SW-PBM #116 ちるどれんず・ぱにっく! うんめいのであい |
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■ 【孤児院前】 |
スラムでの情報収集を終え、孤児院への帰途を急ぐアルテナ。
と、角を曲がろうとしたその時。
建物の影から、アルテナの前にすっと腕が伸びてくる。
その手には薔薇の花束があった。
■男の声 To:アルテナ |
探したよ、マイ・スウィート……。 |
■アルテナ To:男の声 |
マイ・スウィートぉ…? 人違いではないか。そんな不快でうっとぉしい声に知り合いはい……… !!!! ………ま、まさか……… |
■ルークス To:アルテナ |
ふふふ、ティナ……。 やはり、僕とキミは運命の赤い糸で繋がっているんだね。 |
建物の影から出てきたのは、洒落たスーツを上品に着こなす男。
アルテナの想い人……じゃなくて、アルテナの想われ人ルークス・ウォイルである。
ちなみにティナというのはアルテナの愛称であり、本人は嫌がっている呼ばれ方でもある。
■アルテナ To:ルークス |
な、な、な……る、ルークスサマ…………ど、どうしてコチラに……… |
がくがくと震えながら呆然。背中でものすごい汗かいてる。
■ルークス To:アルテナ |
ウォイル家の情報網を甘く見ちゃいけないよ。 キミの事なら過去から現在まで、果てはスリーサイズに 所有している下着の数までバッチリさ(^^) |
■アルテナ To:ルークス |
下…!(かぁっ そ、それって犯罪では…… |
■ルークス To:アルテナ |
さあ、屋敷に行こうか。 キミを包むためのウェディングドレスが待ってるよ。 |
呆然とするアルテナの手に花束を握らせると、さりげなく腰に手を回してエスコートしようとする。
■アルテナ To:ルークス |
だ、だめっ! ルークスサマ、ダメですっ。私にはそんな資格がありません。ルークスサマもご存知でしょう…… |
花束を持たされた瞬間我に返って後ずさる。顔をそらしてうつむき、
■アルテナ To:ルークス |
失礼シマスっ…! |
花束を握ったまま体育会ダッシュ!
■ルークス To:アルテナ |
ああっ!? 待ってくれ、ティナ! 確かにキミは女性しか愛せないのかも知れない。ベルと恋人同士だというのも知っている。 でも、それでもキミが好きなんだ! 大丈夫、ベルにはゆっくりと説得してキミを諦めてもらったから。 もう、僕とキミとの間に障害はないんだよ。あとはティナが頷いてくれるだけなんだ! |
人聞きの悪い事を大声で連呼しながら追いかけて来る。
■アルテナ |
わーわー、聞こえなーい! 全部間違ってるぞ、それ。なんちゅうこと叫ぶんだ、あやつは! |
耳を塞ぎながら走り続ける。
■アルテナ To:ルークス |
ん、ちょっと待て。ベルを説得? ルークスサマ、ベルに何かしたのデスカ!? |
立ち止まって振り返りルークスを待ち構える。
追いついたルークスが息を整えてから、事情を話しだした。
■ルークス To:アルテナ |
ああ、彼女は一時期ウチで働いていてね。 その時、キミの事でいろいろと話し合ったんだ。 僕がキミの事をいかに愛しているかを訴えたら、彼女も納得して身を引いてくれたよ。 |
■アルテナ To:ルークス |
なんか、私の意向とは関係ないところで話が勝手に進んでいるような…… …そうですか。でも、今の私にはほかにも大切なものがありますのでっ! |
ちょっとほっとしたのも束の間、きびすを返してまたダッシュ!
■ルークス To:アルテナ |
ええ、そんな! (ちょっと考え込んで) ……大丈夫さ、ティナ。これからは二人で人生を歩んで行くんだ。 問題は、二人で順番に片付けていけばいいんだよ! |
言いながら、またもや追いかけてこちらもダッシュ。
そうこうするうちに孤児院が見えてきた。
■アルテナ |
くっ…ここまで来てしまったか。仕方ない。 |
ドアの前でばっとルークスに振り返る。
■アルテナ To:ルークス |
ルークスサマ!今のわたしには守るべきかわいい子供たちがいるんです。 静かにこの子たちを見つめていたい。ですから私のことは忘れてください! |
微妙にねじまげた解釈。
言い放って孤児院に入り、バタンと音を立ててドアを閉める。
■ルークス To:アルテナ |
ふう……。 大丈夫だよ、ティナ。 キミの事は何でも知っているといっただろう? この孤児院の事も調査済みさ。 取り敢えず今日のところは帰るけど……きっとまたすぐに会えるよ。 |
そして、扉の向こうの足音が遠ざかっていった。
しかし、実はその辺に潜んで様子を伺っていないとは言い切れない(笑)
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