SW-PBM #070 人形屋敷の奥方 |
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■オズマルガン邸/厨房の階段 |
シーアン達は食堂から厨房へ抜け、そこから二階へ続く階段を駆け上がる。
狭い階段を上り、扉に手を掛けたがビクともしない。
鍵がかかっているのだろうか?
地下墓地での事を考えると、魔法によるものか。
そしてポムには先程感じていた以上の身の危険が感じられた。
次の魔法が飛んでくるかも・・・。
■ポム To:みんな |
まずい!まずいぞ! ヤバイのが来る予感がする〜っつ! 早くここから出ないとぉ |
■バジル To:ポム |
がんばって!ポム |
扉に張り付いて、罠調べを開けようと試みる。罠は無いようだ。
そして鍵開けを試みたが・・・・・開かない。
魔法でもかかってるのか?
■ポム |
うにに〜ぃ(・・;;;;;; |
■アイシャ To:みんな |
開かなそう?どうしよう ここにいたら、また魔法が来ちゃうよぅ。 |
■ホーク To:ALL |
フェイとて無尽蔵に魔法が使えるはずがない。 扉を破壊して、一気に片をつけるんだ! |
バジルの肩に捕まっている人形のホークから激が飛ぶ。
■ルタード To:みんな |
少々乱暴じゃが、四の五の言っている場合ではないの。 |
ルタードは扉に斧を振り上げ壊そうとする。
ポムもそれに応じて、素早く扉の前から飛びのいた。さすがルタードの力、扉が木製というのもあってあっという間に破壊した。
壊れた扉の向こうへポムが素早く入り、そして慎重に辺りをうかがった。<現在位置:部屋5>
そこへ再び、魔法が飛んできた!!今度の魔法も眠りの雲だったが、シーアン以外の全員が眠ってしまった。
眠りの雲は扉ごしに、唱えられたのだろうか?
一体どうやって・・・。
■シーアン To:みんな |
えっ、お、おい? 起きろ〜っ(^^;;;! |
真っ先にポムをひっぱたき、続いてルタードとバジルを踏みつけ、最後にアイシャの肩を揺さぶって起こそうとする。
魔法で眠らされた仲間は目覚めたが、人形のカテリーナはまだ寝ているようだ。
ちなみにホークはバジルと一緒に踏みつけられ、それで目覚めた模様。破壊した扉の破片を踏み越えながら、部屋<MAP5>へ入ったシーアン達。
寝室への扉は閉じられている。
そして隣の部屋から、窓が開かれるような音が聞こえてきた。
■バジル |
痛い…… |
■ホーク |
・・・・・・・・・・・。 人形の体なので痛みは無いが、少し押しつぶされたのか動きづらいな・・。 |
■ルタード |
無理に寝かされたり起こされたりで、身体がおかしくなりそうじゃ。 |
■アイシャ |
あやや |
■ポム |
いててて… |
と言いながら、隣の扉が開くか一応確かめる。
だが予想通り鍵がかかっていた。
■ポム To:ルタード |
ルタード頼む〜! |
扉の前からから素早くどく。
■ルタード To:みんな |
用意はいいかの? |
■バジル To:ルタード |
オッケー! |
突入の準備を全員にうながすと、扉に向かって大斧を振り下ろす。
木製の扉はルタードの渾身の一振りで、ノブの辺りは破壊された。
これで問題無く扉は開く事だろう。閉じるのはできそうにないが・・。
部屋の中はかなり広いが、豪華な調度品等は一切無い、至ってシンプルな部屋であった。
そして右手の窓の辺りでは、メイド服のエレが椅子の上に立ち、窓から外へ身を乗り出そうとしていた。
彼女は扉を破壊し、部屋に入ってきたシーアン達の方を見ると、
胸元から青白く輝くペンダントの様なものを取り出し、それを左手に持つ。
■フェイTo:ALL |
それ以上、近づくんじゃないよ!! 少しでも近づいたら・・・・、只じゃおかないわよ・・。 |
■ポム To:フェイ |
どうなっちゃうんだ? |
■フェイTo:ポム、ALL |
そうね。 私がここから下へ頭から飛び降りるのはどうかしら? この子の身体が使い物になるかもしれないし、運が良くても顔が見れない状態になるかもね。 どう?やってみる? |
そう言いながら、エプロンのポケットから人形を取り出した。
■ホークTo:ALL |
あれは・・エレの精神が封じられている人形だ・・・・・。 |
■ルタード To:フェイ |
とめぬから、遠慮せずやってみてはどうじゃな? その娘の身体を捨てたあとで、再び誰かの身体を乗っ取れると安易に思いこんでいるのであれば、の。 |
■フェイTo:ルタード、ALL |
じゃあ、下で眠っている森の妖精さんの身体を頂こうかしら。 それにとても若くて、綺麗な髪をしていたわよね。 あの身体で毎日色々な衣装を着替えたら、さぞかし楽しいでしょうねぇ。 |
■ポム To:フェイ |
そんなふうに人も自分も痛そうな事考えちゃ駄目だ どうしてこんな事しちゃったんだ? |
■フェイTo:ポム、ALL |
貴方達が大人しくしてくれれば、私もこんな事をしなくてすむわね。 それに若い貴方達にはまだ分からないでしょうけど、肉体が老いていくのはとても耐えられない事なのよ。 |
■ルタード To:フェイ |
ふん、あらゆる者が経験し、葛藤の末に受容していくものに、おぬしはひとり耐えられないというわけか。とんだお笑いぐさじゃな。 |
■バジル To:フェイ |
あなたの本当の身体はどうしたの? あなたに愛されなくなった可哀想な身体は…… |
■フェイTo:ALL |
さぁね。とっくに土にでもなってるんじゃないの? なにせ100年以上前に捨てたからね。 |
■ポム To:フェイ |
でもこんな事してたら、自分が誰だか解らなくなりそうじゃないか 自分がなくなっちゃってもいいのか?独りぼっちになっちゃうんじゃないのか? |
■フェイTo:ALL |
そんな事はどうでもいいのよ。 鏡を見て自分の顔に染みがあってみなさい。手の甲に皺があったらぞっとしない? 時が経てば、皺だらけのおばさんやボケ老人になるのよ? 貴方達はそれを甘受できるの?耐えられるの? 私には耐えられないわ・・・、老いていくと考えただけでぞっとするわね。
だから私が永遠に若くいられるのであれば、なんだってするわ! |
フェイの言葉にはまるで、老いる事や老人への憎しみが感じられた。
■ポム To:フェイ |
そんな事ない! |
■シーアン To:フェイ |
・・・体だけ若くたって、あんたの精神は老人だよ。 若いってのは今を大切に生きるんだ。過去のことや未来のことなんか知るか! ”永遠”なんてぞっとするぜ! |
■アイシャTo:フェイ |
それじゃ生きてるって言わないの〜。全部借り物なの〜。 生きてる人が老いるのは自然な事なんだよぅ。 体を盗られた人が、…フェイも、このままじゃ哀しいままなの〜。 |
■フェイ To:シーアン、アイシャ |
ほほほほほ、そう言う貴方達二人こそ若いわねぇ。 いい? 老いれば愛なんてものは消えてなくなるのなのよ。 そう、単なる幻想に過ぎないわ。 だから私は永遠の若さを手にするの、これこそ確かなものなのよ! そろそろ長話もこれまでにしましょうか。 どう?貴方達に一切の危害は加えないから、大人しくこの場を立ち去ってくれないかしら? 無用な怪我なんてしたくないでしょ? |
■シーアン To:フェイ |
若くて美しければ愛が手に入ると思ってんのか? それこそ幻想だぜ、思いあがりもいいとこだ! 男はそんなにバカじゃねぇぞ! 年齢を重ねた美しさってもんがあるじゃねーか?俺は美しい魂こそが確かなものだと思う。見かけだけの美しさなんてな、安いメッキのようなものさ。 |
■アイシャ To:フェイ |
・・・じゃあ、今のフェイのことは誰が愛してくれているの? みんなが見てるのはフェイじゃなくて、その体の持ち主なの〜。 若い人の体を奪っても、ちっとも幸せそうじゃないよぅ。 このまま別人のふりをして生きていくの?…フェイ、それじゃ、ずっと1人ぼっちのままなの〜。 フェイの事を愛してくれた人がいたでしょ〜? きっと、その人たちはフェイが老いたからってキライになんてならなかったよ〜。 …みんなに体を返してあげてよぅ。 その人たちにだって愛してる人や愛してくれる人がいるんだよ? |
■フェイ To:シーアン、アイシャ |
うるさいわね!! そんな事はもうどうでもいいのよ! |
シーアンとアイシャの言葉が余程気に障ったのか、今までに無い位の激しい怒りをあらわにする。
■ルタード To:シーアン |
シーアンどの、どうせ相手は聞く耳持ちません。話すだけ時間の無駄です。 わしらはわしらの流儀でいきましょう。 |
そしてポムに目配せする。視線を受けて、ペンダントめがけてポムはダッシュ!
続いてシーアンもフェイに向かってダッシュする。
■フェイ To:シーアン、ポム |
!? 警告を無視するの・・・! |
フェイの言葉が終える前に、ポムはペンダントを持つ左手に飛び掛かり、目にも止まらぬ早業であっという間に奪い取った。
幾ら器用で素早いポムでも、今回の事はそうそうできるものではないだろう。
■ポム To:フェイ |
見なかった事に出来ないよ。フェイ |
使い魔を警戒して、ポムは奪い取ったペンダントをさっと懐に仕舞う。
■バジル To:ポム |
さすが! |
そしてシーアンがフェイの右手を引っつかみ、グイッと一引き。
彼女を椅子の上から引き摺り下ろそうとする。
フェイも抵抗を試みるが、さすがに不安定な足場ではシーアンの力に対抗できるはずがない。
あっさり引き摺り下ろされ、シーアンの足元に転がる。
■シーアン To:誰か |
今だ、エレの人形を取り上げろ! |
アイシャがシーアンの声に反応して、慌てて人形を掴む。
■アイシャ To:シーアン |
取ったの〜。 |
■アイシャ To:エレ(人形) |
エレ、だいじょうぶ? |
■エレ(人形) To:アイシャ |
あ、あの・・。その・・。 |
どうやらエレ(人形)は急展開に混乱しているようだ。
■アイシャ To:カテリーナ(人形) |
カテリーナさん、起きて〜。 |
ついでに、シーアンの腰にぶら下がってるカテリーナ(人形)を揺さぶりながら起こします。
■カテリーナ(人形) To:アイシャ |
? ごめんなさい。また寝てしまっっていたようですね。(汗汗 あの・・・、今はどの様な・・。 |
眠っていた為に、状況が理解できてないようだ。
■アイシャ To:カテリーナ |
ポムがペンダントを取って、シーアンがフェイを捕まえたの。 ほら、エレも無事だよ〜。 |
と言って、エレ(人形)を見せる。
■カテリーナ(人形) To:アイシャ、ALL |
あぁ・・、無事で良かった。 皆さん本当にありがとうございます・・・。 |
そして一段落したところで・・・。、
■シーアン To:フェイ |
ペンダントも人形も無くてまだ抵抗すんのか? なぁ、年老いたくないならあんたこそ人形に入ったらいいじゃないか。コマンドワードを教えてくれ。教えられないと言うのなら、こっちにも考えがあるぜ。 エレには悪いが俺達の依頼人はカテリーナなんだ。彼女を元に戻す為なら多少の無茶もしょうがねぇからな・・・。 |
シーアンは脅しをかけるが、フェイを口をつぐんだまま何も答えない。
ちなみにフェイの右手はシーアンの捕まれたままである。ルタードはフェイの許に近寄ると、妙に手際よく猿ぐつわをする。
これは舌を噛ませない為の予防なのだろう。
■ルタード To:フェイ |
合言葉を教える代わりに、人形に入って「永遠の若さ」を保証してもらうか、それとも、わしらの手でおぬしの存在そのものを消滅させられるのを甘受するか……。ことここに至っては、二つに一つじゃ。 |
そしてルタードは懐から羊皮紙と羽根ペンを取り出す。
これで合言葉を書けとのことらしい。だがフェイは全く手を動かそうとしない。
ただシーアン達を睨み付けているだけだ。
■アイシャ To:ホーク(人形) |
ホークさん、コマンドワードは知らないの? |
■ホーク(人形) To:ALL |
あぁ、残念だがそこまでは分かっていないんだ。 だからどうしても聞き出さなくてはならないんだが・・・。
とりあえずフェイは縛っておいて、先にカテリーナの肉体を確保してもらえないかな? |
■ポム To:ホーク |
地下の貯蔵庫?なんでまた??? ホークの身体もそこにあるのか? |
■バジル To:ホーク |
貯蔵庫って…… 確かに生もの保存場所にはぴったりだけど。 |
■ホーク(人形) To:ALL |
あぁ、そうだ。 私が調べた所、どうやら貯蔵庫に使っていない肉体を保存しているらしい。 それを先に確認しておきたくてね。 |
■シーアン To:みんな |
ここはホークの意見に従おう。 ―――っと、フェイをこのままにしては置けないな。 ポム、悪いけど見張り頼むぜ。 |
■ポム To:シーアン |
あたし、一人でか?(^^; |
ポムはいささか不安そうだ。念の為にフェイの手足を縛ってから、シーアンは貯蔵庫に向かう。
■ルタード To:みんな |
よし、ではここはとりあえずポムどのに任せることにしよう。 |
■バジル To:ポム |
がんばってね。何かあったら大声で呼ぶんだよ〜 |
他の者もシーアンのあとに続き、部屋を出て行く。
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