SW-PBM #124
 Pigeon Blood   Act.16〜追求

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■ 【酒場・鏡湖亭】

時刻は夕方、そろそろ日が落ちようかという頃。
ベイクに教えられた通りに歩いていくと、やがて一軒の酒場が見つかった。
看板には『鏡湖亭』とある。
■フィリス To:店内
(...リゾルドさん、いるかな?)

フィリスが店内をそっと覗き込む。
酒場といっても冒険者の宿のような騒がしい感じではなく、カウンターだけの静かなバーといったところだ。
店内には奥の席にうつ伏せて眠っている男が一人。
そして店員が一人だけだ。
■フィリス To:レベッカさん
まだ、人が少ないですね。リゾルドさんも居ないみたいですし。
しばらく、この入り口が見える場所でギルドに行った方々を待ちましょうか。

■レベッカ To:フィリス
そうですね。これくらいしかいないなら出入りをしっかり見張っておけば大丈夫ですかね。
あとは、入り口ばかりに気を取られていきなり背後から襲われたりしないように気をつけないと・・・

と、スッと背後に人影が立つ。
■ウォルフ To:ALL
リゾルドはもう来ているのか?

と、いきなり現れるや否や唐突に話しかけるウォルフ。
■レベッカ To:ウォルフ&ALL
きゃっ!(@_@;)

■フィリス To:ウォルフさん
!!...脅かさないでくださいよ...。
まだ来てません。中に寝ている人が一人と店員さんがいるくらいです。

店員は黙々とグラスを磨いている。
寝ている人……は、顔が隠れて誰かわからない。
■ユウル To:ALL
仲間内でおどかしあってどうするの(笑)
お待たせ、みんな。
リゾルドが通ってるってことは…ここが横流しの取引に使われてる可能性もあるね。

詰所に行っていたメンバーに、リゾルドが盗品を横流ししているらしいこと、ソーマが絡んでいるらしいことなどを話す。
■フィリス To:ユウルさん
なるほど...やっぱり一度リゾルドさんにお話を伺う必要がありますね。
では、私は店の中でリゾルドさんを待ってみます。あ、顔を見られるとまずいでしょうか。フードを被っていれば大丈夫、かな。

■レベッカ To:フィリス
気をつけてくださいね。
私はここで、いつでも飛び出せるようにしておきますから。

■ユウル To:フィリス
私もしばらく様子を見てるよ。危なそうならすぐ行くから。

変装……はできないのでマントのフードを目深に被り、酒場に入る。
■フィリス To:店員の人
(カウンターに腰掛けて)...ジンライム、お願いします。

■店員 To:フィリス
かしこまりました。

■フィリス To:店員の人
そこで眠っている方は、大丈夫なんですか?

■店員 To:フィリス
御心配なく……閉店になれば起こしますので。

■男 To:独り言
うるさい……寝てなんかいない……。

言いながらもその身体は横になったままだ。
■フィリス To:男の人
寝てないなら...気分でも悪いんですか?

男の人の顔をのぞき込む。
見覚えのある顔だった。ウィスノーとどっこいな性格の官憲さん……リゾルドその人である。
■リゾルド To:フィリス
くだらないおべんちゃらは結構だ……。
今度は何の用だ? もう貴様らの仕事に協力する義理は済んだはずだぞ。
奴……ソーマにもそう伝えろ。

■フィリス To:男...もといリゾルドさん
はぁ...。
今度の用は、その協力した仕事の内容と、リゾルドさんとソーマという人との関係です。もちろん、教えてくださるんですよね?

■リゾルド To:フィリス
なに?

むっくりと身体を起こし、フィリスをまっすぐ見る。
顔は真っ赤で、あきらかに酔っていた。
■リゾルド To:フィリス
お前は確かウィスノーの……。
いったい何の事かな……俺がソーマの何を知っているっていうんだ?

とぼけようとしているらしいが、酒の入った頭では上手くいかないようだ。
■ウォルフ To:リゾルド
とぼけようとしても無駄です。ギルドで調べはついているので。

いつの間にやらリゾルドの背後に立つウォルフ。
■リゾルド To:ウォルフ
ふん、そういう事か。俺ももうお終いだな……。
分かった、洗いざらい話してやるよ。どうせソーマを庇い立てする理由もないしな。
何が聞きたい?

相手が開き直った様子を見て、ユウル達もテーブルに近づく。
■ユウル To:リゾルド
どうも。あの、すごく気になってることがあるんですけど……
どうして盗品の横流しなんてすることになったんです?

■リゾルド To:ユウル
魔が差した……んだろうな。
最初はこそ泥を捕まえて、そいつの盗ってきた物を取り返しただけだった。
それが、何故か……その時ばかりは、自分の懐に仕舞い込んで黙っていようなんて考えてしまった。
それをソーマに見られたのさ。
後は脅されて、奴の仕事を手伝わされて……そして横流しに協力させられてたのさ。

■レベッカ To:ひとりごと
法を守り、法を犯す者を罰するのが官憲の務めでしょうに・・・
でも、あのとき自らの務めを完遂できなかったのは私も同じですね。

あの雨の日に倒れた女冒険者 を想い、小さくひとりごちたあと。
■レベッカ To:リゾルド
それでは、ピジョン・ブラッドの件について話していただけますか?
どうやって盗んだのか、そしていまどこにあるのか。

■リゾルド To:レベッカ
俺が手引きして……させられて、かな。どっちでもいいか。
門を開けて奴らの仲間を引き入れた。
俺がしたのはそこまでだ、あとは寝た振りをしとけと言われたよ。
見てはいないが、見事な手際だったんだろうな。
その後宝石を渡されて、指定した場所で引き渡すように言われた。
スラムの中にあるぼろっちい教会だったよ。
そこでフードを被った連中に手渡して……後は知らん。

■ユウル To:リゾルド
ソーマとはいつもこの酒場で会ってたんですか?
盗品の受け渡しとかは、その教会で?

■リゾルド To:ユウル
ああ、何か話がある時はここを利用していた。
教会で渡したのは、その宝石だけだ。ソーマたちに宝石の盗み出しを依頼した連中らしい。
自分が行くと都合が悪いとかで、俺が代わりに受け渡しに行かされたんだ。

■ユウル To:リゾルド
あの…ソーマってどんな奴です?
なんか、裏の世界でも正体不明らしいんですけど。
あなたが会ったソーマの風貌とか教えてもらえません?

■リゾルド To:ユウル
いつも顔を隠していたから、はっきりとは分からないが……。
細身の男だった。目だけが異様に鋭くてな、睨まれると背筋が縮み上がる気がしたよ。

■ユウル To:リゾルド
やっぱりあの副店長は違うのか…。耳とがってて肌が黒い…じゃなかったですよね?

ダークエルフには痛い目に合わされたり悔しい思いをさせられたりした経験があるので、ふと思いついて聞いてみた。
■リゾルド To:ユウル
かもしれんがな。何しろ耳はおろか、肌の色すら分からなかった。

■ユウル To:リゾルド
義理はすんだとか言ってましたけど、ピジョン・ブラッドの件での協力でもうソーマとの取引はおしまいですか?
向こうからの接触もなし?

■リゾルド To:ユウル
そのはずだ。奴もこれで俺の利用価値は無くなったと言っていたからな。
もっとも、ここでこうしてべらべら話しているのがどこかでばれて、今度は命を狙いに姿を見せるとも限らんが。
そうならないよう、俺は自首するよ。まさか牢屋の中までは追ってこないだろう。
すっかり話して気分もマシになった。俺なりのけじめも付けなきゃならんしな。

■フィリス To:リゾルドさん、ALL
そ、そうですか...。
...ではウィスノーさんの濡れ衣は、これで晴れた、ということですね...。

■ユウル To:フィリス、ALL
うん、そうだね。
ただ…やっぱり、ピジョン・ブラットを取り返さないことにはウィスノーは納得しないだろうなあ…。

■レベッカ To:ユウル&ALL
そうですね。それにウォイル家の方々も心配していらっしゃるでしょうし。

■ユウル To:リゾルド
宝石を欲しがってた連中って、どんな感じでした?
何のために必要かとか、聞きませんでした?

■リゾルド To:ユウル
教会が受け渡し場所だったってこともあるかもしれんが、なんだか妙に狂信的な感じだったな。
ファラリスの信者だと言われても信じたかもしれん。
一切質問はするなといわれていたもんでね、何に使うかは知らない。

■ウォルフ To:独り言
狂信的な一団、か‥‥。雲を掴むような話だな‥‥。

■レベッカ To:リゾルド
その教会の場所を教えていただけませんか?

■リゾルド To:レベッカ
ああ。スラムの中にある。
今はもう使われていないらしくて荒れ放題だったがな。
屋根の上に十字架は残っていたから、見れば分かるだろう。

■フィリス To:リゾルド
スラムの教会ですね、わかりました。
ではリゾルドさん。このまま官憲屋さんへ行くのであればお送りいたしますが、どうしますか?

■レベッカ To:リゾルド&ALL
私はできるかぎり官憲までご一緒したほうがいいと思います。
あなたのことを信用していないわけじゃなく、これだけ教えてもらった以上、あなたの身が心配ですから。

■リゾルド To:ALL
別に大丈夫だとは思うが……。
まあ、そう言ってもらえるならお願いするかな。
どこで心変わりして逃げ出すか分からんしな。

冗談交じりでそんなことを言う。
■ユウル To:リゾルド
ご希望なら後ろ手にしてロープで縛りますけど…そんな馬鹿な真似する人じゃない、とは思ってますよ。
それじゃ、行きましょうか。

■フィリス To:リゾルドさん、マスター
それでは、行きましょうか。

マスター、ごちそうさまでした。


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GM:倉沢真琴