太陽がさんさんと降り注ぐ中、昨日獲得した情報の確認のため一行はベルンシュタイン邸へとやってきました。玄関には瀟洒な馬車が停まっており、女中さん...と言うにはまだ少し小さいかもしれないエプロン姿の女の子が、馬具の調子をみています。
■アズラ・ラ・ライト To:エプロン姿の女の子 |
おはよございますです〜♪ えっと、出発の前に挨拶をとか思って来たんでしが、ミーティス様はいらっしゃいますですか? |
■エプロン姿の女の子 To:アズラ・ラ・ライト |
はい。少々お待ちくださいませ。 |
女の子はてててと屋敷に入っていき、やがて扉を開けて一行を招き入れます。昨日と同じ応接間に案内された一行を、飾り気のない、それでも品の良さを醸し出している乳白色のローブをまとったミーティスが出迎えました。お出かけ前だった模様。
■ミーティス To:ALL |
出発前のご挨拶と伺いましたが...私にお聞き忘れになったことが、何かございまして? |
■ジェニファー To:ミーティス |
お忙しいところ、恐れ入ります。 昨日の打ち合わせのあと、自分たちで下調べをしていたのですが、調べられない点が多々ありまして、ミーティス様のお知恵を頼らせていただいた次第です。 |
そう前置きしたジェニファーは、街で流行ったのが朱頭病だったのかどうかと、レッサーバンパイアの魔眼を鏡で防げるかどうかについて訊ねた。
■ミーティス To:ジェニファー様 |
朱頭病に類似のものと聞いていますが、そのものではなかったようです。 一般に[視線]と呼ばれる悪意の集束から避けるには、凝視されないようにすることが大切です。視線の主に鏡を向けたとしても、相手の意志はその鏡の後ろに向いているはずですから、安易に防ぐ手だてとなることはないでしょう。 身を全て隠せるほどの鏡や盾、壁の類の影に入るとすれば、あるいは防ぐことができるかもしれませんね。 |
■ランバート To:ALL |
そうであるなら鏡で跳ね返すと言うより、相手から姿を隠す事の方が有効そうですね。 透明化の魔法で相手から見えなくなったり、暗闇の魔法をかけて相手から見えなくしたりするのが多少なりとも有効かかもしれませんね。 |
■アズラ・ラ・ライト To:ミーティス様 |
ふむふむ、鏡は効果無いんでしか。視線だから跳ね返せるかなって思ったんでしが、無理なんでしねぇ…残念です。 えっと、それから……領主代行のタティア様って、領主様とはどんな関係なんでしかね?血縁だったりとかします? あと、……気を悪くしないで下さいでしね、タティア様って日光が嫌いだったり、目が赤く光ったりとかしないでしよね?もしくは、領主様の方にそんな噂があったりとかは無いでしかね? |
■ミーティス To:アズラ様 |
私の見る限りでは、主従関係にあり、友人でもあり...友好的で複雑な関係であると見ています。それぞれの一族には血縁関係はない、とされていますね。 私の知る限り、タティアは太陽に祝福された子です。元々、領主代行よりも野山を駆け回っていた方が似合う子ですし。 一方で、悪魔だとか吸血鬼だとか古代王国の生き残りだとか、領主に対する噂話はありますね。賢者の学院を指して、魔術による世界の支配を目論む集団とするものと同程度ですが。 |
■ウォルフ To:ミーティス様 |
それもこれも、現在の領主が普段、人前に姿を現さないことに端を発しているのでしょうが‥‥時として、噂の中には真実が隠されていることもありますからね‥‥。 それはそれとして、普段、人前に姿を現さないのは現在の領主だけなのでしょうか?それとも、代々の領主が皆そうだったのでしょうか? ‥‥そういえば、現在の領主はお幾つくらいなのでしょうか? それと、現在の領主は独身ですか?それとも既婚者ですか? |
■ミーティス To:ウォルフ様 |
代々の領主、全てがそのようです。 現在の領主のことは...何とも言えませんね。生誕祭などの催しとは無縁の街ですし、街の人間でも風評以上のことは知らないと思います。 |
■ウォルフ To:ミーティス様 |
そうですか‥‥。 |
ミーティスの返答にしばし考え込むウォルフ。
■カーガッド To:ALL |
その辺りはブラトニスでタティア様に伺った方が宜しいようですね。 |
■ランバート To:ALL |
そうですね。 もしかしたら、人前に出ずに籠もって日夜、駄洒落を考えているのかもしれませんし。 |
それは無いと思うぞ、ランバート(笑)‥‥ふと何か思いついたようにウォルフが尋ねる。
■ウォルフ To:ミーティス様 |
領主代行が立てられたのは今回が初めてなのでしょうか? それとも、ブラティアス家が代々その役目を担っている‥‥とか? |
■ミーティス To:ウォルフ様 |
えぇ、領主代行は代々ブラティアスの一族が担うことになっています。 |
■ウォルフ To:ミーティス様 |
そうなのですか‥‥。 |
そのミーティスの返答にまたしても考え込む素振りを見せるウォルフ。
■カーガッド To:ミーティス様 |
なるほど、分かりました。 ところで、今回私達がブラトニスの街に行くに当たって、本来の目的は明せないわけですよね。 その辺を隠すための話が既にタティア様とされているのであれば、それに従いますが……。 そうでない場合は、表向きの訪問理由を、ミーティス様からタティア様へメッセージを言付かった事にしたいと思います。 その辺りは如何しましょうか? |
■ミーティス To:カーガッド様、ALL |
レッサーバンパイアの件にさえ触れなければ、「領主代行に依頼を受けて」と公言しても構わないと思いますが... 訪問理由が必要であれば屋敷の者を使いに出すことにいたしましょう。その護衛と言うことではいかがですか? |
■カーガッド To:ミーティス様 |
せっかくのお申し出は有り難いのですが……。 私達の為にあえて出されるのであればご遠慮したいのですが。 もし、丁度お使いを出されるところであったなら喜んでお引き受け致します。 |
■ミーティス To:カーガッド様 |
そうですか...わかりました。 では、私からのメッセージを言い付かっているということにしていただいても構いません。 |
■カーガッド To:ミーティス様 |
了解致しました。 そのように取りはからっておきます。 お気遣い、ありがとうございます。 |
■キャス To:ミーティス様 |
あと、立て続けの質問で悪いけど、前の病気は、朱頭病に似ているけど、そのものじゃあなかってことだけど、何かその病気について心当たりとかがあったら教えて欲しいんだけど。 |
■ミーティス To:キャス様 |
その病に関しては、学院の研究者が解明に当たっているところです。とりあえずの治療法があるとはいえ、原因も何もわかっていない...そういう病の一つですね。 |
■ジェニファー To:ミーティス |
ちなみに、その治療法とはどのようなものだったのでしょうか? また、患者をどのように捕獲したのかはご存知でしょうか? |
■ミーティス To:ジェニファー様 |
リグリア石を煎じたものにヘンルーダとアルニカを加えたものが特効薬として扱われていたはずです。 朱頭病の患者は、外見や症状に特徴があることはご存じですね?そのような症状に該当しうる者全てを拘束し、薬を飲ませたそうです。幸いにも、当時はその方法で根絶することができたとか。 |
■キャス To:ミーティス様&ALL |
ふーん。でもなんで、そんな特殊な病気がその街にだけ広まったんだろうね。 他の街にはそんな病気が発生したことって無いんだろ? |
■ミーティス To:キャス様 |
そうですね...しかしこのような流行病で、その原因も治療法さえ不明な難病奇病は多くあると聞きます。私達としては、識者の研究成果に期待する他ありませんね。 |
■ジェニファー To:ミーティス>ALL |
なるほど、ありがとうございました。 …わたくしが聞きたかったことはすべてお伺いいたしましたが…。みなさまはいかがですか? |
■カーガッド To:ジェニファー |
私も特にはありませんね。 |
■キャス To:ジェニファー |
オレも別にこれでいいよ。 |
■ウォルフ To:ジェニファー |
俺ももういいかな。 あとは着いてからのお楽しみ、ってことだね。 |
■ランバート To:ジェニファー&ALL |
そうですね。では、出発しましょうか。 |
■アズラ・ラ・ライト To:ジェニファー&ALL |
うん、私も他に思い付かないですです。 それに、あんまり長居してもミーティス様に悪いですし、街にも早く着くに越した事無いですにぇ。じゃあそろそろ出発しますですか? |