SW-PBM #072 汎用ヒト型演劇人形 |
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迂回したルリィ達。
表通りに戻る道を探すが、荷物で塞がれたり、袋小路であったりとなかなか戻れない。
迷路さながらの裏路地を、とにかく北に向かう。
■ニノア To:ルリィ |
お前が居なければ迷っているな。 |
■ルリィ To:ニノア |
…え? …いえ…その……(^-^;; |
もう迷ってるかもしれません…とは、心の中で呟いておく。
細くくねった道の何度目かになる角を曲がると、先に広場が見えた。
10m四方程の広場で、共同井戸が設けられている。
その広場に、それは居た。
身の丈約3m。全身を濃い茶色の鎧で包んだ8頭身の戦士。
ボロ布をマントとして羽織っている。
洗練された造形、存在する事の迫力は、マークの説明画からは想像出来なかった域にある。
■パル |
あ、あれ。 |
■ニノア |
居たな。 |
■ルリィ |
(怪我の功名…ですね) |
探していた人形に間違い無い様子。
人形は今、建物の壁にある高窓を覗き込んでいた。
■ルリィ To:ALL |
あの、人形から操縦者を引きずり出すのって…簡単に出来ますか? |
小声で質問。
■ニノア To:ルリィ |
その部分には携わって無いからよく知らん。 |
■パル To:ルリィ |
えと、背中の扉を開けられれば。 廻す取っ手が付いてるんです。 |
今はボロ布が邪魔で、よく見えない。
■ルリィ To:パル |
成る程…それなら背中を狙えば良い、という訳ですね。 |
頷くパル。
■フェリオ |
おい、そこの人形! と言うか中に乗ってる奴!! それは人様の物だ、大人しく返してくれないか? |
広場の反対側から、フェリオの声が聞こえた。
人形がそちらを向き、返事を返す。
乗っているのは、バイスという名前の者らしい。
■ルリィ |
え!? フェリオさんっ?? ……うまく挟み撃ち出来た、ということですか…。 人形はこちらに背を向けてますし…チャンスですね。 |
唇を引き結び、後ろの二人に声をかける。
■ルリィ To:ニノア&パル |
お二人は此処で待っていてください。 |
■パル To:ルリィ |
え、ええ。 |
■ニノア To:ルリィ |
無事戻って来い。 ……いや、人形を取り戻すまで帰って来るな。 |
■ルリィ To:ニノア |
…ご期待に添えるよう頑張ります(^-^; |
背後から人形に近寄るルリィ。
人形が武器を構えた時、背中を覆っていたボロ布が取れ、問題の背中がよく見える。
取っ手は首の後ろ、高さにして約2.5mの位置にあった。
■ルリィ |
(んー…思ったよりも高い位置にありますね〜(悩)) |
周囲に、足場となる物が無いか探す。
左後方、広場の隅にガラクタ置き場があり、幾つか使えそうな物が転がっていた。
小型の樽、木製梯子。そして、上に乗れる置き看板。看板には「楽園への誘い(はーと)」と描いてある。
■ルリィ |
(あの樽が一番適当――でしょうか) |
ガラクタ置き場へと取りに行く。
樽を抱えようとした時、後ろで人形が倒れるのが解かった。
■ルリィ |
――っ! |
背後を振り返る。
■ルリィ |
どうやら力仕事はせずに済んだようですね(^-^) |
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