SW-PBM #87 覗き魔にご用心!? 拾ったお金はネコババですか? |
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庭 |
レンシオとアルシオンは庭の足跡を確認するために、執事ノルクに案内されて屋敷を出た。
日は大分傾いているがまだ辺りは明るく、調べるのに支障は無さそうだ。
■ノルク To:レンシオ&アルシオン |
私が見た限りでは、足跡のようなものは特に気付かなかったのですが……。 本職のあなた様方なら安心してお任せできますな。 |
■レンシオ To:ノルク |
しばらくそっち方面の仕事からは遠ざかっているので、ちっと不安もありますけどね……… |
というわけで、地面にはいつくばってテラスの下当たりから念入りに付近の地面を調べてみる。
伸びきった草に覆われてはいたが、足跡のような踏みつけられた跡があった。
■アルシオン To:ノルク |
普段このあたりに誰かが足を踏み入れることってあるんですか? |
■ノルク To:アルシオン |
いえ、何しろこの状態ですから……。 ただ、たまにご近所のお子様がボールを入れてしまい、それを探しに入ったりはしております。 |
とか言っていると、奥のほうからごそ、ごそごそ……という物音が聞こえた。
■アルシオン |
……しっ。 |
アルシオンは口元に人差し指を当て、姿を現すまで黙って見ているよう二人に促した。
■男の声 |
むむむむ、無い〜。 何処に行ったあ〜。 |
何か探しているらしい、そんな声が聞こえてきた。
取りあえず子供の声ではない……。
■ウィスノー To:3人 |
ふう、一体何処に……。ややっ!! き、貴様ら、一体何故ここへっ!? |
奥から出てきた人物はウィスノーだった。
アルシオンとレンシオの姿を見て随分と慌てているようである。
■アルシオン To:ノルク |
これはまた大きなお子様ですね(笑) |
■ノルク To:アルシオン |
いえ、そういうつもりで言った訳ではないのですが……(苦笑) |
■アルシオン To:ウィスノー |
どうもウィスノーさん。ご精がでますね。 何か探し物をなさっているようですが。 私どもも今はまだ手が空いておりますので、是非お手伝いさせてください。 ここに足跡があるということは、このあたりで落として、私達がやってくる前から探していたということですね。 しかし私達が来たからには大丈夫です。何かを探すのには慣れておりますので。 いったい何をなくされたんですか? |
■ウィスノー To:アルシオン |
てて、手伝いだと!? いいいいや結構だ。貴様らに手伝わせなどしたらボクの名誉に関わる。 ボ、ボクは決して失くし物をしてそれを探していたんじゃないぞ。ただちょっと、風に吹かれたくて出て来ただけだ。 決して大切な徽章を失くして探してたわけじゃ……あわわわわ(慌) |
バレてるバレてる(^^;)
ウィスノーが口を滑らせた(笑)通り、制服の胸に飾られているはずの徽章がそこには無かった。
■アルシオン To:ウィスノー |
それは大変ですね。 見つからなければ戻れませんし、探していては警護もままなりません。 まして犯人に間違われることがあっては本末転倒。 ささ、サナリアさんを守るためにも早く探してしまいましょう。 |
■ウィスノー To:アルシオン |
む、む、む……。 ま、まあ貴様らが勝手に探して、見つけ出す分には一向に構わんが……。 決してボ、ボクが貴様らに頼んで探してもらっている訳じゃないからな。 そこを間違えるなよっ。分かってるか? |
言いたい事だけ言うと、3人に背を向けてまた草を掻き分け始める。
■レンシオ |
はぁ………せっかく手がかりになりそうな足跡が見つかったと思ったのに………やれやれ。 まぁ、いいや、バカは無視して仕事仕事。 |
というわけで、足跡の鑑定。
……は失敗したようである。
■レンシオ |
う〜ん………調子悪いなぁ……… |
■アルシオン To:レンシオ |
もののついでですよ。 大腕を振るって探しものができるわけですし。 |
■レンシオ To:アルシオン |
そだね……… |
というわけで、今度は良い物がないかどうか捜索も行ってみる。
ウィスノーががむしゃらに引っ掻きまわしたせいか、草が掻き分けられ割と探しやすい状況にあるようだ。
が、お目当てのものが出てくるかというのはまた別問題である。
取りあえず、レンシオが見つけたものを順に並べ挙げてみよう。
薄汚れたボール(ノルクの言う、子供が失くした物だろう)
ヘビの抜け殻(かなりボロボロ。年代物か?)
犬のフン(まだ湯気が……(笑))
1ガメル銀貨(くすんでいる)
エトセトラ、etc……。
ウンザリしかけた頃、レンシオの目に何かが止まった。
付けられてからまださほど時間の経っていなさそうな足跡。その足跡の土の下に、何か光る物がある。
■レンシオ To: |
お、1ガメルみっけ。も〜らい♪
ん?なんだこりゃ………? |
というわけで、光るものを拾い上げて確認して見ると………。
オラン官憲のシンボルマークの入ったバッジのようである。
恐らくは、これがウィスノーの探している徽章だろう。
■レンシオ To:ウィスノー |
う〜ん………こんなもん見つかってもなぁ……… でも、これ以上探してもなにも見つからなさそうだし、返してやるかなぁ……… お〜い、落とし物はこれですか〜? |
というわけで、言い放つと「同時に」投げつけ(というほどでないにしても、かなりの勢いで投げ)る。
■ウィスノー To:レンシオ |
え? ……おわっ! |
顔面にぶち当たる徽章。
そのまま仰向けにひっくり返った後、じたばたとやりながらようやく起き上がると、じろっとレンシオを睨んだ。
■ウィスノー To:レンシオ |
い、いきなり投げつけるとは何事だ!? あああ、しかもまたどっかに行ってしまったではないかっ。 |
どうやら受け損ねたらしい(笑)
草を掻き分けながら、また奥の方へと行ってしまった。
■レンシオ To:アルシオン |
やれやれ………ちゃんとキャッチしろっての………。 まぁ、これ以上こっちではすることもなさそうだから、戻ろうか。 |
と、帰ろうとする。
■アルシオン To:レンシオ、ノルク |
万事あの調子で、いろいろなものを掴み損ねる……なんてことがなければいいのですが。 そうですね、テラスの方にでも行ってみましょうか。 |
■ノルク To:レンシオ&アルシオン |
では、私も戻る事にいたします。 もうすぐ御夕食の準備も整うと思いますので、そちらを手伝っておりますので。 |
人のいない屋敷において、『執事』と『何でも屋』は同意語であるらしい……。
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