Sword World PBM Scenario Index |
SW-PBM #93 姿無き悪魔 |
▲ [3] ▲ | 第5章 Sleeping in the forest [4] | ▼ [5] ▼ |
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路地 |
炎の中から現れたのは身長2mの岩石のような外皮をした怪物でした。
外皮のひび割れから溶岩のような光りが覗き、時折炎を吹き上げます。
頭に当たる部分には牙が列んだ円形の口だけがついており、六本の指の先端には鋭利な爪が光ります。
怪物は胸部についた眼球でジークとシロフィーヌを睨み付けると、ゆっくりと接近してきます。
■ジーク To:偽シェリー |
・・・!! 本物のシェリーさんはどうしました?! |
ジークの質問には答えず怪物は間合いを詰めます。
■ミルフィー |
きゃあああああああああああああッッッ!! |
その場にへたり込んでいたミルフィーが悲鳴を上げるのと同時に、怪物はジークに掴みかかります。
■ジーク To:偽シェリー |
おわっと |
シロフィーヌはミルフィーを強引に立たせると、怪物の視界の外まで連れ出します。
■シロフィーヌ To:ミルフィー |
もう大丈夫ね? いい?診療所まで走ってアラン様を呼んできて |
ジークは向かってくる怪物に剣を振り下ろします。
剣撃は怪物の肩口に直撃しました。
岩石を叩いたような手応えが返ってきます。
■ジーク To:偽シェリー |
・・・・痛ぅ(><。) |
しかし、怪物は微動だにせず、そのままジークの左腕を掴みました。
■ジーク To:偽シェリー |
?! 離しなさい!! |
怪物の背部の外皮がエラのように開き、そこから空気を吸い込み始めると、ジークに対して頭部の口から火炎を吹き付けます。
■ジーク To:偽シェリー |
うわっ |
ジークは怪物に掴まれた左腕を振りほどこうとしますが、その力は思ったよりも強く簡単には開放してくれそうにありません。
■ジーク To:偽シェリー |
く、離しなさい!! |
怪物はそのままジークに火炎を吹き続けますが、突然、大量の水が怪物の頭から浴びせられました。
激しい水蒸気が上がり怪物の外皮の表面が急速に冷却されてボロボロと崩れます。
■ジーク |
シロフィーヌさん・・・? いまだ! |
一瞬怪物が怯んだ隙に、ジークは怪物を蹴りつけざま振り払い、背後に飛び退いて体勢を整えます。
怪物は背部の吸気口を最大限に開放すると、火勢強くしてジークを追跡します。
■ジーク To:偽シェリー |
今度はこちらの番ですからね! |
ジークの攻撃は急速に冷却されて脆くなった怪物の外皮の一部を破壊しました。
その傷口から溶岩のような体液が地面に流れ落ち、煙を上げます。
怪物はなおも火を吐きつつジークに掴みかかりますが、ジークはそれを回避すると、キュアーウーンズで自らの傷を癒します。
■ジーク |
我が神ヴェーナーよ、我が身の傷を癒したまえ。 |
再びシロフィーヌが怪物に水を浴びせます。
冷却されて黒く固まった外皮は怪物が動くたびボロボロと地面にこぼれます。
■ジーク To:偽シェリー |
いい加減に倒れなさい! |
ジークのオーガスト・ウィンドが怪物に突き刺さると、ついに怪物はその場に倒れました。
そして怪物はシェリーの姿に戻ります。
■ジーク |
・・・・・ふう。 |
ジークは一息つくと剣を収めます。
■ジーク To:シロフィーヌ |
大丈夫でしたか? しかしこの化け物、シェリーさんの姿に戻ってしまいましたね・・・・。 |
■シロフィーヌ To:ジーク |
わたくしは無事ですわ。 ミルフィー様が戻っていらしたら問題ないのではございませんの? ご心配でしたら、マントですっぽり覆ってしまえばよろしいかと思いますけど。 「発症者が出た」といえば、中を見とがめられることもありませんわ。 |
■ジーク To:シロフィーヌ |
そうですね(^-^; とりあえず診療所へと戻りましょうか? シェリー・・・いえ、この怪物が今回の騒動の張本人かもしれませんし。 |
■シロフィーヌ To:ジーク |
テスラ様がいらっしゃったら、これの正体もわかったのかもしれませんわねぇ。 一度戻って皆様のお帰りを待った方がよいかもしれませんわね。 |
■シロフィーヌ To:ジーク |
それにしても、他の者の姿を借りた怪物は、その命を失ったときに真の姿に帰るものと思っておりましたけど・・・ この方は逆なんですのね。 |
■ジーク To:シロフィーヌ |
そうですねぇ・・・・。 かといって先ほどの姿だと診療所までもっていくのも一苦労かと(^-^; |
シロフィーヌが倒れているシェリー(元怪物)に近づくと、ぴくりと少し動いたように見えました。
シェリーの身体から僅かに煙のような気体が出ているのがわかります。
煙からは硫黄の匂いがします。
あわててジークの後に隠れる(^^;
■シロフィーヌ To:ジーク |
今動きましたのぉ〜。 |
■ジーク To:シロフィーヌ |
えっ? 動かなかったと思いますけど(^-^; |
ジークは慎重に(おっかなびっくりとも言う)偽シェリーに近づきます。
シェリーはジークの方に顔を向けると一瞬だけ怪物の姿に戻ります。
そして次の瞬間、怪物は大爆発を起こしました。
爆発は至近距離の民家を粉砕し、ジークとシロフィーヌを飲み込みます。
怪物から飛び散った溶岩で火災が発生し、辺りは火の海になりました。
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