SW-PBM #131 キューソ人を噛む
商店街

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■ 【商店街】

■ヘキサ
ふぅ〜、結局たいしたことわからなかったな……ん?

学院で資料を当たった帰り道、商店街に入ったところで。
■男
あ、あら、あらららら……。

オレンジを山と詰めた大きな袋を抱えて、ふらふらと歩く男が前方に見えた。
しばらく見ていると、バランスを崩したのか袋からぼとぼととオレンジが零れ落ちる。
■男
あ、あ〜あ……わ、わっ。

転がり落ちたオレンジの一つが、ヘキサの足元まで転がってきて止まった。
■ヘキサ To:男
っと、大丈夫ですか?

足元のオレンジを拾い上げながら声をかける。
■男 To:ヘキサ
あ、す、すいません。

慌てて受け取ろうと足を踏み出して。
ぐしゃ。
■ヘキサ
あ。

■男
あ。

足元に転がっていたオレンジを踏み潰した。
■男 To:ヘキサ
あ〜あ、やれやれ……。
すみません、ありがとうございます。

■ヘキサ To:男
どういたしまして。
それにしても、すごい数ですね?
一体何に使うんですか?

ひょいひょいと、転がったオレンジを拾い上げながら、何気なく聞く。
■男 To:ヘキサ
もちろん、食べますが?
安かったのでまとめて買ったんですけどね。買いすぎたかな、あはは。

落ちたオレンジを袋に入れて抱え直そうとするが、持ち上げる時点でバランスが危うい。
そうしているうちにまたもバラバラとこぼれ出す。
■ヘキサ To:男
家族が多いとか? 一人で食べる量じゃないですもんね。
柑橘類はひとつが腐り始めると、他のも全部腐っちゃうから、長く保存は出来ないし。
まあそれはそうと、これ使います? その袋ひとつじゃ入りきらないみたいだし。

自分の荷物の中から小袋を取り出して、男に差し出す。
■男 To:ヘキサ
う〜ん。ありがたい申し出ですけど、それをお借りしても、持つ手が塞がってますから。
まあ、大丈夫ですよ……とと。

危なっかしい足取りながら、なんとか歩いていく。
■ヘキサ To:男
気を付けてくださいね〜。

一言声をかけて、男に背を向ける。

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GM:倉沢真琴