SW-PBM #070 人形屋敷の奥方 |
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■銀の網亭/一階酒場 |
事件から数日後の早朝、静かな銀の網亭の酒場にシーアン達6人がいた。
シーアンとアイシャの新たな旅立ちを見送る所である。
■シーアン To:みんな |
朝っぱらから悪いな(^^;。 はは・・・なんか照れるぜ。 |
■ポム To:シーアン |
(照れるなんて)今更だぞ〜(笑 |
■シーアン |
(アイシャとの仲を照れてるんじゃない。 改まって挨拶するのが照れるんだ・・・) |
しかし、言葉には出さない。
■シーアン To:アイシャ |
さぁ、荷物も積んだことだし・・・。 アイシャ、例のアレを――― |
■アイシャ To:みんな |
うん。 これ、2人からみんなへの贈り物なの。 |
アイシャがそれぞれにメダリオンを渡していく。
これは銀製の代物で、裏面には六人全員の名前が刻まれていた。
そして「アンデッドスレイヤーズ」とも刻まれている。
数々の冒険で、幾多のアンデッドを相手にしてきた彼らにふさわしい名だろう。
■ルタード To:シーアン&アイシャ |
ありがとう、生涯の宝ですな。 |
■アイシャ To:ミュン |
元気でね。 あのね、知らない人には、お財布を渡しちゃダメだよぅ? え、そんなことしない?う、うん。そうだね(えへへ) |
■アイシャ To:バジル |
バジルと一緒に冒険できて楽しかったの。 ポムの事、よろしくね。 |
■バジル To:アイシャ |
僕も楽しかったよ。 お酒の怖さも知る事ができたしね。 |
明るく答えているが目が赤い。
■アイシャ To:ルタード |
アイシャにいろんなこと、教えてくれてありがとう。 奥さんと仲良く暮らしてね。 |
■ルタード To:アイシャ |
ふふふ、アイシャどのこそ、シーアンどのと仲良くの。 つらいときも苦しいときも、お互い手を取り合ってじゃぞ。 いや、ずっとかみさんを放りっぱなしのわしがえらそうに言ってもダメじゃな(笑)。 |
そう言いながらアイシャと握手を交わす。
アイシャの後ではシーアンが”もちろんだ”と言う様に小さく頷いた。
■アイシャ To:ポム |
ポム、アイシャね、えっと…。 |
ポロポロと涙をこぼす。
ポムとは女のコ同士、悩みを打ち明けたり、恋心を相談したり、他愛ない話などもいっぱいしてきた。
つい、涙がこぼれてしまう。
■ポム To:アイシャ |
な、泣くなよアイシャ! これはめでたい事なんだから! |
と言いつつポムも涙が溢れそうだ…
■アイシャ To:ポム |
あのね、ずぅっと前に、アイシャにダガーをくれたよね。 自分だけじゃなく、大切な人達を守れるようにって。 ちゃんと今でも持ってるからね。 |
■ポム To:アイシャ |
うん。 あたしもプレゼントしてくれたタンバリンで歌うよ 何時だって誰かを楽しくさせる為に そして思い出すんだ!またみんなで会う時まで(泣笑) |
■アイシャ To:みんな |
えへへ。ごめんなさい。 みんなが元気でいられるように、また会えるように、アイシャ、そのメダリオンに祈りをこめたの。 ちゃんと、アイシャとシーアンの分もあるんだよ。 きっとまた会おうね(にっこり) |
■ポム To:アイシャ&シーアン |
シーアン、アイシャありがとう 大切にするよメダリオン 絶対会おうな♪(^^) |
■バジル To:アイシャ&シーアン |
ありがとう。 僕、大切にするよ。これを見たら、シーアンやアイシャやルタードを思い出すんだ。そして……。 |
そこまで言って言葉が切れてしまう
■バジル To:アイシャ&シーアン |
ごめん。僕、笑ってお別れする気でいたんだけど、駄目だ。 おかしいね。悲しい事じゃないのに、涙が出ちゃうなんて。 これって、おめでたいことで、別に死んじゃう訳じゃないから、二度と会えない訳じゃないから、泣くことなんて無い筈なのに。 |
ぐいっと目元を手のひらでぬぐって
■バジル To:アイシャ&シーアン |
もっと一緒に冒険したかったよ。 でも、いいんだ。きっと僕、シーアン達の子供と冒険の続きをするんだ。 だから、早く元気な子供を作って僕に知らせてね。 |
少し微笑んでウィンクした
■シーアン To:みんな |
もちろん。必ず便りを出すよ。 |
本当はもっとたくさん言いたい事があった筈だが、言葉に出来ない。
口を開いたら、堪えていたものが一気に出てきてしまいそうだ。
シーアンは馬にアイシャを乗せると、自分もその後ろにまたがった。
■シーアン To:みんな |
じゃあな。 また会おう! |
■ルタード To:シーアン&アイシャ |
その日を楽しみにしていますぞ。 |
■ポム To:シーアン&アイシャ |
じゃぁまたな(^^)/ 歌に出来るような面白い場所を見付けたら手紙をくれよ 見に行くからさ |
■バジル To:アイシャ&シーアン |
またね!二人とも元気で! |
■シーアン To:みんな |
ありがとうなっ! |
そう一声叫ぶと、馬を走らせた。後ろは振り返らない。
振り返らなくても、シーアンには力いっぱい手を振る彼らが見えていた。
こうしてシーアンとアイシャの二人はオランを旅立った。 そのままアレクラスト大陸を西へ西へと向かい、アイシャの実家を目指すらしい。
二人の旅は始まったばかりである。だが50年後も、今と変わらぬ二人がいるはずだ。
ルタードはその日の午後、仲間にも知らせずこっそりとオランを発った。
きっと仲間の前で、別れの涙を見せたくないからだろう。
そして彼の向かう所はもちろん愛する妻の元である。
ちなみに他のメンバーは、今しばらくオランに残るようだ。
ポムとバジルの二人は一緒に冒険に出るらしい。
ミュンはしばしの休息との事。
いずれまた彼らは再会し、共に過ごした日々を語り合うだろう。
そこで彼らの変わらぬ友情の証しをここに残しておこう。人形屋敷の奥方<END>
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