスさんに渡し、エリスさんを救うことが出来るかもしれません。 勝手な思い込みですが、そのことをエリスさんが知った時、エリスさんは奇跡を自分の為に受けるかどうかは、分からないと思いますよ。 それよりも、私は、あなたが元気な姿がになって、もう一度エリスさんにぎゅっと抱きついてあげる方が良いのでは無いですか? |
■エスターテ(幽霊) To:キルリック |
……。 |
エスターテは迷うようにスカートの裾を握りしめている。
■ミァ To:ALL |
(ぷしゅううぅぅううううう←?) に、人間じゃないミーには、愛だの恋だのは思考の範疇外のがい、なのでスー(@x@) |
ぱたり、と突っ伏すミァ。
グラスランナーには少々難しい話題だったらしい。
■ミァ To:エスターテ |
(む、むくり)・・・だからあんまり分かんない、ですケドー。 でもエスターテっちが、本当にやりたいと思ったことをすればいーと思うのでスヨー。 イイコちゃんに振舞ったり、エリス姉っちに遠慮することナクー。 他者中心的じゃーなく、自分勝手に、やりたいよーにやった方が、何が起こっても後悔しないと思うのでスー(ーxー) |
■エスターテ(幽霊) To:ミァ |
わ…私の、やりたいこと……。 |
■ミリスレスカ To:エスターテ |
……そうだよ、エスターテちゃん! やる前から諦めちゃダメだよっ! エリスさんにもエスターテちゃんにも同じだけ、幸せになる権利があるはずだよっ! ゼロじゃない可能性なら、成功するかもしれないもんっ!! |
涙をいっぱいにためて、エスターテをにらむように見据えながら叫ぶ。
■ミリスレスカ To:キルリック&アリエ |
このまま何もできないなんてコト、認めたくないよっ!! それに神様だって、絶対ぜったい、こんな不公平なことを認めるわけ、ないですよね!? だって……だってエスターテちゃんは、何も悪いことなんて、してないのに……。 |
■エスターテ(幽霊) To:ミリィ&ALL |
ミリィさん……あぅ。…ぅわ〜ん。 |
エスターテはミリィの涙を見てつられたのか、大声で泣き出した。
そこへ、後ろからサク、サクと足音が近づいてくるのが聞こえた。
■花おばば To:ALL |
おやおや……そろそろ死体が増えているかと思って来てみれば……ヒェッヒェ…… 皆、無事だったようじゃの……。 おお……純恋花も見事に咲いておる……。 |
花おばばが変わらぬ微笑をたたえながら、皆の間からエスターテの身体から生える純恋花を、愛しそうに見ている。
■ミリスレスカ To:花おばば |
そんな、ひどい……ボクたち、駆け出しだけど冒険者ですよ? あんな霧になんか、まどわされたりしませんでしたよ〜 (><) |
……見事にひっかかっていたのは、記憶にないようだ。
■花おばば To:ミリスレスカ>ALL |
そうかぇ……ヒェッヒェ…… さぁ、おぬしら、どうするんじゃ。 純恋花を持って帰るのか。 純恋花を何に使うつもりじゃ。答えによっては……ヒェッヒェ……わしもエルフの血が半分流れておるからの…… |
そう言って笑う花おばばの目には、敵意や殺意は感じられない。
むしろ目の前にいる冒険者たちを試すような、うかがうような視線だ。
■ミァ To:花おばば |
んに、その答えは・・・・・ヒぇっヒぇっ・・・(=▽=) 現在頭ぷしゅぷしゅになりながら考え中なのですヨーゥ。 |
■ミリスレスカ To:花おばば |
……おばばさま、この花は、摘んでいっても効果が保てるものなんでしょうか? 保てないなら、連れて来たい人たちがいるんです……この子のお姉さんと、想い人を。 |
■花おばば To:ミリスレスカ |
苗床から外しても、枯れぬ……いったん銀になってしまえばの…… |
■オルフェ To:花おばば |
花おばば、私も聞きたいことがある。 おばばが生まれたのは、エルフ達が滅ぼされた後だったんだろう。 なら、滅ぼされたといっても全滅したわけじゃなかったのかな? もしそうであれば、生き残ったエルフ達はその時に純恋花を使ったりはしなかったのかい? |
■花おばば To:オルフェ |
わしの母親だけは運良く生き残っていたんじゃな…… たったひとりで、誰もいなくなったこの土地で花を守っておったんじゃよ…ヒェッヒェ…… わしを生んでまもなく力尽きて死んだがの…… 死んだ魂は甦らせることはできぬ……純恋花にできるのは……“死の淵”から救うことだけじゃ…… |
■オルフェ To:花おばば |
そう……か。 エスターテを救えるなら、本当はそれが良かったんだけどね……。 |
■オルフェ To:花おばば |
それからもう一つ。 純恋花の本体……というのかな。 大本のある場所が、分かるならば教えて欲しい。 ここで花を摘んでも、もう純恋花が生えないというわけでもないのなら、どこかにそれが有る筈なんだ。 |
■花おばば To:オルフェ |
ヒ…ヒェッヒェッヒェ。 純恋花は、たくさん咲いておるぞよ……ほれ、そこかしこ…おぬしの足元にも。 |
花おばばは周囲の白い花畑を悠々と見渡す。
■リエラ To:花おばば&ALL |
え〜〜〜!! ここにある白い花がそうなの!? こんなにたくさんあっても、銀の花に変わったのはエスターテさんのだけなんですね。 エスターテさん、そんなにもナイコス先生のことを…。 |
■ミァ To:エスターテ |
んににに。 エスターテっち、単なる泣き虫さんじゃ無かったんでスネー。 人間のがっつりした想いって深いのでスー(=x=).。o○ |
■花おばば To:オルフェ&ALL |
銀になるには、愛が要るんじゃ……それは、とても、とても強いちからじゃ。 めったなことでは、色は変わらぬ…… 死を賭すほどの気持ちがないとのぉ…… |
花おばばは泣いているエスターテを見て、にこりと笑った。
■オルフェ To:花おばば |
これが全部……化け物の先入観が強すぎて、考えもしなかったよ。 |
■リエラ To:花おばば&ALL |
……ということは、純恋花って、すごく悲しい花なんですね。 だって、死を賭すほどの愛が無いと銀の花にならないのに、肝心の銀の花が手に入った時には、その人は死んでしまっていて、生き返ることはできないってことなんでしょう? 愛する人を守るために、幸せにするために、自分は死んでしまうなんて、なんだか、御伽話の『人魚姫』みたいですね。せつなすぎます。 |
■リエラ To:花おばば |
なぜ、おばば様はそんな花を一人で守っているのですか? |
■花おばば To:リエラ |
……母の意志を継いだまでじゃ…… 母は自分のせいで純恋花の存在が知れ渡り、村が滅ぼされたことを悔やんでおった。 二度と人間の手に渡してはならぬとな…… |
■ミリスレスカ To:花おばば |
……おばばさま、ちょっと待ってください。 でも、エスターテちゃんを捕らえていた花は、明らかに歪められた存在に変じていました。 もし仮に、純恋花に人の感情で銀の花弁をつける習性があったとしても……この山に咲く純恋花は、やはり、エルフたちの呪いで自然ならざる姿に変えられてしまっているのではありませんか? |
■花おばば To:ミリスレスカ |
言ったであろう、“怒り”もまた純恋花を変えるとな…… エルフたちの怒りが、純恋花を異形の生物へと変えたのじゃ…… 当時は何体もおったがのぉ……餌がなければ生きていけぬのは怪物とて同じ…… あれはしぶとく生き残った最後の一体じゃった。 しかし、その怒りの矛先は常に人間へと向けられておったがの。 そこな小人も、まやかしには捕らわれなかったはずじゃろう……ヒェッヒェ…… |
■ミァ To:花おばば |
アレが最後の一体だったんでスカー。 んに、そーなるとミーたちは、エルフの怒り満点純恋花しりーずを壊滅させたってことになるですかネー。…サラバ怒りー(・x・)? とゆーか、考えてみれば当事者のクセに、純恋花は何も主張してませんネー(’’ ・・・・・・・。 れっつ、突撃いんたびゅー!!(((((>x<)ノ |
突然――ぱたたたたッと純恋花に近づいて、駄目もとで声を掛ける。
■ミァ To:純恋花 |
そっこの、純恋花とかゆー銀花さンー。ミーの声、聞こえてるでスカー? 聞こえてたら返事しやがりなサーーーイ。 聞こえて無くても返事しやがりなサーーーイ(=▽=) ねえねぇ、あんたさんは何望んでるでスカー? こんな大変な方法じゃなくちゃ咲くことの出来ないあんたさんにとって、何が幸せとゆーもんなのでスカー? |
銀色の純恋花は風にそよそよと揺れている。
花の意志が、ミァの心に流れ込んできた。
──ただ、咲くだけ
生き物の、感情が、わたしたちのなかに、はいってくる
ただ、それだけ──
■ミァ To:ALL |
・・・ただ咲くだけ、ですカー。 植物らしい自然体っちゃー、自然体ですケドー。 |
■リエラ To:ミァ&ALL |
確かにそれは自然ですけど……。 私には、この純恋花から植物の精霊であるドライアドの力ではなく、知られざる生命の精霊の力が強く感じられる、のが不思議に思えますね。 ただ、残念なことに、私はまだ未熟なので、生命の精霊の力を借りることはできないんですけど……。 |
■キルリック To:ALL |
・・・死んだ魂は、蘇らない・・・ やった事が全て報われるとは思っていませんが、・・・しかし・・・ |
エスターテの体に近づき、膝を折って、両手をエスターテにかざし・・・
■キルリック |
神よ、愛を、思いを貫きしこの少女に癒しを、奇跡の光を・・・キュア・ウーンズ。 |
あたたかい光がエスターテの身体を包んだ。
純恋花に貫かれた無惨な傷跡が、瞬く間に消えていく。
しかし、その青白い頬に明るい紅色が戻ることはなかった。
■キルリック To:エスターテ&ALL |
私の力では、この程度ですか・・・ほんの少しだけ、体を元に戻す事しか出来ないんですね・・・ 今、ここでなら、神の奇跡がおこるかと思ったのですが・・・ |
■ミリスレスカ To:キルリック |
キルリックさん……。 |
キルリックの向かい側にまわり、エスターテに咲く銀の花に、そっと手をさしのべる。花弁を包むように掌をかざし、眼を閉じて囁くように祈る。
■ミリスレスカ To:ALL |
おねがい、純恋花! この子を助けてあげて! |
そして、周囲に満ち続ける霧にエルフたちの遺志が宿っているかのように、下位古代語で語りかけるように、祈る。
■ミリスレスカ To:ALL? |
【エルフたちの遺志よ、暴虐を憎みて彼の地に災いを遺したのならば】 【汝等、愛を育む尊さと、愛を救えぬ悔恨を知る者たると信ずる】 【さればこそ。汝等、愛故に怒りを抱きし者であれば……】 【我は願う。報復すべき者が、既に絶え滅びし事を汝等が悟るを】 【我は願う。汝等と同じ哀しみを抱きて生くる者が、新たに生まれざる事を】 【そして、我は誓う。この無辜の命に、汝等の想いを語り継がせん事を】 【エルフたちの遺志よ、この者に救いを! 汝等、愛の強さと儚さを知る者なれば!】 |
ミリィの祈りは霧の中を駆け抜け、モンターナ山のすみずみまで広がったかに思えた。
しかしそれに応える声はなく、ただそよ風が一陣、吹き抜けただけ。
■エスターテ(幽霊) To:キルリック&ミリスレスカ |
……もういいです、ありがとぅ……ほんとに、ありがとですぅ…… |
エスターテは顔をくしゃくしゃにしたまま二人にしがみついた。
端から見れば、空気のように重なっているだけだが……
■ミァ To:ALL |
キーちゃんも、ミリィっちも、優しいのでスー・・・。 でも世の中多分、御伽噺じゃないってことなんでしょうネー。 ・・・・・いや、こーしてエスターテっちが幽霊になって、そうしてミーたちに依頼して純恋花を得たとゆーことも、ひとつの小さくささやかな奇跡、なのかもしれませんケドー・・・。 |
■キルリック To:ミァ&ALL |
そうですね、ミァに諭されるとは思いもしませんでしたよ(微笑) |
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL |
そう、ですね……ミァさんの言うとおりですね……。 |
エスターテとミァの優しさに、すこしだけ微笑を浮かべながら。それでもひとすじの涙をこぼして、霧に満ちた空を仰ぎ見る。
■ミリスレスカ To:ALL |
でも、ボクたちは……誰も、なにも救えなかったんですね……。エスターテちゃんも、エルフたちの無念も……。 |
その時、オルフェはそよ風の中にエルフの言葉を聞いた。
■エルフの声? To:ALL |
(エルフ語) わたしたちの怒りは、あなたがたによって砕かれました もはや欲しいものは静寂しかありません わたしたちの育てた純恋花だから 誰にも手折られることなく風に揺れるのを見ていたいだけなのです 深い霧は隠すため 高い山は阻むため ただその一本だけは、そこな少女の力で咲いた純恋花 それだけはあなたがたにお譲りします |
■花おばば To:声 |
……かあさま……。 |
花おばばは空を見上げたまま動かなかった。
■ミァ To:ALL |
んにに??(周りきょろきょろ) 誰か居たーですカー? |
■花おばば To:ミァ |
……誰もおらんぞよ……ヒェッヒェ……。 |
ミァ To:花おばば |
そおでスカー。 きっと、花おばばばっちだけ見えたーのかもしれませんネー。 ・・・・・・・霧の魔法?(ちょこんと小首傾げ) |
■オルフェ To:ALL |
さてと、もうここで出来る事は無いかな。 エスターテを、エリスの元に連れて帰るとしよう。 純恋花は……一応、隠しておいた方がいいか。 |
■ミリスレスカ To:オルフェ |
そう……ですね。ごめんね……なにもしてあげられなくて……ごめんね…… |
エスターテはまだしがみつきながら、ふるふると首を振った。
■ミリスレスカ To:エスターテ |
帰ろうね、エスターテちゃん……おねえさんとナイコスさんが……待ってるから……。あ、でも服が……こんなになっちゃってたら、恥ずかしいよね……? |
銀の花をそっと手折り、オルフェに手渡してから、身に纏っていたローブを脱いだ。祈るように両手を組ませたエスターテの亡骸に、そっとかける。
■リエラ To:ミリィ |
あ、ミリィちゃん。ちょっと待って。 |
ローブをかける前に、エスターテの体に残った純恋花のつるや葉をキレイに外す。
そして、エスターテ自身の服を調えてから、あらためてミリィのローブをかけなおした。
■エスターテ(幽霊) To:ミリスレスカ&リエラ |
…ありがとですぅ……。 |
■オルフェ To:花おばば |
そういうことで、花は持って帰るよ。 それで、彼女の姉の病気を治してあげようと思うんだ。 もちろん、花の事は出来るだけ他の人間に知られないように努力するけど、持ち出すのがまずいなら、なんとか山まで連れてこよう。 |
■花おばば To:オルフェ |
ヒェッヒェ…… わしの母親が良いと言ったのじゃ……もう止めはせぬ。 広めぬか……良い心掛けじゃ。 その心掛けが……大事じゃ。 |
■ミァ To:花おばば |
んに、広めたら大変になりそうですシー。 なによりエルフたちのこの場所は、静かにしとくべきですシネー。 そのくらいはミーでも解るのでスヨー(・x・)9゛ |
■ミリスレスカ To:花おばば |
それと、この子は連れて帰ってあげてもいいですよね? せめて……お姉さんの近くに…… |
渾身の力を込めてエスターテの亡骸を抱き上げ、少しふらつきながらも歩き出そうとする。
キルリックは、ふらつくミリスレスカの体をそっと支えた後・・・
■キルリック To:ミリスレスカ |
私に運ばせてもらえませんか? |
■ミリスレスカ To:キルリック |
ありがとうございます、キルリックさん……でも、だいじょうぶ、です……。 ボクにも、これくらいなら……これくらいしか、できないし…… |
涙をいっぱいに溜めながらも、決意に満ちた瞳でゆっくりと歩き出す。
ミリィなりの、せめてもの償いのつもりなのだろう。
■花おばば To:ミリスレスカ |
構わぬぞぇ……ヒェッヒェ…… ついでにあの人間の男も拾ってゆくがええ…… もう歩けるほどには回復しておるじゃろう…… |
そう言うと花おばばはくるりときびすを返す。
■ミァ To:花おばば |
色々と世話になったのでスー。 花おばばばっちも、お元気でー、でスヨー!(>x<)ノシ 機会が会ったら、またあの苦〜〜いお茶を御馳走してくだサーーイ(=▽=) |
■花おばば To:ミァ |
ヒェッヒェ…… 茶ぐらいならいつでも出してやるぞえ…… |
■ミリスレスカ To:花おばば |
おばばさま、この場所を満たしていた哀しみと悲劇は、ボクたちと……、エスターテちゃんのかわりに、エリスさんが心に刻んでいきます。また、こんな哀しみが生まれそうな時には、それを止められるように……。 |
■リエラ To:花おばば |
おばば様、ありがとうございました。 おばば様がナイコス先生を保護してくださったからこそ、エスターテさんの心残りの一つが、晴らされたんだと思います。 エルフさん達の純恋花に託した想い、そして、それを見守り続けたおばば様のこと、決して忘れません。 |
■花おばば To:ミリスレスカ&リエラ |
ヒェッヒェ…… わしも生涯忘れぬじゃろうよ。 けったいで正直な冒険者たちよ。 |
おばばは元来た道を下り始めた。
■キルリック To:花おばば |
ずっとここに居るのですか? |
■花おばば To:キルリック |
もちろんじゃ。わしの命が枯れるまで…… あと、数十年はもつじゃろう……ヒェッヒェ………… |
やがてその姿は、霧に紛れてあっという間に見えなくなった。
そうして、冒険者たちは山を下りた。
銀色に光る純恋花と、エスターテの身体、そしてエスターテが探し求めていたナイコスと共に。
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SW-PBM Scenario#133 純恋花 |
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GM:ともまり |