SWPBM#73

幻獣の住まう谷

Prologue-1

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「銀の網」亭

 ここは「銀の網」亭、冒険者が仲間を探し依頼を求めて屯す場所。正午前の人数が少ない頃、準備も終わりする事も ほとんどないと見えて、おやじはのんびりカウンターで食器を磨いていた。布と食器が擦れあう軽快な音が響く中、 依頼は一つ、また一つとやってくる。
 そんな中、一人の若者が「銀の網」亭にやってきた。きらびやかな服装と、高い身分であろうことを示す紋章や豪華な 装飾品などを身にまとっている。しかし、その腰に差している剣だけは不釣り合いな程装飾がされていない。けっして安い 剣ではないようであるが、全体のバランスを考えると安っぽく見えてしまう。
 おやじに断りを入れて掲示板に依頼書を貼り付けると、改めておやじに話しかけた。
■青年 to:おやじ
申し訳ないが、この宿で最も腕の立つ者を紹介してもらえないだろうか?

おやじは表情を変えずに返答する。
■青年 to:おやじ
ん?今はっつけた依頼に関してかい?
まぁ、いいけど。えぇとな………

おやじは酒場を見回すと一角に座っている数人をさす。
■おやじ to:青年
あそこに座ってる奴らがそうだよ。
人の良い奴らだから、困ってることを言えば相談に乗ってくれるだろうよ。

■青年 to:おやじ
そうか、ありがたい。
礼を言う。

 青年は軽く頭を下げると、真っ直ぐに指された場所に向かった。
 しばらくの会話の後、青年を含めたその集団は最初に貼り付けられた依頼書を引っ剥がし、二階に上がっていった。
 「銀の網」亭に、冒頭に登場した盗賊風の男がやってくるのは、それから一時間後のことである………。

「銀の網」亭

幸せの木でパーティーを組み終わった一行は、 ひとしきり挨拶を済ませた所でバーンが口を開いた。
■バーン to:ALL
…それじゃあ個室に移ろうか?
メルディスさんが鍵をもらってくれたんですよね。

■メルディス to:バーン、ALL
ええ、そうです。
確かにここに持っていますよ(笑)
では行きましょうか。

個室の鍵を開け中に入る。
■メルディス to:ALL
これでくつろげますね。
まぁ2人ばかりはテーブルの方でもくつろいでたようですが(笑)

当然寝ていた2人のことを指している(笑)
■クロス to:メルディス、all
うんうん(笑)

クロスも笑いながらうなずいている。
■ソフィティア To:メルディス
ははは(^^;メルディスも人が悪いな〜。

■バーン to:ソフィティア
そんなに疲れるなんて、二人とも大変な仕事をしてたんだね(嘆息)

気付いてんだか気付いてないんだか微妙な応えをしたりする(^^;;
■アップル to:おーる
ふーん、そうだったんだぁ。おつかれさま〜

ここで何かに気付くようなアップルではないです。まだ。。
■ソフィティア To:バーン&アップルリーフ
「仕事」って、前の仕事終わったの結構前よ。さすがに今日まで疲れ引きずってる訳ないじゃないの(^^;
アフルに遅くまで精霊さんの事教えてもらってたの。

■アフル To:バーン&アップルリーフ
そうそう、ソフィーが精霊たちと話せるようになりたいって言うから、一緒に練習してただけだよ(^^;;

こちらも、気付いてんだか気付いてないんだか微妙な答えである。
■バーン to:ALL
そっか。なるほどね。
そうそう、ここにはフェイスに係わり合いのある人たちが集まってるから、一応この間の事を伝えとくね。

■クロス to:バーン
フェイス?

■アップル to:クロス&バーン&おーる
かなり腕利きの・・っていうのも変だけど、冒険者としても非常に有能なグラスランナーの方です。
いっつも明るくて、この間の冒険のときも、いるんな意味でお世話になったんだけど・・
フェイス・・がどうかしたの?

■バーン to:ALL
 うん。冒険者を職業と呼ぶなら、一時的に休業するってところかな。
 俺とアップルとフェイスを入れた仲間たちで、こないだの仕事でエレミアまで行って来たんだ。
 その帰りがけの最後の野営の晩、フェイスは俺にやりたい事を聞き、そして自らやりたい事を伝えてくれたんだ…
 フェイスは言ってたよ。お世話になった大切な人を探すために、旅をはじめるんだって…

■アップル to:バーン
フェイス・・さん、そうだったんだ・・・明るく振る舞っていたので、そんな感じはしなかったんだけどな・・

■メルディス to:アップル
彼が明るいのは生まれつきの性格だと思いますよ(笑)
まぁ確かに、俺もさっきこの話しを聞いたときには意外だと思いましたが。

柄頭の代わりに赤いリボンが巻かれている長剣を差し出すバーン。
昔バーンの長剣を記憶に留めているものは、その変化に気付くだろう。
■バーン to:ALL
(アップルに笑いかけながら)
 別に悪いことをするために、思い悩んでいた訳じゃないからね。
 このリボンは俺の長剣の柄に嵌めていた鷹のお守りと交換したんだ(^^)
 …またいつか、みんなに会いたい、会いにくるって言ってたよ。

 ……俺の話はこれでお終い。みんなによろしくだってさ。

■アフル To:バーン&ALL
そっか、みんな色々あるんだね…

出会いには必ず別れがある、か。

■バーン to:アフル
 そうだね。正直寂しいとは思うけど、「別れ」が他の人や自分自身にとって新しい「出会い」のための必然なら、しょうがないのかな…。

■ソフィティア To:バーン
「「出会い」のための必然」かぁ、なんだかちょっと寂しいわね。

■メルディス to:ALL、バーン
会いにくる・・・か。
その時まで俺がオランに居れればいいんですけどねぇ。
やっぱり、皆それぞれ目的と言うものはあるものなんですね。

ところで、フェイスのやりたいことはその大切な人探しだと言うのは分かりましたが、
バーンのやりたいこととは何です?
よかったら聞かせてもらえませんか?

■バーン to:メルディス、ALL
 う〜ん、隠すようなものじゃないけど、なんだか照れるなあ(@^^@)
(咳払いをひとつし)
 え〜とね、ひとつは依頼中に知り合ったレイリアっていう女の子の足の病気を直すためにお金を稼ぐ事。
 もうひとつは磨いた技術をお世話になった人々のために役立てられるようにオランの騎士団に入る事。
 …最後は、
 ……あ〜
 ………ま、まあいいじゃないの(テレテレ)
 シラフじゃちょっと言えないよ。…ってメルディスさんとアフルは知ってるでしょ。
 つまりはそう云う事!

■アップル to:バーン&おーる
 ふ〜ん、ひとにいえないようなことなんだ〜?
 よっぽどすご〜い目的なんだね〜♪

 だから、もうすこし人生の機微について、勉強し直そうね。 銀の網亭のなかでは、これでもかなりの年長さんなんだから・・
■メルディス to:バーン
なるほどね。
まぁ最後のは言われるまでもなく分かっていたことですが(笑)
それにしても騎士ですか。
うん、バーンならきっとなれますよ。
(騎士かぁ、バーンには間違っても「海賊になる」なんて言えないな(笑))

■バーン to:メルディス
 ありがとう、メルディスさん。
 そう言えばメルディスさんは何を目標としているんでしたっけ?
 …確か、船の副長だとか参謀だとか(ごにょごにょ)

■メルディス to:バーン
え、あぁ・・俺ですか?(苦笑)
その船に乗るというのは最終目標ですね。

俺がオランでこうやって冒険者をやってるのは2つ目的があるんですよ。
1つは知識を得ることですね。
いつか海に出るときのために、この知識ってやつはあって困ることはないですからね。
もう1つは・・・探しものです。
厄介なことに探しものも2つありましてね・・これが(笑)
とある一団と、たった一人俺がその一生を賭けるに足る人物。
これが見つかれば俺の目的は達成なんですけどねぇ。
残念ながらどちらも音沙汰ありません(笑)

■バーン to:メルディス
 そうなんですか。
 見つかると良いですね(^^)

■メルディス to:バーン、ALL
そうですね、見つかるといいんですけどね(笑)
まぁ、もうしばらく粘って、それでもなんの手がかりもないようだったら、
その時はオランを離れるときかもしれませんね。

・・・・。
そうそう、俺とバーンだけじゃなんですし、皆の目標も聞かせてくださいよ(笑)

■アフル To:メルディス&ALL
うーん、目標って言ってもね…(^^;;
とりあえず、今の生活には満足してるし…
強いて言えば、父さんと母さんを見つけること、かな?

■ソフィティア To:メルディス&ALL
目標かぁ〜、わたしのは泥臭いから……ね、パス(^^;

■クロス To:ソフィティア
ふぅん? でもちゃんとあるだけいいんじゃないかな?
僕なんかはまだ、目標見つけるのが目標だからな〜(^^;

■アップル(心の声)
わたしも似たようなものかな・・
具体的なことなんて、なにも考えてないもの・・ね。

■メルディス to:クロス
そうでもないですよ。
今はまだ何もないと言うことは、これから先には無限の可能性があると言うことですよ(笑)

■クロス to:メルディス
あはは、なるほどね。そう思ってみれば、僕も早く何か見つけようって気になるかな。
もう目標をもって実現に向けて動き出してる人からはちょっと遅れちゃってるけどね。ま、なんとかなるでしょ。

と、そこで酒と肴が切れそうな事に気が付いたバーン。
■バーン to:ALL
 そろそろお酒が切れそうですね。おやじさんに追加注文してきますけどなにか希望はありますか?

■メルディス to:バーン
んー、俺は酒はいらないです。
何かつまめるものが欲しいですね。
よかったら俺も行きますよ。

■アフル To:バーン
俺も酒はもういいよ。

■ソフィティア To:バーン
わたしはもう水でいいわ。おじさん(おやじ)に言えばキンキンに冷やしたの出してくれると思うから、それをお願いするわ。

■アップル To:バーン&おーる
わたしは紅茶が欲しいな♪
・・なんて、わたしもお願いしにいくね
えーと、つめた〜い水と紅茶と・・・・・
あとは・・食べるものだよね? てきとうでよければ頼んでくるよ

■クロス To:みんな、バーン
なんだ、みんなもう、デザート系だね(笑)
じゃあ、僕も香草茶にでもしよう。

■ソフィティア To:ALL
あ、どうせなら私も行って依頼見てこようかな?

■メルディス to:ALL
ならいっそ、皆で行きますか?
そろそろ他のパーティも動き出すでしょうし、あまりのんびりしていてはいい仕事を先に取られてしまいますしね。
依頼を決めてすぐ仕事開始・・と言うわけでもないでしょうから、仕事を決めてから第2戦と行きましょう(笑)

■アップル to:メルディス&ALL
そうね、じゃぁいきましょうよ♪

■クロス to:メルディス、アップル、そしてアフル
それじゃそうしようか、アフル?

■アフル to:クロス
うん、いいよ。

■バーン to:ALL
 それじゃあ、行きましょうか。

そうやって階下に降りた一行が卓に着いたときである。
一人の男がパーティーの方に向かってきた。足音を立てないような静かな足の運びと抜け目のない目つきは………先ほど冒頭で登場した男である。
■男 To:一行
もしもし、ちょっといいすか?あんたら方腕は立ちますかね?

………こうして彼らの元に依頼が舞い込んできたのである。


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GM オーイシ
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