SW-PBM #070
人形屋敷の奥方

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■夜のオズマルガン邸 
なんとかスケルトン・ウォリアーを倒し、地下墓地から抜け出したシーアン、ルタード、バジルの三人とカテリーナ(人形)。
倉の中から外の様子を伺うと。

厨房と食堂には明かりが灯っている。だが人の気配を全く感じない。
まだアイシャ達は帰ってきてないのだろうか?
それとも・・・・。

■カテリーナ(人形) To:ALL
外の様子はどうですか?

■シーアン To:みんな
厨房と食堂に明かりがついてる・・・。厨房の裏口から侵入するのはよした方がよさそうだな。

■ルタード To:シーアン
となると、正面玄関からですか? やや不用心な気もしますが……。

■バジル To:シーアン
う〜ん……鉢合わせしたらまずいものねぇ

シーアンはちょっと屋敷の構造を思い出してみる。
正面玄関、厨房の裏口の他にまだ屋敷へ入る入り口があったはずだ・・・。
■シーアン To:みんな
―――あ、思い出したぞ。
浴場に窓があっただろ?あそこから侵入可能じゃねぇか?

■ルタード To:シーアン
……あの窓ですか。確かに入れそうではありますな。

思い出したらしい。
■カテリーナ(人形) To:ALL
浴場の窓はかなり大き目ですので、外からも入れると思います。
ただ、あの高さは・・・。

チラリとルタードの方を見る。
彼女の話では窓までの高さは150センチはあったそうだ。
まぁシーアンが踏み台になれば問題は無いだろう。
■ルタード To:シーアン&バジル
あそこならば、警戒も薄そうですし、こっそり進入できるかも知れませんな。
とりあえず、行ってみましょうか?

■シーアン To:みんな
あ、待てよ。窓の下って浴槽じゃなかったか?
(大きな音出そうだし、濡れるし、その後歩くたびに足跡残りそうだなぁ)
・・・もっとスムーズに入れるところはねぇのかよぉ(^^;

■ルタード To:シーアン
容易に忍び込めるところが、そうそうあるとも思えませんが?

■シーアン To:みんな
そ、そうだ。
応接間の窓はどうだ?
昨日、猫が締め出された時にそこから入れてやったんだけどよ、偽エレがまだ戸締りをしてなければ、もしかしたら開いてるかもしれねぇぞ。

■バジル To:シーアン
普段、猫さん達用に開けてるみたいだし。

■カテリーナ(人形) To:ALL
そちらは鍵さえ開いてれば、入り易いかもしれませんね。

かくして表の応接間の窓から侵入を試みる事になった。
既に日は暮れ、付近は闇に支配されている。
いくら月明かりが照らしているとは言え、こちらが明かりを点けない限りはそうそう見つかりはしないだろう。

念のために大きく迂回するように庭を西側から回り込み、表の方まで忍んできた・・・はずなんだが・・。
ルタードの鎖帷子が歩く度に擦れ、その音が静かな庭に響く度にばれたのかと心配になる。
もし食堂か厨房等屋敷の西側に人が居たならば、気づかれたかもしれない。
今の所はそういう様子は無いが、シーアンには何か引っ掛かっていた。
おかしい・・・誰かに見られてないか?
だが何処から視線を感じるのかは分からない。

■シーアン
誰かに見られているような気がする・・・。
どこだ?
・・・・・・わからねぇ。俺の気のせいか?

■バジル To:シーアン
そう?
僕は感じないけど……。フェイに見つかったなら何か起こるだろうし、誰なんだろう。

そして応接間の窓の前までやってきたシーアン達。
部屋の中は真っ暗だ。これだと普通は誰も居ないだろう。
だが念のために聞き耳をして、中の様子を伺う・・・・・が何も聞こえてこない。
狩人の出であるシーアンの耳にも物音は聞こえないので、まず大丈夫だろう。部屋の中には誰も居ないはずだ。

それよりもシーアンが気になったのは、先程ほんの一瞬だが門の辺りで何かがキラっと光った事だ。
あれは何なのだろう?

■シーアン To:みんな
物音は聞こえないし、大丈夫そうだな。
ここから入ろう。

・・・と、ごめん。ちょっと待っててくれ。
さっき門の所で何かが光ったのが見えて・・・すごく気になるんだ。
何だったのか確認したらすぐ戻ってくるから、頼む。

■ルタード To:シーアン
それはかまいませんけども。

■バジル To:シーアン
目がいいね、シーアンは。

一人シーアンは先程光った何かを確認する為に、門の所までやってきた。
辺りの草むらを捜してみると、髪飾りが見つかった。
おや?
確かこれはシーアンが以前、エプロンのお礼にとアイシャに贈った髪飾りではないか。
しかし先程キラリと光ったのは何故だろう?これは木製の髪留めなのだが・・・・。
■シーアン
(これ、アイシャの・・・?
そうだ。俺があいつに最初に買ってやった奴だ。
なんで、こんな所に落ちてんだよ?
何があったって言うんだ、アイシャ!?)

アイシャの身に良からぬ事が起きたと思い、愕然とするシーアン。
髪留めを握り締め、ふらふらとみんなの所へ戻ってきた。
■シーアン To:ルタード、バジル
これが落ちてたんだ。
アイシャの髪留めさ。
いつもつけてたのに・・・。
アイシャが捨てるわけがないんだ。だとしたら、なんだ?
俺達が閉じ込められていた間にアイシャはもう―――

フェイに身体を乗っ取られてしまったのではないか?
そう思うが口に出来ない。
GM:ちなみにミュンの立場は・・・・。(汗汗
■バジル To:シーアン
落ち着いて!

■ルタード To:シーアン
シーアンどの、あまり先走って悪い方へ悪い方へと考えるのはやめましょう。
髪留めというものは、そうめったやたらに外れるものではないでしょう。あるいは、アイシャどのは、わしら、とりわけシーアンどのに何かを伝えたくて、あえてこれを目印代わりか何かに落としていったのかも知れません。

■シーアン To:ルタード
何かを伝えたくて・・・?
目印に?
・・・・・・わからねぇよ、それじゃ。

■バジル To:シーアン
ミュンだって一緒だったんだから、大丈夫だよ。
それにほら、その髪留め、傷ついたり汚くなったりしてる?
少なくとも戦ってる最中に落ちたのかどうかは判断つくでしょ?

■シーアン To:ルタード
・・・・・・・・・
(確かに、キレイなままだ。
無事なのか、アイシャ?)

■ルタード To:シーアン&バジル
とにかく今は、ホークどのを見つけてフェイを倒す策を授かるのが先決。
こうしているうちにも好機は少なくなっているかも知れません。
さあ、行きましょう!

ルタードが応接室の窓に手をかける。
■バジル To:シーアン
さ、早く。
その髪留めをアイシャに返すためにも、ね。

■シーアン To:バジル、ルタード
よし、考えるのは後だ。

そして彼は窓から応接間に忍び込む・・・。

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シナリオ編集:倉沢真琴 kushida@terra.dti.ne.jp