| 「銀の網」亭 |
冒険者達は往々にして生活時間が不規則である。野外にいるときに見張りを立てたり、深夜行軍を行ったりするから当然であろう。
そんな冒険者達であるから、街にいるときも生活時間は人によってまちまちである。朝、早起きするものもいれば、昼すぎてのんびり起きてくるものもいる。 しかし、そんな冒険者達でもある程度は共通して動き出す時間帯がある。それは依頼が舞い込んで来やすい、一般の人が活動を始める時間帯………大体朝と昼の間の 時間帯である。そして丁度その時間帯に、一人の青年が銀の網亭に入ってきた。少しばかりほころびたマントに帽子、小型の背負い袋と言った簡易な旅姿である。 おやじの顔を知ってるらしく、カウンターを珍しく離れているおやじを見つけるとまっすぐに向かった。
| ■若者 To:おやじ |
| たびたびすいません。こういう依頼なんですけど、お願いできますか? |
おやじは青年の顔を見ると少し驚いたような顔をした。
| ■おやじ To:若者 |
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おう、どうした。またアンデッドか? 前のメンツが依頼をこなし損なったってわけじゃないのか? |
| ■若者 To:おやじ |
| よく分かりません。ただ、またこうして問題が起きてしまったのです………。 |
| ■おやじ To:青年 |
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う〜む……メンツに問題はなかったと思うんだけどなぁ………。 とりあえず依頼掲示板にはっておきなよ。ちゃんと実力のあるヤツを紹介するさ。 |
青年は言われたままに掲示板に依頼書を貼り付けると、カウンターで軽食をとりながら依頼人が来ることを待つことにした。
| ■おやじ |
| ………俺ってこの商売に向いてないのかな………。 |
つい最近も依頼人が悪人だった依頼を提示してしまったこともあり、おやじは少々自信喪失気味である。
今回の依頼はそっち方面では問題ないのだろうが、以前この村に紹介した冒険者に不手際があったとしたら………
おやじに悩みの種は尽きないようである。