SW-PBM Scenario #82 | 目次 |
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ロゾニィ屋敷 門前 |
郊外のロゾニィ屋敷を目指す、レヴィックとフィオンの 2 人。
屋敷前に着いた頃には、とっぷり日は暮れて、周りは真の闇。まわりは虫の声しか聞こえない……かとおもいきや、門の前には焚き火と周囲を囲む 2 人の人影がある。
■レヴィック To:フィオン |
屋敷はあの先になるんだが…なんだ?明かりが……。 |
言われたとおりにオネェ言葉を使わないように努力中のレヴィック。お貴族サマ言葉でなく何だか粗野なフレーバーなのはナゾだ。
■フィオン To:レヴィック |
・・・あのね、レヴィック。 言葉遣い、戻してもいいよ。しゃべりやすい方にして。 だけど、人に聞かれる可能性のある場所ではヤメテね(笑)。 |
頑張ってるレヴィックに助け船を出してみる。
■レヴィック To:フィオン |
……ありがとう、ほっとしたわ(^^; どうする?様子見る?? |
■フィオン To:レヴィック |
(あからさまに顔が”ほっ”としてるよ〜(笑)) ・・・ここからだとまだ距離があるね。 何か聞こえないかな? |
この位置から、焚き火まではおよそ 30 メートルほどある。フィオンが耳を澄ませてみても何も聞こえない。
■フィオン To:レヴィック |
・・・何も聞こえないね(^^; (やっぱ、行くしかないか。う〜、シーフだってバレたら嫌だなぁ・・・) ・・・・・・(ふぅ) 私、様子見てこようかレヴィックより私の方が目立たないと思うし。 |
思い切って、忍び足で近付いて門の側の森の影に潜伏する。魔術師にしては妙に手馴れた足取りで。
焚き火の周りの人影は、フィオンに気が付いた様子も無く、冷え込んできた夜に暖を取っている。
■レヴィック To:フィオン |
さすがねぇ、気づかれてないみたい(のほほん)。 ん?あらイヤだ、アタシこっからでもあっちの会話聞けるんだったわ。うーん、どうしようかしら(^^; |
明かりのところに居る 2 名に向けてウインドボイス。
2 人の話し声が、シルフに運ばれてレヴィックの所まで届く。Aさん「うぅ、薄着だとツライなぁ……」
Bさん「夜は寒くなったよなぁ。もう秋だぜ」
Aさん「これもお勤めお勤め。がんばらないとなぁ……」
Bさん「怒られるからなぁ(笑)」
Aさん「そうだよなぁ(笑)」
■レヴィック |
お勤め?怒られる?………でもコンネル氏は番が居るなんて言ってなかったわよねぇ…?誰かしら、アレ。 |
その頃、フィオンも木の影から隠れて、同じ会話を聞いていた。
■フィオン |
(もう・・・ちょっと、顔とか見えないかな) |
見つからないように気を付けながら、木の影から観察。2 人の若い男。ソフトレザー・アーマーとスモールシールド、メイスで武装している。
上手いこと確認すると、フィオンはそーっとレヴィックの元まで戻って行った。
■レヴィック To:フィオン |
お帰り。ゴメンナサイね、あのヒト達の会話はここからでも聞こえたわ(^^; で、どうする? |
返事はある程度想像してあえて聞くヤツ。
■フィオン To:レヴィック |
あ、聞いてたの? じゃ、私が”見た”もの教えるわね。 |
手短に説明。
■フィオン To:レヴィック |
―――と言う感じなのよ。 ファリス神殿の人かしら? ・・・声、かけてみる(にやっ)? |
■レヴィック To:フィオン |
そうしましょう(^-^) |
そのまま腕を組みなおして屋敷へと堂々と歩いていく。
■レヴィック To:門番? |
やぁ、ここは噂のお化け屋敷ですか? |
男が二人、こちらに向きなおる。レヴィックとフィオンをみて単なる野次馬だと判断したらしく、警戒した様子はない。
■門番 To:アベック |
そうですが、立ち入り禁止です。この場所は危険なのですぐ立ち去って下さい。 |
■レヴィック To:門番? |
危険?やはり人が死んだという噂は本当らしいですね。 ところで貴方方はどういった方で?こちらの屋敷の管理者かなにかですか? |
■門番 To:アベックの男の方 |
いえ、私たちはオランのファリス神殿のものです。ここで変死体が出たので、安全のためあなた達のような方が入らないように見張りをしています。 |
■レヴィック To:門番? |
それはご苦労様です。でしたら大人しく帰るとします。 ところで見張りは一日中ですか? |
■門番 To:アベックの男の方 |
はぁ、交代ですが。 |
とか立ち話しつつ屋敷の方面をセンスオーラで見てみる。
■フィオン To:門番 |
ファリス神殿ってそういう事もしてるんですね〜。 見張りだけじゃなくて、幽霊退治はしないんですか? ああ、それにしても残念だわ。せっかくここまで見に来たのに・・・。 あなた方はここで何か見ませんでしたか?(私達のような)野次馬以外に(笑)。 |
レヴィックが何かしようとしてるのを勘付いて、フィオンが代わりにおしゃべり。……時間稼ぎのつもりである。門番はフィオンの方に向き直る。
■門番 To:アベックの女の方 |
残念なことに、野次馬以外は何も見ていません。建物の所有者の許可が出ないので、勝手に立ち入って調べる訳にも行きませんし。実際に犯人とおぼしきものが現れれば、即座に処理するつもりですが。 |
一方、レヴィック。特に変わった精霊は感じられていない。というか、周囲のドライアードが強すぎて、門の外から館の中の精霊までは感じることができない。他にはサラマンダー、ノーム、シルフを感じた。
■レヴィック To:門番>フィオン |
(うーん、さすがにココからわかるような異変はなし…ね。) そうですか、さすがはファリスの神官サマですね。一刻も早く事件が解決するようお祈りしていますよ。 じゃぁ、私達はそろそろ行こうか? |
■フィオン To:レヴィック>門番 |
そうね。いつまでもこんな所にいたら風邪ひいちゃーう(笑)。 じゃ、さようなら〜 |
ぎゅっとレヴィックにしがみつき、門番2人に手をひらひら。
がんばって仕事してる人に対して、ある意味失礼な物言いである。悪意はない筈なのだが……
■門番 To: アベック |
さようなら。暗い夜道に気を付けて。 |
ファリス神官だし、失礼な物言いに対して闇討ちするような真似はいたしませんのでご安心を。
番人の背後には、月影で暗い森の中に埋まるように大きな屋敷の影が黒々とわだかまっている。
街に帰ろうと屋敷に背を向けた途端、2 人は首筋をチリチリと焦がすような気配を背後に感じた。
■フィオン To:レヴィック |
何?この気配――― |
■レヴィック To:フィオン |
………。 |
レヴィックは持っていたフィドル(ヴァイオリンに似た楽器)を手に取り、再び周囲の精霊力の感知に集中する。そして腕を組んだまま 2 人は振り返った。
闇に沈んで見えるはずもない、屋敷 2 階の向かって右端の窓。確かに、何かが動いた。一瞬で消えた白い影。その一瞬の記憶を脳内で再生すると、それは白髪を円く結った老婆の姿となった。
■レヴィック |
何? |
■フィオン |
エマ・・・ロゾニィ? 似ている・・・。 |
フィオンは過去に見たエマ・ロゾニィの似顔絵を思い出していた。
レヴィックは屋敷の中の精霊力は感知できなかった。一瞬のことだったので、白い影が何であるかもよくわからない。
すかさずフィドルを構え、呪歌を奏でた。キュアリオスティだ。しかし、館の中からは反応がない。それを確認するとすぐに呪歌の演奏を止める。
■レヴィック To:フィオン |
残念ね、反応なし…。 |
■フィオン |
生きていたとか?・・・まさか。 それとも幻影? センス・マジック |
フィオンはセンス・マジックで魔力を感知する。しかし、白い影は既に消えてしまっている。見渡す限りに、魔力を感じるものはなかった。
■フィオン To:レヴィック |
魔力は感じない・・・。 本当にエマ・ロゾニィの幽霊なのかしら・・・。 |
■レヴィック To:フィオン |
エマ?…ああ、さっき言って… |
フィオンのいうエマの話を聞こうと思ったが門番に呼び止められる。
■門番 To: アベック? |
お前たち、今何をした?それは魔法だろう。ただのアベックじゃないな?動くな!何者だ! |
ついでに、門番は 2 人が魔法を使ったことに気がついた。ただの野次馬アベックじゃないと判断し、メイスを構えて警戒しつつ、いつでも攻撃できるような体勢で近づいてくる。
レヴィックは楽器を早々にしまうと両手を広げて抵抗の意思が無いことを示す。そしておもむろに語りだした。
■レヴィック To:門番>フィオン |
あら(^^;(忘れてたわ(笑)) これはスイマセン。実は私達、三角塔…賢者の学院の者でして……噂のお化け屋敷とやらを一度は調べてみたいものと見に来た次第です。先ほどそれを言わなかったのは我々が正式に調査に来たわけではなく、一学者の好奇心といいますか、そういうものでやってきただけでしたのであえてお話して手続き等という話になっても面倒が増えるだけかと思い差し控えさせて頂きました。 ちなみに、今の魔法は決して害のあるようなものではありません。ちょっとした好奇心と実験…いや実証とでも申しましょうか、万が一の可能性を踏まえてですね、このお化け騒動が人の手によるものであるかもしれない…という仮定を想定しての至極簡単な調査だったのです。 いやはや、護衛をされておられた貴方方には非常に驚かれたかと思われますが私達の好奇心のなせる所業、ぜひここは穏便にお願いします。私達もまさかファリス神殿の方が街の人のためにこのようなご苦労をされていらっしゃるとは思いもしなかったものですから…。 さ、これ以上邪魔をしても申し訳ない、私達は早々に退散させていただくといたしましょう。 それでは、寒いのにご苦労様です、失礼いたします(ぺこり) |
立て板に水。決して早口ではないが途中に口を挟める感じはしない。
フィオンも(半ば驚いて)黙って聞いている。
一気にしゃべり終えると一礼し、くるりと後ろを向いて歩き出す。
圧倒されていた番人はようやく我に返った。背を向けた 2 人の後ろから、追いかけるように声をかける。
■門番 To: アベック? |
賢者の学院の? 失礼ですが、念のためお名前と連絡先を伺えますか? |
口調は丁寧に戻ったが、警戒は解かれない。レヴィックはちょっと足をとめるとおもむろに振り返る。フィオンも観念したようだ。
■レヴィック To:門番 |
レヴィックと言います。連絡は…そうですね学院に言付けていただければ(多分きっといつかは)伝わると思います。 |
■フィオン To:門番 |
・・・フィオーナよ。 |
これはフィオンの本名である。それだけいうとまた歩き出す。
門番は名前をメモしているが、それ以上追って来ることはなかった。
少し離れたところでこそこそと……。
■レヴィック To:フィオン |
……ふぅ、慣れないことすると疲れるわねぇ…。でも人間何事も経験だってことがよくわかった気がするわ、いろんな人を見ておくものね。 ところでフィオンちゃんってフィオーナって言うのね、とっても可愛い名前じゃない、どうして普段使わないの? |
これを聞いて、フィオンは”バッ!”とレヴィックの腕をはなす。
■フィオン To:レヴィック |
なななな、何言ってるのよ!(赤面) フィ、フィオーナだなんて、女らしくて、か弱い感じがして・・・ ちっとも私に似合わないじゃない!? 家族の誰も呼んでないし。 おかーさんよ、私のおかーさんがそう名づけたの! |
フィオーナと言われてフィオンは何故か赤面する。
本名を知られただけで恥ずかしくてレヴィックの顔が見れない。一方のレヴィック、まさかそこまで過剰に反応されるとは思わずビックリ。
■レヴィック To:フィオン |
フィオンちゃん?!どうかして? あのね、似合わないだなんてこと無いわよ?ステキな名前じゃない、お母様に感謝しなくちゃ。 アタシもこれからはフィオンちゃんのことフィオーナちゃんって呼ぼうかしらね?ね、皆もそう呼んでくれるかもよ? |
■フィオン To:レヴィック |
―――それは駄目。 お願い、みんなには黙っておいて・・・。 恥ずかしくて顔合わせられなくなっちゃう・・・。 |
■レヴィック To:フィオン |
そお?じゃぁ辞めておいた方がいいわね。(ちょっと残念) |
■フィオン To:レヴィック |
・・・レヴィック、もし私を本名で呼ぶなら”ちゃん”はつけないでね。 大事な名前なの・・・。 |
■レヴィック To:フィオン |
……わかったわ。フィオンちゃんの本名のことはナイショにしておきましょ。(きっと、フィオンちゃんにとってはお母様と同じくらい大事なのね。…アタシ達が気軽に呼んでいいようなものじゃ無いのかもしれないわね。) |
しおらしくなったフィオンをよそに一人納得して頷いている。
フィオンが言いたかったのは”呼ぶなら、ちゃかして呼ばないでね”と言う事だったのだが ……上手く伝わらなかったようだ。それともレヴィックが鈍感なのか。
■フィオン To:レヴィック |
私も、レヴィックの出生の秘密、内緒にしとくから。 お願いね。 |
ようやく落ちついてきたのか、やっとレヴィックの顔を見て言った。
■レヴィック To:フィオン |
わかったわ、任せて頂戴これでもクチはカタイのよ。 |
■フィオン To:レヴィック |
こんな顔して、家に戻れないな・・・。 ・・・送ってもらったのに悪いんだけど、もう1回銀の網亭に戻る? みんな、集まってくるなら白い影のこと、今夜中に報告しとこうかと思って。 |
■レヴィック To:フィオン |
うーん、そうねぇ。シャノンちゃんに頼みたいこともあるし…。じゃぁ、帰りましょうか。 |
2 人は急いで銀の網亭へ返ることにした。
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