ジュナイル邸 食堂 |
一方、屋敷に残り警備を行うことになった三人娘には、ジュナイルより食事が振舞われていた。
食堂では、先ほどの老婆が甲斐甲斐しく給仕をしてくれている。
どうやら、先ほどジュナイルが言っていたメイドさんらしい。
■メイド To:おおる |
皆様、パンのお代わりなどは如何ですか? |
■エメラルド To:メイド |
わぁい、ありがとーございまーす。 |
■フィアルラ To:メイド |
あ、私は結構です……。 代わりに、この子にミルクのお代わりをお願いできますか? |
ルビーの皿を指し示してお願いする。
■メイド To:フィアルラ、 |
かしこまりました。 |
■ルリィ To:メイド |
有難う御座います、いただきますわ(にこにこ) ――ところで貴方は、昔からこちらにお勤めしてらっしゃいますの? |
■メイド To:ルリィ |
はい。 かれこれ50年ほどお仕えさせていただいております。 |
■エメラルド To:メイド |
ふぇぇ、50年ですかぁ〜。 |
食べ物を口の周りいたる所に付けたままの顔で老婆を見る。
そんなに歳だとは思ってなかった様子。
■ジュナイル To:ルリィ |
私の父親の頃から居るメイドだ。 |
■ルリィ To:ジュナイル、メイド |
まぁ、随分長いことお勤めしてらっしゃいますのね。 さぞかし気心も知れていることでしょう(^-^) あ、そういえばお名前は何とおっしゃるのですか? |
■ジュナイル To:ルリィ |
エレナだ。 |
■エメラルド To:メイド |
あの〜、おばーちゃん。 何かお手伝いしましょーか?(o'-' o) あ、あんまり家事は得意じゃないですけども……。 |
席を立って声を掛けるエメラルド。
■メイド To:エメラルド |
お客様にそのようなことをさせるわけには参りません。 |
メイドは、慇懃に断ると、次の皿を取りに厨房へ向かった。
■フィアルラ |
(うーん、コワイ人なのかな……?(^^;)) |
■エメラルド To:メイド |
わかりましたぁ。 がんばってくださいね(o'-' o) |
邪魔しない様にお見送りしつつ席に戻る。
■エメラルド To:ジュナイル |
ところでジュナイルさん。 あんまり聞かれたくない事とは思うですけどぉ、推測で良いからおしえてほしーです。 あの花をジュナイルさんに売った相手がどろぼーさんを雇ったんだとすると、どういう取り返し方をすると思うですか? 花の存在自体を消そうとしてるのか、それとも花を枯らさないよーにラムリアースに持ち帰りたいのか。 それ次第で大分護り方も変わると思うんです〜。 |
■ジュナイル To:エメラルド |
あの盗賊は、あいつにやちわれたというのか? 理由と言われても見当もつかん。 ……売ったとで、惜しくなって取り返しにきたのか!? ならば、花をだめにするようなことはしないと思うが。 |
■エメラルド To:ジュナイル |
返還って書いてあるのでそうかと思ったんですけどね〜。 ところで、その売主さんって具体的にはどんな人なんですかぁ? ふつーの商人さんじゃないって話でしたけど〜。 |
■ジュナイル To:エメラルド |
まぁ、はっきり言えば、密売人だな。 おっと、あまりちみの前でこういう話はまずいかな。 |
やはり、エメラルドの胸の聖印が気になるらしい。
■エメラルド To:ジュナイル |
ほんとーはイケナイ事だと思うですけどぉ。 ジュナイルさんにお花を売った人はふつーの人じゃないですし、予告状を出したどろぼーさんもふつーの人じゃないですから、誰に返せば良いのかわかんないですしね〜。 それにきれーなお花を見たいって純粋な気持ちは分かるです。 だからお花を見るまで護るとゆー事には納得してるですよ(^-^ |
情状酌量って事で歩み寄っているらしい。
■エメラルド To:ジュナイル |
ところで、その密売人さんは誰からお花を貰ったか知ってますか〜? |
■ジュナイル To:エメラルド |
さあ? そういうことは聞かないからな。 |
そのとき、パンとミルクを持ってメイドが帰ってきた。
テーブルにパンを置き、床の皿にミルクを注ぐと、一礼して部屋の隅へ下がる。
■フィアルラ To:メイド |
あ、すみません。ありがとうございます。 |
■フィアルラ |
(密売……かぁ。ギルドが絡んでるかも、って考えておいた方が良いですよねぇ。) ……ギルド同士の喧嘩とかにならなければ良いケド。 |
ぽそりと呟く。
■フィアルラ To:ジュナイル |
えと、ジュナイルさん。 良ければあなたに例のお花を売った人物について、教えていただきたいんですけれど。 ひょっとしたら、今回の件に深く関わってきているかもしれませんし。 どういう経緯で知り合われたのかとか、お付き合いの程はどのくらいなのかとか。 あと、その人物の個人的な事で、分かる事は出来るだけ。 情報は多いに越した事はありません。お花を守るためにも、教えてください。 |
■ジュナイル To:フィアルラ |
金さえ払えば物をそろえてくれるから、あまり詳しいところまで知ろうちしなかったんだがな。 そうだに、外見は、背が高くてでかい鷲鼻の男だ。 雰囲気から、なんとなくあっちのギルドの人間ではないような感じはしちたが。 知り合ったのは、まぁ人づてだな。 |
■フィアルラ To:ジュナイル |
それじゃあ、そんなに親しい仲って訳でもないんですね。 ……何か、その人との間でトラブルがあったとか、そういう事はありませんでしたか? |
■ジュナイル To:フィアルラ |
いいや。ないな。 |
■フィアルラ |
う〜ん。じゃあ、直接はその人は関係ないんでしょうかねぇ……? |
考えてはみるが、それで分かるような事ではない。
というかそれで分かったら苦労はない。