SW-PBM #077 大事な届け物 |
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【静寂の森亭/大部屋&個室】
夕食後、キャンドルの提案通りに個室と大部屋に彼らは別れて泊まる事にした。個室(5メートル四方)にはエミリアを装ったリシィアがベッドで休み、アルフレッドとフィリスはそれぞれカメレオン、インビジリティで姿を隠す。そしてキャンドルは戸口から死角になるよう、ベッドの影に上手く隠れたようだ。このまま夜通しで、賊に備える手筈らしい。残りの四人は隣室の大部屋である。クラウディアとリグも夜通しで待機するようだ。ちなみにエミリアは旅の疲れの為か、早々にベッドで眠りに就いた。ディーンの方は長剣を抱えたまま、毛布にくるまるなり「先に休ませてもらう。後で交代しよう」と言って、床の上にそのまま寝転がった。そして一分もしないうちに、寝息が聞こえてきた。
それから数時間、夜明け前まで六人はひたすら辛抱強く待った。その間、特に変わった事は無く。静かな夜であった。夜明け前になると少々肌寒くなり、辺りを支配する闇も暗さをより一層増している。さすがに昼間の疲れと数時間の夜通しの為に、四人は強烈な眠気に襲われる。ちなみに元気なのはキャンドルとリグの二人だ。クラウディア、リシィア、アルフレッドはなんとか眠気を振り払ったようだ。
だがフィリスは疲れがドッと出たのか、眠気に誘われてコクリ、コクリと隣のアルフレッド肩にもたれかかる。もちろんその瞬間に、フィリスの維持していたインビジリィティは効果を失った。
このまま何も起きないのかと思いはじめた時、リグ、クラウディア、キャンドル、リシィアの四人には、微かな音が廊下の向こう側から聞こえてきた。足音を忍ばせているようだが、何者かが突き当たりの個室に向かってきてるらしい。ちなみにその忍び足の訪問者は一人だけみたいだ。
■ディーン To:クラウディア、リグ |
聞こえるか?ようやく来たようだな。 |
突然、小声でディーンが声をかけてきた。どうやら彼にも、微かな足音が聞こえているようである。きっとその足音で目を覚ましたのであろう。
■クラウディア To:ディーン,リグ |
ああ,くたびれ損にはならないようだね。 さて,思わく通り個室に向かってくれるといいんだけど……。 |
と小声で答えつつ,音を立てないように武器(マトック)を手にとる。
黙ってうなづき、音を立てずにディーンは起き上がる。ちなみにエミリアの方は安らかな寝顔で、ぐっすり眠っているようだ。
■アルフレッド To:心の声 |
ん?あっ、フィリスさん寝ちゃったのか。 どうしよう、お客さんが来る前に起した方がいいかな・・・。(-_-;) |
■キャンドル To:個室の面々 |
(ん?・・・廊下の方・・・かしら?) (指で、廊下の方をクック、と指をさして、皆に合図) |
問題の足音の主は、足を忍ばせたまま突き当たりの四人が待ち受ける個室の扉の前までやってきたようだ。もしキャンドルの同業者なら「聞き耳」で中の様子を伺ってるだろう。そして先程の忍び足からして、間違いなく同業者である事は疑いようが無いとキャンドルには分かる。
■キャンドル To:個室の面々 |
(さっきの奴とは、違うみたいね…) |
口の前に人差し指を立てて、個室の面々に静かにするように合図を送っている…
■アルフレッド To:心の声 |
うっ、マジっすか!Σ( ̄□ ̄;) どうしよう、今フィリスさん起したら気付かれるかも・・・。 |
アルフレッドが逡巡しているところに、招かれざる客はソーっと扉を開け、部屋の中へと侵入してきた。
■??? To:(独り言) |
ふふん、見張りを置いても寝てるようじゃねぇ〜。 そいじゃま、頂く物は頂いていこうかなっと。 |
侵入者は小声でそう呟くと、ベッドの脇に置いてある荷物へと近寄ろうとする。
■リシィア To:心の声 |
……うまく誤解してくれたみたいですね。 あとは、もうすこし引きつけてから……。 |
■キャンドル |
(気付かれてないみたいね…) |
■ディーン To:クラウディア、リグ |
・・・・・入ったか? さて、俺達の役目は退路を塞ぐんだったな。 出るか? |
ディーンに言われる間でもなく、招かれざる客が隣室に入ったのは分かった。
後はタイミング次第か・・・。
■クラウディア To:ディーン,リグ |
扉を開ける音を聞きつけられてもまずいかね…… 個室組からの合図を待つかい。 |
ディーンは黙って頷く。そしてクラウディアとディーンは、いつでも扉をあけて廊下に飛び出せる態勢をとる。リグはエミリアの護衛のため、この部屋に残るようだ。
一方、個室では招かれざる客はベッドの脇まで忍び寄り、荷物を漁りはじめた。リシィアの目と鼻の先、手を伸ばせば届く位の距離である。そしてベッドの影に隠れているキャンドルなら、パッと飛び出せば組み付けない事も無いだろう。
■アルフレッド To:侵入者 |
何かお探しですか?(☆_☆) |
もたれかかるフィリスを揺り起こしつつ、アルフレッドはカメレオンの精神集中を解く。そして侵入者の背後から声をかけたが・・・。
■侵入者 To:アルフレッド |
!!わっ!? ど、ど、ど、ど・・・・どっから急に!? |
侵入者は突如姿を現したアルフレッドにビックリしたようだ。ちなみに暗がりの中で、おろげながら見える侵入者のその姿は、フィリスよりもさらに小柄であった。だがグラスランナーよりは大きい、まさか子供か?
■フィリス To:アルさん&侵入者の人 |
……ふぃ…?。 …えと…こんばんわ。 |
侵入者がアルフレッドに気を取られている隙をついて、リシィアはベッドから飛び起き、侵入者を捕まえにかかった。またキャンドルは周囲に気を配りつつ、ベッドの脇で待機している。
もしリシィアが失敗した場合は、キャンドルもすぐに飛び掛かるつもりであったようだが、だらしない侵入者はあっさりとリシィアによって、床の上に組み敷かれてしまった。
■ディーン To:クラウディア、リグ |
む?・・・・、どうやら俺達の出番は無かったようだな。 俺は念の為に、宿の外を見てくる。 |
そう言うと、ディーンは部屋を出て行った。ちなみにエミリアは全く起きる気配が無い。その代わり隣室からは「うるせぇーぞ!」っと壁越しに、怒鳴り声を頂いてしまった。
■クラウディア To:リグ |
むこうの部屋は,あたしたちの助けはいらなさそうだね。 とりあえず,もうちょっと見張っていようか,“念のため”にこっちに侵入者の仲間がやってくるかもしれないしね。 |
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