SW-PBM #072
汎用ヒト型演劇人形

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■ 
フィアはルビーを胸の膨らみの足しにしつつ、盗賊ギルドに。
向かっている途中、
■娘 To:女性
驚いた。あんな者も居るなんて。

■女性 To:娘
そうね。随分背の高い人。
オランには大勢の人が集まるけど、あれは特別かしら?
2Mくらい?

■娘 To:女性
3Mだと思う。

前を歩く二人のそんな会話が聞こえた。
娘は10代前半、女性はその姉だろうか。
共に身なりは良かったが、地方からオランに来たお上りさんだと分かる。
■フィアルラ To:ひとり言
(3mの人……冒険者の人かなあ?)

目立つ人、妙な人、珍しい人……イコール冒険者、というのがフィア的思考らしい。
■女性 To:娘
そうだ。
朱眼の猫の話はどう思います?

■娘 To:女性
本当に居るなら、一度見てみたい。

常闇通りへの分岐に差し掛かる。
前の二人は、曲がらずに直進。
■フィアルラ To:ひとり言
紅い目の猫……ルビーのことかな? なんだろ……。

興味をそそられたらしい。そっと後を尾けてみる。
『正しい仔猫の育て方』とか聞けるかも、なんて考えてたり。
■フィアルラ To:ルビー
あ、ルビー。一応隠れておいてね。

息苦しくならないよう気を付けながら、ルビーを見られないように胸元に潜り込ませる。
■ルビー
にぃ。
(ごそごそ)

胸元で動くルビーがこそばゆい。
■フィアルラ To:ルビー
ちょ、ルビー……大人しくして……。

必死で笑いそうになるのを堪える。

前の二人は話を続けながら歩く。
■娘 To:女性
あの猫の話は、教訓話だと思う。

■女性 To:娘
何の教訓です?

■娘 To:女性
初めは可愛らしい仔猫を装い、結果は拾った少女を不幸にしただけ。
まず、みかけに騙されてはいけないという教訓。

■フィアルラ To:ひとり言
(可愛らしさを『装って』はいないし、拾ったんじゃなくて譲ってもらったんだから、ルビーのことじゃないですね……)

自分勝手に解釈。
■女性 To:娘
でも、猫は悪くないですよ。

■娘 To:女性
それじゃあ、誰が悪い?

■女性 To:娘
ええと。少女の猫を最初に欲しがった女の子。
リィっていう名前の。
あの子が噂を流さなければ……。

■フィアルラ To:ひとり言
(リィ? ……ルリィさんのことかなぁ。あ、エアリィさんって事も……)

自分のことは棚に上げる(笑)
■娘 To:女性
噂を信じた街の人達は悪くない?
それが二つ目の教訓。噂を鵜呑みにしない事。

■女性 To:娘
あの。
ひょっとして、猫お嫌いでしたか?

■娘 To:女性
犬の方がいい。

■女性 To:娘
犬もいいですね。今度飼いましょうか。

娘の方が、突然歩みを止めた。
ルリィはそのまま追い越して通り過ぎ、適当なところで隠れて様子をうかがう。

周囲を見渡す娘。
■女性 To:娘
──ました?
もしかして、体調が。

■娘 To:女性
違う。
目的の──、この道で──?
それと、ん……。

何やら落ち着かず、もじもじする娘。
■女性 To:娘
もうしばらくは、──してこの道を真っ直ぐ──。

──、2杯も紅茶を飲むから(^^;
あの店に寄って──。

■娘 To:女性
う、うん。

二人は、軒を連ねる服飾店の一つに入っていった。
■フィアルラ To:ひとり言
う〜ん……おトイレ、かな?

しばらく観察しているうちに、内股になってもぢもぢ。
これは銀の網亭で飲んだ、2杯のカフェオレ?
■フィアルラ To:ひとり言
あうあうあう……わ、私もカモ(泣)
ど、どーしよぉ……。

トイレを借りられそうな所がないか見回す。
今二人が入った店が、一番入りやすそうである。
■フィアルラ To:ひとり言
うう……ダメです、我慢できない〜。

言いながら女性たちの後を追って服飾店へ。
店内では、先程の女性と男性店員が話をしていた。
■女性 To:店員
これ、値段は幾ら?

■フィアルラ To:店員
すいませぇん、おトイレ貸してくださいぃ〜(悲痛)

泣きそうな声。嗚呼、情けない……。
■店員 To:フィアルラ
奥の扉を開けて右側ですよ(^-^;

■フィアルラ To:店員
どおもっ。

慌てて駆け込む。
奥の扉の向こうは倉庫になっていた。
トイレは、現在使用中。
■娘 To:フィアルラ
……は、入ってる。

■フィアルラ To:娘
(ああう、あう……早くしてくださぁい)

待っていると、聞き慣れない音が耳に届く。
ギ、がしゃ。キィ、がしゃ。
重厚な鎧を纏った者が、倉庫の裏を歩いているのか?
壁の汚れた窓に、動く巨大な影が映った。
■フィアルラ To:ひとり言
みゃあっ!?
……な、なんです??

トイレの扉が開く。
■娘 To:フィアルラ
待たせた。

■フィアルラ To:娘
あ、はいっ。

生理現象最優先。
影は後回しでトイレに入る。

その後、影の消えたほうを見てみるが。倉庫の中には誰も居なかった。
あの影も既に去った後である。
■フィアルラ To:ひとり言
あ、見えなくなっちゃった……うーん、何だったんだろ?
何かわからないかなぁ……。

裏口に近寄り、まず人の気配が無い事を確かめる。
開錠、そして扉を開けて覗いた。

誰も居ない路地裏。
しかし、石畳の所々に濡れた跡があるのに気付く。
■フィアルラ To:ひとり言
なんだろ、この跡……? う〜ん……???
ま、いいです。取りあえずはお礼しないと。

店内に引き返して店員を探す。
店員は、服を見る二人の接客をしていた。
■フィアルラ To:店員
あ、すいません、ありがとうございました。助かりました。

■店員 To:フィアルラ
はは、お気軽に使って下さい(^^;
寄ったところで、商品を見ていかれてもいいですよ。
お嬢さんには、もう少し胸元の大きな服が似合うかな?

■フィアルラ To:店員
あ、いえ、これは……(^^;)

しどろもどろ。
話していると、胸元がじんわり温かくなるのを感じた。
■フィアルラ To:ルビー
あう……なんか胸のあたりが……。
ルビー、ひょっとしてぇ……?

泣きそうな顔でルビーを引っ張り出す。
見事に漏らしていた。
■ルビー To:フィア
みぃ。

■フィアルラ To:ルビー>店員
あは、ははは、は……ルビーってば……。(←怒る気力もない)
すみません、そーいう訳ですので何か適当に見繕って戴けますか……?
体も拭きたいので、出来ればタオルか何かも貸していただけると……。

■娘
……ぷっ、くくく。
ね、猫が。
胸から猫が、あは、胸から〜(爆笑)

壷にはまった様子。
女性と店員も苦笑い。
■店員 To:フィアルラ
そ、そうだね。
着替えはそこで。拭く物も置いてあるから。

内壁で区切られた更衣場所がある。
■店員
えーと、替えの服は……。

■女性 To:店員&フィアルラ
これがいい。

桜色のワンピースが手渡される。
■フィアルラ To:女性
あ、はい。それじゃちょっと着てみます。

■娘
ひっ、く、苦しい〜(笑)

目に涙を浮かべて、まだ笑っていた。
■フィアルラ To:娘
ううっ(泣)
そんなに笑わなくても……。

更衣室で着替える。
お見せできないのが残念。

ワンピは、胸が少し空いた事を除けば丁度良かった。
ただ、この上に皮鎧を付けるのは似合わない気がする。
■女性 To:店員
これだけですね。

■店員 To:女性
はい、70ガメル確かに。

着替えを済ませて戻ると、支払いが済まされていた。
■フィアルラ To:女性
えっ、あれっ。
もしかしてこの服のお金、ですか?
そんな、悪いです……私が自分で払いますから。

■女性 To:フィアルラ
うん、良く似合ってる。
ミディちゃんが失礼しちゃったお詫び、にはならないかしら?

譲る気は無さそうである。
■フィアルラ To:女性
……本当に良いんですか?
すみません、それじゃお言葉に甘えさせて貰います。

ぺこり。
■女性 To:フィアルラ
私はケイト。こっちはミディちゃん。
貴女の名前は?

■フィアルラ To:ケイト&ミディ
あ、はい。私はフィアルラ・スゥって言います。
ケイトさんに、ミディちゃ……さんですね。

初対面の相手を『ちゃん』付けで呼んで良いものか迷ったらしい。
■ミディ To:フィアルラ
ミディ=ルエナ。
……特別に、ミディちゃんでも許す。

■フィアルラ To:ミディ
ふふっ、ありがとうございます。

■ケイト To:フィアルラ
これから、何か用事があるのかしら?

■フィアルラ To:ケイト
えーっと……無い事もない……んですけど、そんな急ぎの用事でもないし……。

ほんとか?
■ミディ To:フィアルラ
それなら付き合え。

■ケイト To:フィアルラ
(こんな言い方しか出来ない子なの(^^;
 もし良ければ、付き合ってくれないかしら)

ケイトがそっと耳打ち。
■フィアルラ To:ケイト
いえ、気にしませんから(^^)
……どこかのお嬢さんですか?

■ケイト To:フィアルラ
そんなところ(微笑)

■ミディ To:ケイト&フィアルラ
そこの二人、勝手に仲良くなるな。


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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp